大学入試 ストーリーでわかる世界史B(近代・現代)

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世界史の「つながり」を知る

世界史を学ぶ上で、「人の動き」と「歴史の流れ」を掴むことが大切です。本書では教科書を読むだけではイメージしにくい世界史を、ストーリー性を意識しながら楽しく学ぶことができます。出来事の背景や因果関係が丁寧に解説されているため、記憶に残りやすいです。

鵜飼 恵太 (著)
出版社 : KADOKAWA (2015/10/21)、出典:出版社HP

はじめに

受験勉強だって、楽しまないと伸びない!

これから受験勉強を始めようとしているみなさんの中には、世界史をつまらないただの暗記科目だと思っている人もいると思います。教科書は正確ですが、淡々としていて「人が動く」という感覚がありませんし、用語集はただの「辞書」です。英語や古文だって、辞書だけ読んでもあんまり面白くないですよね。世界史だって、用語集が面白いわけがありません。どうせ勉強するなら、楽しくやりましょう!

「ソ連崩壊」の衝撃が、世界史講師の原点

1991年12月25日、高3で受験生だった私は予備校から帰宅し、テレビのニュースを見て仰天しました。「えっ(;°∀°)、ソ連がなくなったの??受験はどうなる?」
ソ連が崩壊したせいではないですが(笑)、浪人した私は「今の世界がどうやってできたのか、ちゃんと知りたい!」と思い、現役のときに一度は諦めた史学科を受験しました。あのときの衝撃がなかったらたぶん経済学部を受けていたので、駿台の世界史講師として、教壇に立つこともなかったかもしれません。
歴史とは「人の動きの連続」です。ときに感情がぶつかりあうこともあります。映画やドラマのストーリーが覚えられるのは、人の動きがイメージできるからです。本書は、教科書や用語集では見えない「人の動き」と「つながり」がわかるように書きました。まずは、一つ一つのストーリーを楽しんでください!
さらに、どうせ受験勉強をするなら、現代の世界がわかったほうがいい!と思い、冷戦終結後の世界もしっかり解説しました。もちろん、最近の入試では出題されています。私がソ連崩壊で感じたような動きを感じてもらえたらうれしいです。

インプットしたら、「アウトプット」を忘れずに!

入試では試験会場で「問題を解く」ことになります。本書で知識を「インプット」したら、必ず「アウトプット」、つまり問題を解くようにしましょう。問題演習は、入試という「本番」のための「練習試合」です。問題集、過去問などで間違えた部分は本書を読み直して、その部分をノートなどにまとめておくと、後で見直ししやすいですよ!

本書は、ふだん授業に出ている生徒のみなさんの反応や質問を思い出しながら執筆しました。これまで私の授業を受講してくれたすべての受講生のみなさんに、心から感謝します!

最後に、私に初めての執筆の機会をくださったKADOKAWAの山川徹さん、執筆を根気よくお待ちいただいた佐藤良裕さん、編集の高橋洋子さん、この場を借りて心より御礼申し上げます。

鵜飼 恵太

鵜飼 恵太 (著)
出版社 : KADOKAWA (2015/10/21)、出典:出版社HP

もくじ

はじめに
この本の特長と使い方

第1章 国民国家の形成
第1回 ウィーン体制とその崩壊
1 ウィーン体制の成立
2 ウィーン体制の動揺
3 ラテンアメリカの独立
4 七月革命とその影響
5 1848年革命(二月革命とその影響)
第2回 イギリスの自由主義とフランス第二帝政
1 イギリスの自由主義改革
2 アイルランド問題
3 フランスの第二帝政
第3回 アメリカ合衆国の発展
1 建国初期のアメリカ
2 アメリカ合衆国の領土拡大
3 南北戦争
4 南北戦争後のアメリカ
第4回 イタリア・ドイツの統一
1 統一以前のイタリア
2 サルデーニャ王国の統一運動
3 イタリア王国の成立
4 統一以前のドイツ
5 普墺戦争と普仏戦争
6 統一後のドイツ
第5回 ロシアと東方問題
1 ロシアのツァーリズム
2 東方問題の発生クリミ
3 クリミア戦争とロシアの改革
4 露土戦争
第6回 19世紀のヨーロッパ文化
1 古典主義
2 ロマン主義
3 写実主義・自然主義
4 印象派・後期印象派
5 社会科学・哲学
6 自然科学・科学技術

第2章 列強の侵略とアジアの変革
第7回 近代の西アジア
1 オスマン帝国の衰退
2 オスマン帝国の近代化
3 カージャール朝の衰退と混乱
第8回 近代のインド・東南アジア
1 イギリスのインド侵略
2 インド民族運動の始まり
3 列強の東南アジア侵略
第9回 近代の東アジア①
1 アヘン戦争とアロー戦争
2 太平天国の乱と洋務運動
3 琉球問題と朝鮮問題
4 日清戦争
第10回 近代の東アジア②
1 変法運動と中国分割
2 義和団事件と日露戦争
3 朝鮮の植民地化
4 辛亥革命

第3章 帝国主義と第一次世界大戦
第11回 帝国主義とアフリカ分割
1 第2次産業革命と帝国主義
2 アフリカ分割① (北部・東部・西部)
3 アフリカ分割② (南アフリカ)
4 ドイツの「世界政策」とモロッコ事件
第12回 帝国主義時代の欧米諸国
1 イギリス~自由党の改革と労働党の出現~
2 フランス~第三共和政の諸問題~
3 ドイツ~ドイツの発展と社会主義~
4 ロシア~ロシアの社会主義と第1次ロシア革命~
5 アメリカ合衆国〜アメリカの帝国主義~
第13回 第一次世界大戦とロシア革命
1 第一次世界大戦にいたる国際関係
2 「ヨーロッパの火薬庫」
3 第一次世界大戦
4 ロシア革命

第4章 戦間期と第二次世界大戦
第14回 ヴェルサイユ体制とワシントン体制
1 ヴェルサイユ体制
2 国際連盟の成立
3 ワシントン体制
4 ドイツの賠償問題と協調外交
第15回 戦間期の欧米諸国~世界恐慌以前~
1 アメリカ合衆国の繁栄~黄金の20年代~
2 大英帝国の再編とフランス
3 ドイツ~ヴァイマル共和国の混乱と復興~
4 イタリア〜ファシズム政権の出現~
5 ソ連~社会主義国家の建設~
6 戦間期の東欧諸国
第16回 戦間期の西アジア・南アジア・東南アジア
1 トルコ革命
2 戦間期の西アジア・アラブ諸国
3 インドの民族運動
4 東南アジアの民族運動
第17回 戦間期の東アジア
1 新文化運動と五・四運動
2 孫文の国民革命と北伐
3 日本の侵略と国共内戦
4 日中戦争
第18回 世界恐慌とその影響
1 世界恐慌の発生
2 アメリカの恐慌対策~ニューディール~
3 英仏の恐慌対策~ブロック経済の形成~
4 世界恐慌後のドイツ~ナチス政権の成立~
第19回 第二次世界大戦
1 ドイツの侵略と第二次世界大戦の勃発
2 第二次世界大戦

第5章 戦後の世界
第20回 冷戦の展開①(1945~1955)
1 国際連合の成立と戦後処理
2 冷戦の始まり
3 ベルリン問題と冷戦体制の形成
4 アジアでの対立激化
5 「雪どけ」と「巻き返し政策」
第21回 冷戦の展開②(1956~1969)
1 スターリン批判と平和共存政策
2 冷戦の再燃とキューバ危機
3 ECの成立と西欧諸国
4 東西両陣営の動揺
第22回 冷戦の展開③(1970~1991)
1 アメリカ合衆国の地位低下
2 デタント(緊張緩和)の進行と世界の多極化
3 米ソの行き詰まりと「新冷戦」
4 冷戦の終結とソ連の崩壊
第23回 戦後の東アジア
1  戦後の中華人民共和国
2  戦後の台湾
3  戦後の韓国
第24回 戦後のインド・東南アジア
1 戦後のインドと第三世界の形成
2 インドシナ戦争とベトナム戦争
3 戦後の東南アジア
第25回 戦後の西アジア・アフリカ
1 パレスチナ問題と中東戦争
2 戦後の西アジア(イラン・イラク)
3 戦後のアフリカ
第26回 冷戦終結後の世界(1990~)
1 冷戦終結後の欧米諸国
2 現代の諸問題
3 地域紛争・民族紛争の激化

さくいん

本文著者イラスト:たはらひとえ
本文イラスト:いとうみつる

*この本に掲載している情報は、2015年7月現在のデータが最新です。

鵜飼 恵太 (著)
出版社 : KADOKAWA (2015/10/21)、出典:出版社HP