観光学入門―ポスト・マス・ツーリズムの観光学 (有斐閣アルマ)

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観光学の学問の全体像を学ぶ

本書は、「観光」を学問として捉え、解説しています。現在の観光についてだけでなく、観光の歴史についてや、そもそも観光とは何なのかという基礎的な部分から学ぶことができます。本書では観光とそれにまつわることの関係について細かく章分けされているので、詳しく学ぶことができます。

岡本 伸之 (編集)
出版社 : 有斐閣 (2001/4/1)、出典:出版社HP

はじめに

観光学は,観光とそれに関わる諸事象を研究対象とする学際的な学問である。わが国における観光の現状は研究対象とすべき多くの問いを内包している。それらの問いは,自然と社会と人間が直面する現代的な諸課題と深く関連しており,その解明が急務となっている。観光学は,社会現象としての観光が内包するさまざまな問いに対して,学際的に接近し,その答えを出す(書く)ことによって,諸課題の解決に貢献することが求められている。

たとえば,観光はその往来が国境を越えるかどうかによって国際観光と国内観光に大別されるが,国際観光の分野における大きな問いとして,アウトバウンドの観光(日本人の海外旅行)とインバウンドの観光(外国人の訪日旅行)の乖離の問題がある。『観光白書』によれば,1999年には 1636万人の日本人が海外へ出かけたが,日本を訪れた外国人旅行者の数はわずかに444万人であった。1億2600万人の人口があり,世界第2位の経済大国とされるわが国であるが,フランスが人口は日本の半数でありながら6730万人(1997年)もの外国人旅行者を受け入れている事実と比べれば,彼我の違いは大きい。

外国人の目から見れば日本はわざわざ訪ねようと思う気が起こらないような国なのであろうか。日本の自然と文化の国際的な位置づけに対する日本人の認識に照らせば、外国人旅行者の受入れ数が世界ランキングで30位までに入らないという現実は,なぜそうなのか,観光研究上の大きな問いである。考えてみると,日本人に対して欧米の文化がいかにすばらしいかを熱っぽく説く日本人は多いが,欧米の人びとに対して日本の文化がいかにすばらしいかを説く日本人は少ない。日本人は他国へは大挙して見物に出かけるが,他国から来られるのは嫌がるところがある。海に囲まれた安全で清潔な暮らしを邪魔されたくないということであろうか。

日本を訪れる外国人旅行者の数が少ないということは,日本人に対して,日本という国がどういう国であるのか,その長所と短所について,率直な感想を漏らしてくれる友人が少ないことを意味する。その結果,日本人は,日本がどういう国であるのか,他者の目を通して日常的に学ぶ機会に恵まれない。端的にいえば,自分のことをわかる機会がない。安全で清潔な暮らしであるのかどうかも怪しい。その点フランスがうらやましい。フランスでは,外国人旅行者にワインと料理,ファッションもすばらしいといわれながら,自国の文化にますます磨きをかけるようなメカニズムが働いている。

政府は訪日外国人旅行者を10年で倍増する目標を立てている。はたして可能であろうか。この問いの解明は,日本に固有の自然と文化が世界の人びとにとってわざわざ訪ねるに値する魅力(誘引力)を持つことを検証するところから始めることになろう。仮に,日本の自然と文化が彼らに行動を起こさせるに十分なほど非日常の魅力を持つとしても,実際に足を運んでもらうとなると,その成否は数多くの実務的な要因に左右される。情報提供システ ムの整備に始まる多面的な観光事業のあり方が問われるが,最も”根源的な問いは,日本人が外国を崇拝するだけではなく,外国人旅行者のまなざしを通して自国の文化を再認識し,他国との共生の道を模索しようとする気持ちになれるかどうかという点である。 他者,それも見ず知らずの人に対する思いやりのことをホスピタリティと呼ぶが,日本人にはたしてホスピタリティはあるのであろうか。

ここではインバウンドの観光の問題を取り上げたが,国際問題は国内問題でもある。問題の構造は相似ではないか。地方から東京見物には行くが,東京から大挙して来られるのは困る,大挙して来てほしいと思っているのは観光業者だけという感じがある。これでは具合が悪い。人でも地域でも,相互交流はその進歩にとって不可欠の契機である。なぜならば,相互交流を欠いては,自分や地域のことをわかる機会に恵まれない。人の場合でいえば,自分がどういう人間であるかは,他者と交流することによって,他者の目に自分がどう映るかを見極めることによって初めてわかる。地域の場合も同じである。観光客から賞賛の言葉が寄せられれば,自分が住んでいる地域は他所の人が感心するに値する地域であるとわかる。そのためにはまず他所の人を受け入れなければならない。そうでなければ,観光客のまなざしを受け止める機会に恵まれることはない。このように,わが国の観光の現状は,学問的な研究の対象とすべき多くの問いを内包している。

観光学は歴史の浅い学問である。1967年に立教大学の社会学部の中にわが国最初の観光学科が設置され,約30年の歴史を経て1998年に学部として独立したが,近年,観光分野の研究教育の重要性が認識されるようになり,全国の大学で観光学部や観光関連学科が設置されるようになった。誠に喜ばしいことである。本書は,わが国における観光教育のパイオニアとしての立教大学観光学部の教員が中心となって執筆した観光学の入門書である。

本書は全体で15章から構成されている。まず,第1章で観光の概念と観光学について概観した後,第2章では観光の歴史を振り返ることによって現代観光の特色を理解する。第3章では観光現象を生起させる原因としての観光行動に光を当てる。第4章では観光行動を引き起こす契機となる観光情報の役割について概観し,第5章では観光が物理的な移動を伴うことから交通の問題を取り上げる。第6章では観光行動の客体を構成する基礎的な要素としての観光資源について学び,第7章では観光資源を環境問題の枠組みの中に位置づける。第8章では文化現象として観光を捉える。第9章では,観光を可能とさせる各種施設とサービスについて概観し,第10章では観光現象を経済学の視点から分析する。第11章では観光の商品化のメカニズムを解明し,第12章では観光に関わる政策と行政の問題を取り上げる。第13章では観光と地域社会の関連を分析する視点を提示し,第14章では観光と風景との関係を考察し,第15章では観光に関わる投資の問題を取り上げる。

編者としては,読者が本書を通して観光学の学際性を理解され,観光とそれに関わる諸事象が内包するさまざまな問いに対して,読者がみずからその答えを出す(書く)努力を始めていただければと希望している。観光学は歴史の浅い学問であるから,未解明の研究課題が山積している。そのため,観光研究を志せば,観光という優れて現代的で誰でも関心を寄せる分野の研究を通して,学問することの醍醐味を体験できるといえる。

最後に,本書を取りまとめるにあたっては,思いのほか時間を要した。辛抱強く見守り,専門的なアドバイスをいただいた有斐閣書籍編集第2部の鹿島則雄,天城敏彦の両氏に心から感謝の意を表したい。

2001年3月
編者

INFORMATION

Introduction to Tourism
●本書の特徴
本書は観光学をはじめて学ぶ学生に,観光学とは何を対象とし,何を追究する学問なのかを分かりやすく解説した入門テキストです。観光学は,研究対象も研究方法も多岐に渡る学際的な学問ですが,本書は幅広い領域をカバーしており,その全体像をつかむのに適しています。
本書は基本テキストとして、基本的な内容を平易に解説することを主旨としていますが,「オールタナティブ・ツーリズム」などといわれる最近の新しい観光の動向も踏まえて書かれています。 したがって,これからの時代の観光のあり方を読者が考えていく手助けにもなります。現在,観光に関わる職業に就いている方にもおすすめします。

●各章の構成
各章は「キーワード」「本文」「読書案内」「演習問題」「コラム」で構成されています。

●キーワード
各章で学ぶ基本的な概念や用語を,章の最初のページに挙げました。読み進む際のポイントの把握に,あるいは読み終わった後の整理にお役立てください。

●読書案内
各テーマをより深く広く学んでいくための手がかりとして,関連する基本文献を挙げました。日本語文献を中心にしましたが,分野によっては参考にしていただきたい外国語文献も挙げています。意欲的に挑戦してみて下さい。

●演習問題
各章末に「演習問題」を挙げました。各テーマの大学の期末試験で出されるような問題を中心にしたものです。

●コラム
本文の記述を補う説明や,観光に関わる歴史,トピックスなどを取り上げたコラムを配置しました。観光学の扱う対象の広がりをご確認ください。索引巻末には事項索引と人名索引が収録されています。検索,学習にご利用ください。

岡本 伸之 (編集)
出版社 : 有斐閣 (2001/4/1)、出典:出版社HP

目次

第1章 観光と観光学
1 観光の概念
観光とは
語源による含意
関連用語

2 観光の意義
観光基本法
相互理解の増進
経済的効果

3 観光の構造
観光の構造
観光者
観光対象
媒介機能
観光政策と行政

4 観光学の対象と方法
研究対象としての観光現象
方法としての学際性
研究と教育

第2章 観光の歴史
1 観光史の見方と観光前史
観光の歴史をどう見るか
ヨーロッパの旅の歴史
日本の旅の歴史

2 近代観光の発生と発展
近代と観光
観光の発生と発展
日本の近代化と観光

3 現代観光の出現と拡大
マス・ツーリズムの出現
新たな観光のあり方の模索
現代観光のゆくえ

第3章 観光と行動
1 観光行動の仕組み
観光欲求と観光動機
観光行動が生起する仕組み

2 観光者心理と観光行動
観光者心理の一般的特徴
観光行動の類型と観光者心理

3 観光行動のタイプ
「観光行動」の一般的説明
観光行動の主な分類
観光回遊行動

第4章 観光情報と観光情報産業
1 観光と情報の関係
観光の魅力に形はない
情報化による観光対象の有形化
五里霧中の観光ニーズ
情報化によるニーズの明確化

2 観光情報の構造
「点」情報
「線」情報
「空間」情報
「面」情報

3 観光空間情報の要件
舞台装置:目的対応の網羅性
シナリオ:時間軸管理
不定形の魅力:拡張可能性
インタラクティブ・チャネル:可塑性と発展性

4 次世代の観光情報産業
感動を創造し請け負う観光空間情報の商品化
時間軸に沿った観光行動を促す進行管理情報
一期一会の感動を演出する情報発信
バーチャル・ツアー・ナビゲーター

第5章 観光と交通
1 観光と交通の関係
観光交通の概念
観光交通の対象と分析手段

2 観光交通市場
観光交通サービスの特徴
観光交通市場の構造と価格形成

3 観光と交通政策
交通政策の歴史
規制緩和
国内航空輸送の規制緩和過程

4 観光基盤施設の諸問題
鉄道
道路
空港

第6章 観光地と観光資源
1 観光資源とは

2 観光地の種類と特性
観光地とは
観光地の3区分

3 観光地の動向と課題
自然資源ベース型観光地
人文資源ベース型観光地
総合資源型観光地:リゾート

4 観光資源の保護と利用
日本の行政施策による観光資源の保護と利用
世界的資源の保護とイギリス,アメリカの保護団体の活動

第7章 観光と環境
1 自然環境保全の系譜
自然環境保全の近年の動き:ストックホルム会議からリオ会議へ
保護地域を指定することによって自然を守る
野生生物を守る
市民生活の中で環境を守る:トラスト運動

2 自然にふれる観光
自然を愛でる
自然を楽しみ、自然に学ぶ
自然に癒される

3 観光と自然環境保全
観光による自然環境へのインパクト
持続可能な観光
観光を通じた自然環境保全への貢献

第8章 観光と文化
1 文化現象としての観光
文化の現在
プロセスとしての文化
観光を通した文化研究の可能性

2 観光の文化的インパクトと文化の動態
文化の商品化
文化の真正性
伝統の発明

3 文化観光と観光文化
文化観光
観光文化
模型文化
観光芸術

第9章 観光施設
1 観光施設の概念
観光施設の概念
観光施設の機能
観光施設の類型

2 飲食と宿泊
鑑賞・体験型観光のための飲食と宿泊
活動型観光のための飲食と宿泊
保養型観光のための飲食と宿泊

3 その他の観光施設
鑑賞・体験型観光のための観光施設
活動型観光のための観光施設
保養型観光のための観光施設

第10章 観光と経済
1 観光と経済および需要と供給
観光と経済の関わりのミクロ経済的側面
観光と経済の関わりのマクロ経済的側面
観光と経済の関わりの公的側面

2 観光市場
観光財・サービスに対する需要と供給
需要曲線と供給曲線の移動

3 観光需要の弾力性
需要の価格弾力性
需要の所得弾力性
需要の交差価格弾力性

4 競争の不完全性と観光財・サービスの価格決定
競争の不完全性と価格の差別化
2部料金制

5 観光の経済効果
観光の循環的な流れと観光
観光企業の投資と乗数効果
観光支出の経済波及効果

岡本 伸之 (編集)
出版社 : 有斐閣 (2001/4/1)、出典:出版社HP

第11章 観光消費
1 観光における商品化
商品化される体験としての観光商品
偽装される交換
観光商品の交換過程

2 観光商品における記号と身体
記号の消費としての観光
コードの消費
非コードの消費
身体性の消費としての観光
視覚的消費としてのマスツーリズム
記号と身体の相互浸透

3 観光消費の諸様態
場所の消費
観光におけるリアリティの形成
場所の記憶と仮想リアリティ
ヘリテージの消費
生きたヘリテージとリアリティ

第12章 観光政策
1 観光政策とは
観光政策の特殊性
観光政策の理念と目的

2 観光政策の課題とその変遷
国際観光の振興:外貨の獲得と国際理解の増進
国民の余暇と観光の健全な発展
地域振興策としての観光開発
新時代の観光政策:世界観光の時代

3 わが国の観光政策と観光行政
国際観光に関する政策
国内観光に関する政策

4 観光の行政組織:諸外国の観光行政機関と観光宣機関
政府観光局
観光行政機関

第13章 観光と地域社会
1 地域と社会を表す日常語と述語の関係

2 人の移動と地域との関係
経験の中の移動と地域
空間としての地域と人の移動
人の移動と地域社会

3 観光と観光地
観光者の匿名性
機能的空間としての観光地の登場
観光地における個人の経験の軽視

4 観光地の運営と地域社会
観光地の空虚性と手段化
観光事業組織に対するコンサルテーション
観光地の近代性に対抗する力

5 観光を通じた生活表現
生活の均一化の進行
ネットワーク的関係の中の観光
旅における日本らしい経験と地域性

第14章 観光と風景
1 はじめに:田園風景とは、風景とは何なのか(意義と定義)
風景とはなにか
風景を哲学する

2 絵画と文学作品に見る田園風景へのまなざし
ローマ詩人が描く田園理想郷『アルカディア』:神と大地への感謝
陶淵明が描く桃源郷『桃花源記』:隠逸の場としての田園
農耕を描く「四季耕作図」:中国文化を通してみる風景,労働の場としての田園風景
封建領主から見た領地の風景:領地の繁栄の歓び
ルネッサンス後期・ブリューゲルの絵 画:人間中心のルネッサンス的田園風景
バルビゾン派・印象派(ターナー, ミレー, セザンヌ):近代的な田園風景絵画
日本の黎明期の洋画家たち:バルビゾン派の目で見た日本の田園風景
国木田独歩の『武蔵野』:自然主義的田園風景の発見
まとめ:新しいまなざしの誕生

3 田園風景の保存と育成:各地の事例から
文化財としての指定
田園景観保全条例
棚田(千枚田)オーナー制度
イベント・シンポジウムの開催:「棚田サミット」
景観保全運動:ドイツ「わが村は美しく」コンクール
ミュージアムの導入

4 おわりに

第15章 観光産業と投資
1 設備投資と資金調達の基礎知識
投資とは,設備投資とは
設備投資の諸目的
設備投資の変遷
資金調達の諸形態
設備投資の促進手段

2 観光産業投資の規模と展開
観光産業投資の規模と位置づけ
新設ホテル投資の展開
その他のホテル投資
投資主体の多様化

3 観光産業投資の特徴と資金調達
事業特性
設備投資の採算・償還
資金調達
公的金融の活用
税制および補助金
事業計画書とは
事業計画書の意義

事項索引
人名索引

コラム一覧
① 遊びと観光行動
② 日本の戦後国際観光の汚点:セックス・ツアー
③ 「開く財布,閉じる心?」
④ 観光のシステム・オーガナイザー:「御師」と「イベント・プロモーター」
⑤ 80日間世界一周
⑥ 産業観光
⑦ ガイドライン
⑧ 観光と異文化コミュニケーション
⑨ ソーシャル・ツーリズム
⑩ 観光ボランティア
⑪ エコツーリズム:固定化される文明と野生
⑫ ILOの有給休暇条約
⑬ スタディツアーとボランティア
⑭ ピクチャレスク・アメリカ
⑮ 東京ディズニーランド

執筆者紹介

(執筆順, [ ] は執筆分担, * は編者)
*岡本 伸之(おかもと のぶゆき) [第1章, Column①⑥⑨⑩⑫] 1941年生まれ。ミシガン州立大学経営学大学院修士課程修了
現在 立教大学名誉教授。ホスピタリティ・マネジメント専攻
主著 『現代観光論』(共著)有斐閣,1974年/『現代ホテル経営の基礎理論』柴田書店, 1979年/「列島ホテル戦争』日本経済新聞社, 1987年

安村 克己(やすむら かつみ) [第2章,Column②] 1954年生まれ。立教大学大学院社会学研究科博士課程修了,観光学博士
現在 前追手門学院大学地域創造学部教授。観光社会学専攻
主著 『観光——新時代をつくる社会現象』学文社,2001 年 / 『観光まちづくりの力学』学文社,2006年

橋本 俊哉(はしもと としや) [第3章,7章,Column③] 1963年生まれ。東京工業大学大学院後期課程修了、工学博士
現在 立教大学観光学部教授。観光行動論,観光感性論專攻
主著 『現代観光総論』(共著)学文社,1995年/『観光回遊論』風間書房, 1997年/『観光行動論』(編著)原書房, 2013年

佐藤喜子光(さとう きしみつ) [第4章,Column④] 1942年生まれ。京都大学教育学部心理学科卒業。
現在 前平安女学院大学国際観光学部教授。観光産業のマーケティング・マネジメント専攻
主著 『旅行ビジネスの未来』東洋経済新報社、1997年/『観光を支える旅行ビジネス』同友館,2002年/『めざせ! カリスマ観光士』同友館,2003年

図師 雅脩(ずし まさはる) [第5章,Colum⑤] 1941年生まれ。早稲田大学大学院交通経済学博士課程修了
現在 前長野大学環境ツーリズム学部教授。交通産業論専攻
主著 「フランス交通政策の背景と論理」『交通学研究』39号,日
本交通学会, 1996年/「フランスの高速道路政策」『高速道路と自動車』38 巻5号,高速道路調査会, 1995年/『交通と観光の経済学』(共訳)日本経済評論社, 2001年

溝尾 良隆(みぞお よしたか) [第6章] 1941年生まれ。東京教育大学理学部地理学科卒業,理学博士
現在 立教大学名誉教授。観光地域論,觀光景觀論專攻
主著 『観光事業と経営』東洋経済新報社, 1990 年 / 『観光を読む———地域振興への提言』古今書院, 1994年/ 『現代日本の地域変化』(共編) 古今書院, 1997 年 / 『観光学の基礎』(編著)原書房,2009年

海津ゆりえ(かいづ ゆりえ) [第7章,Colum⑦] 1963年生まれ。立教大学理学部卒業,農学博士
現在 文教大学国際学部教授。エコツーリズム論,資源デザイン論専攻
主著 「日本エコツアー・ガイドブック』岩波書店,2007年/『エコツーリズムを学ぶ人のために』(共編)業界思想社, 2011 年/『東日本大震災からの復興まちづくり』(共著) 大月書 店,2011年

大橋 健一(おおはし けんいち) [第8章] 1961年生まれ。立教大学大学院社会学研究科修士課程修了
現在 立教大学観光学部教授。観光文化人類学専攻
主著 『現代観光総論』(共著)学文社, 1995年/『現代観光学の展開』(共著)学文社, 1996年、「新たな観光のあり方』 (共訳)青山社, 1996年/『「観光のまなざし」の転回 越境する観光学』(共著)春風社,2004年

鳥飼玖美子(とりかい くみこ) [Column⑧] 1946年生まれ。コロンビア大学大学院英語教授法修士課程修了
現在 立教大学名誉教授。言語コミュニケーション論,通訳翻訳文化論専攻
主著 『歴史をかえた誤訳』新潮社, 2004年/『通訳者と戦後日米外交』みすず書房, 2007 年 / 『戦後史の中の英語と私』みすず書房,2013年

丹治 朋子(たんじともこ) [第9章,Column⑮] 1970年生まれ。立教大学大学院観光学研究科博士課程修了
現在 川村学園女子大学生活創造学部教授。フードサービス・マネジメント, ホスピタリティ・マネジメント専攻
主著 『フードデザイン21』(共著) サイエンスフォーラム, 2002
年/『観光事業論講義』 (共著)くんぶる,2005年

小沢 健市(おざわ けんいち) [第10章] 1948年生まれ。東洋大学大学院経済学研究科博士課程後期課程修了,経済学博士(東洋大学)
現在 帝京大学経済学部教授。観光経済学専攻
主著 『観光の経済分析』文化書房博文社、1992年/『観光を経済学する』文化書房博文社,1994年

稲垣 勉(いながき つとむ) [第11章,Colum⑪] 1951年生まれ。立教大学大学院社会学研究科修士課程修了
現在 ベトナム国家大ハノイ・人文社会科学大学観光学部客員教授。観光におけるカルチュラルスタディーズ、観光消費論専攻
主著 『観光産業の知識』日本経済新聞社,1981年/『ホテル産業のリエンジニアリング戦略』 第一書林1994年/Japanese Tourists: Socio-Economic, Marketing and Psychological Analysis, Haworth Press(共編), 2000.

石井 昭夫(いしい あきお) [第12章] 1937年生まれ。東京大学文学部仏文学科卒業
現在 前帝京大学経済学部教授。国際観光論,観光マーケティング論専攻
主著 『トマス・クック物語』(訳書)中央公論社, 1995年/ 『観光ビジネス論』(共著)同友館, 1999 年 / 『海洋観光学入門』(訳書)立教大学出版会, 2003年

村上 和夫(むらかみ かずお) [第13章〕
1952 年生まれ。立教大学大学院社会学研究科修士課程修了
現在 立教大学名誉教授。観光開発論,観光研究方法論専攻
主著 『観光学』(共著)同文舘, 1994年/「グリーン・ツーリズムによる地域振興の問題点」『立教大学社会学部応用社会学研究』第39号,所収,1997年

田中望(たなか のぞみ) [Column⑬] 1947年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科哲学専攻修了
現在 立教大学名誉教授。日本語教育,多文化主義,多文化教育専攻
主著 『日本語教育の理論と実際——学習支援システムの開発』(共著)大修館書店, 1993年/『まちおこしの風景――信州小諸手作りミュージカルを通して』(共著)櫟出版,1995年/ 『日本語教育の方法』大修館書店, 1998年

安島博幸(やすじまひろゆき) [第14章] 1950年生まれ。東京工業大学工学部卒業,工学博士
現在 跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授。観光リゾート計画,観光地・リゾート形成発展史,景観論専攻 主著 「日本別荘史ノート』(共著)住まいの図書館出版局,1991
年/『新時代の観光戦略』(共著)日本観光協会,1994年

野田 研一(のだ けんいち) [Column⑭] 1950年生まれ。立教大学大学院文学研究科修士課程修了
現在 立教大学名誉教授。アメリカ文学,比較文化,環境文学専攻
主著 『アメリカ文学の<自然> を読む――ネイチャーライティング の世界』(編著)ミネルヴァ書房, 1996年/ 『場所の感覚―アメリカン・ネイチャーライティング作品集』(編著)研 究社, 1997年

田代泰久(たしろ やすひさ) [第15章] 1951年生まれ。一橋大学経済学部卒業
現在 立教大学名誉教授。インフォーマル・ベンチャーキャピタル, 企業文化の国際比較,ホスピタリティ産業における起業専攻
主著 “Business Angels in Japan,” Venture Capital, 1, 1988/『知的財産権担保融資の理論と実務』清文社, 1996 年

岡本 伸之 (編集)
出版社 : 有斐閣 (2001/4/1)、出典:出版社HP