医療・介護を革新する ヘルスケアビジネス最前線

ヘルスケア産業の最前線の取り組みを学べる

中長期的な経営戦略の検討材料として活用するのにおすすめの一冊です。医療・介護の先行事例を多数紹介しています。拡大するヘルスケア産業における最前線の取り組みと新市場攻略のポイントが医療や高齢者住宅など、ケースごとにまとめられている為、わかりやすく、得られるものも多いです。

日経ヘルスケア (編集)
出版社: 日経BP (2020/3/25)、出典:出版社HP

発刊に当たって

これから先の20年、医療・介護現場に重くのしかかるのが、「社会保障の財源逼迫」「働き手不足」という2大問題です。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり始める2022年、働き盛りの15~64歳人口が大幅に減少する2040年を見据えて、これら2つの問題にいかに対応し、制度の持続可能性を維持すべきか。医療・介護現場を巻き込みながら、国の対策が急ピッチで進められようとしています。

現在、国が進める医療・介護政策を分類すると、「3つの効率化」に集約され ます。具体的には、(1)給付と負担のあり方を含めた医療・介護保険制度の効 率化、(2)医療・介護提供体制の効率化、(3)ICTやロボットなどを活用した 業務の効率化――です。

特に国が強力に推し進めているのが(3)で、ICTやロボットを活用した医療・介護現場の業務効率化というテーマは、企業にとって絶好のビジネスチャンスでもあります。現場のニーズに応える便利な機器・サービスを開発・提供できれば、大きな収益を見込めます。

また、高齢化の進展に伴って、健康・医療システムは「診断・治療」型から「予防・進行抑制・共生」型への転換が求められます。後者では個別のニーズに沿った多様なサービス・製品が求められるようになり、医療・介護事業者と周辺産業の事業者はこれまで以上に積極的な連携を取っていくよう、意識を変える必要があります。

医療・介護現場では、国の補助金などを待たずに企業と組んでニーズを満たす機器を開発したり、認知症の高齢者などに対するサービスを先んじて展開するケースが既に出てきています。本書では、そうした医療・介護の先行事例を多数紹介しました。医療機関、介護事業者、そして、ヘルスケア分野で の事業展開・拡大を検討されている事業者の方々に、中長期的な経営戦略の 検討材料としてご活用いただければ幸いです。

2020年3月 日経ヘルスケア編集長 村松謙一
※本書に収録した「日経ヘルスケア」の転載記事の情報は取材当時のものです。

日経ヘルスケア (編集)
出版社: 日経BP (2020/3/25)、出典:出版社HP

目次

ヘルスケア
医療・介護を革新する
ヘルスケアビジネス最前線
発刊に当たって
巻頭リポート 経済産業省ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2020
ヘルスケアの課題に挑む9人が登壇
ビジネスコンテスト部門
アイデアコンテスト部門
特集1
医療・介護令和のソリューション
20年後を見据えた3つの効率化
CASE 医療編
医療法人KNI・北原国際病院 AIで合併症に先手を打つ
医療法人医仁会・さくら総合病院集中治療・ケアの悩みを遠隔相談
医療法人芙蓉会 ICTで健康管理、異常を検知し早期介入
(株)ピアラボICT化や事務職増で看護業務に専念
倉敷中央病院 IoTで検査機器の稼働を見える化
社会医療法人慈生会・等潤病院患者や健診受診者にPHRを推奨
医療法人茜選会・目々澤醫院事前のAI問診で頭痛の問診時間を3分の1に
TREND じわり広がる業務のICT化
CASE 高齢者住宅・施設編
グッドタイムリビング(株) AI搭載ロボットで運搬業務などを代替へ。
パナソニック グループなど IoT活用しMCIの早期発見
SOMPOホールディングスなど5Gで入居者の顔認識や食事量を記録
(株)アズパートナーズ 業務省力化で生じた時間で機能訓練を充実。
イリーゼ練馬石神井台先進IoT/AIを試験導入しQOL向上を追求。
青森社会福祉振興団先進機器を積極導入、勤務シフト作成ソフトも開発
特別養護老人ホーム ひまわり・安城新設特養で効率化見据えた投資
TREND 睡眠センサーのトップシェア企業の戦略
CASE 在宅介護サービス編
(株)エムダブルエス日高 AIによる機能訓練メニューを提案
(株)やさしい手職員のスケジュールを可視化
デイサービス OLU OLU 送迎シフト作成ソフトで車両を7台から5台に
TREND AIによるケアプラン作成支援の動向
特集2
胎動する認知症マーケット
一目で分かる認知症マーケット予防、効果的・効率的ケアに焦点
OVERVIEW
国を挙げた対策が本格化、検査や脳トレなどの開発進む
CASE 100 医療法人江頭会・さくら病院
ニーズを見極め早期発見から入院時のケアまで対応
札幌いそべ頭痛・もの忘れクリニック
多職種で患者・家族をケア、当事者視点で診断・治療・予防
(株)ウェルネスパートナー・ウェルネス浜名湖
専門職を配置し認知症予防を充実、多様な独自プログラムを用意
社会福祉法人緑愛会・あたご苑
見守りセンサーのリニューアルで職員の負担と重大事故が減少
REPORT
「健康・医療戦略」支える経産省、「予防・進行抑制・共生」型への転換を支援
多職種・法人連携を円滑に進める情報共有ツールが続々登場
介護の生産性高める北九州モデル、市主導で業務分析やロボット導入
誌上セミナー
医療ビジネスの事業化に資する「真のニーズ」の見つけ方
寄稿
失敗しない介護ロボット活用術

日経ヘルスケア (編集)
出版社: 日経BP (2020/3/25)、出典:出版社HP