年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書

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コンサルタントとして稼ぐためには

本書は、独立系コンサルタントの著者が、コンサルティングで安定的に高い収入を稼ぎ続けるための手法について解説しています。コンサルティングで稼ぐためのパターンや営業戦略、質問の仕方、交渉術、契約を続けるためのサービスなど、具体的なノウハウが紹介されています。

和仁 達也 (著)
出版社 : かんき出版 (2014/7/16) 、出典:出版社HP

はじめに
コンサルタントが年間報酬3000万円のカベを超えられない理由

今、コンサルタントの報酬、とりわけ経営コンサルタントの報酬は、「下は年間500万円未満から上は1億円クラスまで」と20倍以上の差がついています。その中でも、上場企業向けの戦略系コンサルを除くと、年間報酬1億円クラスの人は極めてまれで、例外と言っていいでしょう。
さらに、中小企業を対象にして年間報酬3000万円を超えるコンサルタントは、ごくわずかに限られます。
公式の統計データがないので、僕が16年間のコンサルティング・ビジネスに関わるなかで、数百人のコンサルタントの相談に乗ってきた現場感覚に基づく推計ですが、その大半は、年間報酬1000万円未満で現状に不満があり、よくて2000万円に到達するかどうか。
年間報酬3000万円以上を継続的に得ているコンサルタントは上位数パーセントで、ほんの一握りというのが、僕の実感です。

その一方で、月額報酬30万円以上の顧問契約で契約期間も5~10年と長期にわたって継続するやり方(本書で提唱するパートナー型コンサルティング)で年間3000万円を超えて稼ぐ人もいます。誠に僭越ながら、僕が実践していることです。
僕自身は、個別コンサルだけでなく、講演やセミナー、本の出版、教材の販売、講座の運営など複数の商品ラインナップを持ち、見込み客が自然と顧客に育っていくビジネスモデルを持っています。こうした複線型のビジネスモデルが、事業を拡大する上で、重要なポイントとなりました。

27歳でコンサル会社を立ち上げて以来、このスタイルを確立して今年で16年目になります。このやり方なら社員数100人以下の中小企業を対象にしたコンサルタントとして、年間報酬3000万円のカベを超え、さらに上を狙うことも可能になります。

そこで本書では、僕自身の事例のほか、成功している人たちの事例も紹介しながら、コンサルタント、士業、コーチ、セラピストなどの方々が、顧客の成果に関わって年間報酬3000万円のカベを超えるために、
「いかに新規クライアントを獲得するか?」
「いかに納得できる報酬をいただくか?」
「いかに契約を長く継続させるか?」
といった成功のための発想と具体的なメソッドについて解説していきます。

そして本書は、主に次の方たちに向けて書いています。
①現役のコンサルタントでもっと飛躍したい人
②将来、コンサルタントとして独立を目指している社会人や学生
③「安さ優先」の価格競争ではなく「付加価値優先」の価値競争を志向する士業者

①と②の人にとっては、すぐに役立てていただけるノウハウをまとめたつもりです。また、③の士業の方の場合は、①、②と比べると若干読み方が変わるかもしれません。
たとえば税理士や社労士の場合、記帳代行や申告代行などのいわゆる「処理業務」から受注活動ができますので、顧客獲得のハードルは、肩書のないコンサルタントに比べると、比較的低いはずです。
一方で、顧客である中小企業の立場から考えると、「処理業務を依頼するなら価格は高くても月ウン万円まで」とか「士業との関わり方の範囲はここまで」などの“資格があるがゆえの制約”が厳然と存在しています。処理業務をこなすために常に忙殺されつつ年収3000万円を継続して得るのは、なかなか難しいのが実情でしょう。
そこで、士業の方には本書をお読みいただくことで、こうした制約から解き放たれて、価格競争に巻き込まれずに本来の理想の「あり方」を実現するにはどうしたらいいか、がわかるよう配慮しました。

具体的には、まず序章では章タイトルとした「なぜ、コンサルタントの報酬はピンキリなのか?」という疑問に対する僕なりの答えをお伝えします。
その上で1章以降では、「納得のいく報酬を得ながら、契約が長く続くパートナー型コンサルティング」というコンサルタントの“あり方”と“やり方”、そして「ビジネスモデルづくり」の観点から“その具体策・ノウハウ”をお伝えしていきます。
そして、読者であるあなたが、先ほどご紹介した①~③の読者対象のいずれかに当てはまっていることを前提に、以下の5つの特徴をもとに、コンサルタントとして「成果を出す秘訣」について説明していきます。

(1)27歳で経営コンサルタントとして独立、ゼロから新規開拓してきた実例ストーリーを随所に挿入する
僕が27歳当時、「所持金90万円で独立し、経験も資格も看板もないなかから、いかに顧客を開拓していったか」をお伝えします。
そして15年後の今、月額30万円以上の顧問料で平均5~7年以上契約が続き、全国で講演やセミナーを開催、年1冊ペースでの出版を行いながら、3カ月で30万円超の高額の講座に毎回定員オーバーを実現させている理由も実例をもとにお話しします。

(2)顧客の頭の中のトップ3を占める「お困りごと」にアプローチする
ターゲットとする顧客の頭の中の上位を占める「お困りごと」を先取りしてつかみ、その解決のために自分がどう関わるか、言語化するシナリオをお伝えします。
これができると相手はこちらの話の続きを聞かずにはいられなくなり、営業がグンとラクになります。

(3)「自分は何者か?」「なぜ当社と契約する必要があるのか」を言語化し、“顧客に選ばれる理由”を明確にする
顧客が潜在的に抱えている不満や不安を先取りして、それをケアしながら、「クライアント本人すら気づいていない課題の解決を提案する存在」として、自分を認知させる方法をお伝えします。
またその手段として、「3カ月で30万円」のNo.1コンサルタントスター養成塾で行っている、自身のセルフイメージを再構築する5つのステップを紹介します。

(4)高額報酬をもらえるコンサルタントの考え方とは
社員10名から30名程度の中小企業向けのコンサルティングでは、コンサル報酬は月10万円から15万円が一般的と言われているようです。ちなみに、僕も独立当初は15万円からスタートしましたが、今では月額30万円以上のコンサル報酬を得ています。
では、何がその違いをもたらすのでしょうか?知識の量?スキルの高さ?もちろんそれも大切です。しかし、それらがあるにもかかわらず、低い報酬に悩んでいるコンサルタントは少なくありません。
つまり真実は、まったく別のところにあるのです。その着眼点をお伝えします。

(5)顧問契約が長く続く秘訣とは
通常、コンサルタントの契約は半年から1年で終わるケースが多いようです。なぜなら、ちょうどその頃にネタが尽きたり、一定の役割を終えるからです。
本書では、そのようなスタイルを「プロジェクト型コンサルティング」あるいは「ワークショップ型コンサルティング」と定義しています(Chapter1のこちらを参照)。
それに対して、僕が行っている「パートナー型コンサルティング」では、平均5~7年、長い先では15年以上、契約が続いています。しかも、やがて契約が終了しても、見込み客が顧客に自動的に育つビジネスモデルを構築しているので、慌てて新規顧客の獲得に駆け回る必要がありません。
もちろん、そこには理由があります。独立系コンサルタントとして16年間、第一線でやってきたからこそわかる、その秘訣をお伝えします。

では、さっそく序章からはじめましょう。
2014年6月

和仁 達也

※なお、本書でいう「年間報酬3000万円」とは、独立系コンサルタント1人(ほかにパートアシスタント1人程度)が各種コンサルティング活動(個別コンサル、グループコンサル、セミナー、講座、教材など)から得る年間収入を指しています。

和仁 達也 (著)
出版社 : かんき出版 (2014/7/16) 、出典:出版社HP

目次

はじめに コンサルタントが年間報酬3000万円のカベを超えられない理由

Chapter0 報酬設定
なぜ、コンサルタントの報酬はピンキリなのか?
年間報酬1000万円未満のコンサルタントと1億円超のコンサルタントの違いとは?
まず、年間報酬1000万円のカベを超えられない理由
99%のコンサルタントが年間報酬3000万円の手前でストップする!?
どの市場を選ぶかで報酬は自動的に決まる?
コンサルティングをやる喜びとは

Chapter1 勝ちパターン
コンサルタントで年間報酬3000万円稼ぐための「正しい努力」とは
コンサルタントには「4つのモデル」がある
どのタイプを選ぶべきか絶対的な正解はない
複数のモデルを使い分けるという手もある
顧客に応じて複数のメニューを用意することもできる
年間報酬3000万円超を稼ぐための「正しい努力」とは
アウトプットを先に用意してからインプットする
成功した人のやり方を徹底してマネしてみる
短期間に著しい成果を出す人の「意外な共通点」

Chapter2 営業戦略
独立1年目から安定収入を得るための着眼点
20代で独立を成功させた「僕の着眼点」
「顧客ゼロ、手持ち資金100万円以下」でも独立してコンサルタントになれる!
コンサルティング・ビジネスはさまざまなツールと販路を使って拡大できる
最初に報酬と契約期間についてのスタンスを決めてしまおう
月々のコンサル報酬は、「顧客にどんな貢献をしたいのか」で決まる
世間相場の中で自分のポジションをどう定めるか
自分がそのことを語る“正当性”を見つける
希望する報酬にYESをもらうために必要なこと
求人広告を出している会社にファックスDMを送って営業効率が5倍にアップ!
営業の基本は社長に気持ちよくしゃべってもらうこと
目の前の見込み客が100%、「お困りごと」を告白してくれる魔法の一言
独立1年目から営業で成功する4つの着眼点

Chapter3 新規開拓
営業で見込み客を前のめりにさせる「お困りごと」の引き出し方
見込み客が抱える「お困りごと」のトップ3とは?
初対面の相手を前のめりにさせる「入り口」のつくり方
お困りごと① 会社のお金の流れが漠然としていることによるストレス
お金の流れを「見える化」すれば社長は必ず喜ぶ
付け焼刃の増収増益計画よりも効くアドバイスとは
お困りごと② 社員との立場の違いが生む「危機感のズレ」によるストレス
「危機感のズレ」の原因がわかれば解決策も見える
「情報量の不一致」の解決もコンサルタントの役目
コミュニケーション・ギャップを言語化して社長と社員の間をつなぐ
お困りごと③ 次のワクワクするビジョンが見えないストレス
クライアントが一番関心を持っているのは「自分」

Chapter4 聞く力
クライアントとの信頼関係を構築する「聞いて気づかせる力」
コンサルタントは社長にアドバイスをしてはならない!?
たった1つの質問で、相手の考え方の核心に一気にたどりつく方法
4つのステップで現状と理想にハシゴをかけるビジョナリーコーチング
踏み込んだことを質問する際に注意すべきこと
相談に乗るときに、もっとも気を配っているたった1つのこと
ミーティングでも「安心安全ポジティブな場」づくりを
コンサルタントは常に表情を豊かに
好奇心を持ってクライアントの話を聞くには
聞くだけでなく、社長に「気づかせる力」も磨こう
パートナー型コンサルティングに必須のスキルとは
着眼点を与えながら一緒に考えるコツとは

Chapter5 契約交渉
ビジネスを上向きにする「価格交渉」と「値上げ」の技術
独立して最初の営業で学んだ「社長の心をつかむコツ」
コンサルの報酬額は、どのタイミングでどのように切り出すか?
自分は誰と比べられたいかをこちらから提示する
「役割」は誰と比べられたいのかを明確にする
「報酬」は誰と比べられたいのかを明確にする
クライアントへの要望は「先に言えば説明、後で言えば言い訳」
役割、報酬、自分の「あり方」のバランスを整える
役割や報酬にふさわしいコンサルタントとしての「あり方」とは?
15万円のコンサル報酬を30万円以上に値上げするまでのファーストステップ
「高い報酬でもいいから」という顧客が向こうからやってくるタイミングがある
「高い顧問料でもOK」と言われるための3つの条件
顧問料を上げる時こそ自分の「あり方」をはっきりさせる時
士業者が報酬を上げていくための方法
「会社のお金の流れ」に関わることが、報酬を上げる早道
コンサルティングの価値を「見える化」する

Chapter6 サービス向上
顧客とのつき合いが10年以上の「長期契約」になる秘訣
コンサル契約を長期にわたらせるための基本的な考え方
1年未満で契約が終わる典型的なパターンとは
契約期間が“結果的に”長くなる、ある儀式とは
1年間取り組んだことをコンサルティング履歴一覧表にまとめる
痛みを与えて切られるコンサルタント、快楽を与えて継続されるコンサルタント
長期契約に適するのはパートナー型コンサルタント
独立して1年後、今でも忘れられない体験
信頼関係ができればクライアントが営業マンになってくれる
サービスのクオリティのほかにもう1つ、気を配るべきこと
「過剰期待」「間違った期待」はクレームや悪評につながる
顧客との接点を複数化すると、長期契約につながりやすくなる
長期契約を続けるための「4つのポイント」をおさらいすると

Chapter7 事業拡大
年間報酬3000万円超を稼ぎ続ける「ビジネスモデル」のつくり方
ビジネスモデルがあれば、水が川上から流れるように見込み客が上客に変わる
コンサルタントにとってのビジネスモデルとは?
1年ごとに厚みを増す「営業のじょうご」構築法
独立1年目から2年目にかけての営業のじょうご活用法
独立4年目から5年目にかけての営業のじょうご活用法
独立7年目から8年目にかけての営業のじょうご活用法
独立12年目から14年目以降にかけての営業のじょうご活用法
営業のじょうごでリスクを最小化して収益を最大化する
余裕のあるなしが営業力に及ぼす影響
改めて、コンサルタントの商品とは何かと考える
コンサルタントにとっての商品化の「型」とは
情報提供“媒体”を複数化するメリット
情報提供“手段”も複数化する
商品が自己満足にならないための「3つの質問」
お金に余裕ができたらやっておきたい地盤固め策
コンサルタントの相談料が数千円から数十万円までと幅が広い理由
ジョイント(コラボ)の際におさえておくべきポイント
コンサルタントが社員を雇うのは是か否か?
それでもコンサルティング会社がコンサルタントを社員として雇う理由は?
コンサルタントとしてどんな世界をつくりたいか?

おわりに コンサルタントが年間報酬3000万円のカベを超えられない“もう一つの理由”

カバーデザイン : 井上新八
本文デザイン : 新田由起子(ムーブ)
本文DTP : 徳永裕美(ムーブ)

和仁 達也 (著)
出版社 : かんき出版 (2014/7/16) 、出典:出版社HP