「やりたいこと」からパッと引ける Googleアナリティクス分析・改善のすべてがわかる本 改訂版

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収益アップのためのテクニック

本書では、自社サイトの気付きが発見しやすいレポートや機能を中心に紹介しています。改善事例という分析後の結果ではなく、力を付けるために、そこに至る「分析方法」や「改善の考え方」というプロセスを重視した一冊となっています。レポートの「見方」ではなく「使い方」を、本書を通じて学ぶことができます。

はじめに

本書はGoogleアナリティクスを中心に、データの見方・分析の仕方・改善方法を紹介する一冊です。しかし本書はGoogleアナリティクスの機能やレポート一覧の本ではありません。Googleアナリティクスには100種類近くのレポートがあります。しかし本書に登場するGoogleアナリティクスのレポートの種類数はその3分の1程度です。大切なのはすべてのレポートを使えるようになることではありません。1年に1回使うか使わないかというレポートを理解するのではなく、自社サイトの気付きが発見しやすいレポートや機能を中心に紹介しています。

そのため同じレポートが何度も出てきます。しかし、そのレポートをどのように見ればよいのか。どういった切り口を当てればよいのか。そういったレポートの「見方」ではなく「使い方」を、ぜひ本書を通じて学んでいただければと願っております。

序章はいきなりGoogleアナリティクスの説明に入るのではなく、Webサイトをそもそも分析して改善するための手順について紹介します。Googleアナリティクスを最も効率よく使う方法は「何を分析するかを分析する前に決める」ということです。まずはこの手順を理解しましょう。第1章~第8章では「知りたい」軸からのGoogleアナリティクスの活用方法を紹介します。

皆さんがデータを見る際には「この機能を使いたい」というニーズで始まることはないかと思います。サイトのこの部分について知りたい、あるいは、こないだ行った施策を評価したいといったニーズなのではないでしょうか。第1章~第8章はこの観点で分類しタイトル付けを行っています。なかなか仮説が思いつかない時は、本書を読みながら「うちのサイトでもこれを知りたい」という形で使っていただくのもよいでしょう。第9章では分析で得られた気付きから、改善施策をどのように考えるのかという具体的な打ち手の部分に触れます。付録に、Googleアナリティクスの設定ポイント・Googleタグマネージャーの設定と活用事例・アクセス解析の用語について言及しました。

分析・改善に近道はありません。本書で紹介したすべての内容が、すべてのサイトで役立つわけではありません。本書では、気付きが発見しやすい特徴的なデータやGoogleアナリティクスのスクリーンショットをわかりやすさ重視のために紹介していますが、皆さんのサイトでも同じような気付きが見つかるとは限りません。分析の内、8割は「想定内」の結果が見つかることでしょう。もちろん、想定内だからダメというわけではなく、数値でしっかり可視化して事実として認識することは大切です。残りの2割では、新しい気付きが見つかるかもしれません。しかし新しい気付きが発見できるレポートは毎回同じとは限りません。

だからこそ、本書を通じて、様々な分析の切り口を知っておくことで想定していなかった気付きが生まれる可能性は高まり、それが大きな改善に繋がるヒントになるでしょう。

増補改訂版にあたり、新たに分析の事例を多数追加しました。少し難易度が高いものもありますが、ここ数年で筆者が実践から見つけた、気付きが発見しやすい分析だろうということで追加しました。また各所細かいアップデートもしていますので、より使いやすくパワーアップしています。

本書は皆様のサイト改善をお約束するものではありませんが、必ず新しい武器や価値を提供できる書籍になっています。改善事例に関しても第9章で触れていますが、文量の都合から少し控えめとなっています。改善事例に興味がある方は、拙書(『Webサイトの分析・改善の教科書 増補改訂版』)もあわせてご覧ください。
本書では改善事例という分析後の結果ではなく、皆様に力を付けていただきたい。そこに至る「分析方法」や「改善の考え方」というプロセスを重視した一冊となっています。

ぜひ本書を通じて、継続的に使える武器を手に入れ、磨いていただければ幸いです。
2020年7月
小川卓

Contents

はじめに
「やりたいこと」「知りたいこと」からパッと引ける日的別インデックス
書物サポートサイトについて/本書ご利用にあたっての注意事項

Prologue 序章サイト分析のプロセスを理解する
Step1. ヒアリングの実施
Step2. 対象サイトの理解
Step3. 分析方針の整理
Step4. 解析ツールの設定確認
Step5. データ取得と加工
Step6. 気付きからの施策検討
Step7. 資料作成

Chapter 1 ユーザーを理解するための分析
Section 1-1 メルマガやキャンペーンの最適な配信時間を知るには?
ユーザーの訪れる日時を把握する:「曜日×時間帯」レポートの活用
Section 1-2 男女どちらの訪問者が多いのか?興味は何なのだろう?
訪れる人の年代・性別・味関心を知りコンテンツや企画の検討に活かす
Section 1-3 サイトを見ている人がどの地域から見ているのかを把握したい!訪れる人の地域や地域ごとの特性を知る
Section 1-4 企業向けサイトでも、スマホ流入の増減が気になる!
デバイスの種類を把握する:デバイスレポート
Section 1-5 同業他社と比べてうちの直帰率は高いの?低いの?
自社サイトは同業他社と比べて優れているのか?ベンチマークレポートの活用

Chapter 2 流入元を分析する
Section 2-1 検索?SNS?広告?ユーザーはどこから来た?
サイトへの流入経路を確認する:「集客」レポートの活用
Section 2-2 特定の広告やメールマガジンなどの流入をしたい
施策ごとの流入経路を把握する:キャンペーンレポートの活用
Section 2-3 集客の全体像を把握するために見るべきレポートは?
新規を呼ぶ集客は?滞在が長い集客は?集客の特徴をつかもう
Section 2-4 コンバージョンに繋がっている施策を洗い出すには?
間接的に効果がある集客はどれだろう?起点とアシストを評価する
Section 2-5 検索エンジンからの流入を徹底的に知りたい! 自
然検索からの流入を分析して改善する
Section 2-6 広告注入の特徴やアドワーズの活用法を知りたい!
リスティングからの流入を分析して改善する
Section 2-7 他のサイトから来るユーザーを増やしたい!
参照ドメインからの流入を分析して改善する
Section 2-8 狙ったターゲットに広告を出稿し、効果を確認したい!
広告からの流入を分析して改善する
Section 2-9 「Direct」「ノーリファラー」ってどこからの流入?
ノーリファラーからの流入の種類を把握し内訳を知る
Section 2-10 FacebookやTwitterなどから来るユーザーを増やしたい
ソーシャルメディアからの流入を分析して改善する

Chapter 3 新規・リピートを分析する
Section 3-1 ソーシャル経由でリピーターの獲得はできているのか?
新規とリピートの比率を把握し特徴を確認する
Section 3-2 何回目の訪問が、一番購入にがりやすいのか?
コンバージョンに繋がる最適なリピート回数を把握する
Section 3-3 リピーターはどの機能をよく利用しているのか?
リピーターが利用するコンテンツや機能を把握する
Section 3-4 ユーザー様特率の高い入元を知るには?
リピートに繋がる流入を把握する

Chapter 4 入口と出口を分析する
Section 4-1 改善すべきランディングページの優先順位のつけ方は?
流入が多いランディングページと課題となるページを発見する
Section 4-2 なぜ、このランディングページは直帰率が高いのか?
課題となるページを改善するための方針を決める
Section 4-3 キャンペーンページに入った人は次にどのページを見る?
ランディングページからの遷移先とコンバージョン貢献を知る
Section 4-4 サイトを訪れた人は、どのページから帰ってしまうの?
離脱が多いページを発見し改善するための方針を決める
Section 4-5 良い直帰と思い直帰の違いって何?
ユーザーのアクションを見極め直帰をより正確に計測する
Section 4-6 書いたコンテンツは最後まで読まれているの?
スクロール・読了・滞在を利用してページ内の評価を細かく行う
Section 4-7 読み込みが遅いページは説や直に影響を与えている?
ページの速度と直帰・離脱の関係を把握する

Chapter 5 ページ閲覧と導線を分析する
Section 5-1 新しく作ったページが見られているのか知りたい!
ページの閲覧状況を把握する
Section 5-2 商品ページが合計でどれくらい見られているか知りたい!
ページより大きい単位でユーザー行動を可視化する
Section 5-3 特集のうち、最も成果に貢献しているページを知るには?
それぞれのページのコンバージョン貢献を探る
Section 5-4 ページが1日表示されることにどれくらい売上に繋がるのか?
「ページの価値」を利用してページビュー当たりの貢献を見る
Section 5-5 「進んで欲しいページ」に本当にユーザーを導けているのか?
あるページの前後の移を見る
Section 5-6 サイト内の主要ステップで説が最も多いのはどこ?
ユーザーにたどってほしい主要導のファネルを作成する
Section 5-7 たくさん商品を見てもらうことは購買に期がるの?
セグメントのシーケンス機能とコンバージョンの関係を分析する
Section 5-8 お客さんはサイト内で何を探しているのか?
サイト内検索キーワードを取得して分析する

Chapter 6 サイト内のアクションとユーザー状態を分析する
Section 6-1 ボタンのクリックなどを計測することは可能?
特別なユーザー行動を計測するイベント機能の活用
Section 6-2 商品の「一覧」と「詳細」ページでイベントを設定するとしたら?
イベント取得・実践編:一覧と詳細ページでイベントを活用する
Section 6-3 ランディングページでイベントを設定するとしたら?
イベント取得・実践編:ランディングページでイベントを活用する
Section 6-4 「お気に入り」に商品を追加すると購入にがりやすい?
イベント分析・実践編:利用とコンバージョンの関係をチェックする
Section 6-5 スクロール計や動画再生、メルマガ開封なども取得できる?
こんな使い方でもできる!イベント活用ガイド
Section 6-6 ログインしている人としていない人でサイト内行動は違う?
ユーザーの状態を取得して分析するカスタム定義の活用
Section 6-7 検結果件数によって、商品ページへの移率は変わるの?
カスタム定義取得・実践編:一覧と詳細ページでカスタム定義を活用する
Section 6-8 どのカテゴリやライターの記事が一番人気なの?
カスタム定義取得・実践編:記事ページでカスタム定義を活用する
Section 6-9 ロコミの点数が高いと購入率は上がるもの?
カスタム定義分析・実践編:利用とコンバージョンの関係をチェックする

Chapter 7 コンバージョンと購入を分析する
Section 7-1 サイトの目標には何を設定すれば良いのか?
サイト種別:目標の設定例と設定方法
Section 7-2 どの商品がいくら売れたのか?」を具体的に知りたい
コンバージョンの内訳:eコマースレポートの活用
Section 7-3 コンバージョンをセグメントで絞り込むには?
年齢や性別、デバイス別にコンバージョンを確認する
Section 7-4 お客様の「やっぱり買うのやめた」を減らしたい!
「かご落ち」への対策:コンバージョンプロセスを可視化する
Section 7-5 2つ以上のコンバージョンのどちらに注力すれば良いの?
セグメントを利用してコンバージョン同士の関係を見る
Section 7-6 ユーザー1人1人は実際どのようにコンバージョンしたの?
1人のユーザーのコンバージョンまでの動きを見る

Chapter 8 コンテンツを分析する
Section 8-1 今月公開した10本の記事のうち、もっとも「良い」記事はどれ?
コンテンツを評価するための「4つの力」
Section 8-2 私が書いた記事は、多くの人に読まれているのか?
4つの力の強化プロセス:「集客力」と「閲覧力」を活用しよう
Section 8-3 どのコンテンツが回遊や成果につながっているのか?
コンテンツの強化プロセス:「話力」と「成果力」を活用する
Section 8-4 4つの力を使った事を知りたい
4つの力を活かしたコンテンツ改善例

Chapter 9 改善施策の考え方
Section 9-1 分析からどんなことがわかるの?
分析から得られる気付きを3つに分類しよう
Section 9-2 自社を参考に、考え方を知りたい
具体的な「改善」の考え方その1:自社サイトのデータを活用した改善
Section 9-3 自社内で比較するページがない場合はどうしたらよい?
具体的な「改善」の考え方その2:ポイントを決めて同業他社と比較する
Section 9-4 「良い!」と感じた音をストックしておこう
具体的な「改善」の考え方その3:良い施策を「保存」するクセを身につける
Section 9-5 実行のために意思決定者を説得するコツは?
改善施策の効果予測」と優先順位の考え方

Appendix 1 Googleアナリティクスの初期設定と基本操作
Appendix 1-1 Googleアナリティクスの始め方~アカウント作成から計調まで~
Appendix 1-2 Googleアナリティクスを始めたら押さえておきたい7つの初期設定
Appendix 1-3 Googleアナリティクスの基本的な使い方

Appendix 2 Googleタグマネージャーの使い方
Appendix 2-1 Googleタグマネージャーを活用するメリット
Appendix 2-2 Googleタグマネージャーの仕組みと考え方の理解
Appendix 2-3 Googleアナリティクス向けのタグマネージャー設定例

Appendix 3 Googleアナリティクスアクセス解析用語

Epilogue 終章 アナリストに必な5+1の能力。2
1. 設計力
2. 仮説力
3. 施策実行力
4. 情報収集力
5. 情報発信力
+1:Agile(高速化・効率化)
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INDEX

「やりたいこと」「知りたいこと」からパッと引ける目的別インデックス

本書で解説しているGoogleアナリティクスその他関連ツールによって、「データの取得方法」「気付きを得るための分析手法」「考え方」など、読者の皆さんが「やりたいこと」「知りたいこと」を目的別に集め、インデックスを作成しました。Sections号または、具体的なページ番号から目をお引きください。なお、Googleアナリティクスのメニュー名や名から探したい場合は、巻末の引をください。

書籍サポートサイトについて
本書に掲載されたGoogleアナリティクスの関連リンク集、正誤表などを公開します。下記URLよりアクセスしてください。
http://www.sotechsha.co.jp/sp/1270/

本書ご利用にあたっての注意事項

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