マクマリー有機化学(上)第9版

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有機化学を基礎から学ぶ

本書は、有機化学の基礎知識を幅広く学べる教科書です。構造と結合から始まり、共有結合、有機化合物といった基礎的な内容がしっかりと解説されています。後半では、アルケン、アルキン、有機ハロゲン化物、構造決定などがまとめられています。

John McMurry (著), 伊東 〓 (翻訳), 児玉 三明 (翻訳), 荻野 敏夫 (翻訳), 深澤 義正 (翻訳), 通 元夫 (翻訳)
出版社 : 東京化学同人; 第9版 (2017/1/23)、出典:出版社HP

私は書くことが好きである. 有機化学について解説することが好きである。この教科書はこのたび第9版を出版することとなったが,今回もまたあらゆる用語や説明に検討を加え,何千もの細かな項目を更新し、あらゆる事柄について向上させる試みを行った。私のねらいは,これまでの版を成功に導いた特徴を改良するとともに,新しい内容を付け加えることである.

第9版における変更と追加
より正確なものにするために、読者の意見を参考にして,本文の内容が更新されている. この第9版では、NMR分光法の議論や反応機構の問題 を解く機会が大幅に拡充されている.

変更点は:
・質量スペクトルの解説が,教科書全般にわたって出されている新しい分光法の問題とともに拡充されている。
・核磁気共鳴の理論とNMRデータの解釈の議論が再編成され,新しいNMRの問題とともに拡充されている
・期待するものが何であるかすぐにわかるように,今回は“この章の目的”を各章の序論の前にもってきた。
・章末の反応機構の問題を見つけやすくするためにひとまとめにした.
・新しい反応機構を書く練習問題 108題と新しい分光法やNMRの問題を含め、多くの新しい問題が章末に追加されている。
・“科学的な解析と推理力の訓練”と題する七つの挿話と,それに関連した「MCAT(医学部入学試験)のような専門的な試験をモデルにした設問. これらの話題は,有機化学の医学,薬学,生物学への応用における最近の進歩に焦点を当てている。その話題は:キラルな薬サリドマイド, マスタードガスからアルキル化抗がん剤,光線力学的治療(PDP), 選択的 セロトニン再取込み阻害薬(SSRI), DNA中のチミン, メラトニンとセ ロトニン, エンジアンドル酸Cの強力な抗菌特性,である。
七つの新規“科学的な解析と推理力の訓練”に加えて,各章における目立った変更点:
・2章 極性共有結合: 酸と塩基より正確さを高めるために, 形式電荷の図を追加した。新しい反応機構の問題を章末に追加した.
・3章 有機化合物: アルカンとその立体化学 読者の意見に基づいて,アルカンの命名のための図と各段階を改良したから。
・6章 有機反応の概観 新しい反応機構の問題を含め, 章末に新しい問題を追加した。
・7章 アルケン: 構造と反応性 アルケンの立体化学を, E, Z配置の練習のため例を増やして更新した。反応機構の練習問題を章末に追加した.
・8章 アルケン: 反応と合成新しい反応機構の練習問題を章末に追加した。
・9章 アルキン: 有機合成序論アルキンの命名法とアルキンの反応の節を,より正確なものにするために更新した。新しい反応機構の問題を 章末に追加した。
・10章 有機ハロゲン化物 鈴木-宮浦反応,曲がった矢印の書き方,電子を動かす反応機構を,章末の新しい問題の中で強調した。
・11章 ハロゲン化アルキルの反応:求核置換と脱離 脱離反応の機構に特に注目した章末問題を追加した。
・12章 構造決定:質量分析法と赤外分光法質量スペクの解説に関する拡張した議論,実例,新しい問題を追加した.
・13章 構造決定:核磁気共鳴分銘酒、核磁気共鳴の理論に関する議論と NMRデータの解釈を拡充して再編成し、新しいNMRの問題を追加した。
・14章 共役化合物と紫外分光法反応機種の副題を含め、新しい問題を章末に追加した。
・15章 ベンゼンと芳香族性 ベンゼン系化合物の分光学的な特性に関する議論を拡充した。新しい反応機構と分光法の問題を章末に追加した。
・16章 ベンゼンの化学:芳香族求電子置換反応機簿の練習問題を含め、新しい問題を章末に追加した。
・17 章 アルコールとフェノール 章末の新しい反応機構の問題に加えて,新しい分光法の実例と問題を追加した.
・18 章 エーテルとエポキシド; チオールとスルフィド 章末の新しい反応機構の問題に加えて,新しい分光法の実例と問題を追加した.
・19章 アルデヒドとケトン: 求核付加反応 アルデヒド/ケトンの赤外 および NMR分光法に関する議論を拡充した。新しいNMRの問題と反応機構の練習問題を追加した.
・20章 カルボン酸とニトリルカルボン酸の赤外およびNMR分光法に関する議論を更新した。反応機構および分光法の問題を含め、新しい問題を章末に追加した.
・21 章 カルボン酸誘導体:求核アシル置換反応 カルボン酸誘導体の赤外およびNMR分光法における電子的効果の議論を,新しい反応機構の問題に加えて章末の二つの新しい赤外分光法問題とともに拡充した.
・22章, 23章 カルボニル a 置換反応,カルボニル縮合反応追加の反応機構の練習問題を含め、新しい問題を章末に追加した。
・24章 アミンと複素環 アミンの赤外および NMR分光法の議論を更新し,章末に分光法と反応機構の新しい練習問題を追加した。
・ 25 章 生体分子:糖質 インフルエンザウイルスに関する内容を充実させ,Fischer投影式の描き方と関連した例題を改訂した。
・26章 生体分子:アミノ酸,ペプチド,タンパク質プロテインデータバンクに関する化学余話の記述を書き改め、より最新のものにするために更新した。
・ 28 章 生体分子: 核酸DNAの配列決定とDNA合成の内容を更新して書き改めた。

特徴

・“この章の目的”は,各章の序論の最初に出てくる短いパラグラフであり,この後で述べる内容がなぜ重要なのかを学生に伝えている
・各例題は問題の解き方と詳細な解答から成り、続いて学生が自分自身で解く試みをするための問題がある.本書には本文中と章末で1800問以上の問題が出題されている.
・概説の章,“カルボニル化合物の予習”が18章の後に続いている.これは有機化学を学ぶにはときどき要点をまとめ,後の章に備えることが必要であるという考えの現れである.
・各章の末尾で練習問題の最初に出てくる“目で学ぶ化学”は,学生が単に構造式の説明をするのではなく,分子を視覚化することにより別な視点から化学を見る機会を与えてくれる.
・ほとんどの章の章末問題に,新たに“反応機構”の節を追加した. 反応機構型の問題は、この題名のもとにひとまとめにされたことになる.
・“科学的な解析と推理力の訓練”は有機化学の医学, 薬学, 生物学への応用と関連した特殊な話題について, 2~3 ページ分の挿話とそれらに対応した専門的な試験問題形式の設問を提供している.これらはこの教科書のところどころに挿入されている. 挿話と設問はその章で述べた有機化学の内容と関連している.選択肢の中から正解を選ばせる質問形式はMCAT(医学部入学試験)のような専門的な試験を模したものである. 意図するところは、実用的な応用と現実の社会における例を通して有機化学の基礎を補強することにある.
・“化学余話”と名付けた短文は本文を補足し、化学の応用例を提供している。この化学余話は、“薬はどこから来るのか”(6章)や“分子力学”(4 章)などを含んでいる。
・“まとめと重要語句”は、学生がその意の露要な概念を大まかにつかむ手助けとなる。
・一部の章の末尾にある“反応のまとめは、その章にある重要な反応をすべて一つのリストにまとめたものである。

John McMurry (著), 伊東 〓 (翻訳), 児玉 三明 (翻訳), 荻野 敏夫 (翻訳), 深澤 義正 (翻訳), 通 元夫 (翻訳)
出版社 : 東京化学同人; 第9版 (2017/1/23)、出典:出版社HP

謝辞

この改訂は、多くの重要な貢献者の協力なしには成し得なかったであろう.特に,この教科書を完成させる過程で、この歳で追加された多くの新しい反応機構の問題を作製して下さったKC Russel氏(Northern Kentucky University), この本全般にわたってNIMEおよび分光法の議論と対応する問題を改訂して下さったJames S. Vyvyan 氏(Western Washington Iniversity), 新たに“科学的な解析と推理力の訓練”の節を創作して下さったAndrew Frazer IE (University of Central Florida) $302N SOMにご助力頂いた Gordon W. Gribble 氏(Dartmouth College), および新しい題材について注意深く検討し,再三にわたりその原稿に手を加えて下さったJordan L. Fantini 氏 (Denison University)に感謝します. この本の原稿を校閲して下さった下記の方々に感謝いたします.

校閱者

第9版の原稿校閲者

Peter Bell, Tarleton State University
Andrew Frazer, University of Central Florida
Stephen Godleski, State University of New York, Brockport
Susan Klein, Manchester College
Barbara Mayer, California State University, Fresno
James Miranda, Sacramento State University
Pauline Schwartz, University of New Haven
Gabriela Smeureanu, Hunter College
Douglas C. Smith, California State University, San Bernardino
Linfeng Xie, University of Wisconsin, Oshkosh
Yan Zhao, Iowa State University

第8版の原稿校閲者

Andrew Bolig, San Francisco State University
Indraneel Ghosh, University of Arizona
Stephen Godleski, State University of New York, Brockport
Gordon Gribble, Dartmouth College
Matthew E. Hart, Grand Valley State University
Darren Johnson, University of Oregon
Ernest G. Nolen, Colgate University
Douglas C. Smith, California State University, San Bernadino
Gary Sulikowski, Vanderbilt University
Richard Weiss, Georgetown University
Yan Zhao, Iowa State University

第7版の原稿校閲者

Arthur W. Bull, Oakland University
Robert Coleman, Ohio State University
Nicholas Drapela, Oregon State University
Christopher Hadad, Ohio State University
Eric J. Kantorowski, California Polytechnic State University
James J. Kiddle, Western Michigan University
Joseph B. Lambert, Northwestern University
Dominic McGrath, University of Arizona
Thomas A. Newton, University of Southern Maine
Michael Rathke, Michigan State University
Laren M. Tolbert, Georgia Institute of Technology

訳者序

J. McMurry 著 “Organic Chemistry” の日本語版は,初版を出してからすでに 30 年という長い年月が経過した. この間,常に好評を維持し,多くの大学で教科書として採用していただいているが,広範囲にわたる有機化学の基礎知識を万遍なく学べるよう編集されていること,生化学的な内 容についても化学的な面からわかりやすく解説していること,さらに原著者が内容を魅力的なものにする努力を常に怠らず,しばしば改版を重ねていることなどがその要因であると思われる。
ここに第9版を出版する運びとなった.この版では,これまでの版の形式を踏襲しつつ新しい試みがいくつか加わって,ますます充実した内容となっている.まず,“科学的な解析と推理力の訓練”という表題で,ところどころの章末に合計七つの挿話とそれに関連した設問が設けられ,これまでこの種の教科書にはみられなかった斬新な試みがなされている.これは有機化学が我々の生活にどのように役立っているかの一端を紹介しているもので,たとえば,もともとは人類を殺傷する目的の化学兵器として開発されたマスタードガスが,現在では強力な抗がん剤として人類を守るために役立っているというような話題を有機化学の立場から解説しており,有機化学の基礎を詳細に解説している本文とは一味違って,興味をもって読んでいただけるのではないかと思われる.一方,多くの章の章末問題の中に反応機構を問う問題がひとまとめにして多数掲載されている。有機化学においては,覚えなければならない内容が非常に多いが,それらの知識を総合的に活用することが求められる反応機構を正確に書けるかどうかが理解度を測るバロメーターともなることから,この点を強く意識した結果ではないかと思われる。

動植物や微生物など生物が生産する有機物質は天然有機化合物(天然物) とよばれる.このような天然物を単離して構造を決め,生物(薬理)活性を調べ、さらには化学的にそれらを合成するという天然物化学は,わが国で非常に活発に行われてきた研究分野の一つである.特に,天然物は医薬品開発のリード化合物としても重要な位置を占めており、その探索研究は日本のお家芸ともいわれている。寄生虫病の治療薬“イベルメクチン”を開発して 2015 年度のノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士の研究も,新しい天然物の探索から生まれた成果であり,失明をはじめ種々の疾病から多くの人々を救うこととなった。

本書の翻訳は下に示す同士の手になった。深澤(1~4, 6, 15, 16, 30 章),児玉(5, 7~11,17,18, 31 章,付録),通(12~14, 25 ~ 29章), 荻野(カルボニル化合物の予習.19~24章). 翻訳に当たっては,平易な文章で化学的な内容を正確に伝えるように努力した。しかし,訳者の努力にもかかわらず,不備な点があるのではないかと懸念している. 読者諸兄からご指摘,ご教示をいただければ幸いである。

第8版に対しても、不適切な訳語や間違いの指摘を含めて、読者の方々から多くのご意見をいただいた。この場を借りて厚く御礼申し上げる.
なお、第9版においても引続き、東京化学同人編集部の高木千織氏に細部にわたる点検をしていただいた。ここに御礼申し上げる。

訳者

John McMurry (著), 伊東 〓 (翻訳), 児玉 三明 (翻訳), 荻野 敏夫 (翻訳), 深澤 義正 (翻訳), 通 元夫 (翻訳)
出版社 : 東京化学同人; 第9版 (2017/1/23)、出典:出版社HP

主要目次

上巻
1 構造と結合
2 極性共有結合;酸と塩基
3 有機化合物: アルカンとその立体化学
4 有機化合物: シクロアルカンとその立体化学
5 四面体中心における立体化学
6 有機反応の概観
科学的な解析と推理力の訓練 I
キラルな薬サリドマイド
7 アルケン: 構造と反応性
8 アルケン: 反応と合成
9 アルキン: 有機合成序論
10 有機ハロゲン化物
11 ハロゲン化アルキルの反応: 求核置換と脱離
科学的な解析と推理力の訓練II
マスタードガスからアルキル化抗がん剤
12 構造決定: 質量分析法と赤外分光法
13 構造決定: 核磁気共鳴分光法
14 共役化合物と紫外分光法
科学的な解析と推理力の訓練III
光線力学的治療(PDT)

中巻
15 ベンゼンと芳香族性
16 ベンゼンの化学:芳香族求電子置換
17 アルコールとフェノール
18 エーテルとエポキシド: チオールとスルフィド
●カルボニル化合物の予習
19 アルデヒドとケトン: 求核付加反応
科学的な解析と推理力の訓練V
選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)
20 カルボン酸とニトリル
21 カルボン酸誘導体:求核アシル置換反応
22 カルボニルa置換反応
23 カルボニル縮合反応
科学的な解析と推理力の訓練V
DNA中のチミン

下巻
24 アミンと複素環
25 生体分子:糖質
26 生体分子: アミノ酸,ペプチド,タンパク質
27 生体分子:脂質
科学的な解析と推理力の訓練VI
メラトニンとセロトニン
28 生体分子:核酸
29 代謝経路の有機化学
30 軌道と有機化学: ペリ環状反応
科学的な解析と推理力の訓練VI
エンジアンドル酸Cの強力な抗菌特性
31 合成ポリマー
付録

目次
1. 構造と結合
1.1 原子の構造: 原子核
1.2 原子の構造: 軌道
1.3 原子の構造:電子配置
1.4 化学結合論の発展
1.5 化学結合の表記:原子価結合法
1.6 sp混成軌道とメタンの構造
1.7 sp混成軌道とエタンの構造
1.8 sp混成軌道とエチレンの構造
1.9 sp混成軌道とアセチレンの構造
1.10 窒素,酸素, リン, 硫黄の混成
1.11 化学結合の表記: 分子軌道法
1.12 化学構造を書く
化学余話 有機食品: リスク対便益
まとめと重要語句
練習問題

2. 極性共有結合: 酸と塩基
2.1 極性共有結合: 電気陰性度
2.2 極性共有結合: 双極子モーメント
2.3 形式電荷
2.4 共鳴
2.5 共鳴構造の規則
2.6 共鳴構造を書く
2.7 酸と塩基: Brønsted-Lowry の定義
2.8 酸と塩基の強さ
2.9 pK値を用いる
酸塩基反応の予測
2.10 有機酸と有機塩基
2.11 酸と塩基:Lewis の定義
2.12 非共有結合性相互作用
化学余話 アルカロイド: コカインから歯科用麻酔薬まで
まとめと重要語句
練習問題

3. 有機化合物: アルカンとその立体化学
3.1 官能基
3.2 アルカンとその異性体
3.3 アルキル基
3.4 アルカンの命名法
3.5 アルカンの性質
3.6 エタンの立体配座
3.7 他のアルカンの立体配座
化学会話 ガソリン
まとめと重要語句
練習問題

4. 有機化合物: シクロアルカンとその立体化学
4.1 シクロアルカンの命名法
4.2 シクロアルカンの立体配座・ シス-トランス異性
4.3 シクロアルカンの安定性: 環のひずみ
4.4 シクロアルカンの立体配座
4.5 シクロヘキサンの立体配座
4.6 シクロヘキサンのアキシアル結合とエクアトリアル結合
4.7 一置換シクロヘキサンの立体配座
4.8 二置換シクロヘキサンの立体配座
4.9 多環式分子の立体配座
化学余話 分子力学
まとめと重要語句
練習問題

5.四面体中心における立体化学
5.1 鏡像異性体と四面体炭素
5.2 分子の対掌性の原因: キラリティー
5.3 光学活性
5.4 Pasteurの鏡像異性体の発見
5.5 立体配置表示のための順位則
5.6 ジアステレオマー
5.7 メソ化合物
5.8 ラセミ体と鏡像異性体の分割
5.9 異性現象のまとめ
5.10 窒素,リン,硫黄におけるキラリティー
5.11 プロキラリティー
5.12 自然におけるキラリティーとキラルな環境.
化学会話 キラルな薬
まとめと重要語句・
練習問題

6. 有機反応の概観
6.1 有機反応の種類
6.2 有機反応はどのようにして起こるか:反応機構
6.3 ラジカル反応
6.4 極性反応
6.5 極性反応の例:エチレンへの HBr の付加
6.6 極性反応機構での曲がった矢印の使用
6.7 反応の記述:平衡, 反応速度,エネルギー変化
6.8 反応の記述: 結合解離エネルギー
6.9 反応の記述に反応エネルギー図と遷移状態
6.10 反応の記述:中間体
6.11 生体内反応と笑験室での反応との比較
化学余話 薬はどこから来るのか?
まとめと重要語句
練習問題

科学的な解析と推理力の訓練I キラルな薬サリドマイド

7. アルケン: 構造と反応性
7.1アルケンの工業的製法と用途
7.2 不飽和度の計算
7.3 アルケンの命名法
7.4 アルケンのシス-トランス異性
7.5 アルケンの立体化学とE,Z表示法.
7.6 アルケンの安定性
7.7 アルケンの求電子付加反応
7.8 求電子付加の配向性:
7.9 カルボカチオンの構造と安定性
7.10 Hammond の仮説
7.11 求電子付加の機構に対する証拠:カルボカチオンの転位
化学余話 バイオプロスペクティング: 生物資源探査
まとめと重要語句
練習問題

8. アルケン: 反応と合成
8.1 アルケンの製法: 脱離反応概説
8.2 アルケンのハロゲン化: Xの付加
8.3 アルケンからのハロヒドリン: HOXの付加
8.4 アルケンの水和:オキシ水銀化による H2Oの付加
8.5 アルケンの水和:ヒドロホウ素化によるH2Oの付加
8.6 アルケンの還元: 水素化
8.7 アルケンの酸化: エポキシ化とヒドロキシ化
8.8 アルケンの酸化:カルボニル化合物への開裂
8.9 アルケンへのカルベンの付加:シクロプロパン合成
8.10 アルケンへのラジカルの付加: 連鎖成長ポリマー
8.11 生体内におけるアルケンへのラジカルの付加
8.12 反応の立体化学: アキラルなアルケンへのH2Oの付加
8.13 反応の立体化学: キラルなアルケンへの H2Oの付加
化学余話 テルペン: 天然に存在するアルケン
まとめと重要語句/反応のまとめ
練習問題

9. アルキン:有機合成序論
9.1 アルキンの命名法
9.2 アルキンの製法:ジハロゲン化物の脱離反応
9.3 アルキンの反応: HXおよびX2の付加
9.4 アルキンの水和
9.5 アルキンの還元
9.6 アルキンの酸化的開裂
9.7 アルキンの酸性度: アセチリドアニオンの生成
9.8 アセチリドアニオンのアルキル化
9.9 有機合成序説
化学余話 有機合成の芸術性
まとめと重要語句/反応のまとめ
練習問題

10. 有機ハロゲン化物
10.1 ハロゲン化アルキルの命名法と性質
10.2 アルカンからのハロゲン化アルキルの合成:ラジカルハロゲン化
10.3 アルケンからのハロゲン化アルキルの合成:アリル位臭素化
10.4 アリルラジカルの安定性:共鳴の復習
10.5 アルコールからのハロゲン化アルキルの合成
10.6 ハロゲン化アルキルの反応:Grignard試薬
10.7 有機金属カップリング反応
10.8 有機化学における酸化と還元
化学余話 天然に存在する有機ハロゲン化物
まとめと重要語句/反応のまとめ
練習問題

11. ハロゲン化アルキルの反応:求核置換と認識
11.1 求核置換反応の発見
11.2 SN2反応
11.3 SN2反応の特性
11.4 S1反応
11.5 Shi反応の特性
11.6 生体内置換反応
11.7 脱離反応:Zaitsev則
11.8 E2反応と重水素同位体効果
11.9 E2反応とシクはヘキサンの立体配座
11.10 EL反応を図る反応
11.11 生体内線離反応
11.12 反応性のまとめ:
SN1, SN2, E1, ElcB, E2
化学会話グリーンケミストリー1
まとめと重要語句/反応のまとめ
練習問題
科学的な解析と推理力の訓練マスタードガスからアルキル化抗がん剤

12. 構造決定:質量分析法と赤外分光法
12.1 低分子の質量分析法: 磁場型分析計
12.2 質量スペクトルの解釈
12.3 一般的な官能基の質量分析法
12.4 生物化学における質量分析法: 飛行時間型質量分析計
12.5 分光法と電磁スペクトル
12.6 赤外分光法
12.7 赤外スペクトルの解釈
12.8 一般的な官能基の赤外スペクトル
化学余話 X線結晶解析
まとめと重要語句
練習問題

13. 構造決定:核磁気共鳴分光法
13.1 核磁気共鳴分光法
13.2 NMR吸収の性質
13.3 化学シフト
13.4 1H NMR分光法の化学シフト
13.5 1H NMR吸収の積分: プロトン数
13.6 1H NMRスペクトルにおけるスピン-スピン分裂
13.7 1HNMR分光法とプロトンの等価性
13.8 より複雑なスピン-スピン分裂パターン
13.9 NMR分光法の利用
13.10 13C NMR分光法: シグナルの平均化と FT NMR
13.11 18C NMR分光法の特徴
13.12 13C NMR分光法におけるDEPT法
13.13 18CNMR分光法の利用
化学余話 磁気共鳴 イメージング(MR)
まとめと重要語句
練習問題

14. 共役化合物と紫外分光法
14.1 共役ジエンの安定性:分子軌道法
14.2 共役ジエンへの求電子付加: アリル型カルボカチオン
14.3 反応における速度支配と熱力学支配
14.4 Diels-Alder 付加環化反応
14.5 Diels-Alder 反応の特徴
14.6 ジエンポリマー: 天然ゴムと合成ゴム
14.7 紫外分光法
14.8 紫外スペクトルの解釈: 共役の効果
14.9 共役,色,および視覚の化学
化学余話 光リソグラフィー
まとめと重要語句/反応のまとめ
練習問題

科学的な解析と推理力の訓練Ⅲ 光線力学的治療(PDT)
和文索引/欧文索引

John McMurry (著), 伊東 〓 (翻訳), 児玉 三明 (翻訳), 荻野 敏夫 (翻訳), 深澤 義正 (翻訳), 通 元夫 (翻訳)
出版社 : 東京化学同人; 第9版 (2017/1/23)、出典:出版社HP