雑談の一流、二流、三流 (アスカビジネス)

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雑談を使った人間関係を深めるトーク術を学ぶ

雑談を話すことで、人との関係性を活性化していきます。関係性を気付く方法は、人間の心理に基づいた決まったパターンが存在します。しかも、一流と言われる人は、成功パターンを明確につかんでいます。本書は、「話が持たず気まずい沈黙が流れる」「何を話していいかわからない」という悩みを解決できる45のメソッドを紹介していきます。

桐生 稔 (著)
出版社 : 明日香出版社 (2020/3/5)、出典:出版社HP

はじめに

◆私は左遷されました
高校での成績は常にクラスで1位。生徒会長でスポーツも万能でした。
比較的、自分のことを優秀だと思っていたタイプの人間です。

そんな私は新卒入社3カ月で左遷されました。
なぜ左遷されたか。それは営業成績がドベだったからです。

私は見込み顧客へのアポイント電話ができませんでした。
断られるのがイヤだったからです。

上司と同行営業するのが大の苦手でした。
自分のトークを聞かれるのが苦痛だったからです。

自分のことばかり気にして、行動できない私は当然売上ゼロ……
入社3カ月で「来週から地方ね」と宣告されました。

◆私はナンバーワンになりました
地方に行ってからは、飛び込み営業を課されました。
飛び込み営業は、ほとんどが門前払い。時にクレームになることもあり、私はほとほとイヤになりました。
だから私は、既存の顧客だけを回るようにしたのです。
まず、毎朝7時に1軒目に訪問し、5分ほど担当者とたわいもない話をします。
8時には別の会社へ。そこでもちょっとした話を担当者とする。
そして9時にはまた別の会社で……。
これを毎日ひたすら続けていました。
ただそれだけなのに、な、なんと既存の顧客からジャンジャン紹介が入るようになったのです。
1年後、気づけば私はエリアマネジャーになっていました。
そして地方に飛ばされて2年。
私のエリアは、全国1200店舗中、売上達成率ナンバーワンを実現しました。

◆私はコミュニケーションを教える講師になりました
数年後、人材派遣の会社を退社し、まったく畑違いの音楽スクールに受付スタッフとして入社しました。
音楽スクールには何百人もの講師がいます。
いつも控室ではその講師たちと、たわいもない話でケタケタ笑って盛り上がっていました。
しかし、私は音楽のことはズブの素人です。
だから、講師と音楽の話をしたことはありません。
そんな私は、入社して3年後に事業部長になっていました。

そして2017年、モチベーション&コミュニケーションを設立。
もともと他人には興味がなく、自分のことばかり気にしていた超ビビリな私が、今やコ6ミュニケーションのスクールを創業し、全国35都道府県で事業を展開しています。
人生はどう転ぶかわかりません。

説明がうまい人が売れる。専門知識と技術がある人が出世する……現実はそうではないです。
良い商品がヒットするとも限らないし、カッコイイ人がモテるとも限りません。
人の心を動かすのは、「どんなことを伝えるか?」より「相手とどんな関係性にあるか?」です。
その関係性を作るのが、まさに本テーマ「雑談」です。

雑談は、「雑=とりとめもない」「談話」と書きます。
しかし、なぜ「雑話」と書かないのでしょうか?
雑談の「談」は、言うに炎と書きます。
つまり話すことで、関係性に火を灯していくことを意味しています。
関係性を築く方法は、人間の心理に基づいた決まったパターンが存在します。
しかも一流と言われる人は、成功パターンを明確に掴んでいます。

本書では、全国3万人が受講した私のコミュニケーションスクールのメソッドを使用して、雑談を使った人間関係を深めるトーク術を展開していきます。
本書をお読みいただければ、「なぜ人間関係がうまくいかなかったのか?」その理由が明確にわかるはずです。
そして一つでも実践していただければ、きっとこれまで味わったこともない良好な人間関係を手に入れることができます。

日々の雑談があなたの人生を変える起爆剤になることを願い、さっそく本書をスタートしていきます。
ぜひ、気になるところから読み進めてみてください。

桐生 稔

桐生 稔 (著)
出版社 : 明日香出版社 (2020/3/5)、出典:出版社HP

雑談の一流、二流、三流 もくじ

はじめに

Chapter1 雑談のはじめ方

最初のひと言
三流は、「今日は暑いですね」からはじまり、
二流は、「30℃を超えるそうですよ」からはじまり、
一流は、何からはじめる?

ファーストコンタクト
三流は、話しかけられるのを待ち、
二流は、先に話しはじめ、
一流は、先に何をする?

出会いがしらの挨拶
三流は、挨拶だけで終了し、
二流は、挨拶にひと言つけ加え、
一流は、どうする

話題がないとき
三流は、あたふたネタを探し、
二流は、木戸に立てかけし衣食住から探し、
一流は、何から探す?

雑談前の準備
三流は、何も準備せず、
二流は、雑談ネタを準備し、
一流は、何を準備する?

名前の覚え方
三流は、相手の名前を忘れ、
二流は、名前に意味を持たせ、
一流は、どうやって覚える?

Chapter2 話の広げ方

雜談上手
三流は、話し上手を目指し、
二流は、聞き上手を目指し、
一流は、何上手を目指す?

ネタの収集
三流は、ネタを収集せず、
二流は、ネタを事前に収集し、
一流は、どうする?

質問の質
三流は、深く考えないと答えられない質問をし、
二流は、アバウトな質問をし、
一流は、どんな質問をする?

質問のボキャブラリー
三流は、うまく質問ができず、
二流は、ひたすら質問し続け、
一流は、どのように質問をする?

話が止まったとき
三流は、黙りこみ、
二流は、無理やり話題を探し、
一流は、どうする?

会話が膨らむほめ方
三流は、ほめたら話が終わり、
二流は、ほめまくって話を膨らまそうとし、
一流は、どのように話を膨らます?

ほめるところ
三流は、ほめるところを見つけられず、
二流は、ほめるところを無理やり探し、
一流は、何をほめる?

距離の縮め方
三流は、いつも壁を作り、
二流は、共通点を探して距離を縮め、
一流は、どのようにして距離を縮める?

Chapter3 聞き方とリアクション

話を聞くとき
三流は、話をきちんと聞かず、
二流は、耳で聞き、
一流は、どのように聞く?

リアクション
三流は、無反応で話を聞き、
二流は、頷きながら聞き、
一流は、どのように聞く?

承認欲求
三流は、承認することができず、
二流は、「すごいですね!」を連発し、
一流は、どのように承認欲求を満たす?

ネガティブな話の対処法
三流は、受け流し、
二流は、同調し、
一流は、どうする?

意見が異なったとき
三流は、相手の意見に反論し、
二流は、相手の意見に合わせ、
一流は、どうする?

SNS
三流は、すべてスルー(無視)し、
二流は、コメントを被せ、
一流は、どう対応する?

Chapter4 雑談の盛り上げ方

テンポ
三流は、ベラベラ一人で話し、
二流は、数分で相手に渡し、
一流は、どのくらいで渡す?

説明
三流は、ダラダラ話し、
二流は、完璧に伝えようとし、
一流は、どうする?

惹きつける
三流は、何も考えずに話し、
二流は、おもしろトークで惹きつけようとし、
一流は、どのように惹きつける?

笑い
三流は、笑いを取れず、
二流は、おもしろい話を考え、
一流は、どんな話で笑いを取る?

複数人に伝える
三流は、たんたんと説明し、
二流は、情景を文字で説明し、
一流は、どのように説明する?

自分の話をするとき
三流は、一方的に話し続け、
二流は、話をおもしろくしようとし、
一流は、何をする?

長めの雑談
三流は、特にテーマはなく、
二流は、相手が話したいことをテーマにし、
一流は、何をテーマにする?

空気を読む
三流は、空気が読めず、
空気を読む二流は、周りの空気に合わせ、
一流は、どうする?

飲み会
三流は、いつも受け身になり、
二流は、必死で盛り上げようとし、
一流は、どうする?

Chapter5 相手の懐に入る方法

姿勢
三流は、相手に背を向け、
二流は、相手に視線を向け、
一流は、何を向ける?

ボディーランゲージ
三流は、無動作で話し、
二流は、大げさな動きをし、
一流は、どうする?

自己開示
三流は、まったく開示できず、
二流は、100%開示し、
一流は、どのように開示する?

年配との接し方
三流は、好かれようとせず、
二流は、仕事ができるアピールをし、
一流は、どうする?

年配との雑談
三流は、委縮して話せず、
二流は、とにかく持ち上げ、
一流は、どのようにする?

苦手な上司との接し方
三流は、近寄らないようにし、
二流は、近寄って仕事の話をし、
一流は、どのようにする?

Chapter6 好印象の残し方

印象づけ
三流は、過度にアピールし、
二流は、控えめにアピールし、
一流は、どうする?

記憶に残す
三流は、特徴のないキャラになり、
二流は、万能キャラとして記憶に残り、
一流は、どんなキャラとして記憶に残す?

最後のひと言
三流は、「それでは」とひと言伝え、
二流は、「楽しかったです」と感想を伝え、
一流は、何を伝える?

もう一度会うためのコツ
三流は、普通に「サヨナラ」し、
会うための二流は、次の約束を取りつけようとし、
一流は、どうする?

別れ際
三流は、軽く頭を下げ、
二流は、深々と一礼し、
一流は、どう見送る?

Chapter7 雑談がうまい人の心構え

相手への関心
三流は、無関心のままにし、
二流は、無理やり興味を持とうとし、
一流は、どうする?

自信
三流は、自信が持てず、
二流は、アファメーションで自分を高め、
一流は、どうやって自信をつける?

自己投資
三流は、何も学ばず、
二流は、知識を得るために学び、
一流は、何のために学ぶ?

成功の秘訣
三流は、生まれ持った才能と答え、
二流は、意思の強さと答え、
一流は、何と答える?


三流は、不燃、
二流は、可燃、
一流は、どうやって燃える?

おわりに

カバーデザイン:小口翔平(tobufune)
イラスト:山崎真理子

桐生 稔 (著)
出版社 : 明日香出版社 (2020/3/5)、出典:出版社HP