アンケート分析入門: Excelによる集計・評価・分析

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実務に役立つ入門書

アンケート調査を行う入門者向けの実務的な入門書です。調査票のつくり方から、集計、解析に至るまで、網羅的に解説しています。Excelアドインフリーソフト「統計解析ソフトウェア」のマニュアルも解説しており、実際にアンケート調査を行う際の参考になります。

菅 民郎 (著)
出版社 : オーム社 (2018/6/26) 、出典:出版社HP

はじめに

アンケートデータは、とても多くのことを分析者に語りかけています。そして、分析者はアンケートデータの中から「宝物」を見出す発掘者といえます。

アンケートにおける「宝物」とは、分析者が知りたいこと(目的)に対する「答え」です。したがって、アンケート調査とは、知りたいこと(目的)を明確にし、その目的を解明するために、調査企画、調査票の作成、集計、推定・検定、多変量解析を行います。目的を解明するためには、それらのどの工程も非常に重要で、またその工程それぞれに、分析者が最低限知っておかなければならないことが多くあります。そこで本書は、それぞれの工程に対する実務的知識が理解できるように、一般的なニーズを鑑みつつ、多くの事例を用いて、できるだけ噛み砕いて解説しました。以下に本書の大きな特徴を列挙します。

まず、インターネットの普及によって、近年はWeb上でアンケート調査が容易にできるようになりました。しかし、便利になった一方で、アンケートの質問文は自ら作成しなければならないため、調査票のつくり方がわからずに困っている人が多くいることでしょう。そこで、2章では調査票のつくり方を詳しく解説しました。

また、「アンケートはクロス集計に始まってクロス集計で終わる」といわれるように、「クロス集計」が非常に重要となります。私もその考えの信奉者ですので、4章ではクロス集計について、より詳しく解説しています。

最後に、現場で利用でき、実践的な内容とするために、7章~12章ではCS調査、一対比較法調査、コンジョイント調査、因果関係解明調査、消費者セグメンテーション調査における調査の仕方や解析方法について解説しました。

なお、この書籍に掲載したほとんどの解析結果は、アイスタット社のExcelアドインフリーソフトで出力しました。

以上が、本書の大きな特徴となります。アンケート調査の入門者、実務者にはとっておきの教科書になることを信じて執筆しましたので、ご愛読のほど、よろしくお願いいたします。

本書の発行にあたり種々のご尽力を頂いた株式会社アイスタットの姫野尚子様には心から感謝いたします。また、執筆の機会を与えてくださった株式会社オーム社の皆様にはお礼申し上げます。

2018年5月
菅 民郎

菅 民郎 (著)
出版社 : オーム社 (2018/6/26) 、出典:出版社HP

目次
CONTENTS

はじめに

第1章 アンケート調査の基本と準備
アンケート調査の目的とプロセス
調査設計
項目関連図と質問項目

第2章 調査票のつくり方と質問内容
調査票の基本
質問順序と調査票のレイアウト
プリコード回答法
自由回答法
段階評価
一対比較法とSD法
間接質問や回答者属性の聞き方
調査票の見本

第3章 アンケートデータの集計
調査集計とは
調査データのタイプ
単純集計
回答割合
平均値・中央値・最頻値
偏差平方和・分散・標準偏差
度数分布
段階評価の集計方法
単純集計のグラフ
ディテール集計

第4章 クロス集計
クロス集計
クロス集計の加工・編集
クロス集計のグラフ
クロス集計表作成・活用のための5カ条
母集団補正集計・母集団拡大集計

第5章 アンケートデータの解析
基準値・偏差値
正規分布
正規分布のあてはめ
価格決定分析
相関分析
クラメール連関係数
単相関係数
相関比
スピアマン順位相関係数

第6章 アンケート調査による母集団の把握
統計的推定
母比率の推定
母平均の推定
統計的検定
母比率の差の検定の種類
母比率の差の検定/タイプ1の検定
母比率の差の検定/タイプ2の検定
母比率の差の検定/タイプ3の検定
母比率の差の検定/タイプ4の検定
母平均の差の検定の種類
対応のない、対応のあるとは
母平均の差の検定/対応のない場合のz検定
母平均の差の検定/対応のない場合のt検定
母平均の差の検定/ウエルチのt検定
母平均の差の検定/対応のある場合のt検定
両側検定、片側検定
サンプルサイズ決定法
サンプル抽出法と標本割り当て

第7章 CS調査と分析方法
CS分析とは
満足度と重要度
CSグラフ
改善度指数

第8章 一対比較法の調査と分析力
一対比較法調査とは
サーストンの一対比較法
シェッフェの一対比較法
シェッフェの原法
浦の変法
芳賀の変法
中屋の変法

第9章 コンジョイント調査と分析方法
コンジョイント分析とは
コンジョイントカードに対する評価方法
部分効用値、重要度、全体効用値とは
コンジョイントカードの作成方法
コンジョイント分析の計算方法
直交表
具体例

第10章 因果関係解明調査と因子分析
因果関係解明調査における因子分析の役割
因子分析で把握できる内容と因子分析の手順
因子分析の仕方と結果の見方
因子得点の活用方法
因子分析の事例

第11章 因果関係解明調査と共分散構造分析
共分散構造分析とは
共分散構造分析から把握できる内容
共分散構造分析の統計指標の見方・活用方法
潜在変数のある共分散構造分析
共分散構造分析の事例

第12章 消費者セグメンテーション調査と数量化3類・クラスター分析
消費者セグメンテーションとは
消費者セグメンションの手順と解析方法
消費者セグメンテーション調査の事例

第13章 Excelアドインフリーソフト「統計解析ソフトウェア」の活用
Excelアドインフリーソフトで行える解析手法
Excelアドインフリーソフト「統計解析ソフトウェア」のダウンロード方法
Excelアドインフリーソフト「統計解析ソフトウェア」起動と終了方法
Excelアドインフリーソフト「統計解析ソフトウェア」の操作方法

巻末資料
索引

菅 民郎 (著)
出版社 : オーム社 (2018/6/26) 、出典:出版社HP