超図解 世界最強4大企業GAFA 「強さの秘密」が1時間でわかる本

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IT4大帝国のすべてがわかる

世界のTOP企業であるGAFAについて、「1時間でわかる本」の名前の通り、わかりやすく解説された一冊です。本書は、グラフを多く用いながら解説していてより理解しやすくなっているので、GAFAについて学習する際の最初の一冊としてもおすすめです。

中野 明 (著)
出版社: 学研プラス (2019/10/31)、出典:出版社HP

世界屈指のIT企業GAFA−数字で見るその圧倒的な強さ

はじめに

GAFA(ガーファ)とは、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンのそれぞれの頭文字を取ったもので、アメリカの超有力IT企業を指す略称だ。前ページでも紹介したように、2019年8月現在、GAFAの株式時価総額は2兆9753億ドル(日本円換算で約315兆円)にものぼる。IMF(国際通貨基金)によると、2018年における世界各国の名目GDP(国内総生産)は、アメリカがトップで20兆4940億ドル、続いて中国が13兆4073億ドル、そして日本の4兆9719億ドルとなった。
それでは、2兆9753億ドルというと、世界各国の名目GDPランキングで何位くらいになるのだろうか。日本に次ぐ第4位はドイツで4兆3億ドル、そして第5位はイギリスで2兆8286億ドルとなっている。つまり、GAFAの時価総額はイギリスのGDPを超えて世界第5位となり、大国並みの実力をもつ存在へと成長しているのだ。
GAFAの強さの源泉は、各社がもつ製品やサービスの圧倒的な市場シェアにある。検索の覇者グーグル、スマートフォンの利益を独り占めするアップル、1億人のSNS帝国を築いたフェイスブック、ライバルを次々と蹴落とすECの巨人アマゾンというように、各社が得意分野で独自のエコシステム(ビジネス生態系)を構築し、プラットフォーマーとしてサイバー空間を寡占的に支配する。

しかもGAFAは、既存のビジネス領域だけでなく、自動車や金融、住宅、医療、宇宙と、新たなフィールドへと貪欲に進出している。そして、従来の業界秩序を乱すディスラプターとして、まったく新たな枠組みを作り上げようとする。そのため多くの企業はGAFAの一挙手一投足に戦々恐々としているのが現状だ。GAFAに強い恐怖心を抱くのは企業ばかりではない。大国並みの経済力と影響力をもつGAFAには、いまや世界の国々でさえ警戒感をあらわにしている。例えばフェイスブックがデジタル通貨の発行を表明したところ、世界各国の首脳や国際機関から一斉に懸念の声が上がったことはいまだ記憶に新しい。
もはやGAFAの動きは、世界の政治にさえ影響を及ぼすようになっているのだ。
本書では、こうした圧倒的な力をもつようになったGAFAについて、そのビジネスモデル や経営戦略、次世代戦略などの観点から解説した。全体の構成は6章からなり、各章の概要は次のようになっている。

Chapter 1
そもそもGAFAとはどのような存在なのか、このシンプルな疑問に答えるのが冒頭の本章にあたる。ここではGAFAそれぞれが得意とするビジネスや4社の稼ぐ力、市場からの評価、相互のライバル関係について解説し、GAFAについてのアウトラインを理解できるようにした。

Chapter 2
この章からChapter 5までは各論で、GAFAそれぞれについて順にふれていく。まずはグーグルで、そもそもグーグルは何で稼いでいるのか、その基本的な疑問に答えた。その上で、グーグルがもつ人材やマネジメント手法、将来の取り組みについて多角的に見ていくことにする。

Chapter 3
アップルの現状と今後について取り上げる。一時は身売り説も噂されたアップルは、共同創設者スティーブ・ジョブズの復帰で劇的に復活した。しかも2018年には世界で初めて株式時価総額が1兆ドルを超えた。アップルの強みがどこにあるのか、この章を通じてそのポイントを押さえてもらいたい。

Chapter 4
GAFAの中で最も若いフェイスブックについて解説する。世界に公億人以上の利用者を抱えるフェイスブックは、名実ともにサイバー空間に姿を現した巨大帝国と言うにふさわしい。SNSを提供するフェイスブックが、そもそもいかにして利益を上げ、何を目指そうとしているのか、度重なる不祥事に問題はないのか、これらの点について検証したい。

Chapter5
GAFAの最後はアマゾンについてだ。EC(電子商取引)の巨人に成長したアマゾンはユニークな顔をいくつももつ。クラウド・コンピューティングのトップ企業であり、いまや物流にも進出する。EC企業としてだけでは括ることのできない謎めいたアマゾンの全貌を明らかにする。

Chapter 6
最終章はGAFAの今後についてふれた。いまGAFA以上に元気なのが意外にもマイクロソフトだ。同社についてふれるほか、GAFAが激しくぶつかり合う対話型AI市場の今後、さらにGAFAと国家の対立などについても、本章で扱うことになるだろう。

IoT(モノのインターネット)の進展やウェアラブル・コンピューティングの普及によりサイバー空間はますます拡大する。加えてそこへ新たな利用者が次々と流入し、「1世紀の石油」とも言われるデータは今後も膨張の一途をたどるだろう。刻々と変貌するサイバー空間において、これからどのような秩序が成立するのか。
その重要な鍵を握るのがやはりGAFAだろう。GAFAの実態を探ることで、その一端を垣間見ることができれば、本書の使命は達成されたことになる。

2019年9月 筆者識す

中野 明 (著)
出版社: 学研プラス (2019/10/31)、出典:出版社HP

CONTENTS

世界屈指のIT企業GAFA――数字で見るその圧倒的な強さ
はじめに

Chapter1 GAFAの競争力・徹底比較
1-1 GAFAの「三つの共通点」とは何か
1-2 GAFAのビジネスにおける「強み」とは何か
1-3 GAFAはどのくらい「稼ぐ力」があるのか
1-4 GAFAで「市場の評価」が最も高いのはどこか
1-5 GAFAは「敵対関係」にあるのか
column GAFAと「体の三つの部位」

Chapter2 Google−検索×広告で世界を制圧
2-1 グーグルの進化のポリシーとは何か
2-2 グーグルは何で儲けているのか
2-3 グーグルが所持する「最強の武器」とは何か
2-4 グーグルの武器は「グーグル広告」だけなのか
2-5 グーグルにはなぜ人格者が多いのか
2-6 グーグルのマネジメント・システムはどこが優れているのか
2-7 グーグルはなぜモバイルからAIにシフトチェンジしたのか
2-8 グーグルが注力する「自動運転」の狙いは何か
history グーグル年表

Chapter3 Apple−世界をデザインするイノベーション企業
3-1 世界初の時価総額1兆ドル企業成長の理由は何か
3-2 アップルは何で儲けているのか
3-3 なぜiPhoneの利益率は高いのか
3-4 卓越したデザインにこだわるのはなぜか
3-5 アップルの収益システムの特徴はどこにあるのか
3-6 アップルはコンテンツ・プラットフォームを独占できるか
3-7 アップルの売りは、製品やサービスだけなのか
3-8 アップルはこれからもイノベーションを起こし続けるのか
history アップル年表

Chapter4 Facebook−世界1億人の承認欲求を支配するSNS帝国
4-1 フェイスブックの利用者数はどこまで増えるのか
4-2 フェイスブックがグーグルに勝る強みとは何か
4-3 フェイスブック広告の仕組みはどこが優れているのか
4-4 インスタグラム、ワッツアップ買収のメリットは何か
4-5 フェイスブックのSNSはなぜ儲かるのか
4-6 フェイスブックがVRに進出した本当の理由とは何か
4-7 フェイスブックが開始するデジタル通貨の戦略は何か
4-8 フェイスブックはなぜ不祥事が後を絶たないのか
history フェイスブック年表

Chapter5 Amazon−ITからリアルへ。進化を続けるプラットフォーマー
5-1 アマゾンはどのような道を経て巨大化したのか
5-2 アマゾンで一番稼いでいるのはどのビジネスか
5-3 アマゾンの経営戦略のポリシーはどこにあるか
5-4 アマゾンが大躍進したきっかけとは何か
5-5 アマゾンは物流業界をどう変えていくのか
5-6 アマゾンがリアル店舗に進出する狙いとは何か
5-7 「アマゾン銀行」は現実のものとなるのか
5-8 ベゾスの野望はどこに向かっているか
history アマゾン年表

Chapter6 GAFAの未来―デジタル界の四騎士は人類の敵か、味方か
6-1 マイクロソフトはGAFAとどう戦うのか
6-2 「しゃべるAI」戦争に勝つのはどの企業か
6-3 GAFAに失敗事業が多いのはなぜか
6-4 大きくなりすぎたGAFAは「人類の敵」なのか
column CAFAを猛追する中国IT企業BATH

参考文献
索引

ブックデザイン/萩原弦一郎(256)
編集協力・DTP/アスラン編集スタジオ
イラスト/ケン・サイトー
校正/東京出版サービスセンター

中野 明 (著)
出版社: 学研プラス (2019/10/31)、出典:出版社HP