戦国時代を読み解く新視点 (PHP新書)

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戦国史の新たな視点

戦国時代についての研究は盛んに行われており、近年でも新しい史料が見つかったり定説とされてきた解釈が見直されたりしています。本書は、そんな戦国時代の研究の最前線をまとめた一冊です。「桶狭間の真相」や「真田の戦法の新説」など、戦国史に新たな視点を提供しています。

歴史街道編集部 (編集)
出版社 : PHP研究所 (2020/3/13)、出典:出版社HP

目次

第一部 定説を揺るがす新説
新発見の密書が語る「足利義昭」推戴の事実―藤田達生
光秀が書状を送った「土橋重治」とは?/光秀はいつから義昭の指示で動いていたのか?/毛利―長宗我部同盟/関白秀吉でさえ義昭の権威を頼った
中国大返し毛利が動かなかった本当の理由――藤田達生
秀吉に通じていない重臣は、わずか五人?/一門衆だけでなく、水軍も……/毛利輝元の計略とは?/毛利の外交僧・恵瓊の賭け
小田原参陣前、伊達政宗は弟・小次郎を殺してはいなかった?――佐藤憲一
正史と矛盾する、親子の手紙/「政宗の弟」とされる住職/母子で仕組んだ狂言だった?/親子三人に去来する想いは….
まさに真田の戦法!新発見史料が示す、真田丸は恐るべき「攻めの城」―千田嘉博
発見された新たな「真田丸」絵図/独立した「城」であった真田丸/「真田の戦法」で勝利をつかむ

第二部 あの合戦の真相とは
義元上洛、田楽狭間の休息、迂回奇襲……あの桶狭間は覆った――小和田哲男
愛される桶狭間のイメージ/通説とされてきた「日本戦史桶狭間役』/『信長公記』に基づく通説見直しの動き/合戦の主な論点
男たちはなぜ、長篠へ向かったのか―決断の背景―小和田哲男
従来の説とは全く異なる合戦/信玄の死がもたらしたもの/決戦の序曲・高天神城の戦い、存亡の時を迎えた家康/出陣した信長の真意
いざ天下分け目の関ケ原の大戦へ!渾身の決断に見る漢たちの魅力―小和田哲男
なぜ天下を二分」する戦となったのか/東軍に与せし者、西軍に賭けし者/見事な出処進退とは―「演たちの決断」の魅力
信玄と謙信の川中島―たとえ名将といえども….―平山優
川中島合戦とは何であったか/格式と正当性をめぐる戦い/「一点打撃主義」か「実を取る」か/合戦の実相と両雄の失策
東国の雄、武田と北条の滅亡にも海外の影響が….―平山優
長篠合戦は「新戦法対旧戦法」ではない/勝頼の命令と発掘された弾丸から見えるもの/西進したことで、信長が得たもの/戦時中の日本と重なる武田氏と北条氏の苦しみ
不慣れな海戦でも活躍……―朝鮮出兵でなぜ、島津は敵から畏れられたのか――太田秀春
独立大名として参戦した島津豊久/初めてとは思えない海戦での活躍/「脅威」の象徴/新しいものを畏れない
「天下=畿内」の静謐が判断基準….領国を拡大させた信長の戦いの構図とはー金子拓
「天下布武」の「天下」が意味するもの/信長は室町幕府の継承者であった/「天下静謐」の結果としての領国拡大
豊臣逆転の勝算あり!天下人を決する戦国最大最後の戦い―北川央
生きていた大野治房とその息子/「A級戦犯」から「武士の鑑」/天下人・関白豊臣秀頼の可能性/夏の陣で豊臣方に勝算はあったか

第三部 あの武将と一族の実像に迫る
いつ、どこで生まれたのか、斎藤道三との関係は……明智光秀の”謎の前半生”に迫る―谷口研語
いつ、どこで生まれたのか?/土岐氏と明智氏の関係とは?/光秀は斎藤道三の家臣だったのか?/なぜ美濃を離れて越前へ?/足利義昭・細川藤孝との出会いは?/織田信長の光秀に対する評価は?/光秀の前半生の研究に新たな展開は?
信長に先駆けた男…..「日本の統治者」と呼ばれた三好長慶の実像―天野忠幸
信長の前の「日本の統治者」/父の仇・細川晴元との闘い/天下人への「成功モデル」/「諸人之を仰ぐこと北斗泰山」
「狡猾」「残忍」といわれた男最上義光の本当の姿―松尾剛次
ずる賢くて、残忍な人物?/「羽州探題」再興を目指して/愛する娘の酷い死/上杉の大軍に善戦/「羽州探題」から名藩主へ
天文の内乱、江戸湾争奪戦、上杉・武田との同盟・・「謎多き一族」里見氏の真実に迫る――滝川恒昭
「八犬伝』のモデルとして/初代にまつわる英雄伝説/ストーリーが改竄された?「天文の内乱/江戸湾は領国維持の生命線/存在感を強めていった、嫡子・義弘/「天正の内乱」と大名・里見氏の終焉

第四部 戦国時代を動かした「異能の集団」
戦国以前にも存在した?軍配者とは何者?……..軍師の実像とは――小和田哲男
軍師とはどんな存在だった?/日本での軍師の誕生は、戦国時代までの軍師はどんな人がいた?/軍配者は合戦に備えて何をしていた?/出陣に際しては何をしていた?/出陣後の軍配者の仕事は?/どの武将にも軍配者タイプの軍師はいた?/戦国の軍師はその後どうなった?
諜報、火術、伏兵ー戦の帰趨を決めた「異能の集団」―山田雄司
実際に使われた「忍術」とは?/各地の戦国武将と忍びの関係/忍術を極めた伊賀・甲賀の忍び
連射を可能にした合理的な発想….なぜ雑賀衆は鉄砲を使いこなせたのか―太田宏一
連射を可能にした合理的な戦法/鉄砲入手ルートは多元的だった?/なぜ新兵器に着眼できたか
執筆者紹介
初出一覧

歴史街道編集部 (編集)
出版社 : PHP研究所 (2020/3/13)、出典:出版社HP