できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方

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シーン別で語彙を身につける

本書では、シーン別で使える有効フレーズと注意ポイントが記載されているので、自分が語彙力を増やしたい場面に合わせて学習することができます。また、本書の後半では、間違いやすい表現や、ビジネス語彙なども取り上げられているので、新たに語彙を増やす目的で使っていただくことも可能です。

山口 拓朗 (著)
出版社: PHP研究所 (2018/7/24)、出典:出版社HP

はじめに

「気のきいた言葉がパッと出てきません」
「幼稚な言葉、くだけた言葉ばかり使ってしまいます」
「正しい敬語の使い方がわかりません」
「『社会人らしい言葉を使え!』と上司に怒られました」
「難しい言葉が飛び交う会話についていけないときがあります」
「語彙が少ないせいで、人と話すときに引け目を感じてしまいます」
あなたにも似た悩みがあるのではないでしょうか? これらの悩みを要約するとこうなります。
「正直、語彙力が乏しくて困っています」
もしかすると、すでにあなたは語彙力がないことによる“実害”を感じ始めているのではないでしょうか。
人は「言葉」でものを考えています。
人は「言葉」で思考を深めています。
人は「言葉」で知性や教養を育てています。
人は「言葉」で想像力や創造力を養っています。
人は「言葉」で人と意思疎通を図っています。

「言葉」とは「語彙」のこと。知っている語彙や使える語彙 が少ないと、私たちは「ものを考えること」も、「知性や教 養を育むこと」も、「いいアイデアを生み出すこと」も、 「他人の気持ちを理解すること」も、ままならなくなります。
もちろん、限られた語彙では、人とのコミュニケーション にも支障を来しかねません。深い話や複雑な話についていけ なくなるほか、自分の考えや思いを正確に伝えることができ ず、その結果、同意や賛同、共感も得られにくくなります。 「言葉のつたなさ」や「表現力の乏しさ」が、仕事をするうえでどれだけ大きな“足かせ”となるか……あなたはもう薄々 気づいているのではないでしょうか。

だからといって、闇雲に語彙やフレーズを増やしましょう、と言いたい訳ではありません。なぜなら、社会人であるあなたが語彙力を身につける目的は、自己満足のためでも、 暗記テストでいい点数を取るためでもないからです。
ずばり、大事なのは「知識としての語彙力」ではなく、仕 事の現場で使える「実践としての語彙力」です。断言します。社会人としていい仕事をしたいのであれば、最低限の語 彙力を身につけておかなければいけません。
コミュニケーションが重視される今の時代に、「語彙が少 ない」や「言葉がつたない」「状況に応じて適切な言葉を選 べない」などのハンデを背負うことは、右足と左足にそれぞれ5kgの“重り”を付けながらフルマラソンを走るようなもの です。つまり、その道中はひたすらキツいはずです。

安心してください。本書で扱う言葉は、ビジネスシーンで の使用頻度が高いものに絞っています。基本的かつ実践的な 語彙・フレーズを最短距離で身につけたい人にとって“渡り に船”(第5章の「Scene5 ビジネスで使えることわざ」参 照)となるでしょう。第3章では、多くの社会人が苦手にし ている「敬語フレーズ」も紹介しています。
もっとも、いくら立派な語彙や敬語をたくさん知っていて も、「その場の空気」をつかみ損ねれば、「伝わらない」 「誤解される」「怒りを買う」などの悲劇を招きかねませ ん。「その場の空気」とは“相手の立場”“相手との関係 性”“その場の状況”などを含むTPO(第5章の「Scene6 ビジ ネスで使うカタカナ語」参照)のことです。
TPOに応じて、さり気なくも的確に、気のきいた語彙・フ レーズをくり出すことができる。そういう人こそが、人と上 手にコミュニケーションをとりながら、仕事で成果を出せる 人ではないでしょうか。

筆者は編集&ライター出身の人間であり、言語学者でも日 本語の研究者でもありません。重箱の隅をつつきながら、 「語源の正確性」を追究したり、「言葉の正誤」を明らかに したりする気は毛頭ありません。
本書の目的は、ただひとつ。読者であるあなたに、仕事の 現場で使える語彙・フレーズを増やしてもらうことです。ポ イントはあくまでも“実用”です。

その目的を達成するためには、あなたの努力も必要です。 本書を読み終えたら(あるいは、読み進めながら)、本書で 紹介する語彙やフレーズを積極的に使ってみてください。

語彙とフレーズを積極的に使うことによって、あなたのビ ジネスパーソンとしての資質は飛躍的に向上していきます。 周囲の人たちと円滑なコミュニケーションが図れるようになり、好意や信用も集まりやすくなります。
また、知性と教養が強化されて、発想力はもちろん、スピーチ力や文章力も磨かれていきます。気づいたときには、世 の中を見渡すあなた自身の視野も驚くほどに広がっていることでしょう。そうそう、家族関係や友人関係、恋愛関係な ど、プライベートでも驚くような変化が見られるかもしれません。

何よりも、語彙やフレーズを自在に使いこなすことによって、あなた自身の深いところから、えも言われぬ“自信”が湧 いてくるはずです。そんな“新しい自分”との出会いも、どうぞ楽しみにしていてください。
さあ、準備はいいですか? できる人が使っている「大人 の語彙力&モノの言い方」を身につけて、仕事と人生の可能 性を切り開いていきましょう。
山口拓朗

山口 拓朗 (著)
出版社: PHP研究所 (2018/7/24)、出典:出版社HP

CONTENTS

はじめに

第1章場面に応じて気持ちを伝える
頻出!キラーフレーズ集
Scene 1 あいさつをする
初対面でのあいさつ/久しぶりのあいさつ/いつもお世話になっている方へのあいさつ/別れ際のあいさつ
Scene 2 相手を気遣う
体調などを気遣う1/体調などを気遣う2/懸念を示す
Scene3 お礼を伝える・喜びを伝える
お礼を伝える/お礼を伝える2/お礼を伝える3/来てくれたことに感謝する/喜びを伝える
Scene 4 ほめる・祝福する
ほめる/祝福する1/祝福する2
Scene 5 承諾する。
OKする/決意や意欲を示す/イエスの返答をする/同意する Scene 6 依頼する
相談や協力のお願いをする/教わる/伝言をお願いする/お誘い
する/何かを見てもらいたいとき Scene7 確認する・催促する
確認を促す/催促する1/催促する2
Scene 8 報告する
報告する/ミスやトラブルの報告をする
Scene 9 特定の気持ちを伝える
エールを贈る/お悔やみを伝える/その場から去る/贈り物を贈る・受け取る/長引く話を切る
Scene 10 ビジネスに欠かせないクッション言葉
できる人は「クッション言葉」を使いこなしている!/万能クッ ション言葉/多種多様なクッション言葉

第2章言いにくいことでもすんなり伝わる
大人の語彙力&モノの言い方
Scene 1 断る、辞退する
Scene 2 お詫びする(謝罪する) Scene 3 反論する、意見する、指摘する Scene 4 弁解・弁明する、交渉する

第3章 知らない間に赤っ恥?
間違えやすい日本語NG表現
Scene 1 敬語の種類と使い分け
Scene 2 誤った敬語と正しい敬語
Scene 3「二重敬語」に要注意!
「~いただけますでしょうか?」も二重敬語?/ふたつの敬語をつなぐ「敬語連結」/美化語の「お/ご」は敬語に数えない?
Scene 4 今どきの要注意敬語
はやりの「させていただく症候群」/過剰に丁寧な「さ入れ言葉」/逆転しつつある「ら抜き言葉」/若者の使用頻度が高い 「れ足す言葉」/「二重表現」は知っていれば防げる/丁寧だけど、相手に無礼・失礼と思われかねない表現

第4章 とっさの場面でも迷わない!
紛らわしい語彙・誤りやすい語彙
Scene 1 意味や字を間違えやすい言葉
Scene 2 書き言葉の注意語彙&フレーズ
Scene3 間違えやすい&誤りやすい言葉の例
Scene 4 本来の意味と異なる意味が広まりつつある言

第5章 知性と教養を感じさせる
武器としてのビジネス語彙力
Scene 1 現場で使える実践ビジネス語彙
Scene 2 感情&心理表現としてのビジネス語彙
Scene 3 教養を感じさせる語彙
Scene 4 ビジネスで使える四字熟語
Scene 5 ビジネスで使えることわざ
Scene 6 ビジネスで使うカタカナ語

おわりに
参考文献

イラスト……..齋藤稔(株式会社ジーラム)

山口 拓朗 (著)
出版社: PHP研究所 (2018/7/24)、出典:出版社HP