史上最強図解よくわかる発達心理学

【最新】発達心理学を学ぶおすすめ本 – 独学もできる入門から

ビジュアルで徹底解説

この本の良い点は、とにかく理解がしやすい点です。絵や図を使っていて,平素な文体でわかりやすく、どんな方にもおすすめです。発達領域に興味がある方はもちろん、苦手な方もこの本を読めば興味をもてるかもしれません。発達心理学の入門書として手元に置きたい1冊です。

林 洋一 (監修)
出版社: ナツメ社 (2010/7/13)、出典:出版社HP

マンガで見る
発達心理学でどんなことがわかる?

からだの変化がわかる

誕生から5歳までの発達カレンダー

感情の広がりがわかる

自分に対する意識の変化がわかる

対人関係の広がりがわかる

はじめに

産まれたばかりの何もできないような赤ちゃんが、数年後には大人と同じようにものを食べ、立って歩き、ことばを話し、自己主張までするようになります。人間の発達の過程は実に巧妙にできていて、興味深く、知れば知るほど驚かされることの連続と言ってもよいでしょう。

発達心理学は、「受精から死に至るまでの発達」を研究する心理学の一分野です。ことばのイメージから、「できなかったことができるようになる過程」を考えがちですが、現在の発達心理学は、「できたことができなくなる過程」をもその視野に入れているのです。
さらに、中心になるのは人間の発達ですが、ほかの動物との比較や、進化論的な視点からの分析が行われることもあります。心理学の中でも、一般の方がもっとも関心を持ち、かつ、その知見を日常生活に生かせる分野の1つでしょう。

本書は、これから発達心理学を学びたい方、これから親となる方を主な読者として想定しています。そのため、とくに生涯発達的な視点から、人間の発達についてわかりやすく解説するように心がけました。さらに、入門書ではありますが新しい研究成果も取り入れ、平易にかつ正確な 内容になるように努めました。そのため、発達心理学を学ぶ学生ばかりではなく、知的好奇心を持つ一般の読者の方々にとって興味あるものになったのではないかと自負しています。
現在、お子様を育てているお母様やお父様はもちろん、子どもの保育や教育に関わっている方、子育てを終えて今までとは違う生き方を模索している方など、幅広い読者にお読みいただき、本書をご自分の生活の中で生かしていただければ幸いです。

林 洋一

林 洋一 (監修)
出版社: ナツメ社 (2010/7/13)、出典:出版社HP

目次

マンガで見る 発達心理学でどんなことがわかる?
はじめに

序章 発達って何だろう
定義/発達心理学における発達とは
発達段階と課題/赤ちゃんから一気に大人になる人はいない
発達の法則/発達には一定の順序と法則がある
遺伝と環境/発達への影響が大きいのはどっち?
社会化/ヒトはどうやって人間になる?
学習/経験によって行動が変化する
コラム01 「一児豪華主義」の子育て

第1章 誕生時からある不思議な能力~胎児期・新生児期~
からだ/赤ちゃんの頭が大きいのは人間だけ
脳の発達/胎内で脳の基本が完成している
原始反射/生後3~4か月頃までしかない特別な力
生理的微笑/笑うのは楽しいからではない?
視覚/見えるのは目の前28kmの距離
聴覚/男性よりも女性の声のほうが好き?
触覚/たくさん触れることで世界を知る
気質/赤ちゃんには生まれつきの個性がある
気質の影響/周囲の接し方で性格はどう変わる?
コラム02 胎教の効果はある?

第2章 コミュニケーションの基礎ができる~乳児期~
全身の発達/1歳までに体重は3倍になる
手の発達/手の動きで発達の段階がわかる
情緒/赤ちゃんが泣くのは周囲へのシグナル
社会性/授乳もコミュニケーショントレーニング
愛着/母親への信頼が世界への信頼につながる
愛着の発達/人見知りは強い愛着の裏返し?
愛着のタイプ/愛着のタイプにはよし悪しがある?
Topic01 過保護と過干渉はどう違う?
思考の発達/赤ちゃんが同じことを繰り返すのはなぜ?
共鳴動作/大人の表情をまねして感情を共有する
喃語/「アー」や「ウー」は音声遊びの始まり
コラム03 「寝る子は育つ」は本当?

第3章 感覚からイメージの世界へ~幼児期I~
脳とからだ/脳やからだはどこまで発達する?
全身の発達/歩き出すと世界が広がる
ことばの発達/大人のまねからことばを学ぶ
ことばの発達/使う単語の数が増えていく
Topic02 子どもが何でも知りたがるのはなぜ?
ことばの働き/子どもがひとり言を話すのはなぜ?
読み書き/文字に興味を持ち始める
遊びと発違/遊びがすべての発達を促す
コラム04 テレビが子どもに与える影響とは

第4章 「わたし」と「あなた」の違いに気づく~幼児期I~
自己認知/自分の名前がわかるようになる
自我のめばえ/反抗期はこころが発達した印
きょうだい/上の子にとってきょうだい誕生は一大事
人格/生まれた順序で性格が変わる?
性役割/男女の違いはどこで生まれるのだろう
情緒の発達/気持ちをことばで表現する
Topics03 「叱る」よりも「ほめる」しつけを
困った行動/子どもがウソをつくのはなぜ?
園での生活/家族以外の人たちと関わる
友人関係/こころの発達にはけんかも必要
コラム05 睡眠不足は発達の妨げになる?

第5章 思考力がつき、人間関係が発達する~児童期~
子どもと学校/家庭中心から学校中心の生活へ
思考の発達/論理的に考えられるようになる
知能/IQは高ければ高いほどよい?
働きかけ/親のやる気は子どもに伝わる?
動機づけ/子どもの「学びたい」気持ちを引き出すには
記憶/効果的な記憶法が身につくのはいつ?
つまずき/周囲との比較で劣等感が生まれる
Topics04 ネットとケータイは使いよう
友人関係/「類は友を呼ぶ」は本当?
ギャング・エイジ/子どもが群れるのはなぜ?
コラム06 こころを支えるスクールカウンセラー

第6章 子どもと大人の間で揺れ動く~青年期~
からだ/第2次性徴で性にめざめる
こころ/不安定で否定的になりやすい
青年期の壁/自分自身についての悩みが増える
親子関係/親と次第に距離を置き始める
友人関係/青年期の友人関係は希薄化している?
男女関係/恋愛はどう発達していくのだろう
Topics05 人生に悩める若者たち
いじめ/きっかけはほんの些細なことが多い
ひきこもり/一番苦しんでいるのは本人自身
コラム07 若者文化はどの時代にも現れる

第7章 変化し続けるこころとからだ~成人期以降~
成人期の発達/いくつになっても人は発達する?
仕事/働くことに求めるものは年代で変わる
結婚/パートナーに求めるのは安心感
親の発達/子どもを持つと人はどう変わる?
育児不安/子育てに自信のある人はいない
離婚/夫婦関係はなぜ壊れてしまうのか
中年期/「人生の正午」は危機がいっぱい?
Topics06 中年期に起こりやすいこころの病
老年期/加齢に伴う心身の変化を受け入れる
生きがい/老年期をこころ豊かに過ごすために
認知症/早期発見が症状の進行を遅くする
死の受容/人は死をどう受け止めるのだろう

発達ルポ
知っておきたい発達の障害
発達障害ってどんなもの?
知的障害
ことばの障害
脳性まひ
広汎性発達障害
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
LD(学習障害)
身体的な発達障害
大人の発達障害

発達のつまずきをサポートする
幼児・児童虐待
神経性習癖
不登校
摂食障害
自傷行為
ストレス

※アメリカ精神医学会による「精神疾患の分類と診断の手引き(DSM)」の第5版が2013年に出版されたのを受け、日本精神神経学会により作成された「DSM-5病名・用語翻訳ガイドライン」において、いくつかの精神疾患まされ、その中に発達磨害に関するものも含まれていますが、本書では利便性を重視し、旧名称のままで掲載しています。
【名称変更の例】
自閉症、アスペルガー症候群→自閉スペクトラム症 注意欠陥・多動性障害は注意欠如・多動症 学習障害→学習症等)

序章 発達って何だろう

発達心理学における発達とは
「発達」というと、成長、発育など右肩上がりに進んでいくイメージを持つ人が多いのではないだろうか。しかし、発達心理学で扱う発達には、さまざまなものが含まれている

発達は、こころとからだの変化
わたしたち人間は生まれてから死ぬまで心身ともに“変化し続ける生き物”といっても過言ではない。例えば、からだの大きさをみてみよう。生まれたばかりの赤ちゃんは、身長が 50cm前後、体重は3000g前後くらい。自分の今の身長や体重と比べて全く違うことは明らかだろう。数字で表せない変化もある。寝ているだけの赤ちゃんが、数ヶ月後には寝返りをしたり、ハイハイをしたりするなどは、動きの質的な変化だ。
からだ以外にも変化は現れる。子どもは1つの単語からことばを覚え、次第に複雑な文章も扱えるようになる。さらに筋道を立ててものごとを考えたり、抽象的な考え方ができるようになるなど、大人になるまでに大きく変化していく。
こうした変化を全て「発達」としてとらえ、人間のこころやからだ、行動などの変化を研究するのが「発達心理学」だ。

大人になるまでにどんな変化があるか

林 洋一 (監修)
出版社: ナツメ社 (2010/7/13)、出典:出版社HP