ビジネス・フレームワーク (日経文庫ビジュアル)

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フレームワークにおける最強のハンドブック

基礎がわかりやすく解説してあり、ベースとしての考え方やビジネスの進め方などを学ことができます。フレームワークが網羅的に載っているので、辞書のような感覚で、何度も読み返したくなる一冊です。

堀 公俊 (著)
出版社: 日本経済新聞出版 (2013/8/9)、出典:出版社HP

まえがき

フレームワークとは、ものごとを考える上での枠組みを表したものです。
本書は、ビジネスでよく使うフレームワークを、69項目にわたり200種類あまり紹介したハンドブックです。ビジネスのエッセンスがコンパクトに凝縮されており、常にカバンに入れて持ち歩くことをイメージしてつくりました。
ここで紹介しているフレームワークの大半は、経営学者や経営コンサルタントが、ビジネスを考える上での思考ツールとして提唱してきたものです。古典的なものから最近流行のものまで、実にたくさんのフレームワークが世の中にあり、先人たちの努力には本当に頭が下がります。

すべての問題をイチから考えるのは大変です。あらかじめ「こう考えれば分かりやすい」「こう考えると答えが出しやすい」というものが分かっていれば大いに助かります。フレームワークがあることで、個人や集団の思考が加速され、スピーディな問題解決や意思決定ができます。
これらのフレームワークは、必要な視点を漏らさず、網羅的に検討できるようにつくられています。問題に当てはめて考えるだけで、合理的な答えが見つかりやすくなります。

加えて、フレームワークはロジカルに構成されたものであり、言語や文化を問いません。グローバルビジネスの共通言 語として、世界中の誰とでも同じ土俵で話し合うことができるのです。
フレームワークを身につけることは、ビジネスの基本を身につけることに他なりません。あまり馴染みのない方は、まずは各項目の見開き右ページの図解を一通りご覧ください。そうすれば、全体像がつかめると同時に、日ごろ抱えている問題にふさわしいものが必ず見つかるはずです。
すでにある程度知っている方は、「応用のヒント」適切な使い方を確認しつつ、馴染みのないフレームワーク集中的に学ぶようにしましょう。使えるフレームワークないと、逆にフレームワークにとらわれてしまうからです。
さらに深く知りたいという方は、本書ではスペースに限りがあるので、巻末の参考文献を参照していただければと思います。それでも足りなければ、文中にある考案者の名前を王がかりに、そのフレームワークが生まれた原著にあたることをお勧めします。

フレームワークの技術を身につければ、仕事のパフォーマンスや生産性が確実にレベルアップします。組織の創造性や 活性度が高まり、コミュニティや社会が抱えるさまざまな問題の解決にも貢献できます。
アイデア出しが行き詰まったときに、本書をパラパラとめくって発想の切り口を探してみましょう。オフィスの引き出しに入れておいて、資料づくりに活用するのもよいです。

会議の場に持ち込んでこっそり眺めれば、混迷する議論を整理するのに役立つはずです。
本書を肌身離さず持っておけば、状況に応じていろんな使い方ができます。フレームワークに込められた先人たちの習恵に華を咲かせるのは私たちなのです。

堀 公俊

堀 公俊 (著)
出版社: 日本経済新聞出版 (2013/8/9)、出典:出版社HP

目次

第Ⅰ章 戦略立案のフレームワーク
1 3C
2 SWOT(スウォット)
3 PEST(ペスト)
4 3M(ヒト/モノ/カネ)
5 7S
6 VRIO(ヴリオ)
7 5F(ファイブ・フォース)
8 ランチェスターの法則
9 競争戦略ポジショニング
10 PPM
11 アンゾフの成長マトリクス
12 バリューチェーン
13 バランス・スコア・カード
●Coffee Break 分からないものは、分けて考えよう。

第Ⅱ章 マーケティングのフレームワーク
14 STP
15 ポジショニングマップ
16 4P
17 プロダクトアウト/マーケットイン
18 製品ライフサイクル
19 イノベーター理論
20 パレートの法則
21 RFM分析
22 バリュー分析(CS/CE分析)
23 AIDMA (アイドマ)
●Coffee Break 相手に「イエス」と言わせるプレゼン術

第III 問題解決のフレームワーク
24 As is/To be (ギャップ分析)
25 特性要因図
26 ロジックツリー
27 プロセスマップ
28 ブレーンストーミング
29 SCAMPER(スキャンパー)
30 マインドマップ
31 親和図法
32 タイムマシン法
33 期待/課題マトリクス
34 プロコン表
35 ペイオフマトリクス
36 意思決定マトリクス
●Coffee Break なぜ、議論がかみ合わないのか?

第IV章 マネジメントのフレームワーク
37 マネジメント・ヒエラルキー
38 PDCA
39 QCD
40 5W1H
41 ムリ/ムダ/ムラ(3M)
42 5S
43 3現主義
44 ECRS(イクルス)
45 ハインリッヒの法則
46 CMMI(能力成熟度統合モデル)
47 DARR(オール)
48 SMART(スマート)
49 重要度/緊急度マトリクス
50 KPT(ケプト)
51 PREP(プレップ)
52 FABE(ファブ)
53 PRAM(ピーラム)
●Coffee Break ハンマーしかないとすべてが釘に見える

第Ⅴ章 組織開発のフレームワーク
54 MVV(ミッション/ビジョン/バリュー)
55 能力の3要素
56 Will/Skillマトリクス
57 欲求階層説
58 ジョハリの窓
59 ハーマンモデル
60 GROWモデル
61 経験学習モデル
62 ウォント/コミットメント
63 キャリアアンカー
64 ABC理論
65 PM理論
66 タックマンモデル
67 フォースフィールド分析
68 システムシンキング
69 レヴィンの変革モデル

索引
参考文献

本文DTP…….リリーフ・システムズ

本書を活用いただくにあたって(凡例)

・見出し語が英語の略語で、読み方がアルファベットそのままでないときは(たとえば「ABC」を「エービーシー」と読まないときは)、カッコ内に読み方を示しました。
・英語の略語には複数の読み方が使われていますが、本書では日本で一般的に使われていると筆者が判断したものを採用しました。国や企業・団体によって異なる可能性があります。
・そのほか、フレームワークの別名や、略語をスペルアウトしたもの(たとえば「3M」を「ヒト/モノ/カネ」と略さずに表したもの)を見出し語のカッコ内に示しました。
・敬称は、日本人・外国人とも省略しました。
・本書で紹介するフレームワークの大半は、経営学者や経営コンサルタントがビジネスを考える上での枠組みとして開発やすをしてきたものです。開発された方々の知恵と努力に深く敬意を表します。

1 3C 利害関係者の視点から考える

客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)という、経営に重要な利害関係のある3者の視点で分析をしてバランスのよい経営戦略を構築していきます。

基本のカタチ

ビジネスには必ず複数の利害関係者がからんできます。その中の代表選手が顧客、競合、自社であり、3Cで考えれば必要な視点をもらさずに検討できます。
顧客の視点にはミクロとマクロがあります。前者は想定される顧客の特性、ニーズ、行動パターンなどであり、後者は 市場の規模、構造(セグメンテーション)、成長率などです。

競合の視点とは、ライバルの数、強さ(シェア)、特徴、経営資源、戦略、差別化ポイントなどを意味します。新たな参人が考えられる場合は、可能性や参入障壁なども入ります。

自社の視点とはこれらを自分の会社に当てはめたものです。
そうやって、3つの視点で考えながら、ビジネスを成功させるためのポイントや勝ち筋を探していきます。私たちはどうしても自社の視点に偏り、1人よがりな分析をしがちです。3つの中で最も大切なのは、言うまでもなく観客の視点です。まずは、顧客を満足させる価値が提供できるかどうかを考えなければいけません。
次に競合の視点、つまり競争に際して優位性を持てるかどうかを考えることです。そして最後が自社の視点であり、優先順位を間違えないようにしましょう。
時には、利害関係者をもう1者加えて4Cにする場合もあります。
一般的には協力者(Cooperator)を加え、マーケティングを考える場合は流通者(Channel)を足します。

●3つの視点でビジネスを考える

●3Cを使って勝ち筋を見つけ出す

堀 公俊 (著)
出版社: 日本経済新聞出版 (2013/8/9)、出典:出版社HP