学生による学生のためのダメレポート脱出法 (アカデミック・スキルズ)

【書き方をしっかり学ぼう – レポート・論文おすすめ本】も確認する

“ダメな”レポートからの脱出

実際に寄せられた学生からの質問をもとに、レポート・論文執筆において注意すべきポイントが解説されています。また、ノートの取り方や課題提出までのスケジューリングなど大学生に必要な学習ポイントがまとめてあります。全ての大学生必携の1冊です。

慶應義塾大学日吉キャンパス学習相談員 (著), 慶應義塾大学教養研究センター (監修)
出版社 : 慶應義塾大学出版会 (2014/10/21)、出典:出版社HP

刊行にあたって

晴れて大学生となったみなさん。いろいろなことをこれから思う存分 楽しむぞと、わくわくしていることでしょう。新しい友人、サークル活 動、ボランティア、バイトにスポーツ……夢はどんどんふくらみますね。 この本は、楽しく大学生活を送るためにまっ先に手に取る本です。
これは、大学を楽しもうと思っている人のために、現役大学生と大学 院生たちが工夫をこらして書き上げた本です。本当に大学生活を満喫し ようと思ったら、勉強を避けて通ることはできません。とは言え、大学 4年間は机に向かってばかりで過ごすわけにもいかない時期です。なぜ なら、この時期はみなさんが一生をどう過すかじっくり考え決断するために、いろいろなことにチャレンジしなければならない時だからです。マ ルチタスクでいろんなことをこなしていかなければ、あっと言う間に過ぎてしまいます。授業の勉強も、ほかのことと折合いをつけながら取り 組んでいかなければなりません。この本はそのやり方をアドバイスして います。そして、勉強を他のいろいろなことと結びつけて、みなさんの 一生を豊かにするために役立つものにしていこうと提案しています。
でもみなさん、大学の勉強を楽しむにはコツが必要です。この本には、 その方法がつまっています。著者の現役大学生、大学院生たちが、みなさんと同じように大学での勉強の仕方で戸惑い悩み、先生から教わった り、先輩からアドバイスを受けたり、友だちとともに試行錯誤を繰り返 したりしながら、身につけ編み出した方法を惜しむことなく伝授してく れます。世にレポート本はたくさんありますが、それとは一味も二味も 違った学生ならではの知恵が満載されています。
どうぞみなさん、この本を読み、楽しんで勉強をするすべを身につけ、 大学生活を意義あるものとし、そうして実り多い人生の基礎を作ってく ださい。
ということでした。また、そうした悩みはレポートの書き方本を読むだけではなかなか解決できない、ということも実感できました。学生のぶつかりがちな悩みに対して、学生目線でアドバイスする。こうした視点 の本は今までなかったのではないかと思います。
18日
大学生には時間があると言われますが、実際にはそんなに暇でもあり ません。日々の学業だけでなく、サークルやアルバイト、資格試験の勉 強、インターンシップなどなど、やりたいこと、やらなければいけない こと、やった方がいいことはたくさんあります。そんな学生にとって、全ての科目・全てのレポートに十分な時間と労力を割くことは、現実的に は難しいことが多いでしょう。実際、必修科目や語学の試験準備に追われてレポートにはほとんど時間が取れない、という相談もありました。 「ここまでできれば理想的なんだけれど、そうは言っても時間が……」となるわけです。
1本のレポートにたっぷりと時間をかけた場合、他の科目の課題や試 験勉強がいい加減になってしまうこともあり得ます。サークル活動やア ルバイトとの並行も難しくなります。従来のレポートの書き方の本は、 この点についての目配りが少なかったように思います。
大学は学問の場であるというのはもっともです。しかし、そうは言っても、大学生として打ち込むサークル活動やアルバイトにも、やはり大 事な意味があるはずです。学生は欲張りであっていいはずです。サーク ル活動も社会経験もあきらめずに、学業でも一定の成果を残す。これは 実現可能です。本書には従来のレポート本には書かれていないような工 夫も盛り込まれています。私たちはこれを正攻法の工夫だと思っています。
大学に入ったばかりの学生にとって、多くの科目で課されるレポート 課題は大きな壁として立ちはだかります。レポートを書くためには、講 義を丁寧に聞き取るだけでなく、自分で問題を設定し、自分なりの問題 解決に取り組んでいかなければなりません。これは大変な作業です。しかし、それこそ大学での学びでしょうし、そこで身につけた力こそ、社 会に出たときに求められるものでしょう。
第1部では、基本的なレポートの書き方を説明しています。悩みごと に内容を分けていますので、どこから読んでも構いません。ここから、レ ポートの基本を学び取っていってください。
第2部では、基本的なレポートの書き方を踏まえて、もう少し実践的 な点について説明を行っています。失敗例を示しながら説明しています ので、自分の書いたレポートやノート、自分の立てたスケジュールと比べて検討してみてください。きっと役に立つはずです。

慶應義塾大学日吉キャンパス学習相談員 (著), 慶應義塾大学教養研究センター (監修)
出版社 : 慶應義塾大学出版会 (2014/10/21)、出典:出版社HP

Contents

刊行にあたって
はじめに
第1部 基礎編
第1章 レポートってそもそも何?何をすればいいの?
(1) レポートの大原則
(2) レポートの型
(3) レポートは読者とのコミュニケーション手段
第2章 提出まで時間がない! 最低限やるべきことは?
(1) 脱・ダメレポートのための最低ライン
(2) 課題の条件を満たす
(3) 課題別の対処法
(4) 効率よく時間を使うために
第3章 参考文献って何? どう使うの? どう書くの?
(1) 参考文献は何のためのもの?
(2) 参考文献一覧の書き方
(3) 参考文献のその他の使い方
第4章 他人の考え(引用)だらけ! どうしたらいい?
(1)なぜ引用だらけになってしまうのか
(2) 問いを立てるために
第5章 「自由に論ぜよ」って言われても、
一体どうすればいいの?
(1) テーマを設定するには
(2) テーマを設定する時の注意点
(3) テーマ設定の例
第6章 資料がうまく見つからない!
これって探し方が悪いの?
(1) 資料を探すためのキーワードがわからない?
(2) テーマや資料を限定しすぎ?
(3) どうしても見つからない
(4) その他の検索テクニック
第2部 発展編
第1章 ノートの取り方・活用の仕方
(1)「脱・板書丸写し」の心構え
(2) ノートテイキングのコツ
(3) ノートの例
(4) ノートをフル活用しよう―問いとの連関
第2章 スケジューリングの方法
(1) スケジューリングの失敗例
(2) レポートに取り組むためのスケジュール管理
(3) スケジュール例
(4) レポートの手順のポイント
(5) レポートを効率よく進めるコツ
第3章 ダメレポートを改稿する
(1) 事例1
(2) 事例2
第4章 書評レポートの書き方
(1) 書評レポートってどんなもの?
(2) 書評レポートの構成
(3) 書評レポートの失敗例
(4) 書評レポートの取り組み方
第5章 プレゼンテーションへの応用
(1) プレゼンの心構え
(2) プレゼン準備の手順
(3) スライドの悪い例、改善例
(4) プレゼンならではのポイント
(5) こんなプレゼンはダメ!
おわりに

慶應義塾大学日吉キャンパス学習相談員 (著), 慶應義塾大学教養研究センター (監修)
出版社 : 慶應義塾大学出版会 (2014/10/21)、出典:出版社HP