超図解 一番わかりやすいキリスト教入門

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キリスト教や聖書を図解で理解する

「超図解」とタイトルに入っている通り、イラストや地図がふんだんに使われていて、ページの半分をイラストが占めているページも少なくありません。そのため、聖書やキリスト教の勉強を始める際の、最初の一冊としておすすめの本です。

インフォビジュアル研究所 (著), 月本 昭男 (監修)
出版社 : 東洋経済新報社 (2016/10/28)、出典:出版社HP

はじめに

わたしたち日本人は世界の人々の中で、こと宗教に関してはマイノリティです。世界最大の宗教はキリスト教。世界の人口の約33%がキリスト教徒で、その数は約24億人。仏教徒は約5億人で、世界の総人口の7%程度にすぎません。しかもその中の日本仏教徒となると、極めつきのマイノリティであるわけです。
この人口は『ブリタニカ国際年鑑』によるものですが、宗教別人口というのはかなり曖昧なものです。たとえば日本人は一口に仏教徒だといわれますが、自分は仏を信じていないという人が多いのではないでしょうか。しかし、葬儀はたいてい仏式で行われています。伝統的に仏教の風習を受け継いでいる人を仏教徒だとすれば、日本人の多くは仏教徒であり、さらにいえば、お宮参りや神前結婚式など神道の要素も加えた「日本仏教徒」だということになります。
キリスト教も同じで、日曜日にはミサに行くなど比較的明確なキリスト教徒のほかに「無宗教」だけれどもキリスト教の世界観や倫理観をもつ人々がいます。その意味でアメリカ、イギリス、ドイツなどの欧米諸国は、移民による多宗教化が進んでいるとはいえ、歴史的に「キリスト教国」だといえます。そのことの理解は日本のビジネスマンにとってもたいへん重要です。というのは、現代の世界経済システムはキリスト教の世界観や倫理観を持つ欧米諸国よって形成されたからです。近年のグローバリゼーションの延長線上に起こってきたことですから、ビジネスをスムーズに進めるためには、キリスト教国の人々がどのような精神文化の中で育ち、日常的にどのような発想をするのかを知っておくことが不可欠だといえるでしょう。
キリスト教をはじめ宗教的な要因が国際情勢を左右する場面も多くなっています。2016年6月にはイギリスが国民投票で、歴史的にキリスト教国を主体とする共同体であるEU(欧州連合)からの離脱を決めましたが、その背景に独自の国教会があることは見逃せません。
本書は、キリスト教の歴史や聖書の内容を豊富な図解でやさしく解説しました。それを通じて、キリスト教文化圏で育った人々の考え方――世界観、発想パターンや物事の捉え方等々を理解していただけるように工夫しています
本書は、キリスト教を中心として幅広い視点から異文化を理解するための本です。読者の皆様が異なる文化を持つ人々との交流を深め、グローバル社会を理解する一助となることを願っています。

インフォビジュアル研究所

インフォビジュアル研究所 (著), 月本 昭男 (監修)
出版社 : 東洋経済新報社 (2016/10/28)、出典:出版社HP

目次

はじめに
第1章 キリスト教がわかると世界が見える
①世界最大の宗教はキリスト教
②世界の要人がひざまずく神の代理人=ローマ教皇
③巨大な宗教国家アメリカのキリスト教徒たち
④モザイクのように全米に住み分けるキリスト教徒
⑤キリスト教から資本主義が誕生した仕組み
⑥キリスト教の布教と企業のグローバル戦略は同じもの
⑦中東に世界の火薬庫ができたわけ
⑧世界の火薬庫バルカンでのキリスト教とイスラム教の歴史
⑨EUでキリスト教が衰退しているわけは
⑩地下に広まる中国のキリスト教
⑪韓国がキリスト教大国になったわけ
⑫ロシア正教会の復活はロシア帝国の復活?

第2章 キリスト教徒は世界をこう考える
キリスト教徒の考え方
①この世界は誰かが造ったもの
②どの民族も創世の神話をもっている
③三位一体とはなんのことか
④神との旧い契約と新しい契約とは
⑤キリスト教徒の「天国」と「地獄」
⑥キリスト教徒の「善」と「悪」とは
⑦キリスト教徒の信ずる「愛」とは
⑧戦うことの正義について
⑨キリスト教徒の労働は苦役?
⑩家族は神の国の基礎
⑪キリスト教の2つの復活の構造

キリスト教徒のイメージの原型
①尖塔 人間が自然を超克する証として
②水 最も聖なるもの・天国の水
③森 悪霊と妖精・恐れと魅惑の異界
④ドラゴン 神に敵対するものの象徴
⑤パン キリストの身体・命のみなもと
⑥動物 支配しつつ畏怖するもの
⑦天使と悪魔 天国と地獄からの使者
⑧黄金 神の権威の象徴として
⑨宇宙 神の摂理そのものとして
⑩一神教と多神教 どちらにも共通の性格

第3章 キリスト教の常識を知る[旧約聖書の世界] キリスト教の聖典 旧約聖書と新約聖書
旧約聖書の概要 神の民の歴史を綴る旧約聖書
旧約聖書が語る歴史の舞台① 創世記の地
旧約聖書が語る歴史の舞台② ユダ・イスラエル王国の繁栄
旧約聖書の世界① 天地創造の物語
旧約聖書の世界② エデンの園からの追放
旧約聖書の世界③ カインとアベルの物語
日約聖書の世界④ ノアの箱舟の物語
旧約聖書の世界⑤ バベルの塔の物語
旧約聖書の世界⑥ アブラハム一族の物語
旧約聖書の世界⑦A モーセの登場
旧約聖書の世界⑦B 出エジプトの物語
旧約聖書の世界⑦C モーセの十戒の物語
旧約聖書の世界⑧A ユダヤの民の栄華と王国の崩壊
旧約聖書の世界⑧B ダビデ王の物語:
旧約聖書の世界⑧C ソロモン王の物語
旧約聖書の世界⑨ 王国の分裂から消滅までの物語
旧約聖書の世界⑩ エルサレムの復興
旧約聖書の言葉

第4章 キリスト教の常識を知る[新約聖書の世界] 新約聖書の概要 新約聖書とは
新約聖書のエピソード イエスの生きた時代と、その舞台
新約聖書の世界① 聖母マリヤの物語
新約聖書の世界② イエスの誕生の物語
新約聖書の世界③ 洗礼者ヨハネの物語
新約聖書の世界④ イエスの新たな弟子たちの物語
新約聖書の世界⑤A イエスの宣教 奇蹟の物語
新約聖書の世界⑤B イエスの宣教 山上の説教
新約聖書の世界⑤C イエスの宣教 数々のたとえ話
新約聖書の世界⑥ イエスの受難 エルサレム入城
新約聖書の世界⑦ イエスの受難 最後の晩餐
新約聖書の世界⑧A イエスの受難 死刑判決
新約聖書の世界⑧B イエスの受難 十字架上の死:
新約聖書の世界⑨ イエスの復活
新約聖書の世界⑩A 使徒たちの伝道の物語
新約聖書の世界⑩B パウロの手紙
新約聖書の言葉

第5章 キリスト教の常識を知る[キリスト教の歴史] キリスト教の広まり① キリスト教がローマ帝国の国教になる
キリスト教の広まり② 帝国の分裂とともに東西キリスト教会に分かれる
キリスト教の広まり③ 教皇と王=教会と国家が中世ヨーロッパをつくる
キリスト教の広まり④ 東欧に広がるキリスト教(東方教会)
キリスト教の広まり⑤ 異端派はイスラム社会に根づき、東への布教の旅に
キリスト教の広まり⑥ 十字軍、キリスト教対イスラム教、積年の戦いの始まり
キリスト教の広まり⑦ ルネサンス イタリアで華開いたキリスト教芸術
キリスト教の広まり⑧ 魔女狩り キリスト教史の拭えぬ禍根
キリスト教の広まり⑨ 宗教改革プロテスタントの誕生
キリスト教の広まり⑩ 北アメリカへ海を渡るピューリタンたち
キリスト教の広まり⑪ アジアへの布教大航海時代と植民地化
キリスト教の広まり⑫ 帝国主義 植民地とキリスト教の拡大
キリスト教の広まり⑬ 明治からの日本 キリスト教の激動の歴史
企画・図解構成・編集執筆…大嶋賢洋(インフォビジュアル研究所)
図版デザイン・制作…高田寛務(インフォビジュアル研究所)
編集・執筆(1.2.5章)…大角修(地人館)
編集・執筆(3.4章)…豊田菜穂子(インフォビジュアル研究所)
目次・扉デザイン…河野謙(インフォビジュアル研究所)
DTP制作…佐藤修久(地人館)

インフォビジュアル研究所 (著), 月本 昭男 (監修)
出版社 : 東洋経済新報社 (2016/10/28)、出典:出版社HP