マンガでわかる! 入社1年目からのロジカルシンキングの基本

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正しく「考える」ことができるようになる

この本の良いところはロジシンでおさえるべきポイントが簡潔にまとまっていて、5分くらい中身をパラパラ見るだけでロジシンのツボが抑えられることです。企画書が煮詰まってしまった時や時間がない時に頼りになる本です。

かんべ みのり (著)
出版社: SBクリエイティブ (2016/2/27)、出典:出版社HP

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はじめに

「かんべちゃん、この会社で生き残りたかったら、自分の考えをもっちゃだめだよ」
サラリーマン生活3年目にして言われた衝撃のセリフを、私は今でも忘れることができません。当時の私は、イベント企画会社に勤務していました。同い年の先輩たちに少しでも早く追いつきたくて、サービス残業が当たり前の職場でがむしゃらに働きました。その結果、デザイン系の仕事も兼務していた私は、マウスのクリックのしすぎで利き腕が使えなくなってしまいました。
毎月の治療費は1万円超。家賃と治療費を払うと生活はカツカツです。あまりのしんどさに、そもそもの会社の仕事の進め方に疑問をもち、会社に意見を述べたところ、横で聞いていた上司に言われたのが先ほどの言葉です。そして会社から与えられた答えは「部署移動」、そして約半年間にわたる「何もするな」という指示でした。
今思えば私の伝え方も悪かったのかもしれません。一方、自分の考えをもっちゃだめ、と私に進言したおじさん上司は、くたびれたスーツで先の擦れた靴を履き、役員におべっかばかり使っています。ぞっとする未来が見えました。あのおじさんと同じくらいの年齢になった時、自分はどんなスタンスで仕事をしているのか……。
すぐに転職活動を開始し、ビジネススクールでMBAを取得することにしました。
ビジネススクールでは、最初に「クリティカルシンキング」という、ものを考える土台を作るための授業の履修が勧められています。ものの考え方の基本を身につけて、その土台の上にマーケティングやアカウンティングなどの知識を構築していくのです。
自ら学び、考える力を鍛えていくと自分の生活がすごい勢いで変わってきました。
指示待ちで受け身でいちいち上司の許可をもらって動いていた私が、自分から考えて先まわりして提案して、企画を進めるために必要な情報を自分で集めるようになりました。
そして、気づきました。
口では威勢のいいことを言っていても、自分の頭で物事をちゃんと考えて判断して仕事をしている人は、そんなに多くないのかもしれない、有言実行ができる人はあまりいないのかもしれない。
この本では、考えること、伝えることの2つを軸に、ビジネスパーソンとして身につけておきたい「考え方」の基礎をまとめました。
伝えるという点では、資料の見せ方についてこだわって書きました。ワードやパワーポイントの便利でかっこいい機能に惑わされ、結果として自己満足の塊みたいな、読み手のことをまったく考えていないアウトプットを出す人が多いからです。
また、フォロワーシップについての記述も加えました。これは、ある程度の中堅の年齢になってMBAを取得したあと、20代の頃を振り返り、部下としてああやっておけばよかったな、という自分の反省も踏まえています。
今、若手の方、これはチャンスです。他人である私の失敗と学びをぜひ自分の経験に追加して、成長を加速させてください。キャリア形成を考えた時、いきなり転職やMBA取得となるとハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。でも、考え方の基本を学ぶこと、仕事のコツを身につけることは今すぐできるチャレンジです。この本の主人公であるヤングかんべちゃん (20代の頃の私です……笑)といっしょに、学んでみませんか。

かんべ みのり (著)
出版社: SBクリエイティブ (2016/2/27)、出典:出版社HP

目次

はじめに

序章 「考える」ことができると人生は変わる
Prologue かんべちゃん「ロジカルシンキング」に出会う
「考える」とは、どういうことか

1章 根性と経験に流されない「正しく考える」方法
1-1 ビッグワードって何だ?
「みんな」の正体をつかもう
言葉と思考を「具体的」にするメリット
1-2 イシューを押さえる
昨年と同じでなぜいけないか
イシューとは「考えるべき問い」のこと
1-3 考え方の枠組み
MECEは、考えるための基本ルール
問題解決には、順番と方法がある
競争戦略「3C分析」
自社の立ち位置を見つける「SWOT分析」
世の中の環境を分析する「PEST分析」
2つのマトリクスで情報を整理する
[1章コラム] As is/To be

2章 「仮説思考」を学べばムダな仕事もなくなる
2-1 仮説を立てよう
仮説がなぜ必要か
2-2 仮説力を身につけよう
PDCAのサイクルを回せば人は必ず成長する
[|2章コラム] クイック&ダーティ

3章 上司と部下の行き違いを減らすには「前提」を確認しよう
3-1 前提を考える
リーダーシップとフォロワーシップ

4章 「君は何を言いたいのかさっぱりわからない」と言われないための伝え方
4-1 伝え方を考える
実際、「伝え方」で損することは結構ある
4-2 メールでの伝え方
忙しい時は「箇条書き」こそが気配りだ
4-3 文書での伝え方
デザイナーの視点を意識しよう
見やすい資料って?
グラフの罠には気をつけよう
[4章コラム] 定型文登録という裏技

終章 かんべちゃん、リーダーになる
Epilogue かんべちゃん晴れてリーダーに

あとがき

かんべ みのり (著)
出版社: SBクリエイティブ (2016/2/27)、出典:出版社HP

「考える」とは、どういうことか

社会人になると、「もっとよく考えてから発言しろ」とか「そのくらい自分で考えろ」とか、言われるようになります。
でも、簡単にそんなこと言いますけど……「考える」って一体、どういうこと?
私、これでも考えてますけど?
とりあえず自分なりに考えてみて再度結論をもっていっても、「まだ物足りない」「答えにたどり着いていない」「現実的に実現不可」と言われたり、自分で考えた意見を会議で伝えても、さらっと流されて歯がゆい思いをしたり……。
あれもこれも、「考え方」がちゃんとわからないから起こることです。考え方にも空手のように型があって、いくつかの基本を押さえ、自分の頭の中を整理することで問題解決につながります。それを知らないままだと、同僚に愚痴って終わり(こういう人は大抵、2週間後も同じことで愚痴っている)とか、上司の指示に従って終わり(失敗したら他人のせいにできる)とか、成功している人の人生を見て羨んで終わりという残念な結果になります。
「考える」ことは、プライベートでも大事です。

私は今年年女です(何回目のって? それは想像にお任せします)。海外生活も経験して、いろんな仕事もして、ビジネススクールに通ってMBAを取得して、出版もさせてもらったので、こんな年齢になると、友達や読者の方から相談を受けることもあります。
「転職しようかどうか迷ってるんですけど、かんべさんは転職してどうでしたか?」
「今付き合ってる彼が結婚を決めてくれなくて……」
「子育てしながらMBAってとれるかな……」
相談を受ける立場になって思うのは……こんなことを言ってしまうと身も蓋もないですが、「それって所詮他人の人生」ってことなんです。
もちろん、親身になって相談には乗るし、自分がどうやってきたかとか、考えの整理には付き合いますよ。でも、その結果を引き受けるのは相談者自身です。極端なことをいうと、相談者が、私が言ったことを実行して失敗しても私は痛くもかゆくもないんです。
人って自分のことじゃないと、結構好き勝手なことも言えるし、理想論も語れます。
だから、自分で考えてちゃんと自分の人生に責任をもち、自分の道を自分で決めて歩かないといけないと私は思います。
とはいうものの、悩み事の真っ只中にいる時は、なかなか自分のことが見えません。
ぐるぐるぐるぐると同じことを考え続け、心配事に支配されてしまいます。他人の意見や占い師にすがりたくもなります(私も2時間かけて占い師さんに見てもらいにいったことがありました。今から考えると笑い話ですが)。

医学的な見地から考察すると、人間が1つのことに集中できる時間はせいぜい10分程度なんだそうです。つまり1時間悩んでいるとしても、そのうち3分ほどは、最初と同じ問いに戻っているか、そもそも問題を解決する気がないのか、悩んでいる自分に酔っているのか、惰性で悩んでいるのか……ということになります。
なんともったいない時間の浪費でしょう。0分でサクッと考えてサクッと解決策を探って、残りの3分で美味しいものを食べにいったほうが有意義な1時間になると思いませんか。

「Control your destiny or someone else will.(自分の人生は自分でコントロールすべきだ。さもないと、誰かに コントロールされてしまう)」ジャック・ウェルチ(実業家)

仕事だって自分で考えて結果を出すことで、自分の成長につながるのです。ただ指示を待ってそれに従っているだけでは、機械と同じですよね(いや、ミスをしない分機械のほうが上かも?)。正しく考えて、自分で道を見つけ、結果を出していく。それが仕事の基本でもあるのです。
そして、自分で考えるということは、自分で答えを出し、それを実行することにつながります。良い結果も悪い結果も含め、自分で自分の人生を引き受けるということです。人にどうのこうのと適当なことを言われ、指示されたことばかりやって生きていくより、そっちのほうが面白いと思いませんか。

まとめ

人は他人の話なんてあんまり真剣に聞いてない。自分の頭で考えて行動しよう

かんべ みのり (著)
出版社: SBクリエイティブ (2016/2/27)、出典:出版社HP