飲食店完全バイブル 売れまくるメニューブックの作り方

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売れまくる店になるには

年間300件を超える店のメニューブックを手掛ける2人のプロが、お客様の心に刺さるような、売れまくるメニューブック作りのノウハウを解説しています。土台となるコンセプト作り、それに合わせたストーリー表現やデザインのコツなど余すことなく明かしています。売り上げを伸ばしたい飲食店オーナーや、これから始めたいという方におすすめの1冊です。

河野 祐治 (著), 笠岡 はじめ (著), 日経レストラン (編集)
出版社 : 日経BP (2015/6/19)、出典:出版社HP

はじめに

私たち2人は、毎年、多くの飲食店を指導し、毎年300件を超えるメニューブックのリニューアルをサポートしています。メニューブックをリニューアルすることによって、「注文してもらいたい商品の注文数が3倍になった」、「原価率が下がって、利益が増えた」、「オペレーションが改善された」、「売り上げが昨年対比120%を維持している」など、全国の飲食店で良い結果を残しています。

なぜ、私たちは毎回成果を出せるのか?

その理由は、指導先の店にとって「あるべきメニューブック」の姿をまず考えたうえで、その大きな目標に向けて順序立てて内容を作り上げていくノウハウがあるからです。
例えば、ある看板商品を売ろうとしている店ならば「看板となる商品を売るためには、それをメニューブックの紙面で、どう表現すれば効果的か」を考えます。また「お客様の層を広げて客数を増やすためには、メニューに新たなカテゴリーを追加すべき」などと具体的な仮説を立てて、メニューブックを設計していきます。
私たちが指導して作るメニューブックには、料理やドリンクを掲載する順番、写真のサイズ、カテゴリーの分け方、ページの配置など、全てにきちんと意味を盛り込んでいます。あなたの店はどんなコンセプトで、どんな料理を大切にしているかをお客様に明確に伝え、どんな風に料理を頼めば店側が考えるその店の最もよい楽しみ方ができるのかを、メニューブック全体で表現しています。

・この商品をメニューブックの一番目立つところに大きく載せているのはなぜか。
・商品の写真をその大きさで使っているのはなぜか。
・改善前のメニューブックよりカテゴリー分けを細かくしたのはなぜか。

こうしたことを全て説明できる根拠があります。これが私たちが作るメニューブックです。
なんとなく料理を並べただけのメニューブックでは、あなたの店の考え方、こだわりはお客様にうまく伝わりません。同業の競合店に持っていっても、まったく違和感なく溶け込んでしまうようなメニューブックでは、お客様の気持ちは決してつかめず効果は上がりません。
さらに、今回は特別編として、居酒屋やバルなど様々な業態で活用が増えている「手書きメニュー」の活用法を盛り込んでいます。「日替わりメニュー」として、毎日魚市場で仕入れる新鮮な魚をお客様にお薦めしたり、「季節メニュー」として時節により品ぞろえが変わる日本酒や焼酎、ワインなどを紹介したりと、「手書きメニュー」の使い道は大きく広がっています。個性あふれる筆文字で書かれた「手書きメニュー」は、スタッフの個性をお客様に印象付ける手紙のような役割もしてくれます。今や、グランドメニューより先に目を通すというお客様も多い「手書きメニュー」のうまい使い方をぜひ身に付けてください。

私たちには、長年にわたってメニューブック作りをサポートしてきたノウハウがあります。多くの飲食店がメニューブックのどこでつまずき、どこを修正すれば成果が上がるのかをよく理解しているつもりです。
本書では、効果的なメニューブックにするための根拠となる考え方と、それを実現するノウハウを具体的な手順としてお伝えします。本書を活用してあなたのお店のメニューブックを見直し、効果を上げていただければ幸いです。

河野祐治、笠岡はじめ

河野 祐治 (著), 笠岡 はじめ (著), 日経レストラン (編集)
出版社 : 日経BP (2015/6/19)、出典:出版社HP

図解 売れまくるメニューブックはここが違う

改善前
看板商品が分かりにくかった

改善後
看板商品がはっきりして注文が増加

目次

はじめに

図解 売れまくるメニューブックはここが違う

第1章 優れたメニューブックの必須要素
1 メニューブックは店の価値をお客様に伝える「メディア」
2 メニューブック次第でお客様のオーダーを「コントロール」できる
3 「オーダーコントロール」でオーナーの考える客単価に調整できる
4 初回来店のお客様にも分かりやすい内容にする
5 店をしっかり印象付けて良い評判を広げる
6 デザインに根拠がある効果的なメニューブックの作り方

第2章 繁盛店のメニューブックを見て学ぼう
1 埼玉県にあり幅広い客層を集める郊外型和食店の事例
2 北海道にある約40席の「丸鶏」が看板商品である定食店の事例
3 大阪府の私鉄沿線にあるとんこつラーメン店の事例
4 東京都内にあるフードが充実したスペイン料理バルの事例
5 大阪府にある郊外型うどん店のランチメニューで売り上げを伸ばした事例
6 焼酎蔵直営の居酒屋が使う注文しやすいドリンクメニューの事例
7 子供連れを増やすお子様向けメニューの事例

第3章 店のコンセプトを決める
1 「店のコンセプト」がメニューブック全ての判断基準
2 店のコンセプトを決める4つの要素
3 コンセプトを左右する自店の立ち位置を再確認する
4 従来のメニューブックを7つの角度から見つめ直す
5 どの商品で売り上げを稼ぐか、利益を確保するか
6 店の特徴を一言で表す「ショルダーネーム」を店名に付ける
7 コンセプトに沿ってメニューブックのスタイルを決める

第4章 カテゴリー分けで売れ行きが伸びる
1 カテゴリーで店の「ウリ」をアピール分かりやすい分類で注文を増やす
2 カテゴリーには3つの分類方法がある
3 主役と脇役をはっきりさせ店のコンセプトを表現する

第5章 掲載する商品を選ぶ
1 「ウリの商品」をはっきりと打ち出そう
2 「クロスABC分析」をして掲載商品の見直しをかける
3 クロスABC分析に基づく商品の追加と削除のポイント
4 分析結果では判断できない商品削除のポイント
5 ネットなどの情報を参考に掲載数の2倍の商品を考える

第6章 お客様に分かりやすい価格の決め方
1 価格が分かりやすいと注文が増えやすい
2 同カテゴリーでは価格の種類を少なくする
3 「上限価格」を決めて高い店だと感じさせない
4 商品の下限価格を引き上げ「粗利ミックス」をする
5 税抜き価格の10円以下の桁をそろえる
[コラム] 消費税対応は「税抜き表記」で欄外に注意書きが主流
6 商品の価格は分かりやすさ優先カテゴリー内の価格はなるべく統一
7 お客様は「1、2、3、5」で予算を考え「1対1.3」で価格差を認識する

第7章 注文しやすいページ割りにする
1 各カテゴリーを実際のページに割り当てる
2 表紙と裏表紙は開かなくても見てもらえる大事なページ
3 表紙の次の見開きページは誰もが見る場所
4 店のストーリーを意識してページごとに商品を配分
5 メニューブックに掲載するパーツの使い方(1)
6 メニューブックに掲載するパーツの使い方に(2)
7 実際と同じ大きさの紙でメニューブックの設計書を作る

第8章 メニューブックの使い方
1 メニューブックは客席に何冊あればよいか?
2 新しいメニューブックのオペレーションをスタッフ全員で確認する
3 メニューブックを刷新したら告知を強化してまず集客する
4 メニューブックカバーは表紙が見えるタイプがよい

特別編 手書きメニューで商品を印象付ける
1 「手書きメニュー」の魅力は店のこだわり、温かさが伝わること
2 手書きメニューで店の魅力を増すための活用例
3 手書きメニューを手際よく作る
4 文字は達筆であるより読みやすさを優先
5 手書きメニューにメリハリを付けるワザ

おわりに

河野 祐治 (著), 笠岡 はじめ (著), 日経レストラン (編集)
出版社 : 日経BP (2015/6/19)、出典:出版社HP