これからの飲食店 数字の教科書

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シンプル計数管理

飲食店経営において「今月は厳しかったから来月に巻き返そう!」などという場当たり的な対応をしていては、売り上げはなかなか伸びません。本書では、客数アップ×客単価アップ×原価低減という3つのポイントで行う具体策が紹介されています。数字が苦手な方でも、ポイントを掴むだけで数字の見方・使い方をマスターできると実感できる1冊です

東海林 健太郎 (著), 山川 博史 (監修)
出版社 : 同文舘出版 (2019/9/14)、出典:出版社HP

はじめに

あなたは、たくさんのお客様に支持され、おいしい料理を提供するお店を経営しています。お店は毎日満席で、お客さまから笑顔と感謝の言葉をいただく日々を送っています。
しかし、そのお店の裏側を見ると、最高の料理提供のために、最高の食材を惜しげもなく使い、圧倒的に原価を下回るコストパフォーマンスで提供を行ない、お客さま主体でサービスを提供し、お客さまに常に寄り添うスタッフを常時配置されています。場所は誰もがうらやむ一等地!
——はたして、売上を上回るコストをかけた、このお店の経営は長続きするでしょうか?
潤沢な資金力のある人でない限り、お店の経営を辞めた方が得策だと理解できると思います。

それでは、このお店は何が間違っていたのでしょうか。
お店の経営を続けていくためには、お客さまに支持されるおいしい料理を、支持される価格帯で、何度も利用したい、誰かを連れてきたいと思っていただけるお店にしていく必要があります。そこには納得のいくサービスを備え、その付加価値と提供価格のバランスに共感いただけた時に、継続的な運営へとつながっていきます。
そのためには何より、確実に利益が残っていることが絶対条件になります。

しかし、周りのお店と比較して、提供する付加価値が勝っていながら、しっかり利益を残していくには、以前と比較しても非常に難しくなっています。
おいしい料理を提供して、お客さまに喜んでいただくことが本来の目的だったのに、いざ、お店を始めてみると、税金や給与の支払い、仕入れ食材や経費の支払いといった、本来の料理提供以外にたくさんの数字に対する問題が降り注いできます。
この問題を放っておければよいのですが、お店を継続させていくためには避けては通れない壁となっています。
とはいえ、ここに時間をかけすぎて、新しいメニューを考えたり、リピーターを増やす施策を行なったりする時間がなくなるようであれば、本来の目的を失ってしまいます。
苦手意識が強く、避けては通れないことだからこそ、数字管理は簡単に計算できるようにしておくことが重要になります。
必要なのは、継続経営を行なうために、今の状況を簡単に理解し、月末までに対策を行なっていける体制作りです。

誰もが乗れる自転車と同じように、数字を操る

数字はただの道具であり、対策を考えていくための目印です。
皆さんは、自転車を意識せずとも乗りこなしていると思います。しかし、最初は感覚をつかむために練習をし、最初はふらつきながらでも、乗りこなす感覚をつかんでいったのではないでしょうか。
料理についても、おぼつかない包丁さばきから、反復練習を重ねたと思います。
数字管理も同じです!
これまで計算の仕方を教えてもらってこなかっただけで、実は、飲食店の数字もポイントさえ押さえてしまえば、簡単に使いこなすことができます。
本書では「客数」を中心にして数字を捉えることで、毎日の、また毎月のお店の数字を管理していきます。

そして、数字は使いこなせるようになってからが本番です。
過去の「終わった数字」をこねくり返しても取り戻しはできませんが、月末までに取り戻すべき客数さえ理解できれば、対策を考えていくことができます。
いまだに終わった数字とにらめっこして、時間の無駄使いをしている経営者は少なくありません。本書では、月の途中での数字の見方や、目標差異の見つけ方、それらに対する対策事例など、月内で売上を巻き返すための具体策を多数紹介しています。
難しい机上の勉強ではなく、現場で実行に移せるテキストとして読み進めていただき、今日から一つでも実践に変えていただきたいと思います。
読み終えた後に、思わず電卓を叩きたくなる「数字の教科書」のスタートです!

飲食店収益改善コンサルタント 東海林健太郎

東海林 健太郎 (著), 山川 博史 (監修)
出版社 : 同文舘出版 (2019/9/14)、出典:出版社HP

脱・どんぶり勘定!これからの飲食店数字の教科書 目次

はじめに

1章 超実践!数字管理のキホン
1 これからの飲食店に必要な「脱・どんぶり勘定」の計数管理
2 これからの繁盛飲食店に必要な3つの対策
3 数字は簡単に理解できる!
4 一人あたりの利益がわかれば、損益分岐点客数はパッと計算できる
5 日次客数まで落とし込んで毎日数字を追いかけよう
6 毎日の成績をカレンダーで共有する
7 効果測定を重ねていく

2章 お客さまを逃さない!「客数アップ」対策
1 新規客獲得ではなく流出客対策という考え方
2 リビートしやすいお客さまはどこに眠っている?
3 客数アップ対策効果は時間差で現れる
4 常連客のお連れさまは将来の常連客候補
5 リピートにつながるお客さま情報だけを集める簡単手法!
6 客数が少ない日の対策よりも、多い日に集中させる方が得策!
7 クチコミは店舗から発信できる
8 全スタッフの伝える力を高める強力ツール

3章 接客を強化して利益につなげる!「客単価アップ」対策
1 明日からでもできる推奨のマジックによる大幅利益アップ!
2 お客さまに覚えていただくための接近戦
3 お客さまに喜んでいただきながら客単価アップする
4 セット化はお客さまにも、お店にも超お得!
5 推奨のマジックがあれば、食材原価を思い切ってかけられる
6 テーブル内のラストオーダーはチャンスの山!
7 メニュー単価の上げ方・下げ方はやり方を間違えると大きな痛手に!

4章 お客さまに喜んでいただく!「原価低減」対策
1 簡単だから続けられる!日次決算で問題を放置しない
2 1%のロスの意味を客数で知れば、損失の大きさが理解できる
3 食材原価は大きく捉えて、管理を簡単にする
4 ポジションを固定化して人件費アップになっていませんか?
5 忙しくても利益につながらないメニュー数と人件費の関係とは?
6 ショートポーションメニューで客単価アップを誘導する
7 お客さま還元メニューと店舗還元メニューで作る平均原価
8 数字で考えられるスタッフ作り

5章 3つの対策で実現する!息の長いお店づくり
1 一つの対策だけで取り戻しは不可能
2 客数と客単価の関係
3 成功対策は大事にしまっておこう
4 飽きられないお店にする

付録 現場で使える!飲食店の数字問題集

おわりに

カバー・本文デザイン・図版制作 荒井雅美(トモエキコウ)
企画協力・本文DTP 菱田編集企画事務所

東海林 健太郎 (著), 山川 博史 (監修)
出版社 : 同文舘出版 (2019/9/14)、出典:出版社HP