遺伝子‐親密なる人類史‐ 上

ページコンテンツ

【最新 遺伝子について学ぶためのおすすめ本 – 人類と遺伝子の歴史】も確認する

「遺伝子」全史

科学の歴史上、最も強力かつ危険な概念ともいえる遺伝子の誕生、成長、未来についての物語が描かれています。遺伝子を巡る歴史とリアルな現状についてよくわかります。遺伝学の一般書として全ての人におすすめできる1冊です。

シッダールタ ムカジー (著), Siddhartha Mukherjee (著), 仲野 徹 (監修), 田中 文 (翻訳)
出版社 : 早川書房 (2018/2/6)、出典:出版社HP

その危険性を知っていたプリヤバラ・ムカジー(一九〇六〜一九八五)に
その危険性を体験したキャリー・バック(一九〇六〜一九八三)に

遺伝の法則の正確な解読は、今後もたらされると予想される自然についてのどんな知識よりも深く、世界に対する人間の見方と、自然に対する人間の力を変えるだろう。
——ウィリアム・ベイトソン

「人間というものは結局のところ、遺伝子にとってのただの乗り物であり、通り道にすぎないのです。彼らは馬を乗り潰していくように、世代から世代へと私たちを乗り継いでいきます。そして遺伝子は何が善で何が悪かなんてことは考えません。私たちが幸福になろうが不幸になろうが、彼らの知ったことではありません。私たちはただの手段にすぎないわけですから。彼らが考慮するのは、何が自分たちにとっていちばん効率的かということだけです」
——村上春樹『1Q84 BOOK1』

シッダールタ ムカジー (著), Siddhartha Mukherjee (著), 仲野 徹 (監修), 田中 文 (翻訳)
出版社 : 早川書房 (2018/2/6)、出典:出版社HP

目次

プロローグ——家族

第一部 「遺伝といういまだ存在しない科学」
遺伝子の発見と再発見(一八六五〜一九三五)

壁に囲まれた庭
「謎の中の謎」
「とても広い空白」
「彼が愛した花」
「メンデルとかいう人」
優生学
「痴愚は三代でたくさんだ」

第二部 「部分の総和の中には部分しかない」
遺伝のメカニズムを解読する(一九三〇〜一九七〇)
「目に見えないもの」
真実と統合
形質転換
生きるに値しない命
「愚かな分子」
「重要な生物学的物体は対になっている」
「あのいまいましい、とらえどころのない紅はこべ」
調節、複製、組み換え
遺伝子から発生へ

第三部 「遺伝学者の夢」
遺伝子の解読とクローニング(一九七○〜二○○一)

「乗り換え」
新しい音楽
浜辺のアインシュタインたち
「クローニングか、死か」
用語解説(五十音順)
〈監修にあたって〉
原注
索引にかえて

*訳注は、本文内は割注、原注内は〔 〕で示した。

下巻目次

第四部 「人間の正しい研究題目は人間である」
人類遺伝学(一九七〇〜二〇〇五)
父の苦難
診療所の誕生
「介入しろ、介入しろ、介入しろ」
ダンサーたちの村、モグラの地図
「ゲノムを捕まえる」
地理学者
ヒトの本(全二三巻)

第五部 鏡の国
アイデンティティと「正常」の遺伝学(二○○一-〜二〇一五)

「それなら、わたしたちは同じね」
アイデンティティの一次導関数
最終マイル
飢餓の冬

第六部 ポストゲノム
運命と未来の遺伝学(二〇一五〜……)
未来の未来

遺伝子診断——「プリバイバー」
遺伝子治療——ポストヒューマン
エピローグ ブヘッダ、アブヘッダ

謝辞
用語解説(五十音順)
年表
解説/仲野徹
〈監修にあたって〉
参考文献
原注
索引にかえて

シッダールタ ムカジー (著), Siddhartha Mukherjee (著), 仲野 徹 (監修), 田中 文 (翻訳)
出版社 : 早川書房 (2018/2/6)、出典:出版社HP