Appleのデジタル教育 – 教育をリワイヤする

インターネットなどのデバイスが普及し、情報が溢れかえる時代になり、人々の生活や考え方は一変しました。その変化の中で、教育方法をそのまま変えずに置くことはできません。教育を見直すにはどうしたら良いか、どのような方向に教育を変えていくべきなのかが書かれた本書「Appleのデジタル教育」での 単なるテクノロジーを通した教育でなくシナジーを生む学習方法は何かを発見できます。

教育のリワイヤリング(配線のやり直し)方法

現在多くの子供たちがスマートフォンを持ち、インターネットを日常的に利用している。本書は、それが良いことなのか悪いことなのかを問題にするのではなく、この時代に合わせてどのような教育を行うかを問題としている。インターネットなどのテクノロジーを介して膨大な量の情報に触れているので、脳内で起こる変化が激しくなり、そのスピードが大幅に加速したということが考えられます。そのことによって、今の子供たちは、教科書ではなくモバイルアプリから多くのことを発見し学習する力が備わっています。現在の教育システムは今とは全く違う子供たちに教える目的で考案されたものであり、今の子供たちにあった教育方法であるとは言えません。現代の子供に合わせた、教育のリワイヤリングをしなければなりません。

これからの教育で考えることの一つは、モチベーションの向上です。そのためには子供に自信をつけさせなければなりません。学ぶことを愛する気持ちや内発的モチベーションを後押しして育むこと、やりたいと望むことをどんなことでも成功する可能性があると信じることが自信をつけさせるのに欠かせないです。生徒が自分で何かをする「問いに基づく学習」が、教育にテクノロジーを取り入れた学習にぴたりと合致するのは、決して偶然ではありません。また、通常の講義動画を動画で撮影し、その動画をオンラインに投稿するということを行う大学や教育機関が多くなっています。しかし、これは最も程度の低いテクノロジーの活用の仕方であり、真の教育のリワイヤリングとは言えません。どうして偶然ではないのか、真の教育のリワイヤリングと言えないのはなぜかこのような疑問を一つ一つ丁寧に説明して解決していきます。

テクノロジーを活用し教育のリワイヤリングが必要な時期に来ているということを本書は強く主張しています。そのためにどうすれば良いのか、実際にできることは何かがわかるように具体的な例をいくつもあげ紹介しています。

ジョン・カウチ (著), ジェイソン・タウン (著), 花塚恵 (翻訳)
出版社: かんき出版 (2019/3/18)、出典:amazon.co.jp