同一労働同一賃金Q&A-ガイドライン・判例から読み解く

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ガイドライン・判例を整理する

働き方改革関連法の施行に際し、知っておくべき実務上の留意点や判例等について解説しています。一問一答形式になっており、条文やガイドラインを読んだだけではわからないポイントについて解説しています。判例は、問題となった待遇ごとにまとめられており、今知りたい判例・裁判例を見つけやすくなっています。

高仲幸雄 (著)
出版社 : 経団連出版 (2019/5/22) 、出典:出版社HP

はしがき

働き方改革関連法によって、非正規社員の均衡待遇・均等待遇(同一労働同一賃金)に関する法改正が行われました。今後、企業においては、判例・裁判例や「同一労働同一賃金ガイドライン」を踏まえて、非正規社員の待遇の見直しや待遇差に関する説明義務への準備等の対応が必要になります。もっとも、このような作業を行うにあたっては、改正法令の理解に加え、近時の裁判例も踏まえる必要があり、自力では相当の時間と労力を要します。

そこで、本書では、Q&Aの形式で必要な情報や実務上の留意点を説明するとともに、これまでの判例・裁判例を収集・整理しました。人事労務に携わる皆様に本書が少しでもお役に立てば幸いです。
本書の発行にあたっては、経団連労働法制本部の皆様から多大な支援をいただき、また経団連出版の皆様にも大変お世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

2019年3月
弁護士 高仲幸雄

高仲幸雄 (著)
出版社 : 経団連出版 (2019/5/22) 、出典:出版社HP

目次

はしがき
凡例

Ⅰ Q&A編

1 総論
Q1 働き方改革関連法の概要
働き方改革関連法の成立によって、非正規社員の均衡待遇・均等待遇(同一労働同一賃金)について改正があったとのことですが、具体的には、どのような法律が改正されたのですか?

Q2 均衡待遇均等待遇(同一労働同一賃金)に関する法規制
非正規社員の均衡待遇・均等待遇(同一労働同一賃金)は、正社員と同じ仕事をしていれば、賃金を同一にしなければならないという制度ですか? 賃金以外の待遇も問題になるのですか?

Q3 均衛待遇・均等待遇(同一労働同一賃金)に関する改正概要
均衡待遇・均等待遇(同一労働同一賃金)に関する法改正の概要を教えてください。

Q4 均衡待遇・均等待遇の内容
パート・有期法や改正派遣法でいう「均等待遇」や「均衡待遇」は、どのような規制ですか? 非正規社員の手当額等で、正社員よりも有利な労働条件(待遇)を設定することも法違反になるのですか?

Q5 施行時期
同一労働同一賃金に関する法改正は、いつから施行されるのですか? 経過措置は設けられていますか?

Q6 中小事業主の経過措置
パート・有期法の施行において、適用が1年猶予される中小事業主は、どのような企業ですか?

Q7 改正法の適用範囲
均衡待遇・均等待遇(同一労働同一賃金)の規制が適用されるのは、どのような社員ですか? 定年後の再雇用社員や労働契約法18条による無期転換社員、勤務地や職務が限定された正社員(限定正社員)にも適用されますか?

Q8 待遇差に関する説明義務
法改正によって、待遇に関する説明義務が強化されたとのことですが、どのような点が改正されたのですか?

Q9 均衡待遇・均等待遇(同一労働同一賃金)の規制違反の効果
均衡待遇・均等待遇に関する法規制に違反した場合は、どうなりますか?

Q10 行政による履行確保・裁判外紛争解決手続(行政ADR)
今回の法改正で、行政による助言・指導等や行政ADRの規定が整備されたとのことですが、どのような内容ですか?

2 均衡待遇・均等待遇の規制(パート・有期法8条、9条)
Q11 均衡待遇の規制内容
パート・有期法8条の「均衡待遇」は、どのような規制ですか?同条で禁止される「不合理な待遇差」は、どのように判断されるのですか?

Q12 均等待遇の規制内容
パート・有期法9条の「均等待遇」は、どのような内容の規制ですか? 同条で禁止される「差別的取扱い」は、どのように判断されるのですか?

Q13 「職務の内容」の判断方法
パート・有期法8条や9条で規定されている「職務の内容」は、どのような内容ですか? また、その同一性は、どのように判断するのですか?

Q14 「職務の内容及び配置の変更の範囲」の判断方法
パート・有期法8条や9条で規定されている「職務の内容及び配置の変更の範囲」とはどのようなものですか? また、その同一性はどのように判断するのですか?

Q15 「その他の事情」の判断方法
パート・有期法8条の考慮要素としてあげられている「その他の事情」には、どのようなものが該当するのですか?

Q16 比較対象となる「通常の労働者」
パート・有期法8条や9条の均衡待遇・均等待遇の規制で、待遇差の比較対象となる「通常の労働者」は、どのような社員をいうのですか?

Q17 同一労働同一賃金ガイドライン
「同一労働同一賃金ガイドラインは、どのようなもので、いつから適用されるのですか? どのような社員や待遇が対象なのですか?

Q18 ガイドライン案との相違
同一労働同一賃金ガイドラインは、「同一労働同一賃金ガイドライン案」から修正された部分があると聞きました。どのような部分が修正されたのですか?

Q19 定年後再雇用①
定年退職後の再雇用社員でも均衡待遇や均等待遇の規制は適用されるのでしょうか?

Q20 定年後再雇用②
定年退職後の再雇用社員の労働条件については、均衡待遇・均等待遇の規制以外に留意すべき点はありますか?

3 待遇ごとの検討
Q21 問題となる待遇差
均衡待遇や均等待遇の規制では、どのような待遇差が問題となるのですか?

Q22 待遇差が問題となる社員
正社員間や労働契約法18条による無期転換社員や限定正社員との間にも均衡待遇や均等待遇の規制は適用されますか? 親会社やグループ会社間の待遇差は問題となりますか?

Q23 同一労働同一賃金ガイドラインや判例等の検討方法
同一労働同一賃金ガイドラインや、均衡待遇・均等待遇に関する判例・裁判例は、どうなっていますか?

Q24 基本給
基本給に関する待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? 同一労働同一賃金ガイドラインや判例・裁判例では、どうなっていますか?

Q25 昇給
昇給に関する待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? 同一労働同一賃金ガイドラインや判例・裁判例では、どうなっていますか?

Q26 賞与
賞与に関する待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? 同一労働同一賃金ガイドラインや判例・裁判例では、どうなっていますか?

Q27 退職金
退職金に関する待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? 同一労働同一賃金ガイドラインや判例・裁判例では、どうなっていますか?

Q28 業務・作業内容に関連する手当
特殊作業手当や営業手当等のように業務・作業内容に関連する手当に関する待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? 同一労働同一賃金ガイドラインや判例・裁判例では、どうなっていますか?

Q29 役職手当
役職手当に関する待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? 同一労働同一賃金ガイドラインや判例・裁判例では、どうなっていますか?

Q30 特殊勤務手当・精皆勤手当
特定の勤務時間・勤務日に支給される特殊勤務手当に関する待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? 同一賃金ガイドラインや判例・裁判例では、どうなっていますか?

Q31 割増賃金・年末年始手当
時間外・深夜・休日の割増賃金に関する待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? また、年末年始手当や勤務時間外の呼出・待機手当等については、どうですか?

Q32 勤務地・通勤・住宅に関する手当
単身赴任手当や地域手当などの手当について待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? また、住宅手当や通勤手当については、どうですか?

Q33 家族手当
配偶者手当や扶養手当などの家族手当について待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? 同一労働同一賃金ガイドラインや判例・裁判例はどうなっていますか?

Q34 食事手当
食事手当のような食費補助について待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? 同一労働同一賃金ガイドラインや判例・裁判例はどうなっていますか?

Q35 休暇・健康診断
休暇や健康診断に関する待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? 同一労働同一賃金ガイドラインや判例・裁判例はどうなっていますか?

Q36 休職
休職に関する待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? 同一労働同一賃金ガイドラインや判例・裁判例はどうなっていますか?

Q37 福利厚生・教育訓練等
福利厚生施設の利用や教育訓練等についての待遇差を検討する場合は、どのような点に注意すべきですか? 同一労働同一賃金ガイドラインや判例・裁判例はどうなっていますか?

4 待遇差の説明義務(パート・有期法14条2項)
Q38 比較対象となる通常の労働者
パート・有期法14条2項で規定された待遇差に関する説明義務において、比較対象となる「通常の労働者」とは、どのような社員ですか?

Q39 待遇の相違(待遇差)の内容
パート・有期法14条2項で説明する待遇の相違(待遇差)の内容・理由とは、具体的にはどのような内容ですか?

Q40 待遇の相違(待遇差)の説明方法
パート・有期法14条2項に基づき待遇の相違(待遇差)の内容・理由の説明が求められた場合、どのような方法で説明するのですか?

Q41 説明にあたっての注意点
パート・有期法14条2項に基づく比較対象者(通常の労働者)との待遇差に関する説明を求められた場合、どのような点に注意して対応すべきですか?

5 派遣労働者の待遇
Q42 「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」
派遣労働者の均等待遇・均衡待遇については、「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」があると聞きましたが、どのような点が異なるのでしょうか?

Q43 派遣先による待遇情報の提供
改正派遣法では、派遣先から派遣元(派遣会社)に対して、どのような待遇情報の提供が必要になるのですか? 「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」では提供する情報は異なるのですか?

Q44 労使協定で定める事項(労使協定方式)
「労使協定方式」をとる場合、労使協定では、どのような事項を定める必要がありますか? 派遣元(派遣会社)が「労使協定方式」をとる場合に、どのような点に注意すべきですか?

Q45 派遣労働者の待遇差に関する説明義務
改正派遣法で新設された待遇に関する説明義務は、どのようなものですか? 「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」では説明内容は異なるのでしょうか?

Q46 派遣元における改正法対応の注意点
派遣元(派遣会社)は、派遣先との均等待遇・均衡待遇の規制(「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」)を検討するにあたって、どのような点に注意する必要がありますか?

Q47 派遣先における改正法対応の注意点
派遣先は、均等待遇・均衡待遇の規制(「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」)について、どのような点に注意する必要がありますか?

6 その他
Q48 行政による履行確保(助言・指導・勧告等)
今回の法改正で、行政による履行確保(助言・指導・勧告等)の精度は、どのような点が改正されたのですか?

Q49 紛争解決援助・調停
今回の法改正で、紛争解決援助や調停について、どのような点が改正されたのですか? Q50 改正法を踏まえた今後の検討
同一労働同一賃金に関する改正法(パート・有期法8条、9条等)に対応するための手順や注意点を教えてください。

Ⅱ 参考資料編

資料1 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成五年法律第七十六号)新旧対照条文
資料2 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)新旧対照条文
資料3 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則(平成五年労働省令第三十四号)
資料4 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則(昭和六十一年労働省令第二十号)
資料5 短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針(平成30年厚生労働省告示第430号)
資料6 均衡待遇・均等待遇をめぐる判例・裁判例の概要

高仲幸雄 (著)
出版社 : 経団連出版 (2019/5/22) 、出典:出版社HP