基本がわかる実践できる 決算書の読み方・活かし方

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「決算書」の基本がわかって実践できる

決算書の読み方が基本編・実務編の2部構成で丁寧に解説されています。知識がなくても簡単に理解できるようなポイントがまとめられていたり、実務で活用するための具体例などが挙げられています。本書を用いて会計スキルの初歩を学ぶことで、ビジネスシーンで決算書を使いこなせる知識が身に付きます。

川口 宏之 (著)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2020/3/17)、出典:出版社HP

はじめに

「決算書を読めるようになりたい」
と思っていても、
「読めたところで、それをどう活用すればいいのだろう?」
「自分の仕事には関係しないのでは?」
という疑問が先行してしまい、学びの第一歩を踏み出せずにいる方が多いようです。

本書は、決算書が読めるようになって、かつ、それを仕事に活かしたいと思っている、ビジネスパーソンのための本です。

具体的には、
・仕事で認められたいと思っている若手社員
・昇進や部署異動で必要に迫られている中堅社員
・今さら「知らない」とは言えない管理職
・就活・転職中の求職者
・自分でビジネスを興したいと思っている起業家の卵
といった方々が当てはまると思います。

本書は、そうした方々が学びやすいように2部構成としています。
「基本編」では、会計知識ゼロの方でも理解できるように、決算書がそもそも何なのかという説明から始まり、財務3表と呼ばれる貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書が、簡単に読めるようになるポイントをお伝えします。さらに、会計を学んでいてぶつかりやすい壁も、つまずかないで乗り越えられるように解説する章も加えました。

「実践編」では、決算書の活用方法を、さまざまな部署に分けて解説するとともに、具体的な決算書活用の事例をストーリー仕立てでお届けします。さらに、本書を読んだ後に具体的な行動へ移せるように、決管書の入手方法に加え、株価との関係や社会との関係で、どのように決質書に触れていけばいいのかなどを解説しています。

決算書が読めるようになっても、仕事に活かせなければ、それは単なる「知識コレクター」です。読めないよりはマシですが、それ以上にもそれ以下にもなれません。
ぜひ本書を読んで、仕事で決算書を活かせるビジネスパーソンになって下さい。

2020年3月
川口 宏之

川口 宏之 (著)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2020/3/17)、出典:出版社HP

Contents

はじめに
各章のポイント

第Ⅰ部 基本編
第1章 決算書の予備知識
1 「決算書」とは何か
2 どうして決算書は必要なのか
・決算書は誰のために作るのか
・会社にとって利害関係者とは
3 そもそも「決算」とは何か
4 決算書を構成するもの
・決算書を代表する「財務3表」
5 連結財務諸表と個別財務諸表
・「連結」と「個別」で財務諸表を見る際の注意点

第2章 貸借対照表(B/S)
1 貸借対照表は何で構成されているのか
・貸借対照表(B/S)とは
・貸借対照表に書かれること
・負債と純資産の違い
2 資産、負債、純資産の主な中身
・貸借対照表における具体的な項目
3 安全性が高い会社を見分ける
・安全性の指標となる自己資本比率
4 短期的な視点での安全性のチェック方法
・向こう1年の安全性を示す流動比率
5 純資産の内訳から自己資本比率の“質”をチェック
・純資産の内訳にも注目する
・利益剰余金がマイナス=危険とは限らない
6 自己資本比率が一桁台でも安全な業種
・金融機関
・企業グループで銀行子会社がある場合
7 流動比率の留意点
・売掛金と棚卸資産
・流動負債
・BtoCビジネスは流動比率が低い
Column1 資産を見ればどんな会社か想像がつく

第3章 損益計算書(P/L)
1 損益計算書は何で構成されているのか
・損益計算書(P/L)とは
2 5種類の利益の性質
・売上高から「売上総利益」を出す
・売上総利益から「営業利益」を出す
・営業利益から「経常利益」を出す
・経常利益から「税金等調整前当期純利益」を出す
・税金等調整前当期純利益から「当期純利益」を出す
・注目すべきは「営業利益」
3 収益、費用の主な中身
・収益の主な中身
・費用の主な中身
4 収益力が高い会社を見分ける
・損益計算書の階段図の活用
Column2 変動費と固定費

第4章 キャッシュ・フロー計算書(C/F)
1 キャッシュ・フロー計算書は何で構成されているのか
・キャッシュ・フロー計算書(C/F)とは
・キャッシュ・フローの例
・本業で儲かったかがわかる「営業C/F」
・将来に向けての動きがわかる「投資C/F」
・お金のやり取りがわかる「財務C/F」
・投資C/Fと財務C/Fの中身をチェック
2 3つのC/Fの組み合わせでわかること
・C/Fの代表的なパターン
3 フリー・キャッシュ・フロー
・キャッシュ・フローの新たな概念
・フリー・キャッシュ・フローの別の効用
Column3 2種類の営業C/F

第5章 会計でつまずかないコツ
1 財務3表同士の関係性
・時間軸でみる財務3表の関係
・貸借対照表と損益計算書の関係
・貸借対照表とキャッシュ・フロー計算書の関係
2 儲かっているのにお金がない?「キャッシュと利益の違い」
・黒字倒産になりかねない「ズレ」
・「貸倒れ」による黒字倒産
・もう1つの黒字倒産
3 持っているだけで資産が減る?「減価償却」
・なぜ減価償却が必要なのか
・貸借対照表から見た減価償却
・減価償却の留意点
4 損したつもりの「引当金」
・引当金とは
・引当金も絶対ではない
5 店先に掛けられていないほうの「のれん」
・会計上の「のれん」
・「のれん」が計上されるのはM&Aのとき
・M&Aの成否を左右する
6 税務と決算書の関係
・会社にかかる税金の問題
・似て非なる会計と税務
・会計と税務の目的の違い
・費用と損金の違い、収益と益金の違い
Column4 交際費と会議費

第Ⅱ部 実践編
第6章 ビジネス実務で決算書を使う
1 経理部門でなくても決算書は役に立つ
・「決算書=簿記=経理のため」は誤解
・決算書は皆が読むためにある
2 営業部門の場合
・与信管理という「守り」の営業
・顧客を知って立ち回る「攻め」の営業
3 購買部門の場合
・細心の配慮を要する価格交渉
・価格交渉で決算書を有効活用
4 経営企画部門の場合
・決算書から会社や業界を把握する
・重大な経営判断の決定や説得の材料として
5 人事部門の場合
・人件費と機会損失のはざま
・売上に対する収益と費用を計る
・人事部門にこそ会計が求められる昨今の事情
6 製造部門の場合
・製造部門が避けることのできない売上原価
・現場が決算書を読めるからこそできる利益貢献
・適切な設備投資を考えられる
7 研究開発部門の場合
・決算書と無関係ではいられない
・儲けとのつながりが見えないからこそ
8 IR部門(広報、総務)の場合
・自社の決算を説明するIR部門
・投資家ら利害関係者のために

第7章 ケース別の決算書活用術
1 食品素材メーカー営業担当の中村さん
2 ホームセンター勤務の柳井さん
3 システム開発会社で働く浅野さん
4 精密機械メーカー経営企画部の黒田さん
5 医薬品卸の人事部で働く堀田さん

第8章 会計スキルを磨く
1 実際の決算書を読んで訓練する
・スキルは使わなければ忘れてしまう
2 決算書の入手方法
・決算情報の3つの開示制度
・各制度で開示される書類
・開示書類と決算書との関係
・非上場企業の決算情報の入手方法
3 決算書と株価を見比べる
・BPS(1株あたり純資産)
・EPS(1株当たり当期純利益)
4 社会や世界の動きを追う
・自社が属する業界の企業動向
・顧客企業が属する業界の企業動向
・成長著しい業界の企業動向

索引

川口 宏之 (著)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2020/3/17)、出典:出版社HP

各章のポイント

第1章 決算書の予備知識

1 「決算書」とは何か
・決算書は、会社の経済活動を記録・集計したものである。
・決算書を読み解くことができれば、その会社の実態を把握することができる。

2 どうして決算書は必要なのか
・すべての会社が、決算書を作成・公表する義務を負っている。
・決算書は、会社を取り巻く利害関係者に、会社の情報を伝達するツールとしての役割を持っている。

3 そもそも「決算」とは何か
・決算とは、一定期間の業績や、保有している財産の明細を明らかにする手続きのことをいう。
・会社は1年間のうち、区切りの日である決算日を決めなければならない。
・1年間の最初の日を「期首」、1年間の最後の日を「期末」といい、期首から期末までの1年間を「会計期間」という。

4 決算書を構成するもの
・決算書は、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」の3つの書類で構成されている。
・「貸借対照表」はある時点の状態を切り取ったスナップショット、「損益計算書」と「キャッシュ・フロー計算書」は過去1年間の実績を写し取った記録映像といえる。

5 連結財務諸表と個別財務諸表
・グループ経営を行っている企業集団の親会社だけを見ても、実態は見えてこない。
・基本的には、「個別財務諸表」ではなく、「連結財務諸表」を分析対象とする。

第2章 貸借対照表(B/S)

1 貸借対照表は何で構成されているのか
・貸借対照表は、「資産」「負債」「純資産」の3つで構成されている。
・負債と純資産は「資金の調達源泉」を表し、資産は「資金の運用形態」を表している。
・資金の調達源泉に対し、負債は返済義務があり、純資産は返済義務がない。

2 資産、負債、純資産の主な中身
・資産は、現金預金及び将来お金が増えるプラスの財産である。
・負債は、将来お金が減るマイナスの財産である。
・純資産は、資産から負債を差し引いた正味の財産である。
・資産は、流動資産と固定資産に分けられる。
・負債は、流動負債と固定負債に分けられる。

3 安全性が高い会社を見分ける。
・財務的な安全性は、純資産の厚みに表れる。
・自己資本比率が高いほど安全性が高い会社といえ、30%以上が目安となる。

4 短期的な視点での安全性のチェック方法
・短期的な支払い能力は、流動資産と流動負債の大小関係でわかる。
・流動比率が高いほど、安全性が高い会社といえ、最低100%は必要。

5 純資産の内訳から自己資本比率の“質”をチェック
・資本金及び資本剰余金は株主からの出資で、利益剰余金は過去の利益の累積を意味する。
・純資産の大きさがどちらに依存しているのかで、安全性の質が大きく異なる。

6 自己資本比率が一桁台でも安全な業種
・金融機関はそのビジネスモデルの特性上、自己資本比率が相対的に低くなる傾向にある。
・グループ内に銀行子会社を抱える企業も、自己資本比率が低くなる傾向にある。

7 流動比率の留意点
・流動負債の中には、支払期日が1年後の債務もあれば、1ヶ月後の債務もある。
・売掛金は、回収されずに貸倒れてしまうリスクを持つ資産である。
・棚卸資産は、売れ残ってしまうリスクを持つ資産である。

第3章 損益計算書(P/L)

1 損益計算書は何で構成されているのか
・損益計算書は「売上高」と「費用」、その差額である「利益」で構成されている。
・売上高から段階的に費用が差し引かれることで、5種類の利益が表れる。

2 5種類の利益の性質
・売上総利益は、購入代金と販売代金の差(利ザヤ)。
・営業利益は、本業での儲け。
・経常利益は、本業と財務活動の結果としての儲け。
・税金等調整前当期純利益は、臨時突発事象も含めた結果としての儲け。
・当期純利益は、儲けに対して課された税金を差し引いて残った最終の利益。
・利益の中で最も注目度が高いのは営業利益。また、経営者はトータルの儲けである当期純利益にも注目する。

3 収益、費用の主な中身
・収益は、利益を増加させるもので、売上高、営業外収益、特別利益がある。
・費用は、利益を減少させるもので、売上原価、販売費及び一般管理費、営業外費用、経常費用、特別損失、法人税等がある。
・費用に当たるものの中でも、その性質によって計上される箇所が異なる場合がある。

4 収益力が高い会社を見分ける
・売上高と5種類の利益を階段状に並べることで、会社の収益力(稼ぐ力)がわかる。
・階段の傾斜が緩やかな会社は収益力が高く、階段の傾斜が急な会社は収益力が弱い。
・階段がU字型をえがくような税金等調整前当期純利益が高い会社は、無理やり利益を捻出した可能性があり、注意が必要である。

第4章 キャッシュ・フロー計算書(C/F)

1 キャッシュ・フロー計算書は何で構成されているのか
・キャッシュ・フロー計算書は、営業活動によるキャッシュ・フロー(営業C/F)、投資活動によるキャッシュ・フロー(投資C/F)、財務活動によるキャッシュ・フロー(財務C/F)の3つで構成されている。
・「営業C/F」は本業での儲けを示し、プラスの場合は本業が好調な会社で、マイナスの場合は本業で苦戦している会社である。
・「投資C/F」は将来に向けての動きを示し、プラスの場合は守りの経営をしている会社で、マイナスの場合は攻めの経営をしている会社である。
・「財務C/F」はお金のやり取りを示し、プラスの場合は導入期・成長期にある会社、マイナスの場合は成熟期・衰退期にある会社である。
・投資C/Fと財務C/Fのプラスとマイナスについては、表面的な動きだけではなく、その内訳を注視しないと見誤ることがある。

2 3つのC/Fの組み合わせでわかること
・3種類のC/Fについて、そのプラスやマイナスの組み合わせがどうなっているかのかを見ることで、その会社の経営状況を推測することができる。

3 フリー・キャッシュフロー
・フリー・キャッシュ・フローとは、会社が獲得したキャッシュのうち、自由に使うことができるお金のことである。
・フリー・キャッシュ・フローは投資の健全性を測ることができるが、単年度のみではなく、過去3年程度の幅を持たせて見る必要がある。
・自社のフリー・キャッシュ・フローを把握することで、過剰投資に対して一定の歯止めをかけることが可能となる。

第5章 会計でつまずかないコツ

1 財務3表同士の関係性
・損益計算書は、期首から期末までの純資産の増減要因を表す。
・キャッシュ・フロー計算書は、期首から期末までの現金の増減要因を表す

2 儲かっているのにお金がない?「キャッシュと利益の違い」
・キャッシュ・フロー計算書はお金の動きに着目した計算書であるのに対し、損益計算書は商品・サービスの動きに着目した計算書である。
・売上高と売上原価は同じタイミングで計上されるが、売上代金の受領と仕入代金の支出は別々のタイミングで起こる。
・貸倒れや滞留在庫により、損益計算書は黒字でも、資金が足りずに倒産してしまうこともあり得る。

3 持っているだけで資産が減る?「減価償却」
・固定資産の購入に要した金額を、その使用期間にわたって費用配分する会計処理を減価償却という。
・貸借対照表に固定資産として載っている金額は、遅かれ早かれ必ず将来費用となる。

4 損したつもりの「引当金」
・引当金とは、将来、支出や損失の発生が予想され、その発生原因が当期にある場合、当期の負担に相当する金額を前もって費用として計上したもの。
・引当金として計上されている金額は、将来、その分の現金支出が予定されている。

5 店先に掛けられていないほうの「のれん」
・のれんとは、ブランド、ノウハウ、顧客との関係、従業員の能力など、企業が持っている目に見えない価値の総称のことをいう。
・M&Aによって他社を傘下に入れることで、その買収先企業ののれんが貸借対照表に計上される。
・のれんは、他の固定資産と同様、費用に振り替わる(償却される)。

6 税金と決算書の関係
・会計上の「利益」と税務上の「所得」では、項目の扱いが異なる場合があるため、損益計算書で赤字であっても税金が発生することがある。

第6章 ビジネス実務で決算書を使う

1 経理部門でなくても決算書は役に立つ
・簿記は、日々の取引を帳簿に記録することで、その結果を取りまとめたものが決算書である。
・決算書を作成するのは経理部門であるが、出来上がった決算書を活用するのは経理部門に限らない。

2 営業部門の場合
・顧客企業の決算書を分析することで、自社に貸倒れ損失を発生させないための予防線を張れる。
・優良顧客となりそうな企業を、決算書を通じて見分けることができる。

3 購買部門の場合
仕入れ業者との価格交渉の際に、類似企業の決算書を分析することで、どのくらい値下げの余地があるかを把握することができる。

4 経営企画部門の場合
・どの事業を強化し、どの事業から撤退するかなどの経営上の判断材料として役立つ。
・M&Aを行うか否かの事業シミュレーションに役立つ。

5 人事部門の場合
・同業他社の決算書との比較で、適正人員数や適正給与水準の見当がつく。
・人員数のダブつきを客観的に察知できる。
・中途採用か、既存社員の教育コストに充てるべきかの判断の基礎となる。

6 製造部門の場合
・自社のコスト構造が把握でき、原価低減活動の第一歩となる。
・設備投資をすべきか否かの判断に役立つ。

7 研究開発部門の場合
・売上高に対する研究開発費の割合から、売上に対する貢献度を計ることができ、同業他社との比較によっては研究開発予算の増額要求も可能となる。

8 IR部門(広報、総務)の場合
・投資家からの質問に対し、的確に答えることができる。
・投資家視点で自社を客観視することができる。

第7章 ビジネスパーソン別の決算書活用術

1 食品素材メーカーの営業担当の中村さん
・得意先から支払期限の延期を依頼されたら、慎重に対応しなければならない。
・財務的な安全性は損益計算書の売上高や利益だけでは判断できず、他の財務3表とも見比べて分析する必要がある。

2 ホームセンター勤務の柳井さん
・在庫は損失の先送りをする道具として使われる場合がある。
・不良在庫に関して見直しを行うことで、経営実態を正確に把握できるようになり、適切な戦略が行えるようになる。

3 システム開発会社で働く浅野さん
・決算書を事前に分析することで、クライアント企業の課題を把握し、コンペで優位に立つことができる。

4 精密機器メーカー経営企画部の黒田さん
・固定費と変動費の仕組みを理解することで、適切な販売価格の設定やコストダウンを図ることができる。
・減価償却における耐用年数は、明確な根拠があれば途中で変更する工夫ができる。

5 医薬品卸の人事部で働く堀田さん
・同業他社や異業種とも決算書を見比べることで、自社や業界の特殊性に気づくことができる。
・全社的な会計スキルの向上は、売上や利益について社内で共通認識を持たせやすくなり、他のビジネススキルにも好影響をもたらしやすい。

第8章 会計スキルを磨く

1 実際の決算書を読んで訓練する
・自分に関係のある会社や興味のある会社の決算書を入手し、どんどん分析してみることで、決算書の知識が定着する。

2 決算書の入手方法
・上場企業の場合、金融商品取引法(有価証券報告書、四半期報告書)、証券取引所(決算短信、四半期決算短信)、会社法(計算書類)に基づいた決算書が入手できる。
・それぞれの決算書は、開示の範囲や開示のタイミングなどが異なるため、違いを理解した上で使い分ける。
・非上場企業の場合、計算書類又は決算公告で決算書が入手できる。
・決算公告は、官報、日刊新聞、電子公告のいずれかの媒体で掲載されている。どの媒体に掲載されているかは、その会社の商業登記簿を見ればわかる。

3 決算書と株価を見比べる
・BPS(1株当たり純資産)やEPS(1株当たり当期純利益)から、その会社に現時点でどれほどの価値があるかがわかる。
・PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)から、その会社がマーケット(投資家)からどのくらい期待されているかがわかる。

4 社会や世界の動きを追う
・自分の会社が属する業界のトップ企業の決算書を追ってみる。
・顧客企業が属する業界の動向をチェックする。
・業績が好調な企業の決算書を分析し、勝ちパターンを把握する。

川口 宏之 (著)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2020/3/17)、出典:出版社HP