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筆者は、早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論の野口悠紀雄氏。“超”シリーズ (「超」文章法、「超」整理法など)の新作が今回の「超」独学法となります。
第1章: 独学の第一歩を踏み出そう
講義を受けたり、授業を受けることは勉強法としては受動的で、逆に独学は勉強法でも能動的な側面があります。独学のメリットは自分に合った形で(時間的にも、難易度的にも)勉強ができる、「勉強したい」と思って勉強をするので楽しいという点があり、短所は継続できなくて途中でやめてしまう、何をすればよいのかわからなくなる、勉強仲間が作れないという点があります。行き詰ったらまた始めに戻ればいいのだからとにかく始めることが重要であり、独学によってしか何が自身に役に立つのかということ、つまり味方はわからないという面もそえられます。
第2章: 独学者たちの物語
例えば、外国語を独学で習得したシュリーマンは、自分の学んでいる言語の長い文章を全文暗記する、その言語での朗読を誰かに聞かせるという勉強をしていました。ほかにも多くの歴史的に著名な人物がそれぞれの独学法で研究の成功を収めています。時代の変化が激しいので独学をしなければ変化についていけなくなり、そのためこれからの時代また独学が重要になります。
第3章: 私も独学で勉強した
筆者は学校の勉強や仕事をこなしつつ独学を続け多様な分野の知識を身に着け、仕事で役立つ知識のほとんどが独学で学んだことであります。しかし、大学で勉強することが無意味なわけではありません。大学で勉強する意味は、この程度の勉強しかやらないのかと認識するためであり、その認識が別の分野を勉強するための自信につながります。
第4章: 独学は新しい働き方を可能にする
日本はこれまで大学に入ることが目的になっていてその後の勉強はあまり重視されなかったかと思います。その結果1990年代からの世界の急激な変化に着いていけず世界的な競争に負けてしまいました。人生100年時代では当然新しいことを学び続けなければ時代に置いて行かれてしまうでしょう。そのために独学は自身で考えてやるのでアンテナを常に張っておりその心構えは重要であり、企業を定年で辞めた後も続けられるフリーランスについても前向きに考えられる社会にならなければいけません。
第5章: なぜ学校でなく独学のほうがよいのか?
学校で勉強をするのは、自分のレベルに合った授業を受けられない、実践が少なく実際にできるようになれないなど短所があり、独学で勉強したほうが実力がつきます。もちろんデメリットもあり、すべてがそうとは限らなく、大学では同じ目的意識をもっている人が周りにいます。その中での情報交換は、新しいビジネスを立ち上げる時に重要な意味を持ちます。独学ではこのような機会はないことはあります。
第6章: 独学を継続させるには
独学の継続のために必要な4つのこと
1. はっきりした目的を持つ
2. 強いインセンティブを持つ
3. 勉強の楽しさを活用する
4. 時間を確保する
第7章: 学ぶべきことをどのように探し出すか?
独学の最大の問題はカリキュラムの作成であります。カリキュラムを作るときには問題意識を明確にすることが重要。そしてその中で重要な点を抑えている人がよく勉強ができる人である。書籍から知識を得るにしても隅から隅まですべて読むのではなく重要性の高いところを重点的に読むほうが多くを学べます。
第8章: 英語は独学でしかマスターできない
ビジネス英語は独学でしか習得できませんし、どんな仕事でも英語は必要であります。しかし英会話学校は仕事の時に必要な専門用語は教えてくれません。なにより英語の勉強は聞く練習が重要だと筆者はときます。話すよりも聞くほうが重要というのは、聞き取れないと何を返して良いのかわからないからです。また、聞けるようになれば話せるようになるものであり話す練習は全くいらないと言及しています。
第9章: 検索は独学の重要な道具
検索は独学を進める場合の極めて重要な道具。しかし、漠然とした意味は分かっているが検索すべきキーワードはわからないという状況の時に調べるのは難しいです。また、検索には落とし穴があります。信憑性の欠如と体系性の欠如です。良いことだけではないので、検索に頼りすぎず、”ツール”として利用して”判断力”も自身で養う必要があります。
第10章: 人工知能の時代に独学の必要性は高まる
AI時代になり人間のやることがなくなってしまうのかというとそうではありません。「何を知るべきかという方向を決めること」、これこそが最も重要な課題、これはAIで解決できない問題です。AIが進歩しても勉強の必要性はなくなりません。AIが人間の仕事を取ることもなく、そこからまた生まれる仕事にはまた新しい知識が必要になる可能性があります。
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