コンサル一年目が学ぶこと

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コンサルタントが入社後に学ぶスキルやノウハウを紹介

本書は、タイトルにあるように、コンサルタントが企業で学ぶ、他の業界や職種で活用できる普遍的スキルを紹介しています。「潰しが効く」スキルのハウツーがまとめられていますが、実際に実践的なものが多く、経験などにも触れているため、理解しやすくなっています。

大石 哲之 (著)
出版社 : ディスカヴァー・トゥエンティワン (2014/7/30) 、出典:出版社HP

はじめに

本書は、社会人一年目からベテランまでのみなさんに、普遍的に役立つスキルを身につけてもらいたい、それも、一過性のものではなく、15年、20年と、生き続けるスキルを身につけてもらいたいと思って書きました。決して、コンサルティング会社に勤める人のためだけのものではありません。
にもかかわらず、本書のテーマを「コンサル一年目が学ぶこと」としたのは、外資系のコンサルティング会社の出身者が、業界や職種を問わず、さまざまな場所で活躍しているからです。ということは、彼ら、彼女らが、コンサルタント時代に学んだことのなかに、業界、職種を問わず、広く活躍できる、普遍的な仕事力というのが含まれているという仮説が成り立ちます。

では、その普遍的な仕事力とは何でしょうか?
そこで、各界で活躍する元コンサルタントの方に取材をし、15年前の新人時代を思い出してもらうことにしました。そして、新人時代に学んだことのなかで、15年たっても記憶に残っていること、15年たっても役に立っていること、つまり、職種・業界が変わっても通用し、また、リーダーや経営者の立場になっても通用していることを挙げてもらいました。それこそが、15年間磨かれ光り輝くようになった、ダイヤモンドの原石にあたるようなスキル・経験だからです。
そして、そのスキル・経験について、わたしのほうから一般的な解説を加えたものが本書ということになります。

まとめると、本書を読むことで、
・職業を問わず、業界を問わず、15年後にも役立つ普遍的なスキルを
・社会人一年目で学んだときの基礎的なレベルから
理解できるようになります。

本書の構成と成り立ちについて、お話ししましょう。
まず取材については、新人時代から15年~20年ほどたち、35~40歳くらいになるわたしと同年代の方にお願いしました。
業界、職業もなるべく幅広くしようと、外資系ファームのパートナーになっている方、ベンチャー創業に携わり会社を上場させた方、政治家に転身された方、経営者や作家として複数の著作がある方、大学で教鞭をとられている方、上場企業でマネジメントにつかれている方、独立してコンサルタントを営まれている方、そのほか多くの方々にお話を聞きました。

これらの取材をもとに、項目を整理して、30個の重要スキルにまとめ、それぞれの項目について、一般的な解説を加えつつ、取材した元コンサルタントの体験談とわたし自身の体験談を組み合わせて提示するという構成をとりました。
スキルは4つのカテゴリに分けられ、4章構成になっています。
第1章は、「話す技術」と称して、おもにコミュニケーション面でのスキルをとりあげています。コミュニケーションの基礎中の基礎でありながら、小手先のテクニックに収まらない普遍的な話を中心にまとめてあります。
ファクトで話す、率直に話す、結論から話すなど、他の本でもとりあげられているものも多いかもしれませんが、それはつまり、それだけ重要だということです。とりわけ「期待値」の話は重要です。多くの元コンサルタントが、期待値を超えることの普遍的な重要性について語ってくれました。

第2章は、「思考術」と称して、おもに、論理思考や仮説思考、問題解決といったコンサルティング的なスキルを中心にとりあげ、基礎的な考え方と、それをどのようにさまざまな仕事や場面で生かしていくのか、ということについてまとめています。
この章でとりわけ大事なのは、「仮説思考」です。コンサルタントの思考のエッセンスは仮説思考のなかに詰まっており、一度身につければ生涯、色褪せません。元コンサルタントの方の全員が、仮説思考を現在の仕事にフルに生かしています。

第3章は、「デスクワーク術」と称して、テクニック寄りのことをまとめています。議事録の書き方、スライドの基本、効率のよい勉強法、プロジェクトの課題管理方法などです。
一年目で学べるテクニックの類はそれこそ無数にあると思いますが、そのなかでも時代を超えて使える武器になるテクニックのみに絞って解説しています。

第4章は、「ビジネスマインド」です。プロフェッショナルとは何か、ということから、コミットメントやフォワローシップ、チームワークなどについてまとめました。
必要なスキルというのは、業界や職種によって異なるものもありますが、仕事をするうえでのマインドは、どんな仕事をしていても、普遍的に通用するものです。この章では、一般的な解説を加えることよりも、一年目の具体的な体験を多く引用し、臨場感のある記述を心がけました。

類書とは異なり取材した方々の体験ができるだけ伝わる、より実践的なものとしたつもりです。このため、多少饒舌になっている箇所があるかもしれませんが、あたかも先輩から実地で指導を受けているような、そんな体験を本書でもっていただければ、幸いです。

大石哲之

大石 哲之 (著)
出版社 : ディスカヴァー・トゥエンティワン (2014/7/30) 、出典:出版社HP

目次

はじめに

第1章 コンサル流話す技術
01 結論から話す
02 Talk Straight端的に話す
03 数字というファクトで語る
04 数字とロジックで語る
05 感情より論理を優先させる
06 相手に理解してもらえるように話す
07 相手のフォーマットに合わせる
08 相手の期待値を把握する
09 上司の期待値を超える

第2章 コンサル流思考術
10 「考え方を考える」という考え方
11 ロジックツリーを使いこなす
12 雲雨傘提案の基本
13 仮説思考
14 常に自分の意見をもって情報にあたる
15 本質を追求する思考

第3章 コンサル流デスクワーク技術
16 文書作成の基本、議事録書きをマスターする
17 最強パワポ資料作成術
18 エクセル、パワーポイントは、作成スピードが勝負
19 最終成果物から逆算して、作業プランをつくる
20 コンサル流検索式読書術
21 仕事の速さを2倍速3倍速にする重点思考
22 プロジェクト管理ツール、課題管理表

第4章 プロフェッショナル・ビジネスマインド
23 ヴァリューを出す
24 喋らないなら会議に出るな
25 「時間はお金」と認識する
26 スピードと質を両立する
27 コミットメント力を学ぶ
28 師匠を見つける
29 フォロワーシップを発揮する
30 プロフェッショナルのチームワーク

あとがき

大石 哲之 (著)
出版社 : ディスカヴァー・トゥエンティワン (2014/7/30) 、出典:出版社HP