全災害対応! 子連れ防災BOOK 1223人の被災ママパパと作りました

【最新 – 防災・災害時の食について学ぶためのおすすめ本 – 普段の備えから被災時の調理まで】も確認する

体験ベースの防災実践

1223人の被災者の体験談から、どのような避難や事前の備えが必要になるかを、かわいらしいイラストとともに紹介している本です。子どもがいる家庭の被災体験談が多く紹介されているので実際に被災すると、どんなことが大変になるのかがよくわかります。自分の家ではどんな対策を立てればいいのか、そのヒントになることがいろいろ書かれていて参考になります。

まえがき

安心を手にするための本
楽しく生活することで、 自然と災害にも強くなる。それが、ママとパパが子どもを守るためにできること
特定非営利活動法人ママプラグアクティブ防災事業代表富川万美

2011年3月1日1時3分、私は娘と遊びに行っていた東京都内の友人の家で被災しました。夫は地方へ出張中で戻ってこられず、当日は友人宅に宿泊。当時娘は2歳。しばらくは子連れでの外出が怖かったので、ママ友と協力して買い出しに出たり、子どもの面倒を見合ったりしていました。東京での混乱が少し落ち着いたころ、一緒に仕事をしていた幼い子どもを 持つクリエイターらから「子どもが小さいから被災地に出向くのは難しいけれど、被災地のママのために何かできないか」という声があがりました。
2011年の夏から、ママプラグの前身となる「つながる .com」と いうプロジェクトを立ち上げました。世界的なクレヨンアーティストのミレ イヒロキ氏の花の絵がプリントされた帆布を用意し、被災地のママや子どもたちに色付けしてもらい、太田旗店でトートバッグに仕上げて販売。利益を支援物資に変えて配布しながら、同時に被災した家族の声を取材し、子どもの命を守るための体験談&防災術をまとめ出版。特定非営利活動法人を立ち上げ、行政とともに防災講座を開発し、全国で講座を行ってきました。
東日本大震災から8年。被災者の声をヒアリングしながら、子どもや要介 護者、特殊なケアの必要な方の防災術をブラッシュアップしてきました。その間も、日本を襲った災害は、数え切れません。2018年の世相を表す漢字には「災」が選ばれるほど、地震だけでなく、多くの災害に見舞われ ています。備えなくては、と思いながら面倒くさい、何から手をつけていい のかわからない、防災グッズはインテリア的に美しくないから気が乗らない と、後回しにしてしまいがちな防災。その陰には、向き合いたくない不安や 恐怖も潜んでいるのではないかと思います。
人は、命に関わる問題をオブラートに包んで遠ざけてしまうか、完璧にしようとしてつらくなる、ということがあるように思います。
だからこそ、本当に必要な防災を身につけ、安心できる生活を手に入れて ほしいのです。そう、本来、防災意識や備えは「いざという時のために、お金と時間をかけてしかたなくやるもの」ではなく、日常の中で安全性を高め 「家族みんなが安心して笑顔で暮らすため」にあるべき。この本はそのためにつくりました。
防災は千差万別です。家族の数だけ必要な防災があります。本書では、地震だけでなく、近年日本で起こった災害ごとに被災したママたちの声をまとめ、それに対応するための防災術を伝えていきます。また、災害支援に携わる医師や防災士など、専門家の協力を得て、心身のケアまでを網羅した本をつくることができました。
子どもを守るためにパパやママがやっていくべきことは、恐怖に怯えながらストイックに防災に取り組むのではなく「楽しみながら、日常生活の質を 底上げする」ということ。すべては、家族と子どもの安全と笑顔のために、どうぞお役立てください。

もくじ

まえがき
防災の基本姿勢

1そのとき、 どうやって身を守ったか
被災ママパパの声「あのときこうだった」
とっさのときの身の守り方
こんな場所で被災したら?
被災ママパパ体験談01-07
COLUMN5 被災証明書と罹災証明書

2体験談に学ぶ 本当に必要な防災とは
被災ママパパの声「災害のあとはこうなった」
被災ママパパ体験談 08 – 13
今すぐできる10のこと
被災体験から学ぶ防災術
被災体験に学ぶ「あれがあってよかったグッズ」
スマホに入れておきたいアプリ。
COLUMNS 女性と子どもの防災

3オーダーメイドで考える防災
本当に必要な防災を考える01
安心して暮らす。そのために必要な「モノ」を考える
安心して暮らす。そのために必要な「想像する防災」
オーダーメイド防災「状況別に考える」
オーダーメイド防災「グッズ別に考える」
オーダーメイド防災 避難バッグの考え方
オーダーメイド防災 防災にも時代性がある
オーダーメイド防災調べておくと安心
本当に必要な防災を考える02-03
COLUMNS ペットの防災

4もう一歩先へ自ら動く防災
体験談から実践するわが家の防災
COLUMNS 高齢者の防災

5医療従事者に聞く災害時に必要なこと。
医師から見た防災
災害医療の視点で考える

あとがき
防災お役立ちサイト

防災の基本姿勢

当たり前のように備える
日常の中でできることから子連れ家族にとって防災は、生活の一部にするべきこと
「どこまでやればゴールなのかがわ からなくて…」
ママプラグで開催している防災講 「座の中で、ママパパからよく聞かれるのがこの言葉です。子どもの命を 守りたいという強い思いが、備えの ハードルを高くし、防災をより難しいものにしているように思います。
確かに近年、災害は増えている のですが、耐震構造の建物に住み、ハザードマップで浸水などの危険 を把握し、必要な物を備え、いざと いうときの動きを確認しておけば、 災害がきても落ち着いて冷静な対処ができます。
「震度6では、地震の揺れで死ぬことは少ない。それよりも、子ども連れで大変なのは、災害発生からライ フラインが元どおりになるまでの 生活です」と語るのは、本書のイラストを手がけた、防災士のアベナオミさん。自身の東日本大震災の被災体験からも、このことが身にしみているといいます。
災害時に何が起きるのか、そして、災害後に何を備えればいいのか、被災者の体験からきちんと把握して、少しずつ備えていくこと。本書では「子連れ家族にとって本当に必要な 防災」をお伝えしていきます。