マンガでわかる地政学 (池田書店のマンガでわかるシリーズ)

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地政学について基礎から解説

地政学とは、地形によって国と国の関係がどう変わるのかを考える学問で、地理的条件から国家の行動を説明します。「敵の敵は味方」「隣国同士は対立する」など、基本原理はシンプルですが、大国の指導者が世界地図を見ながら考えていることを追体験できるエキサイティングな学問です本書では、マンガを交えながら地政学について基礎から解説していきます。

茂木誠 (監修), 武楽清 (その他), サイドランチ (その他)
出版社 : 池田書店 (2016/12/26) 、出典:出版社HP

はじめに

下に2枚の世界地図を並べてみました。
右の図はメルカトル図法といって、学校の教室によく貼ってある見慣れたものです。経度と緯度を直線で表せるので、太陽の位置で船の進む方向を決めていた時代に、船乗りが使っていました。
メルカトル図法を見て、ロシアやカナダってバカでかいなぁ、日本って小さいなぁ、と子ども心に思った方も多いでしょう。でもこれは、本当の地球の姿とは程遠いのです。
丸い地球の表面を、みかんの皮のように平たくむいたのがメルカトル図法なのです。引き伸ばされたみかんの皮を見ても、みかんの姿はわかりません。
左の図は正距方位図法といいます。「中心からの距離と方位が正しい」という意味で、宇宙から地球を見た姿に一番近い地図です。地球の反対側はうまく表せませんが、一つの大陸を観察する場合には、この図法が一番正確なのです。
これを見ると、ロシアとカナダが北極を挟んだ隣国であることがはじめてわかるでしょう。中国やインドがかなりの大国であること、ロシアは北極海以外に海への出口がほとんどないことがわかります。

地政学は、地理的条件から国家の行動を説明します。

「国家の行動原理は生き残りである」
「隣国同士は対立する」
「敵の敵は味方」

など基本原理はシンプルですが、大国の指導者が世界地図を見ながら考えていることを追体験できる、エキサイティングな学問です。

どうぞ、お楽しみください!

茂木 誠

メルカトル図法で描かれた世界地図

「メルカトル図法」では、北極や南極に近くなるほど、大きく表現されてしまいます。

正距方位図法で描かれた世界地図

この本では、基本的に「正距方位図法」を用いて世界各国の関係を読み解いていきます!

茂木誠 (監修), 武楽清 (その他), サイドランチ (その他)
出版社 : 池田書店 (2016/12/26) 、出典:出版社HP

目次

はじめに
プロローグ
付録「今がわかる世界地図」の見方

第1章 地政学のダイナミズムがわかる 3つの国から見た世界
海洋国家アメリカは孤立した島だった?
アメリカから見た世界地図
アメリカを「島」として見てみよう
勇敢な開拓民・アメリカ人
海を制するものが世界を制す
地政学から見た日米戦争
第二次世界大戦後の世界を予知した男
現代アメリカを地政学で見る

★《世界の今がわかる! 地政学講座》トランプは地政学的思考の持ち主だった

イギリスがオフショアから望む景色
イギリスから見た世界地図
島国イギリスの地政学的な優位性
ヨーロッパは半島である
ハートランド理論とロシアの封じ込め
地政学的に見るイギリスとEU

分裂・分割を乗り越えて台頭するドイツ
ドイツから見た世界地図
ドイツ地政学を支えた2つの思想
ヒトラーに影響を与えた地政学者
世界を4つに分けるパン・リージョン理論
EUを支配するドイツの実力

★《世界の今がわかる! 地政学講座》EUがギリシアを見捨てられない理由

第2章 強硬外交の理由がわかる 日本の近隣4国から見た世界
陸と海に攻められる中国の地政学的宿命
中国から見た世界地図
地政学的強みをいくつも持つ巨人、中国
万里の長城は対ランドパワーの防壁
中華思想と朱子学が近代化の足かせに
共産党政権成立 現代の対立構造へ
ランドパワーからシーパワーへの転身

★《世界の今がわかる!地政学講座》中国が尖閣諸島を自国領土だと主張している理由は?

強国に挟まれる朝鮮の受難と策略
韓国・北朝鮮から見た世界地図
大陸からの侵攻・支配を受け続けてきた
日本の支配と朝鮮半島
北緯38度線の地政学
現代中国と朝鮮半島の関係
どうなる? 今後の朝鮮半島

封じ込められ続ける大国ロシア
ロシアから見た世界地図
最強最大のランドパワー国家
ロシアが持つ3つの顔
グレートゲーム=敵対するロシアとイギリス
「勝者枠」を得たソ連と北方領土
なぜウクライナで紛争が起こるのか?

第3章 国の歴史と思想を知る さまざまな国から見た世界
シーパワーとランドパワー、二面性を持つフランス
フランスから見た世界地図
シーパワー&ランドパワー大国だったフランス

半島の付け根であるために2度滅びたポーランド
ポーランドから見た世界地図
半島の付け根に位置する悲劇

かつてのランドパワー大国トルコは親日国家
トルコから見た世界地図
地政学的にも歴史的にも親日の国トルコ
文明の交差点を占めるトルコ

★《世界の今がわかる! 地政学講座》ISが誕生しシリアに拡大した理由は?

迫害を逃れて建国したイスラエル!
イスラエルから見た世界地図
イスラエルの存在とパレスチナ問題
地政学的問題が山積みのイスラエル

イランとの対立が激しいサウジアラビア
サウジアラビアから見た世界地図
イスラム教の総本山はアメリカ寄りだった
産油国ならではの地政学的事情

★《世界の今がわかる! 地政学講座》中東が常に戦争状態にある理由は?

日米に接近するアジアの大国、インド
インドから見た世界地図
ヒマラヤ山脈が印パ対立を生んだ

地政学的リスクがもたらしたベトナムの苦難
ベトナムから見た世界地図
史上最強の「半島国家」

★《世界の今がわかる! 地政学講座》「暴言」から読み解くフィリピンの地政学

ブラジルから見た世界地図
パナマ運河の価値を高めるアンデス山脈

第4章 歴史と未来を考える 日本から見た世界
陸海の脅威に揺れる自然に守られた島国
日本から見た世界地図
地政学的な視点から見た日本の優位性とは?
日本には神風が吹いている?
シーパワー薩摩藩とランドパワー長州藩の対立
地政学の影響を受けた日本軍人
ダイヤモンド構想は対中包囲網
地政学が日本の未来を救う?
★《世界の今がわかる! 地政学講座》自国第一主義化するアメリカと日本はどう付き合うべきか?

索引

登場人物紹介


歴史がちょっと苦手な商社マン
松岡健一郎
商社に勤めているが、歴史や社会科が不得意で、未来と一緒に地政学を学んでいく。海外出張で世界の国を訪れた経験を持つ。


世界史好きな女子高校生
松岡未来
健一郎の妹。歴史好きで、学校の勉強だけではもの足りず家庭教師を頼むほど。坂本先生の影響で地政学にも興味を持ち始める。

先生
未来の家庭教師
坂本響子
未来の世界史の家庭教師。昔、地政学を学んでいたことから、2人に地政学の面白さを伝えていくことに。歴史と地理、世界各国の政治をズバっと教えてくれる。

付録

巻末に付いている「今がわかる世界地図」は、パッと見て世界の国がどんな関係なのかがわかる地図です。切り離して大きく開いて世界を俯瞰してみてください。

世界国々の関係性がわかる地図
世界中の国がどんな関係で、どんな自然環境を持っているのかがわかる地図です。気になった国や項目は、該当ページを読んでみてください。

各地域の関係性がわかる地図
アメリカ周辺、ヨーロッパ、中東、アジアの4つの地域における各国の関係性がわかる地図です。それぞれの地図の読み解くポイントもぜひ参考にしてみてください。

表と裏でさまざまな国の今がわかります!

茂木誠 (監修), 武楽清 (その他), サイドランチ (その他)
出版社 : 池田書店 (2016/12/26) 、出典:出版社HP