会社では教えてもらえない 結果を出せる人のビジネスマナーのキホン

【最新 – ビジネスマナーを学ぶためのおすすめ本 – シチュエーションごとのマナーを学べる本】も確認する

マナーと知識を吸収して仕事につなげる

ビジネスマナーの重要なエッセンスを基礎から解説しています。言葉遣い、立ち居振る舞い、仕事への姿勢に至るまで、ビジネスで本当に求められているマナーをわかりやすく説明されている良書です。

尾形 圭子 (著)
出版社 : すばる舎 (2018/1/25)、出典:出版社HP

目次

はじめに

第1章 「マナーなんて、しょせん形だけ」と思っていませんか
[1]ビジネスマナーは新入社員だけが学ぶものにあらず
[2]フランクなのに信頼度抜群の人が裏でしていること
[3]「マナーなんて、しょせん形」は必ず見透かされる
[4]「戦略的」に相手の心を開いていく武器

第2章 まずはおさえておきたいビジネスマナーのキホン
[5]丁寧さが最上のマナーとは限らない
[6]無意識にやりがちな「相手の時間を奪う」という非常識
[7]まず身につけるべきは「気持ち良く動いてもらう」伝え方
[8]挨拶は先手必勝。「されたら返す」ではダメ
[9]一流の人はみな姿勢が違う
[10]雑談で場を温めるのも実は重要なビジネスマナー
[11]敬語の使い方があやふやだったら、今すぐチェック!
[12]「恐れ入りますが」「よろしければ」のひと言を挟めるかどうか
[13]シャツのしわ、靴の汚れでやる気をはかられる
[14]迷ったら、常に自分を「下座」に置く

第3章 仕事がスムーズに回る!社外の人へのマナー
[15]名刺交換で第一印象が9割決まる
[16]アポ取りで「そちらにすべて合わせます」は絶対NG
[17]あなたの納期遅れに迷惑を受ける人が何十人もいる
[18]ビジネスの大先輩方には「教えてください」の姿勢で
[19]「断る=関係が悪くなる」ではない
[20]お世辞ではない、「感謝」のほめ言葉を惜しみなく

第4章 結果を出す人が一番大事にする社内マナー
[21]報連相を上司から求められたらオシマイ
[22]「雑用」の仕上げ方で目配り力が試される
[23]指示を聞くとき、メモを取らないのは不安にさせる行為
[24]ミスは誰でもする。重要なのはその後の対処
[25]仕事を離れた場でこそ、マナーが問われる
[26]ストレスや体調管理もマナーのひとつ

第5章 類が見えないからこそ問われる電話・メールのマナー
[27]いついかなるときもメールは即返信
[28]とにかく短く、要点を明確に。メールの鉄則
[29]電話応対は「相手が目の前にいる」つもりで
[30]電話をかけるときは「邪魔をする」自覚を持つ

第6章 型通りを抜け出すワンランク上のマナー
[31]どんなお酒の席も「仕事の延長」と心得る
[32]贈り物はタイミングがすべて
[33]経験値がそのまま出てしまう、テーブルマナー
[34]結婚式は「祝福の気持ち」をあらゆる形で表現
[35]突然の葬儀も、ここさえおさえれば万全

カバーデザイン
小口翔平+岩永香穂(tobufune)
本文デザイン・図版
松好那名(matt,swork)
イラスト
フクイサチヨ

尾形 圭子 (著)
出版社 : すばる舎 (2018/1/25)、出典:出版社HP

はじめに

私は会社を設立する前、短期間ですがフリーランスで研修の仕事を請けていた時期がありました。まだまだご依頼が少なかったので、やっといただいた研修は、しっかり結果が出るようにと、何度も打合せを重ねました。多いときは4時間の研修にもかかわらず、3回以上の意見交換をして内容を練り込んだのです。その過程で、依頼先の企業の方と、信頼関係を構築していきました。
そのような毎日のなかで、電話応対研修を数回行った、ある会社の取締役からこんなことを言われました。
「尾形さん、あなたにこれからの研修をすべてお任せしたい。あなたの研修は結果が出るし、うちの社員が信頼できる先生だと言っている」
なんて嬉しいお言葉でしょう。「結果が出る」そして「信頼」。起業を考えていた私にとっては、「奮起の言葉」となりました。その後、10年以上、あらゆる部門から研修のご依頼があり、長いお付き合いをさせていただきました。まさに「信頼」が仕事の結果につながったのです。そして、リーダー養成研修で数ヵ月間、濃い時間を過ごした社員の皆さんとは、今も連絡を取り合って、年に数回食事会をしています。ありがたいことですね。

逆に、恥ずかしい失敗談ですが、会社経営や講師の仕事にも慣れていった頃、あまりの忙しさに、打合せもそこそこに研修を実施したことがありました。結果、方向性にずれがあったり、時間内に終わらなかったり、と惨憺たるものでした。
ビジネスマナーの講師として、信頼を第一に、と説明していた私自身が、それをおろそかにしてしまっていたのです。もちろん、その会社からは二度と依頼はありません。本当に申し訳なく、反省したものです。その後、リーマンショックも重なり、私の仕事にも氷河期が訪れ、「好調なときほど謙虚に、そして慎重に」という言葉が身に沁みました。
ただ、仕事が少なかったこの時期、惜侶の修行に専念することができました。自分を見つめなおし、違う道に踏み出すことができた貴重な時間だったとも感じます。

さて、それからは、いただいた仕事には誠実に向き合い、信頼関係をより重視したのは言うまでもありません。
また、自分でできないことは、部下や専門家にお願いするなどして、相手が求めている以上に高いクオリティで提供できるよう取り組みました。失敗あっての気づきですね。今もその姿勢は変えず、現在、研修・講演は、年間100回以上、5年以上お付き合いをさせていただいている企業様は10社以上にのぼります。

仕事で結果を出すためには、何が大切だと考えますか?
計画を立てる、チームを作る、マーケティング、営業力……など、多くのことが思い浮かぶかもしれません。
それらももちろん必要なことですが、周りをよく見てみましょう。弁も立ち、スキルが高そうな人が、なぜか認められていない。また、自己アピールが上手く、社内外に多くの知人がいるのに実績にはつながらない人、というのもよくみかけます。
逆にあまり目立たず、多少口下手でも、取引先や上司から認められている人が必ずいるはずです。
その差は表面的な能力というより、もっと深いところにある「信頼」なのです。
仕事を依頼するとき、1回や2回なら、表面的な能力で選んでしまうかもしれません。しかし、長いお付き合いになると、「●●さんにお願いすれば安心だ」「●●さんがいることでスムーズに事が運ぶ」など、その人の能力だけではなく、人柄も大きな要素となります。相手の言葉や行いを好意的に受け取るのか、猜疑心を抱きながら受け取るのかで、結果が変わるのは当然のことです。
そして、その「信頼」は、身だしなみや態度、人との接し方、仕事の姿勢など、普段の心がけで作り上げることができるといっても過言ではありません。基礎となるものは「ビジネスマナー」なのです。
本書のタイトルの、「結果を出せるビジネスマナー」とは、このような考え方からきています。
仕事は「人対人」。極論を言えば、仕事の成功は人間関係で決まります。いくら能力が高い人でも、信頼されなければ長く仕事を任されることはありません。

周りの人より一歩先へ行くためには、マナーの「形」だけではなく、理由や成り立ちを覚えることも、大事な要素です。マナーの背景までしっかりと考えることで、まだしっかり覚えていないことに直面したときにも、とっさの状況対応の道筋が見えてくるからです。
また、背景を理解していることで、所作・言動に心がこもり、自信をもって対応することができるでしょう。その心がけは、相手にもしっかり伝わります。
いずれ、自分が上司として部下を指導するとき、「このマナーにはこんな理由があるんだ」と伝えることで、その想いが受け継がれて、会社の文化になっていくでしょう。これは大げさなことではありません。「リーダーの役割は会社の文化創生だ!」と経営方針に明記している会社もあるほどです。
この本を読まれている方の多くは、まだ部下を指導するということまで想像がつかないかもしれませんが、今のうちからしっかりと身につけておくと、いざ指導することになったときの言葉に、たしかな説得力が加わります。
本書では、その「なぜか」と「相手はどう感じるか」という解説を随所に掲載しています。ただマナーを覚える本ではなく、マナーと知識を得る本として吸収し、仕事の結果につなげていただけたら、本当に嬉しく思います。

尾形圭子

尾形 圭子 (著)
出版社 : すばる舎 (2018/1/25)、出典:出版社HP