【レビュー】eスポーツのすべてがわかる本 – プロゲーマー、業界のしくみからお金の話まで

最前線 – eスポーツを知るこの5冊の目次も確認する

はじめに

「eスポーツがオリンピック種目になる?」「高額の賞金が出る!」「eスポーツが中高生の部活動でも採用」などと、eスポーツはテレビのニュースをはじめ、さまざまなメディアでここ最近話題になっています。
「eスポーツ」という言葉を聞いたことがある人は少なくないかもしれませんが、では「どういうものなのか?」と説明できる人は、どれだけいるでしょうか?そこで本書では、「eスポーツとは何か?」から、そのしくみ、プロゲーマー、お金のことをはじめ、eスポーツの世界をとことん解説していきます。

「何でゲームなのにスポーツというの?」という声もよく耳にします。
eスポーツには、これまで多くの人が親しんできた「格闘ゲーム」のような対戦で勝ち負けが明確に決まるものや、「レーシングゲーム」のようにタイムを競い合うもの、そして「シューティングゲーム」のように戦略や戦術を練ってチームプレイで勝敗を決するものなど、さまざまな種類のゲームがあります。詳しくは本文で解説していきますが、ゲーム自体が「競技」として成立していればF1のようにスポーツとしてとらえられ、どんなジャンルでもeスポーツと呼べるのです。
ただし、eスポーツがスポーツとして成立するには、かつて家庭用ゲームの主なプレイスタイルだった、「友人や家族と部屋でゲームする」という形ではいけません。

サッカーや野球のように、プレイする選手と、それを観戦する観客が必要です。さらにeスポーツは、これらの要素に加え、「賞金を提供するスポンサー」が存在し、大きなビジネスとしてのサイクルがまわっていまeスポーツにかかわる人や、そのビジネスは多岐にわたってきており、なかなか簡単にはその全貌をとらえられません。それは、eスポーツは常に進化し、変化し続けているからです。人だけを見ても、eスポーツ・プロゲーマー(本書では「プロゲーマー」と呼びます)、ストリーマー、アナウンサー、スポンサー、実況者……など、多くの関係者が存在します。日本や世界で開催される大会では、多額の賞金も出るものが多くなり、eスポーツのプレイヤーである選手のスター化も加速しています。ゲーム産業としても、従来のパッケージゲーム販売やダウンロード販売ビジネスに続く、新しいビジネスとして注目を集め、規模も拡大しています。まずは、「eスポーツとはそもそも何なのか?」を本書で押さえることで、これから発展するこのエンタテインメントとビジネスについて、さらに好奇心を持ちながら、理解が深まる一助になれば幸いです。

黒川 文雄 (著) , 加藤 賢治 (編集), 染谷 昌利 (編集)
出版社: 日本実業出版社 (2019/6/20)、出典:出版社HP

 

目次

はじめに
Chapter1eスポーツとは何か?
1-1世界で人気沸騰の「eスポーツ」とは?
ビデオゲームがオリンピック種目に?
そもそもeスポーツって何?
eスポーツの市場規模はどれくらい?
1-2eスポーツはどんな競技なのか?
eスポーツでプレイされているゲームはどんなものがある?
参加人口が一番多いゲームとは?
eスポーツでプレイされるゲームの条件
世界で開催されているeスポーツの大会
eスポーツの賞金はどれくらい?
1-3eスポーツに携わる仕事はどんなものがある?
一般的なeスポーツの仕事とは?
1-4eスポーツの歴史とはコミュニティ活動
eスポーツのルーツとは?
「eスポーツ」という言葉の起源とは?
日本ではアーケードゲームのコミュニティとして浸透した
誰でも簡単にゲームにログインできる時代に
1-5eスポーツ、その観戦のルーツは?
ゲームの発展とともに変わる観戦の形
室内での「ゲーム」から、生で観戦する「ライブ・エンタテインメント」へ。
1-6eスポーツは「スポーツ」なのか?
eスポーツの定義とは何か?

Chapter2 eスポーツのジャンルと世界のシーンを眺めてみよう
2-1現在のeスポーツのジャンルと代表的なゲーム
ポピュラーなゲームとジャンル、作品の内容
2-2世界のeスポーツ大会の賞金はどれくらい?
賞金がプレイヤーのモチベーションを高める
2-3世界の主要なeスポーツ大会とは?
世界の5大大会アジアでの大会
2-4eスポーツは世界的にメディアが注目するコンテンツ
活発化するメディアの動向
eスポーツビジネスでの成功のために必要なもの

Chapter3 eスポーツの主役「プロゲーマー」の世界とは?
3-1プロゲーマーの歴史
ゲーム大会での活躍が人の目に留まった
3-2プロゲーマーが子どもたちの憧れの職業に
「小学生のなりたい職業」の上位にあるゲーム関連の職業
3-3プロゲーマーとして生計を立てるには?
プロゲーマーの主な収入源は「賞金」
賞金以外の収入源とは?
3-4プロゲーマーの入り口と活躍できるようになるまで
「プロゲーマー」と名乗っても、それは入り口にすぎない
ザ・インタビューNo.1プロゲーマーに訊く板橋ザンギエフ
3-5今からはじめるeスポーツ
おすすめのeスポーツゲームは?
JeSU公認ゲームを目安にしてみる
まずは自分の好きなeスポーツゲームをやってみよう
3-6eスポーツ専門店舗で開催される大会への参加方法と観戦方法
大会はリアルの店舗で開催されているeスポーツが楽しめるスペース
3-7eスポーツに必要な機材とは?
一般的な機材で十分戦える
3-8職業としてのプロゲーマーを目指す専門学校
入学の判断は慎重に
ザ・インタビューNo.2プロゲーマーに訊くももち
ザ・インタビューNo.3プロゲーマーに訊くチョコブランカ

Chapter4 発展の状況と、活発化する周辺ビジネス
4-1海外eスポーツの施設事情
海外はeスポーツ観戦の規模もケタ違いに大きい
4-2日本のeスポーツ事情
国際競技大会出場のために団体が統合された
JeSUの活動実績
JeSUが発行する「公認プロライセンス」とは?
全国に支部を展開
JeSUが対応すべき「賞金」という課題
日本が国際競技大会で活躍するためには
新しい団体の動き
4-3新しい需要を生み出すeスポーツ
スポンサーは若者に狙いを定めている
eスポーツビジネスは儲かるのか?
メディアの限界がeスポーツをさらに活性化させる
eスポーツチームの運営で大切なこと
ザ・インタビューNo.4eスポーツプロチームオーナーに訊く江尻勝
4-4コミュニティプラットホームを経由して配信されるゲーム実況を見る
ネットで観戦するのが当たり前の環境に
「Twitch」の配信が大きな影響をおよぼした
4-5eスポーツは放送コンテンツとしても魅力的
日本のeスポーツテレビ放送は夜明け前
続々と参入するテレビ局、芸能事務所
海外のeスポーツ専門チャンネル事情
4-6eスポーツから派生する新しい職業
新たな世界に飛び込む人たち
ザ・インタビューNo.5eスポーツアナウンサーという人生の選択平岩康佑

Chapter5 変化を続けるeスポーツの世界とこれからの展望
5-1eスポーツ競技のオリンピック種目化を目指して
開催国の事情が考慮される
「暴力性を感じさせるもの」は排除される可能性も
5-2eスポーツが超えるリアルとは?
リアルのスポーツで叶えられないことを、eスポーツが叶える
5-3eスポーツがもたらす社会的な可能性
中高生のクラブ活動でもeスポーツが採用されている
お年寄りや障碍者が活躍する場にもなり得る
5-4日本で高額賞金大会の開催ができなかった理由
①「刑法賭博罪(刑法185条)」の観点から
②「景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)」の観点から
③第3の関門である「風俗営業適正化法(風営法)」
5-5さらなる発展のために必要なリスク管理
プロゲーマーとして問われるモラル
プロゲーマーのSNSが炎上する理由
ゲームにおける「不正」問題
5-6eスポーツと「ゲーム依存症」
若者を中心に「依存」が世界的な問題に
ゲーム依存によって「攻撃性が高まる」という事例
ザ・インタビューNo.6eスポーツエバンジェリストに訊く谷口純也

終章
ゲームの歴史50年を振り返る
おわりにゲームと生きていくということ
参考資料・文献・出典元
表紙デザイン井上新八
編集協力
加藤賢治(株式会社SQOOL)
染谷昌利(株式会社MASH)
インタビュー写真撮影
上野裕二(ももち、チョコブランカ、江尻勝、平岩恵佑、谷口純也)
成瀬陽介(板橋ザンギエフ)

黒川 文雄 (著) , 加藤 賢治 (編集), 染谷 昌利 (編集)
出版社: 日本実業出版社 (2019/6/20)、出典:出版社HP