インテリアデザイン―計画基礎から空間設計まで

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知識だけでなくスキルがきちんと身に付く

インテリア分野では、資格と実務の技量的な隔たりが顕在化してきているという問題点があります。本書ではそのような現状をふまえて、インテリアデザインの基礎知識を一通り講義した上で、実務に沿った実技の演習課題を課しています。

中野 明 (著)
出版社 : 建帛社 (1998/3/1) 、出典:出版社HP

【執筆分担】

第1・4・8・9章・・・・・・・・中野 明
第2章・・・・・・・・井上 えり子
第3・5章・・・・・・・・山崎 晶
第6章・・・・・・・・加藤 信喜
第7章・・・・・・・・中山 邦子

プレゼンテーションの例

百貨店の増改築コーナーへの提案。現状分析に始まり,コンセプトの提示,システムの提案,デザインテイストの提案,売場構成までの,トータルな売場計画のためのプレゼンテーション。
言葉による表現,比較一覧表,システム構成図,写真コラージュによるイメージ表現,平面図,パース等,伝達したい内容を様々な手段を組み合わせて表現している。

パースの例

手描きパースの例
インキングや着彩の道具・タッチにより,いろいろなニュアンスの表現ができる。

コンピューターグラフィックスの例
大型システムによる3次元CG。
照明効果や,仕上げ材による雰囲気の違いをシュミレートすることができる。

まえがき

インテリアデザインコースを持つ大学や短大,専門学校などの数が最近とみに増えてきている。しかし,わが国のインテリアの歴史は浅く,学問的な体系はまだ整備途中の段階にあるといえ,インテリア教育も,何を目標とすべきかが定まっていないため,カリキュラムの編成も手探りの状態にあるというのが実状であろう。また,インテリア分野の資格制度も,制度上は定着化しているが,資格と実務の技量的な隔たりが顕在化してきているのも否めない事実である。
こうした観点から,本書は「インテリアデザイン」に関する一通りの基礎知識には触れるが,できるだけ実務に沿った内容とすることに心がけ,インテリア専攻の学生は勿論のこと,それ以外の大学・短大で,造形系の科目としてインテリアを学ぶ人を対象とするとともに,さらには,インテリアコーディネーター資格試験の独習参考書となることをも考慮して編集したものであり,面白さや楽しさを感じながらインテリアデザインを学べるように,図版や写真を多く載せることに力を入れた。
本書は9つの章から成るが,ステップⅠとして,1~7章までを使って一通りのインテリアに関する基礎知識を講義し,ステップⅡとして,実技の演習課題を課し,その際に8章を講義するなり,独習させるなりすることができるように配慮してある。また9章は,ステップⅡの補助教材として利用していただければと考えている。
巻末に記した参考文献および引用文献以外にも,多くの方々の著書などを参考にさせていただいた。記して深謝申し上げたい。また,各執筆者の思いを現実のものとするために,建帛社の本間久雄氏には大変なご苦労をおかけした。あわせて感謝申し上げる。

1997年12月
編者

中野 明 (著)
出版社 : 建帛社 (1998/3/1) 、出典:出版社HP

目次

プレゼンテーションの例

まえがき

1 インテリアデザインとは何か
1.1 インテリアデザインとは
1.2 インテリアデザインの系譜
1.2.1 萌芽期-室内装飾の建築からの分離
1.2.2 変革期-新しい造形の誕生
1.2.3 発展期-モダンデザインの展開
1.3 現代のインテリアデザイン
1.3.1 ポストモダニズムの誕生と終焉
1.3.2 戦後日本のインテリアデザイン
1.4 インテリアの職能と資格
1.4.1 インテリアの職能
1.4.2 インテリアの資格

2 インテリアの計画基礎
2.1 設計におけるインテリア計画の位置づけ
2.1.1 建築計画学の萌芽
2.1.2 建築計画とインテリア計画
2.2 生活行為と室空間
2.2.1 住宅における生活行為
2.2.2 その他の施設における生活行為
2.3 インテリアの人間工学
2.3.1 寸法計画とモデュール
2.3.2 動作空間と室空間
2.3.3 室空間の規模
2.3.4 生理・心理的特性
2.3.5 家具・設備への応用
2.4 動線と配置計画
2.5 室空間の構成
2.5.1 空間領域の分割と融合
2.5.2 室空間の連結
2.6 ノーマライゼーション
2.7 ファシリティ・マネジメント
2.8 安全に関する法規・法令
2.8.1 集団規定と単体規定
2.8.2 健康と法規・法令

3 室内環境と設備計画
3.1 採光と照明
3.1.1 明るさ-照度と輝度
3.1.2 昼光率
3.1.3 窓の大きさと法規
3.1.4 照明
3.2 音
3.2.1 音の性質
3.2.2 遮音と吸音
3.2.3 室内音響と設備
3.3 熱と空気
3.3.1 熱の移動
3.3.2 温度と湿度
3.3.3 換気と通風
3.3.4 空気調和-冷暖房
3.4 設備と機器
3.4.1 給排水衛生設備
3.4.2 電気設備

4 インテリアの演出
4.1 室空間の演出
4.1.1 吹抜け
4.1.2 中庭
4.1.3 演出のための装置
4.2 開口部-窓と出入口
4.2.1 開口部の役割
4.2.2 開口部のいろいろ
4.2.3 開口部の演出効果
4.3 ファブリックス
4.3.1 壁紙
4.3.2 ウインドウトリートメント
4.3.3 カーペット
4.4 照明-光の演出
4.4.1 照明の役割
4.4.2 あかりの計画
4.4.3 照明器具の選定
4.5 色彩
4.5.1 色彩のもつ性質
4.5.2 光と色彩
4.5.3 色彩の心理
4.5.4 カラースキム(色彩計画)
4.6 その他の演出要素
4.6.1 アート
4.6.2 植物(グリーン)
4.6.3 サイン

5 インテリアエレメントとしての家具
5.1 さまざまな家具
5.1.1 家具の分類
5.2 家具の歴史
5.2.1 家具の特長
5.2.2 第二次世界大戦後
5.3 家具のデザイン
5.4 家具の選択と配置
5.4.1 家具の選択
5.4.2 家具の配置
5.5 家具と地震
5.5.1 家具の振動
5.5.2 家具の対応

6 インテリアの材料と構法
6.1 構造と構法
6.1.1 構造の仕組-荷重と外力
6.1.2 建物の構造種類
6.1.3 木構造の構法
6.1.4 インテリアの施工
6.2 仕上げ材料
6.3 床
6.3.1 床に必要な性能
6.3.2 床材と下地
6.3.3 床材の納まり
6.4 壁
6.4.1 壁に必要な性能
6.4.2 壁装
6.5 天井
6.5.1 天井材に必要な性能
6.5.2 天井材と下地
6.5.3 天井材の納まり
6.6 開口部
6.6.1 建具の構造と種類
6.6.2 開口部の納まり
6.6.3 ガラスの性能と用途
6.6.4 建具の金物

7 インテリアのコンサルティング
7.1 商品
7.1.1 商品の基礎知識
7.1.2 商品の流通
7.1.3 商品の評価
7.2 販売
7.2.1 マーケティング
7.2.2 製品計画
7.2.3 価格政策
7.2.4 流通政策
7.2.5 販売促進
7.2.6 販売計数
7.2.7 消費者関連の法規
7.3 情報
7.3.1 情報の種類
7.3.2 情報の収集・管理・活用
7.3.3 販売・流通情報システム
7.4 積算と見積り
7.4.1 積算と見積りの概念と意義
7.4.2 積算と見積りの業務
7.5 コンサルティング
7.5.1 コンサルティングの基本
7.5.2 コンサルティングの技術
7.5.3 プレゼンテーション(提案)
7.5.4 購買行動,購買心理に関する基礎的知識
7.5.5 商品保証・アフターサービス・クレーム処理
7.5.6 割賦販売,信用販売
7.5.7 販売事務

8 インテリアデザインのプロセスと表現
8.1 設計のプロセス
8.2 空間のまとめ方と表現法
8.2.1 空間の発想-コンセプトアイディア
8.2.2 発想からかたちヘ-イメージスケッチ
8.2.3 空間構成の検討-図面や模型やCGによるスタディ
8.2.4 イメージの確定-基本設計とプレゼンテーション
8.2.5 細部の決定一実施計画と図面作成
8.3 インテリア設計の実際
8.3.1 インテリアコーディネーター資格試験(総合技術)の模擬課題
8.3.2 木造住宅のリフォームの演習課題

9 インテリアデザインの実際
1. 住まいのインテリア
2. オフィスのインテリア
3. 学校のインテリア
4. 図書館のインテリア
5. 美術館のインテリア
6. 病院のインテリア
7. ホテルのインテリア
8. レストランのインテリア
9. 店舗のインテリア

図表出展リスト

参考文献

中野 明 (著)
出版社 : 建帛社 (1998/3/1) 、出典:出版社HP