Fラン大学でも東大に勝てる 逆転の就活

【最新 – 新卒就活について学ぶためのおすすめ本 – 就活の全体像から企業視点まで】も確認する

就活のノウハウを物語形式で学ぶ

本書は、就活のノウハウを紹介している本です。全体的にコミュニケーションをテーマに据えて、自己分析や志望する企業の選び方、テクニックなどが解説されています。ストーリーに沿った項目の解説が行われているため、より理解しやすく、実践しやすく感じるでしょう。

吉井 伯榮 (著)
出版社 : 光文社 (2020/4/21)、出典:出版社HP

Prologue

みなさん、はじめまして。吉井伯榮と申します。
私は企業の人材育成コンサルティングを行いながら、ビジネススクールを開講し、ビジ ネスパーソンにコミュニケーション術を教えてきました。産業カウンセラーの資格も取得し、その技術も磨き、2008年には武蔵野学院大学から招聘され、ビジネス関連の科目や「ビジネスコミュニケーションゼミ」を受け持ってきました。このゼミは、大学3~4年生が対象で、同時に彼らに就職指導も行ってきました。

私が担当するゼミに入ってきた学生たちは、正直なところ、勉強があまり得意ではありませんでした。偏差値でいうと、35~40前後。知識、学力という面では、企業担当者の興味を引くことは難しい、いわゆる「Fラン大学生」と呼ばれる子たちでした。
彼らと接していて、つくづく感じたことは、素直なのに「自己肯定感が低い」ということです。勉強が苦手で、でも高卒で社会に出るのが怖く、とりあえず受かりそうな大学に逃避してきたような感さえありました。胸を張れる特技や持ち味もなく、さらに自信もない。将来に対しても悲観的で、とりあえず正社員として雇ってくれるならブラック企業でもいいと考える学生も少なくありませんでした。
就活で一番大切なのは、自分がどんな人間かを知ることです。何が好きで、どんな時間をすごしているときに喜びを感じるのかを突き詰めること、そして、自分一人で未来を切り開いていく力を身につけることです。

ところが私が担当したゼミの学生の多くは、自己肯定感の低さから、自分の持つ才能や可能性に気づこうともしませんでした。勉強が嫌いなことを自覚しているだけでなく、親からも先生からも褒められたことがほとんどない。自分でも、まわりの環境からも、自信の芽を摘み取ってきてしまっていたのです。
私の就活指導は、そんな彼らの自己肯定感を高めることから始まりました。その上で、初めて就活を勝ち抜く戦略を教えていったのです。
その結果、私の担当するゼミ生の就職内定率は、これまで100%。就職先は、アップルジャパンやセブン&アイ・ホールディングス、ローソン、ホンダ、JTB コールなど、一部上場企業を多数含んでおります。

勉強が苦手だった彼らがなぜ、一流企業に就職できたのか。それは、ビジネスマンに必要なコミュニケーション能力を身につけることができたからです。東大生も早慶の学生もコミュニケーションの知識においては、Fラン大学の学生と大差がありません。ですからそれを武器にすることで、私のゼミの学生たちは一流企業の内定を勝ち取ってきたのです。

本書では、私が学生たちに教えてきたノウハウを、物語形式でみなさんにお伝えします。 登場人物である先生と学生が交互に語る形式で、私がゼミでおこなっている実際のエピソードをご紹介します。
物語の形態を取ったのは、2つの狙いがあります。

1つは、学生たちが2年間どういう流れでコミュニケーションを体得していくかをみなさんに追体験してもらいたいからです。読者のなかには、大学に入ったばかりの人もいれば、3年生になり、就活に興味を持ち始めた学生もいるのではないでしょうか。「なにから始めていいものやら」と迷っている人は、本書を通して読んでいただければ、いま自分がなにをすべきかが見えてくると思います。
いますべきことを理解することは、就活というマラソンのコースマップを手に入れることでもあります。自分がいま何キロ地点にいるかを知っていれば、不安も少なくなりペース配分も容易になります。完走することは夢ではなくなるはずです。みなさんのなかには当然、就活マラソン真っ最中の4年生もいることでしょう。各章末に設けたコラムを読めば要点がまとまっているので、給水用のスペシャルドリンクとして役立てていただきたいと思います。

狙いの2つめは、物語を追体験してもらう形が、コミュニケーションに対する理解を深める方法として合っていると考えたからです。この物語には、対話の場面が多く描かれて います。一方的に説明を受けるのではなく、あなた自身が登場人物になりきって物語にコミット(積極的に関わること)することによって、理解度は格段に高まることでしょう。

全体の内容としては、コミュニケーションという大きなテーマを据えたうえで、自己分析から始まり、自己紹介、グループワーク、志望する企業の選び方、エントリーシートの書き方、面接テクニック、企業説明会に参加する際の振る舞いにいたるまで、私が実際に教えてきた、一流企業内定メソッドを網羅しております。コミュニケーション能力とAI時代にも重視されるスキルを身につけることができれば、学歴コンプレックスなんかに縛られる必要はなくなります。能書きはいいから早く教えてほしいですって? いいでしょう。

それでは講義を始めます。よろしくお願い致します。

スケジュール

大学3年生
4月
●一般常識を学ぶ
5月
●自己分析・自己紹介練習
6月
●コミュニケーションを学ぶ
●グループワーク練習
7月
●SPI対策
●スケジュールを組む
8月
●企業研究
●企業選び
10月
●ES作成開始
12月
●面接練習
2月
●プレエントリー
3月
●企業説明会
●エントリー
●ES提出
●筆記試験
●グループワーク
●集団面接
●個人面接
大学4年生
8月
●内定

吉井 伯榮 (著)
出版社 : 光文社 (2020/4/21)、出典:出版社HP

もくじ

Prologue
登場人物紹介

1章
学生脳から社会人脳に切り替える
「ソフト」「ハード」「ムーブ」の3つで考える習慣
コラム① 企業も「ハード」「ソフト」「ムーブ」で考えてみよう

2章
ブレない自己分析と自己紹介を作る
「自分」を理解することなく就活は進まない
コラム② マンダラボックスを使った自己紹介

3章
ビジネスコミュニケーションを磨く
面接官に「一緒に働きたい」と思わせる
コラム③ グループワークで見られているところとは?

4章
グループワークは最初の3秒が肝心
発言内容を考えるな、第一声を取れ
コラム④ グループワークでは自分の役割を見極めよう

5章
志望企業は12社に絞り込め
ムダがなくなる「3×4」のルール
コラム⑤ 3×4で選んだ企業を徹底的に調べよう

6章
エントリーシートに文才はいらない
「数字」で成果を伝えるESの書き方
コラム⑥ 「構成力」を身につけてESを攻略

7章
頭のいい奴らに勝つ面接術
15秒以内で話しきるレッスン
コラム⑦ 集団面接では15秒で伝えるべし

8章
最終面接の極意
後悔しない当日の迎え方
コラム⑧ 試験当日の心構え

Epilogue

※スケジュールはこの物語上での一例です

登場人物

吉田栄一
狭川学院大学国際コミュニ ケーション学部准教授。就職率100%を誇る人気ゼミであるビジネスコミュニケーションゼミを担当している。
与野光
狭川学院大学3年生。軽音楽サークルに所属しており、『ドロップアウト』というバンドでベースを担当。あまり自分に自信がないが、時には積極的な一面もある。

ビジネスコミュニケーションゼミ
深谷朝霞
内気な性格だが、真面目に授業に取り組む優等生タイプ。総合商社を志望。
熊谷和人
明るく元気もあり、授業でもよく発言するムードメーカー。バイト先は居酒屋。

バンド『ドロップアウト』
戸田拓馬
ドラム担当。与野の高校からの同級生。ふだんはノリと勢いがすべてのチャラい男。
川口彰
ギター&ボーカル担当。性格は冷静。授業よりもサークルよりも、バイト命。

 

吉井 伯榮 (著)
出版社 : 光文社 (2020/4/21)、出典:出版社HP