地域活性化を成功に導く5つの提言 自立・継続と人財育成

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地域活性化の方法を3つの視点から学ぶ

地方を元気にするために、地方の活力を呼び覚ますために、どうすれば良いのかという点において、筆者自身が各地方で地域活性化に携わり、官民問わず大勢の方々と共に経験したことを中心に、「ソフト面」、「コミュニケーションや組織の運営」、「人財と育成」を中心とした「ノウハウ」を紹介しています。

須田 憲和 (著)
出版社 : カナリアコミュニケーションズ (2015/9/20)、出典:出版社HP

はじめに

少子高齢化や首都圏への一極集中による弊害が、日本の将来を大きく左右する喫緊の課題となっております。地方活性化や地方再生という言葉は昔から唱えられていますが、現状においては、もはや様々な課題が複雑に絡み合った末の事象であるが故に、対策を打つにしても従来の単発的な施策では効果が期待できない状況にあります。
2050年には日本の人口は9708万人に減少し、かつ、65歳以上の高齢者が38.8%を占めるという世界的高齢化社会を迎える事実からは逃避することはできません(ちなみに2015年の人口12660万人のうち65歲以上は3396万人(26.8%):2014年版高齢社会白書より)。
2014年、政府はこの問題に真正面から向き合うこととし、閣議決定により「まち・ひと・しごと創生本部」を設置し、政府が一体となって取り組むと共に、各地域が特徴を活かした自律的な社会を創生できるよう国をあげて真剣に取り組むための体制を整えました。
地方創生に係る施策分野は非常に多岐にわたります。本書においては、地方を元気にするために、地方の活力を呼び覚ますために、どうすれば良いのかという点において、私自身が各地方で地域活性化に携わり、官民問わず大勢の方々と共に経験したことを中心に、「ソフト面」、「コミュニケーションや組織の運営」、「人財(人材ではなく人財)と育成」を中心とした「ノウハウ」をご紹介したいと考えております。
国や省庁、地方自治体が執り行う政策は、総合戦略として今までの反省を踏まえた実効性の高いものとなると期待されておりますが、大切なのは施策の「浸透力」と「実行力」です。
国や地方自治体が中心となって戦略を構築しても、実現するには民の力、すなわち各地の住民の皆様や各種団体の皆様の活力がなければ、この大きな課題に立ち向かうことすらできません。
もう時間は待ったなしです。
今こそ、一人ひとりの知恵や行動力が必要とされていると共に、地域に活力を呼び戻すための活動をしている各種団体やチームが当事者意識をもって活躍し、地域をリードすることが、地方創生を成功させる必須条件となりました。
地域のためにご尽力頂いている方々、自らが立ち上がろうとしている方々に、「勇気」と「希望」、活動における「ヒント」をお届けできれば幸いでございます。
特定非営利活動法人元気な日本をつくる会
組織運営本部本部長 須田憲和

須田 憲和 (著)
出版社 : カナリアコミュニケーションズ (2015/9/20)、出典:出版社HP

Contents

はじめに

序章
■地域づくりの基本は先入観を捨て、理解して受け入れること
■自治体と民間の大きな違いを理解する
◎「目的」の違い
◎「慣習」の違い
◎「リソース」の違い
◎縦割り組織ではなく、横串型プロジェクトチーム構築の勧め
■予算という考え方を理解する
■地域活性化のポイントはチームづくりと人づくり
■地方は閉鎖的という概念は間違い
■地域資源は身近にたくさんある

提言その一
地域活動を行う上での組織運営ノウハウ
■プランニング(企画)のアイデア出し
■市場調査分析(「マーケット」「人物」)の重要性
◎事前に自分で調査できること
◎「ヒヤリングによる調査
■他団体への連携アプローチ
■ファンディング(資金手当)の考え方
■マッチング(連携)の考え方
■販路開拓の考え方
■6次産業化の推進支援
■プロジェクト運営の注意点
■組織維持拡大のためには事業構想が必要
■補助金の種類と仕組みについて
■各種事業計画や申請書についての作成のヒント
◎審査員(評価者)の立場に立った視点を持つ
◎提案施策は複合的にシナジー効果を生み出す構成を考える
◎施策の中で使う「キーワード」に配慮をする
◎自分の団体をアピールする

提言その二
地域活性化チームの作り方
■有志賛同型組織は会社組織ではない
■モチベーションの維持とUPについて
◎モチベーション維持に大切な要素1「当事者意識」の醸成
◎モチベーション維持に大切な要素2「一体感」の共有と維持
◎モチベーション維持に大切な要素3「達成感」の共有とメリハリ
◎モチベーション維持に大切な要素4「評価や評判の見える化」
■新聞社などのメディアとのお付き合い
◎新聞社などへのアプローチ
◎取材に来て頂いても掲載の可否は別問題
◎ラジオも地域内へのアピールには有効な手段
◎インターネットでの掲載にも気を配る

提言その三
キーマンと出会う方法
■民間の方々から情報を得る方法
◎地域の酒問屋には意外と情報が集まっている
◎日本青年会議所(JC)の方々は多くの地域貢献を実践されている
◎その他のグループ
■地域おこし協力隊との連携
■キーマンづくりのために注意したいこと

提言その四
ファシリテーターが必要な理由と求められる資質
■発言を引き出すテクニック
■当事者意識を持たせるために
■進行途中では、論点整理をしながら、随所に「OK」や「区切り」を付けていく
■アドバイスと押し付けは紙一重
■時には背中を押す役目も必要
■キーマンや責任者との事前打ち合わせと配慮
■会議時間はしっかり守る
■作業分担の指示を強制してはいけない

提言その五
人材(人財)育成は永遠の課題
■イベントの実体験で経験値は上げられるが、指導には工夫が必要
■企画作成や提案書作成の依頼は、最初に前提情報と考え方を伝える
■団体運営や活動ごとの経理会計に関心を持たせる
■価値観の共有ができるようになるために
■責任感と公的視野の醸成
■自治体や公的機関との調整・意見交換に同席させる
■目先の事象にこだわらない、視野を広く
■他団体の活動や会議にスポット的に参加させてみる
■悩んだときは、尊敬している人ならどういう行動をとるかを想像する癖をつける
■最後に褒めて存在価値を認める

紹介特定非営利活動法人元気な日本をつくる会(パワフルジャパン)
あとがき目に見えない報酬こそが真の価値
須田憲和情報発信

須田 憲和 (著)
出版社 : カナリアコミュニケーションズ (2015/9/20)、出典:出版社HP