株の鬼100則

株式投資を知る5冊 -最初に読みたい入門書からベストセラーまで-を確認する

まえがき

株式投資で、良い成果が得られているだろうか。 巷には「1億にした、2億にした」という本があふれているが、本当のところはどうだ ろうか。 「たまたまだろう」という内容の本も珍しくはない。 ホームランを打った、ゴールした、ホールインワンをした。 これはよくあること。 でも、まぐれではいけない。 「常に勝つ」
この常勝の法則をしっかりと身につけて、実戦を積んで、間違っても修正できる、そう いう投資家になって欲しい。

スポーツはもちろん、何事も「基礎を身につけ、実践する」ことが、成功の、成果の再現性を得る最も大切なポイントだ。 「●●のメルマガを読めば勝てる」 そういう世迷言を、「他力本願」という。 「何を買えば儲かるのか」と聞いてくる人が多くいるし、個人投資家の大半の考え方だが、 それは正直いただけない。 本書では「株で儲ける」、そして「資産を作る」。 そのための「100の法則」、すなわち「鬼100則」を、私の5年間の投資生活の粋 を集めて、渾身の力で書いた。
正直、失敗も数知れず。 しかし、失敗から学ぶことも多い。
その失敗を乗り越えて、ここに書いた100則をぜひ参考にして、株式投資の勝者になっていただきたい。 この本を手に取ってくださった貴方に、貴女に、幸多かれ。2019年初夏経済評論家石井勝利

石井 勝利 (著)
明日香出版社 (2019/6/13)、出典:出版社HP

全目次 – 株の鬼100則

第1章 新時代の相場 の動き十五則
業績と株価は連動しないと心得る
業績が良くても株価は暴落する
赤字でも株価が上がる
悪材料が株価を上げる
不祥事は、むしろチャンス
「不美人」に票が集まる
業績安定が株価の下げ要因となる
不確実さが夢を呼ぶ
知ったら、相場が始まる
円高で上がる輸出株がある
市場コンセンサスのハードルは高い
暴落こそ、買い時のチャンス
爆騰に明日はない
株価目標は嘘である
酷い債務超過危機でも生き残る企業を見抜く

第二章 市場を動かす材料十五則
市場は意図的に操作されているものと心得る
先物で仕掛けられる相場に勝つ
午前と午後の戦い方を変える
相場は寝ない
小型株と大型株の動きは全く別物と考える
個々の株価は日経平均に引きずられる
東京独歩安に泣くな
サーキットブレイク発動に近寄るな
相場の裏に仕手筋を見分けよ
ネットの「美味しい情報」に飛びつくな
東京市場はガイジンがほとんどだ
システム売買の癖を見抜く
板にバレバレ!AI売買の足跡
新興市場は1人の売りでストップ安になる
日銀の株価介入が相場をゆがめる

第3章 売買タイミングの鬼九則
史上最悪の時こそ、出動せよ
「この世の終わり」で強気になれ
落ちるナイフを見届けた後に勝機あり
「閑散に売りなし」強気になるのが良い
出来高急増の下げはファンドの売り
理由なき暴落、実は正しい
機関投資家のポジション調整を拾う
ブラックマンデーは底値だった
相場抵抗力を感じて反発に向かう

第4章 テクニカルの鬼十五則
底値のシグナルを探せ
トレンドラインを読み切るべし
日足の陰陽線の癖を見抜け
ゴールデンクロスは買いでなく、利益確定の時
ネックライン抜けを逃すな
ダブル底を確認して打って出よ
75日の移動平均線は乖離を見ろ
上ヒゲが出たら深追い禁物
高値の大陰線は逃げるが勝ち
陰線続きの後のチャンスを逃すな
安値惚れは金を失う
上げの翌日は様子見だ
チャートは必ず日足、週足で見る
高値更新は相場終局と考えよ
予測不能のテクニカルの動きを見分ける

第5章 数字の 鬼六則
企業業績は変化率にこそ注目すべし
赤字決算を甘く見るな
決算短信は行間を読め
海外展開のためのインバウンド効果を見ろ
配当利回りで判断するな
信用倍率の好取組に注目せよ

第6章 銘柄選択の鬼九則
銘柄選択は絞って動く
銘柄選択に優先順位を持つ
買った株は下がると思え
円高を逆手にとってチャンスをつかむ
新興市場では業績より夢を追う
ドミノ倒しにならない
夢が買われるが失望もある
2桁になった三菱自動車の復活に学べ
情報の「網を持つ」株を買う

第7章 投資戦略の 鬼十四則
市場は時に間違うものである前提で考えよ
良いニュースでは動かない
常に、余裕資金を持て
同じ材料に集中するな
一度に売買を決めない
買いのチャンスに資金がないのは最悪だ
短期勝負を長期に変えない
衝動的に売買せず、納得いくまで調べる
急騰時は利益優先して、現金を増やす
安値狙いにナンピンなし
中長期のトレンドに従え
不透明な相場では売買しない
損切ルールを持てば全財産は失わない
投資のシステム化でうまく稼ぐ

第8章 地政学リスクの鬼八則
NYの激震で、即行動だ
ドルが逃げる相場は追うな
元の動きが相場を動かす
ユーロの経済を甘く見るな
デフォルトのニュースを甘く見るな
原油の動きが株価を動かす
政局不安は相場の潮目の変わり
米朝関係ニュースは防衛産業と紐付けて見ろ

第9章 株で負ける鬼9則
寄り天で慌て買いは愚の骨頂
慌てる損切りで10バーガーを手放す
株を持って午前0時をまたげない
投資スタンスを値動きで変更する
利息の付く金で株を買う
毎日、株売買しないと済まない相場依存症
10銘柄以上を食い散らかす注意散漫
損切ラインの展望を持たない
銘柄選びを他人に頼る他力本願

石井 勝利 (著)
明日香出版社 (2019/6/13)、出典:出版社HP

 

第1章 – 新時代の 相場の動き 十五則

何に投資すれば良いかという質問を絶えず受けるが、 私の答えはいつも同じである。誰の言うことも信じて はいけない。あなた自身が良く知っているものだけに 投資するのが成功への道だ、と。
ジム・ロジャース
バークシャーが買いを入れるのは、他の投資家が レミングのごとく一斉に売りに傾く時です。
ウォーレン・バフェット
名人は相場の恐さを知る。

業績と株価は一 連動しないと心得る
四季報やネットで業績動向を見て、変化率の高い銘柄を選んで買えば、「100%負けなし」
それなら誰も苦労はしない。
実際は、「上半期業績の大幅上方修正を発表」などという飛びつきたくなるようなニュー スが入っても、下がる一方であったりする。 だからわけがわからず、株式投資で含み損を抱えたまま、途方に暮れる人が多い。 本書はそんな人にヒントを与え、「勝利の確率」を高める。 決して「1億をすぐに作る本」ではないので、悪く思わないで欲しい。
最初に知って欲しいのは、株価が大きく上がり変動する要因は、業績ではなく材料の大きさだということである。

良い業績だから上がるというのは、幻想だ。
業績も材料のうちに入らないわけではないが、株式市場が欲しがる「夢」には、程遠い。 株価が大きく変動するのは「びっくりするほどの材料が出た時」。 例えば、物凄い新薬を開発して、成功しそうだ。 いよいよ治験も成功して、実用段階に入るようだ。 このような材料が出てくると、市場は驚いて反応し買いがどんどん集まる。 薬でなくても、将来、その会社にとって、とてつもなく業績に良い影響がありそうな情 報が伝わると、「これは凄い」と、多くの投資家から資金が集まる。
いま儲かっているわけでもなく、業績が良いというわけでもなくても、だ。 むしろ、業績が良いどころか、会社は大赤字で、前々から無配だったりする。 または、前の期よりも業績が悪くても、材料ひとつで株価が飛ぶ。
これが不思議な株式の世界なのだ。 これだけは株をやる人は肝に銘じておかなければならない。

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石井 勝利 (著)
明日香出版社 (2019/6/13)、出典:出版社HP