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モノを減らして得られるものがわかる
インテリア、家事、掃除、あらゆる場面においてモノを減らすメリットやその楽しさを伝えています。家族みんなで暮らす家でもミニマリスト生活を保つ方法や、収納方法、子育て論や幸福論まで、著者の価値観が詰め込まれたボリューム満点の1冊です。
はじめに
朝7時「お母さん! 定規が見つからない!」、「俺のネクタイ、知らない?」
わが家は朝の忙しい時間帯に「あれがない、これがない!」から始まることが多い家庭でした。家を出る直前になって「どうしよう!」と私に言う、片づけが苦手な家族たち。
そんな家族にイライラし、朝から子どもたちを怒る日々……。
本当は家族の1日の始まりを笑顔で見送りたいのに、一番に望むことを一番にできないというジレンマを抱えていました。怒っていると何だか1日疲れてしまい、やりたかったことは後回しで、気がつくとテレビ台にほこりが積もっている……
「今日こそ棚の拭き掃除をしたかったのに……棚ひとつ、拭き掃除もできないなんて」
そんな暮らしを変えたくて、インテリアや収納をいろいろ変えてみました。でも変えたのはインテリアで、「暮らし」が変わったわけではありませんでした。そこで、棚に飾った雑貨をすべて取り除き、拭き掃除をしてみたところ、
「おや?何だか掃除がしやすい」
棚ひとつからでしたが、それまでの「棚ひとつ、拭き掃除もできない!」と不満を漏らす「暮らし」に変化が起こったのです。本当に自分のやりたいことは、もっと実現する!
これをきっかけに、ものを通して「暮らし」と「人生」を考え始めました。片づけが苦手な家族も、片づけができないわけではなく、それぞれがものを管理できる量をオーバーしていたことに原因がありました。このことに気がつくまで、私は家族を見ているようで見ていなかったのでしょう。私が最初に手放したのは、「どうして片づけてくれないの?」という相手を変えたい気持ちだったと思います。それからは、家族で向き合い、話し合い、考えるようになりました。こうして、以前の私が、一番にやりたいと望んでいた、
「家族の1日の始まりを笑顔で見送る」
という、とてもシンプルな願いは実現しました。ものを減らしてみると、自分のことや、家族一人一人のこと。そしてまわりのことを考えるきっかけがたくさんあります。本を手に取って下さった、あなたの暮らしのヒントになるなら、一主婦として嬉しく思います。
目次
はじめに
ミニマリストって何?
私の部屋ヒストリー
ミニマルな暮らしの好循環
日の家事スケジュール
わが家の間取り図
PART 1 「ミニマリスト」とものが少ないメリット
センスがいらなくなる
「お母さん、あれどこ?」がなくなる
掃除は劇的に簡単になる
いつでも人を呼べる部屋になる
迷うことが減る
PART 2 ミニマリストの インテリア
ものを少なく保つルール
家族がくつろぐリビング
ダイニングチェアは2つ
置き畳で多用途に使える部屋
何もないオールマイティな部屋
白い家電で見た目をすっきり
雑貨は飾らないという選択肢
「子どもが汚すテーブルこそ無垢
光のインテリアというごほうび
Column 1 過去の執着と未来の不安の断ち切り方
PART 3 ミニマルな炊事と収納
食器もシンプルに。最小限の数で
ミニマルな食器の選び方
人数ではなく、食べる量で揃える
「狭さ」が魅力になるキッチン
安全なキッチンで、子どもを叱らない
水切りカゴはタオルで代用
キッチンの収納
やかんが収納の特等席にあるわけ
苦手な料理は家族の総力戦で
シンプルなデザインで収納も美しく
からっぽ冷蔵庫のメリット
苦手な料理はシンプルにこなす
調理家電の収納は「家事終了」の証
便利グッズでスペースのミニマル化
クローゼット
押し入れはものの寝室
クローゼットをすっきり見せるルール
引っ越しのシミュレーションをしてみる
来客用布団は持たない
押し入れの洋服を減らすフロー
PART 4 ミニマルな掃除と洗濯
掃除は気持ちを整える儀式
当たり前の風景で気づく幸せ
ものがないと、毎日の掃除はここまで届く
掃除道具はシンプルなものを
毎日のゴミの「見える化」
月1の「中掃除」で大掃除をしない
タオル、シーツを白で統一する
お気に入りのグッズで快適ランドリーに
洗濯の気分を上げるもの
掃除の気分を上げるもの 方 アイロンがけが大好きな理由
浴室掃除はスピーディに
トイレ&洗面所
Column 2 マイペースな夫のものとのつきあい方
PART 5 少ない服の着回し、ワンコーデ制服化
「ワンコーデ制服化」ワードローブ全紹介
カバン、靴下、靴
メガネ&アクセサリー
服が少ないのに「おしゃれ」と言われる?
洋服が少ないメリット
色は「3色ルール」で
バッグ、小物で印象を変える
ワンコーデ制服化で1年間着回す
白シャツもアレンジ次第
ときめくニットは、ものを増やす
服が少ないからこそ手入れを
肌の手入れに時間を取る
「マイベスト」には初期費用がかかる
カバンの中身も最小限に
メイク用品は肌に合う1カラー
Column3 増える部屋着は洋服を格下げしない
PART 6 家族で少ないもので暮らす
家族で暮らすもの選び
ものを減らすとものを大事にする
子どもはシンプルなしくみが片づく
かならず相談してから処分する
家族のものをコントロールしようとしない
片づけの「3カウント」ルール
「片づけなさい」とは言わない
ものが見つかる子ども部屋
子どものクローゼット
子どもは18歳で独立を目指す
役割を与える、ごほうびを使う
育児の教科書
子育てで大事にしたいこと
毎日の家事に「余力」を残す
ホワイトボードは家族の伝言板
情報もミニマルに
心と体の調整術
問題は「家族会議」でスピード解決
ミニマリストは非常事態に強い
ミニマリストへのQ&A
おわりに
家族4人、最小限の暮らし
必要なものを残し、足りないものを買い足すことで、今の暮らしができ上がりました。 大事にしたのは、快適性と安全性。
ミニマリストって何?
ミニマリスト(=最小限主義者)とは、本当に大切なもの 以外を削り、自分が大事にしていることに全精力を注げる人。ものが多い少ないは表面的なものに過ぎず、その先のマインドが重要だと考えています
去年芥川賞を受賞したお笑い芸人の又吉直樹さんが、次のような主旨の話をしていました。「バイトを週1回にすれば、週の半分バイトしている人に比べて、お笑いに費やす時間をたくさん確保できる。その2人の才能が同程度なら、週1回のほうが、売れる可能性が早くなる。周りに迷惑もかけていたし、芸人仲間からは、人間としてヤバいと言われていたけれど、僕は気にならなかった
周囲からは奇異に見えても、その人にとって一番重要なものに全精力を注ぐ。これが私の考えるミニマリズムで、大事なことの順位づけができる生き方だと思います。「又吉さんの「お笑い」は、私にとっての「家族」。子育ては「期間限定の大事業」だと思っているので、限りある時間を子どもに注ぐつもりです。夫には仕事に集中できる環境を作ってあげたいし、家族には安心感を与えたい。そのために 必要な精神的・肉体的余裕を生み出すため、すべてのムダを 排除したいのです。
ものが少なければ、家事はラクになり、安全が担保され、家族と過ごす時間が増える。それが、ミニマリストとしての私の生き方です。
この本では「ミニマリスト」を大事なことのために最小限にする人、
「ミニマル」を最小限&シンプルで簡単な仕組みという意味で使用している。
私の部屋ヒストリー
ナチュラル、北欧、シンプルetc.
インテリアはさまざまなスタイルを経て、今のミニマルにたどり着きました。
30~33歳 「Come home!」期
幼い子どもを抱えながら、仕事を「する・しない」で悩んでいた時期。家にいる時間が長かったので、女性誌やインテリア誌をよく読んでいました。当時は100円グッズを使った手作り雑貨が大流行。手芸女子の私も手作り雑貨にはまり、花柄やチェックの生地を使ったクッションカバーやカーテンをせっせと製作。甘ナチュラルなインテリアを楽しんでいましたが、男性陣からは「落ち着かない」と不評。
34~35歳 北欧期
インテリアブログが流行り出し、「目の保養に」と見始めた北欧インテリアに夢中に。ファブリックパネルを手作りし、北欧雑貨のアイコン的存在、リサ・ラーソンのライオンも手に入れました。色や柄が派手な北欧雑貨は、ひとつ「置けば、またひとつ欲しくなって……と、ものがどんどん増加。ものに振り回される自分は執着の塊を見ているようで、イヤに。ものを断捨離し、壁の飾りを取り外したら、ホッと落ち着く自分がいました。
36歳~現在 シンプル~ミニマル期
足し算から引き算のインテリアに方向転換。ちょうどこの頃、『伊礼智の「小さな家」10のレシピ』に出会い、シンプルでナチュラルな空間に憧れるように。白と木、アクセントとして照明や時計などに黒を選び、ちょい辛口なインテリアを楽しんでいました。でも、次第に黒の存在に「ザワザワ感」を覚え、白のボリュームを多めに。家具や家電も「ザ・スタンダード」なものに替え、ミニマルなインテリアに落ち着きました。
ミニマルな暮らしの好循環
少ないもので暮らし始めると、時間の使い方ががらりと変わります。
物理的な余裕は心のゆとりを生み、家族との関係も良好に。
家事が簡単になる
ものが少ないと片づけもアッという間で、すぐ掃除にかかれます。また、障害物のないキッチンは料理がはかどり、後片づけがスピーディー。すべての家事が効率化、時間の節約につながります。
ゆっくりした時間ができる
家事、お付き合い、ネットサーフィン…。必要以上に時間を割くことが減り、時間に余裕が生まれます。平日は10時に掃除を終えたら、子どもが帰宅するタ方までは自由時間。ひとりの時間を楽しみます。
家族と向き合える
午後の早いうちに夕飯の支度を済ませ、子どもが帰ってきたら一緒に過ごします。話を聞いたり、遊んだり。触れ合うことで、子どもの成長を感じ取れ、ささいな変化にも気づくようになります。
物理的な余裕は心のゆとりを生み、家族との関係も良好に。少ないもので暮らし始めると、時間の使い方ががらりと変わります。
家族間のトラブルが減る
ものの管理がしやすくなり、「なくなった!」、「見つからない!」という兄弟間のバトルが減少。また、物事をシンプルに考えられるようになるため、話し合いがスムーズに、問題が長期化しません。
1日の家事スケジュール
1日の家事時間は働くお母さんに比べてやや多め。でも、自分時間がたっぷりあるので、家事に振り回されている感覚ありません。
朝の家事をひと通り終えたら、夕方まではひとりの時間。買いものに出かけたり、家で過ごすときは好きな読書を楽しみます。 午後にはアイロンがけや夕食の支度を済ませ、子どもの帰宅後は話し相手に。夕食後は家族みんなでテレビ鑑賞。21時には母親業を終え、再びひとりの時間に戻ります。
わが家の間取り図