内定力 

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ゲームのような感覚で就活をする

本書は、いわゆる就活本の一つです。しかし、他の就活本と異なる点があります。それは、就活を苦労してやるものではなく、ゲームのように楽しんで取り組むものと考えさせている点です。就活が抱える問題をゲームとして捉えることで、心理的ハードルを下げていることはユニークです。

光城 悠人 (著)
出版社 : すばる舎 (2017/4/19)、出典:出版社HP

Chapter0 就活を「ゲーム」と捉える:苦労する就活は時代に合わない

「なんでこんなに真面目に頑張っている学生たちが、苦しそうなんだろう…」

就職活動というのは、学生が社会に出ていくための活動です。
自由気ままに過ごす立場から、社会に貢献できる存在になるための活動。自分の力で人生を切り拓いていく人間になるための活動。
それって本当ならもっと希望に満ちていて、楽しく、誇らしい活動のはずです。
なのに、いまや社会問題になるほどに、就活は多くの学生たちにとってしんどくて辛い活動になっている。そんな状況を、多くの人が「なんだかおかしい」と思っています。

みんな真剣になって自己分析をして、エントリーシートを書いて、面接の練習をする。
真面目に頑張ってるのに、就活を取り巻く状況はいつまでたっても暗いまま一。
そんな現状を見ていて、ふと気づいたんです。

「もしかして、真面目に頑張ってる、から、苦労しているのかも……?」って。

「就活」といったら自己分析や業界研究、OB訪問にインターンシップ。就活で評価されるマナーがあって、正しい自己PRがあって、志望動機はこんな言い方をすべき。
そんな「型」が溢れていて、学生たちはそれを真面目に頑張って、習得するために努力する。しっかり真剣に取り組んでいる。

だから、うまくいかないんじゃないのかな?
むしろ、もっとゆるく、もっと楽しむ気持ちでやったら、どうだろう?って。

そういう「真面目に頑張る」スタンスが、時代に合わなくなってきているのかもしれません。
たしかに昔は、真面目に頑張れば成功するという考え方が通用した時代もありました。
高度経済成長やバブルの時期は、みんなと同じように真面目に頑張ったら、みんな同じように幸せになれる「型」みたいなものがありました。
でも、いまはたぶんそんな時代じゃありません。
みんなが「同じ型の幸せ」は求めていないし、世の中もずっとゆるくなっています。
ソフトバンクの孫さんほどの人が、Twitterで「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである」なんてことを言っちゃう。
役所や公的機関でさえゆるキャラを使っているし、自衛隊の募集広告は萌えキャラです。それくらいに、社会はゆるくなっている。
社会はそんな状態なのに、就活はいまだに「型」にならって真面目に頑張って努力するタイプの方法が残り続けているわけです。
つまり、いま「正しい」と言われている就活は、もはや時代とズレた方法になっているのかもしれない。就活も、もっとゆるく、もっと楽しみながらやってみたらどうだろう?
それが、数年前にぼくが気づいた「仮説」でした。

結論から言うと、その「仮説」はやっぱり正しかったようです。
就活は、もっとゆるく、楽しみながらやったほうが、うまくいく。

仮説を立ててから3年間、ぼくが採用側の立場で500社以上の企業の採用活動を手伝う中で得てきた知識や経験を踏まえて、学生たちに「実験台」になってもらいました。
彼らの相談にのったり、「こんなやり方は?」と提案したり、彼らの話を聞きながら気づかせてもらったりしながら、時代に合った、ゆるくて楽しめる新しい就活法を生み出しました。

それで完成したのが、「就活ゲーム」という考え方です。

就活を「ロールプレイングゲーム」にする就活法。
就活という冒険の旅。自分でキャラを選んで、武器を身につけながら進んでいく。そこから得意な闘い方を知って、レベルを上げる。自分が活躍できるパーティを見つけ出し、そのパーティの人たちから認められる力をつけていく。
そんなゲーム感覚での就活との向き合い方。

これまで約100人の「冒険者」たちと一緒に、そんな就活法を試してきました。
「たったの100人」かもしれません。
けれど、ぼくは彼らと一緒に酒を飲んだり、BBQをしたり、恋愛相談にものり、バイトやサークルの悩みを聞いたりして、日常的に関わってきました。
そんな「素の状態」の彼らを知っているからこそ、「彼らの良さをもっと引き出して、それを企業に伝える方法」を一緒に考えることができたと思っています。

彼らは「誰からも評価される超優秀な学生」ではありませんでした。
み~んな、ごくごく普通の大学生。
語れるほどの実績があるわけでもなければ、リーダー経験もない。英語力が高い学生もほとんどいないし、むしろ大学の単位すらも危うい。どこにでもいるような学生たちばかり。
普通にバイトをして、サークルも楽しみ、勉強はそこそこに恋人といちゃいちゃしたり、恋に破れて悩んだりしながら、普通の大学生活を送ってきた学生たちです。
早いうちから就活の準備なんてしていない。インターンシップにも行かない。OB訪問もほとんどしない。
むしろぼくのほうが、「そろそろ動き始めたほうがよくない……?」と焦っちゃうくらいにマイペース。

そんな彼らが「就活ゲーム」のやり方で、さまざまな企業から内定をとっていきました。
電通や博報堂、キーエンスに京セラ、アマゾンジャパン、NHKやリクルート、伊藤忠商事にUSJ、サイバーエージェントやオプトもいれば、LIXIL、ソフトバンクに資生堂、エルメスジャポンやアクセンチュア、船井総研やベネッセコーポレーション、京都市役所、SMBC日興証券といった会社から、続々と内定をとる。しかも、就活を楽しみながら。
就活って、多くの人が考えているほど、複雑でもなければ、しんどいものでもありません。
真面目にがんばればうまくいくものでもないし、型を学んで努力すればいいわけでもない。
とりあえず、これまでの就活で「正しい」と言われていた方法を捨てましょう。それらはぜんぶ「思い込み」にすぎません。

「就活が不安でしんどい」
「ちゃんと自己分析をしなくっちゃ」
「業界を絞って、業界研究しないと……」
「面接でちゃんと話せるようにしないと」
「マナーを知ってないとダメなのか」
「新聞も毎日読んでおかなくちゃ」

こんなの全部、要りません。
むしろ就活がそういうものだと思い込んでいるから、うまくいきにくくなっちゃう。
そんな「思い込み」によって、学生たちはどんどん元気がなくなって、どんどん就活を楽しめなくなっていく。
ちょっと誤解を生む残酷な言い方かもしれないけれど、端的に言うとこういうことです。

面白がってる人、楽しんでる人のまわりには人が集まる。
しんどうそうにしている人とはあんまり関わりたくないんです。
就活程度でしんどそうになったり、話していて楽しくない人とは、そりゃ働きたくない。
普通の人間関係だってそうなのに、お金を払う側の人たちがわざわざそんな人を採用したいと思うはずがありません。
とはいえ、だからこそ。
多くの学生たちが、ただの「思い込み」で、本来とれるはずの内定をとれないなんて、本当にもったいない。
ほんのちょっとした工夫でどうにかなるはずの学生が、それを知らないばかりに就活に失敗しちゃう。成功率の低い就活法で、本来の良さがぜんぜん発揮できないなんて、ぼくは本当にもったいないと思います。
ちょっとした思い込みをなくして就活の本質を知ると、就活は楽しめるようになるし、ほとんどの学生は十分に活躍できるようになる。

就活の本質は、本来シンプルです。
ちゃんと本質を押さえておけば、動き方も変わってくる。
就活の本質は、社会人から「信用を得る活動」だということです。
たったそれだけの話。たったそれだけなのに、誰もそれを教えてくれない。
自己分析や業界研究、OB訪問や筆記テスト、自己PRも志望動機も何もかも、世間の「就活」と言われることは、ぜんぶ「信用させる」ため。
逆に言えば、信用につながらない「就活っぽいこと」は、やってもあんまり意味がありません。
企業の人たちから信用を得ることができれば、内定は出る。
就活って、実はたったそれだけのことなんです。
この就活の本質さえ押さえておけば、あとはゲーム気分で、ルールや操作法を知って、ちょっとしたコツをつかみながらプレイする。
そんな就活ゲームの攻略法が、「就活ゲーム10則」です。この10個のポイントをひとつずつクリアしていけば、就活ゲームは誰でもちゃんと上達できます。

【就活ゲーム10則】

1. 「思い込み」を捨てよう。
2. すべては「信用」を得るために。
3. 「欲求」を知ろう。
4. 伝えるための「言葉」を磨こう。
5. 「おっさん」に慣れよう。
6. 「過去」を語るために整理しよう。
7. 自分の「活躍条件」を知ろう。
8. 「伝え方」を考えよう。
9. 知っている「世界」を広げよう。
10. そして「幸せな未来」を描こう。

具体的な内容は、これから説明していきます。
就活は楽しめます。あなたには、まだまだ秘められた可能性があります。
就活ゲームを通して、そんな就活の楽しさと、自分自身の可能性に気づいてもらえたら。
そして、世の中に「社会に出ていくワクワク感」を取り戻すことができたら。
そう考え続けて、ぼくは学生の就活を応援してきました。

ぼくが100人の学生たちと一緒に作り上げた就活ゲームで、この本を手にしてくれたあなたの人生がより良いものに変わりますように!
さあ、一緒に「就活ゲーム」を楽しんでいきましょう!

光城 悠人 (著)
出版社 : すばる舎 (2017/4/19)、出典:出版社HP

目次

Chapter0
就活を「ゲーム」と捉える:苦労する就活は時代に合わない

Chapter1
「就活ゲーム」の遊び方:就活のルールを知っておこう
1 「就活病」から抜け出そう!
その「定番」、時代遅れです!
2 就活ゲームの「クリア条件」は?
就活は「言葉で自分を信用させる」活動
3 「分析」や「研究」よりも自分の好みをわかっておこう
ウガンダ料理は、頼めない
4 就活をシンプルにする「SGモデル」
就活を最短でクリアするための地図
5 「信用獲得力」を高めよう
内定レベルはどれくらい?

Chapter2
自分の「キャラクター」を見つける:8タイプで考える
6 「自分のフィールド」はどこだろう?
方向性を決めるための8つの「キャラ」
7 【勇者】みんなを活かす組織の潤滑油
「好かれたい」×「しっかり系」の勇者
8 【旅芸人】まわりに活力を与える盛り上げ役
「好かれたい」×「ふり一系」の旅芸人
9 【戦士】いつも勝利を目指す勝負の鬼
「勝ちたい」×「しっかり系」の戦士
10 【武闘家】リスクを恐れない斬り込み隊長
「勝ちたい」×「ふり一系」の武闘家
11 【魔法使い】地道な修行を苦にしない努力家
「知りたい」×「しっかり系」の魔法使い
12 【発明家】「なぜ?」を求める戦略家
「知りたい」×「ふり一系」の発明家
13 【僧侶】信じる道を突き詰める求道者
「究めたい」×「しっかり系」の僧侶
14 【吟遊詩人】独自の世界で生きるアーティスト
「究めたい」×「ふり一系」の吟遊詩人
15 「伝説の勇者」なんていない
「求める人物像」の幻想を捨てよう
16 「欲求」がわかると、人がわかる
企業はいつも「欲求」を知りたがっている
17 それでもキャラ選択に迷ったら
「リーダー」だけでも選んじゃおう
「3つの特性」で考えよう
18 キャラの「揺れ」と「相場観」
調子の良し悪しでキャラも揺れる
「相場観」を持とう

Chapter3
言葉を磨くための「ぼうけんの書」:自分を理解し表現する
19 就活ゲームの必須アイテム「言葉」を磨く
「ヤバい」がヤバい。
20 感情を捉え、言葉を磨くための「ぼうけんの書」
使いこなすために「セーブ」する
21 「4本の矢」で言葉を強化する
感情の「タネ」から矢印を引いていく
22 「ぼうけんの書」の取扱説明書
毎日・手で・短く・なんでも書く
23 就活の意外な武器「対おっさん会話力」
ぼうけんの始まりは「酒場」から
24 「インタビュー」気分で面接を
面接官は「素の学生」を知りたがっている

Chapter4
キャラクター別「レベルアップ法」:適した「武器」と「戦い方」
25 「武器」と「闘い方」でキャラを立てる
キャラを証明する「ネタ」を集めよう
26 「勇者」の武器と闘い方
「誰かのため」を具体化する
27 「旅芸人」の武器と闘い方
「なんとなく」を言葉にしよう
28 「戦士」の武器と闘い方
「成果や実績」<「頑張り方」
29 「武闘家」の武器と闘い方
「初動」の欲求や動き方こそが強み
30 「魔法使い」の武器と闘い方
その「細かさ」に自信を持とう
31 「発明家」の武器と闘い方
自分も社会も「実験感覚」で
32 「僧侶」の武器と闘い方
理想にとらわれすぎず、想いを言葉にする
33 「吟遊詩人」の武器と闘い方
型にはまらず、わかってくれる人を見つける
34 就活の旅のコツ① 名詞の「好き」に要注意
「好き」の奥には何がある……?
35 就活の旅のコツ② 「迷子の達人」になろう
言葉の量を増やし質を高めるために
36 就活の旅のコツ③ 「解釈」と「相場観」を持つ
「解釈」で差をつけよう
冒険者どうしで協力プレイ

Chapter5
「必殺技」を身につける:刺さる自己PRを生み出す7つの方法
37 「必殺技」を生み出そう
必ず刺さる「自己PR」を作る7つの奥義
38 自己PRの奥義① 「ひと言コンセプト」
全ての方向性を決めるシンプルなコンセプト
39 自己PRの奥義② 「プロット作成」
自己PRにも「設計図」が必要です
40 自己PRの奥義③ 「予告編」
3倍書いて、「おいしいとこ取り」する
41 自己PR奥義④ 「映像化」
「情景」を描いてイメージ喚起
42 自己PRの奥義⑤ 「ギャップ」
良いところを際立たせるテクニック
43 自己PRの奥義⑥ 「1・5・1構造」
興味・理解・納得の黄金配分
44 自己PRの奥義⑦ 「未来宣言」
「未来」を伝え、「これから」を信じさせる

Chapter6
自分に適した「パーティ」は?:活躍できる会社を知る
45 本当に自分が活躍できる環境を探すために
企業の「マヌーサ」に気をつけよう
46 「童貞メンタリティ」が嫌われる
「好き」や「したい」じゃ響かない
47 シンプルで信頼される「志望動機」のつくり方
志望動機のジェットストリームアタック!
48 「志望動機」を進化させる
情報が「パーティ」を具体化してくれる
49 自分だけの「就活マニュアル」を作ろう
「シンクロノート」で自分と企業をつなげよう

Chapter7
シーン別就活ゲーム攻略法:頻出質問・面接などのポイント
50 「証明写真」の攻略法
証明写真を”盛って”も損をするだけ
51 「強みと弱み」の攻略法
「弱み」の答えは「キャラの揺れ」で解決
52 「〇年後の自分」の攻略法
「キャリアプラン」は必要ない
53 「挫折経験」の攻略法
思いどおりにならないときにどうするか
54 「満席の説明会」の攻略法
「電話する」という隠しコマンド
55 「グループ選考」の攻略法
「社会人ごっこ」に混ざらないようにしよう
56 「最終面接」の攻略法
クリアのための最後のピースは「本気」
57 答えはすべて「ぼうけんの書」の中に
ゆるく、楽しい就活を

EX あとがきに替えて
楽しく、気持ち良く、適当に!

光城 悠人 (著)
出版社 : すばる舎 (2017/4/19)、出典:出版社HP