地球惑星科学入門 第2版

【最新 地球科学について学ぶためのおすすめ本 – 中高の基礎科目から大学レベルまで】も確認する

地球惑星科学の基本が全てわかる

基礎地球惑星科学の教科書です。最新の知見に基づいて、地球科学について網羅的にまとめられています。基礎だけでなく深いところまで触れていますが数式がたくさん出てくるわけではないので、高校生でも読める難易度となっています。地球科学に少しでも興味のある方にはおすすめの1冊です。

在田 一則 (著, 編集), 竹下 徹 (著, 編集), 見延 庄士郎 (著, 編集), 渡部 重十 (著, 編集)
出版社 : 一般社団法人 北海道大学出版会; 第2版 (2015/3/25)、出典:出版社HP

地球惑星科学入門 第2版

いろいろな時代の化石(北海道大学総合博物館所蔵)。(A) カンブリア紀の示準化石である三葉虫 Redlichia chinensis。中国四川省産。長さ約3.5cm。(B)ジュラ紀の示準化石であるアンモナイトDactylioceras sp.英国ウィットビー産。径約10cm。(C)第四紀の示準化石であるマンモスMammuthus primigeniusの臼歯。北海道襟裳岬産。約13cm。(D)白亜紀後期の恐竜ニッポノサウルス(日本竜) Nipponosaurus sachalinensis。サハリン(旧樺太豊栄郡川上村)産。体長約4.1m(E)新第三紀中新世の哺乳類デスモスチルスDesmostylus hespernus。サハリン(旧樺太敷香町)産。体長約2.8m。

北海道の特徴的な鉱物(北海道大学総合博物館所蔵)。(A)自然金(A)。千歳市,千歳鉱山産。(B)自然硫黄(3)斜里町,知床硫黄山産。(C)加納輝石(MgMn’tSi,O)。淡紅褐色。熊石町産。(D)手稲石(CuTeOp.21,0)。監1色、緑青色は変質部。札幌市手稲鉱山産。

口絵12011年3月11日15時55分宮城県名取市海岸を襲った東北地方太平洋沖地震による大津波は防潮林をなぎ倒し家屋をのみ込んだ(提供:共同通信社)。東北地方太平洋沖地震(余震を含む)による死亡者は15,889名、行方不明者は2,597名に達した(2014年11月10日現在)。
口絵2東北地方太平洋沖地震による津波の観測地点(左)と津波高(右:浸水高および遡上
高)の分布(東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループ,2011による)赤丸:浸水高(津波が内陸を遡上した途中に残された津波痕跡の高さ),青三角:遡上高(津波が内陸を遡上した限界の高さ),☆印:震央の位置。東北地域を中心に,津波痕跡高が10mを超える地域が南北に約530km,20mを超える地域も約200kmと、非常に大きな津波が広範囲に襲った。大船渡市綾里湾では40.1mの津波遡上高が観測され,これは明治三陸津波の記録を上回る。

口絵7海洋底地形図(American Geographical Society, 1974 より。原図はB.C. Heezen and M. Tharp)。地球全体に連なる中央海嶺は総延長8万km を超える(図4.4 参照)。

口絵8 全地球の地殻熱流量分布(Davies and Davies, 2010より)

口絵9 地震波トモグラフィーによる東北地方(左)と九州の南(右)を通る東西断面でのマン トルのP波速度分布(Fukao et al. 1992 より)。平均的速度からの偏差(%) を表す。// ア大陸下の 670 km 不連続面付近に広がる高速度領域(青色系)は沈み込む海洋プレート (スラブ)につながる。

口絵10 東北地方の震源分布(白丸)とP波速度分布(長谷川・趙,1991より)。平均的速度 からの偏差(%)を表す。火山直下に向かって地震波低速度(高温)部(赤色系)が深部から続くことに注意。また、沈み込む海洋プレート(スラブ)内には二重の深発地震面がある。

図11 日本周辺の地殻熱流量分布(田中ほか,2004による)。単位はmWm2。日本海は全体的に高熱流量であるが、中央部の大和堆や北大和堆付近は比較的低いことに注意。

口絵12 日本周辺のテクトニクスと地震分布(地震活動解析システム(鶴岡,1998)により,高波鐵夫作成)。震源は海溝から大陸側へ深くなる。地震分布は国際地震センター・カタログ(1964年1月1日~2006年12月31日,M>3.5)にもとづく。

口絵13 プレート収束境界のアンデス山脈東縁(アルゼンチン)に見られる圧縮運動による地質構造(撮影:竹下徹)。(A)中新世の砂岩(赤茶色)が衝上断層により第四紀の段丘礫層(灰色)に押し上がる。(B)中新世の砂岩の裸曲構造。

口絵14 (A)爆発的な火山噴火(有珠火山1977年噴火。提供:国際航業株式会社)。(B)静かな火山噴火(伊豆大島1986年噴火。撮影:白尾元理)。

口絵15 オマーンオフィオライト(アラビア半島)に見られる地殻ーマントル境界(撮影:宮下純夫)。下部のマントルのかんらん岩は斑れい岩に比べて塊状で優黒質。斑れい岩は層状構造が明瞭。

口絵16 スペースシャトルから見たヒマラヤとチベット(CNASA)。左(南)はインドのガンジス平原。右(北)はチベット高原。約5,000万年前のインド亜大陸とユーラシア大陸の衝突の現場。インダスーツァンポ縫合帯(赤線)は両大陸の衝突帯で,かつて両大陸の間にあったテチス海の海洋地殻岩石が点在している。

口絵21 各種環境要因の変動により生じた放射強制(Wm-2)の見積り(IPCC,2013より)。基準年は1750年。右側の数字は環境要因(放出成分)ごとに評価した値で、赤字が正,字が負。括弧内は誤差を考慮したときに真の値が取り得る値の範囲(信頼区間)を表し,人、為起源の放出成分については、それにより影響を受ける成分が色分けされている。横線は誤差の見積り。右端欄は確実性の高さを表し,VH:非常に高い,H:高い,M:中程度,L:低いを意味する。下部の赤色棒グラフは,人為起源の全環境要因を総合した放射強制を,1750年を基準として,1950年,1980年,2011年について示す。本文339頁参照。

口絵22 代表的な温室効果ガス排出シナリオRCP2.6(左)とRCP8.5(右)にもとづいて予測される(A)地球表面温度(°C)と(B)降水量(%)の変動の全球分布(IPCC,2013より)。それぞれ,1986年から2005年の平均値を基準とした2081年から2100年の平均値の増減で表す。RCP2.6とRCP8.5は、それぞれ,2012年から2100年までの積算CO,排出量(GtC:ギガトンを単位とする炭素換算質量)の平均値が270と1,685,変動幅が140~410と1,415~1,910と設定された排出シナリオ。なお,RCPはRepresentative Concentration Pathwaysの略で,RCPに続く数字は,1750年に対する2100年の放射強制をWmで表した値。

在田 一則 (著, 編集), 竹下 徹 (著, 編集), 見延 庄士郎 (著, 編集), 渡部 重十 (著, 編集)
出版社 : 一般社団法人 北海道大学出版会; 第2版 (2015/3/25)、出典:出版社HP

第2版刊行にあたって

『地球惑星科学入門』初版は2010年11月に発行されました。その年6月には,2003年5月にS型小惑星イトカワ目指して打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還して,地球重力圏外の天体の表面のサンプルを持ち帰ることに世界で初めて成功しました。そして,2014年の11月12日には,10年間の宇宙の旅を終えた欧州宇宙機関(ESA)の彗星探査機「ロゼッタ」から切り離された着陸機「フィラエ」がチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸しました。送られてきた鮮明な画像に世界は感動しました。さらに、同年12月3日には「はやぶさ」の後継機である小惑星探査機「はやぶさ2」がC型小惑星1999JUを目指して飛び立ちました。
これらの探査機は、惑星の起源物質である小惑星や彗星を調べることにより,太陽系の起源や進化過程を解明するとともに、地球を作る鉱物や海水,生命の原材料物質を探ることを目的にしています。
一方,2011年3月11日には、マグニチュード9の巨大地震(東北地方太平洋沖地震)が東北地方から関東地方を襲い、死者15,889名,行方不明者2,598名に達する大災害(東北大震災)となり,また,それに伴って福島第一原子力発電所による放射能汚染というわが国にとっては未曾有の大惨事が生じました。さらに,2014年8月20日には集中豪雨による広島土砂災害(死者・行方不明者74名),同年9月27日には御嶽山噴火災害(死者・行方不明者57名),海外では2013年8月11日フィリピンを襲った観測史上例を見ない猛烈な台風により,死者約6,200名,行方不明者約1,800名の犠牲者が出ました。ともに現在もまだ復興には至っていません。
これらは,本書『地球惑星科学入門』の二つの目的に関わる出来事です。大学の基礎教育・教養教育における地球惑星科学の教科書として編纂された本書の目的の一つは、私たちの地球・太陽系・宇宙の物質や構造,その変遷過程や成り立ちを理解する基礎を提供することです。「ロゼッタ」や「はやぶさ2」により、地球の起源物質が明らかになれば,それは地球の起源,大気・海洋の起源,大陸の起源,さらには生命の起源の理解に結びつきます。
本書のもう一つの目的は,上記のような自然災害問題とともに,環境問題資源問題など21世紀の人類的課題に深く関わっている地球惑星科学的背景を正しく理解することにより,それらによる被害をできるだけ少なくすることにあります。
本書初版の出版当時は数年後には改訂版をと考えていましたが,4年で第2版を重ねることができたのは,多くの著者の方々や今回新しく加わっていただいた著者の皆さまのご協力の賜物です。
本書第2版では,第4部に新たな章「銀河と恒星」を加え,各章にも適宜修正や新しい知見などを加えました。また,Box記事の内容を更新するとともに,新たなBoxを加えました。その結果,初版より24ページ増え,また内容的にもより充実したものになったと自負いたしております。
大学初学年における全学教育や一般教育の教科書としてだけでなく,地球惑星科学分野や地球環境科学分野の学部学生の入門書,文系学生の教養書,さらに中学・高校教師の参考書として本書をご活用いただければ幸いです。「北海道大学出版会の成田和男氏には第2版刊行の提案をいただき,全般にわたって多大なご協力をいただきました。ここに心からお礼を申し上げます。

2014年12月1日
編集委員一同

はじめに

“奇跡の惑星・地球”,“宇宙船地球号”,“かけがえのない地球(Only One Earth)”というキーワードがあるが,これらは地球のみならず現在の私たちがおかれた立場をも如実に表している。21世紀は地球環境の時代であるといわれて久しいが,その傾向はますます明らかになりつつある。
温暖化・乾燥化・酸性雨・地下水汚染・鉱害などの環境問題のみならず,自然災害問題(火山・地震・津波・地すべり),地下資源問題(エネルギー資源・金属資源),あるいは水資源問題など現在の人類的課題といわれるものの多くは地球に関わっている。約69億人の私たち宇宙船地球号の乗組員のそれぞれが,宇宙のなかのちっぽけな存在である地球で平和で満足した生活を続けていくためには地球の歴史と現状を知ることがきわめて重要なことは容易に理解できよう。
たとえば,環境問題とくに地球温暖化問題では毎年観測史上初めてという温暖化傾向が報道されている。温室効果ガスである二酸化炭素の増加は,もともとは地球の長い営みのなかで生まれてきた生物の遺骸が石炭・石油など化石燃料として地中に眠っていたものを、私たち人間が産業革命以降の急速な工業化によって大量消費している結果である。また,4つのプレートがせめぎあうプレート沈み込み帯に位置するわが国では,地震災害や地震にともなう津波災害,火山噴火,さらに地すべり災害はいわば宿命的ともいえる。しかし,他方では火山はさまざまな地下資源を産み出し,日本はかつて黄金の国ジパングとヨーロッパに伝えられ、江戸時代には世界の銀産出の1/3を占めていたといわれる。マグマ活動の恵みであるいろいろな金属資源は近代社会を支えているが,化石燃料とともにそれらの将来の枯渇問題が危惧されている。いっぽう、日本列島はアジアモンスーン地域に位置するとともに、台風の通路ともなっている。梅雨や冬の豪雪は豊葦原の瑞穂の国の稲作文化を育んできたが,水害や地すべりなどの災害をももたらしてきた。地球がどのような歴史をたどってきたか,また現在の活動がどのようにして起こっているかを理解することは,災害を完全には予知できないまでも。被害を少なくする(減災)には有効といえる。各種の自然災害を予知しようとする研究は盛んに行われているが,複雑な自然現象の予知は現状では困難といわざるをえない。災害国日本に生きる私たちとしては、自然が引き起こす現象(脅威)を正しく理解し,被害をより効果的に軽減することが必要である。
地球科学は地球に関する科学であり,地球の内部から表層部までの岩石圏,そこに接する水圏,そして両者をおおう大気圏と宇宙空間の物質の性質と運動過程,さらに形成過程を研究する自然科学の一分野である。しかし,地球を知るためには地球がその一員である太陽惑星系について知ることも必須である。7年間60億kmの旅を終えて2010年6月に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」は日本中に感動を与えたが,小惑星イトカワで採集したかもしれない回収カプセルの内容物が注目されている。それはその物質が地球あるいは太陽系の起源を探る鍵となるかもしれないからである。このように,今や地球を知るためには太陽系のほかの天体との比較研究は必要不可欠となっている。本書を「地球惑星科学入門」とする所以である。_33章からなる本書は,第1部「固体地球の構造と変動」,第II部「地球の歴史と環境の変遷」,第II部「大気・海洋・陸水」,第IV部「宇宙と惑星」と地球惑星科学の広い分野を網羅しており,北海道大学の関連分野の教員43名が執筆にあたっている。本書は地球惑星科学を初めて学習する大学初年時における全学教育あるいは一般教育の教科書としてだけではなく,地球惑星科学分野や地球環境科学分野の学部学生の入門書,あるいは文系学生の教養書ともなりうるように企画された。本書によって地球惑星科学の基礎を学び,上にのべた21世紀の諸課題を理解し,それらを解決する道を模索する手がかりとしていただければ望外の喜びである。「本書の上梓にあたっては、北海道大学出版会の成田和男氏には企画から編集まで多くのご教示と献身的なご協力をいただいた。また校正にあたっては添田之美氏と田中恭子氏にお世話になった。ここに明記して感謝申し上げる。

2010年9月1日
編集委員一同

在田 一則 (著, 編集), 竹下 徹 (著, 編集), 見延 庄士郎 (著, 編集), 渡部 重十 (著, 編集)
出版社 : 一般社団法人 北海道大学出版会; 第2版 (2015/3/25)、出典:出版社HP

目次

口絵i
第2版刊行にあたって xi
はじめにxiii
第I部 固体地球の構造と変動
第1章 地球の形と重力,地磁気,地殻熱流量
1. 地球の形3
2. 地球の重力
3. 地磁気11
4. 地殻熱流量13

第2章 地球の内部構造と構成物質15
1. 物理状態と物質 15
2. どうやって調べるか17
3. 地球内部の構造と構成物質の概観20
4. 地球内部での物質の動的な挙動とその進化23

第3章 地球を作る鉱物と岩石25
1. 鉱物とは何か 25
2. 珪酸塩鉱物の分類26
3. 鉱物の多形27
4. 固溶体 29
5. リソスフェアを作る岩石30
成因の異なる3種類の岩石タイプ30/火成岩・堆積岩・変成岩の特徴 32
Box 3.1 生物が作る鉱物

第4章 大陸移動とプレートテクトニクス 35
1. 大陸移動説の誕生と終焉 35
2. 海洋学および古地磁気学と海洋底拡大説一大陸移動説の復活 37
3. プレートテクトニクスープレート境界の3つの型40
発散境界 40/収束境界 43/トランスフォーム断層境界 44
4. 日本周辺のプレートの分布 45
Box 4.1 プルームテクトニクスとホットスポット 47
Box 4.2 日本海の成立 48

第5章 海洋地殻と大陸地殻49
1. 海洋地殻と大陸地殻49
2. 海洋地殻の地震学的構造と地質学的構造 50
3. オフィオライトモデルと海洋地殻の形成 52
4. 大陸地殻の形成一玄武岩質地殻の再溶融と島弧・大陸の衝突・合体
5. 反射法・屈折法による地殻構造探査56

第6章 地震はどこで,なぜ起こるか?
1. 地震とは「断層が急に動く」こと 59
2. 地震から出る波61
3. 地震発生の原因,大きさと場所 63
4. 断層運動,そして地球のエネルギーとしての地震 66
Box 6.1 地震学の始まりーミルンとユーイング、そして大森
Box 6.2 緊急地震速報170

第7章 日本列島付近で生じる地震と地震津波災害・地震予知 71
1. 海溝型地震と地震予知 71
2. 活断層および内陸型地震と地殻変動の観測275
3. 地震津波災害 79
Box 7.1 2011年3月 11 日東北地方太平洋沖地震 83
Box7.2 異常震域と宇津モデル 84

第8章 火山活動はどこで,なぜ起こるか? 85
1. マグマとは 85
2. 火山活動が起こる場 86
3. 日本列島の火山活動とその特徴 88
4. マグマの発生と上昇 90
マントルかんらん岩の部分溶融とマグマの発生90/マグマの発生メカニズム 92/マグマの上昇 92
5. マグマの組成変化と火山深部の構造93
マグマの分化 93/火山深部の構造 95
Box 8.1 地球深部の化石 マントル捕獲岩96

第9章 火山噴火と火山災害・噴火予知 97
1. 火山噴火の機構と様式97
火山噴火のメカニズム 97/爆発的噴火と噴出物98/非爆発的噴火と噴出物 100/マグマ水蒸気噴火 101
2. 火山とその構造101
火山の種類と構造 101/日本の活火山102
3. 火山災害102
火山災害の種類と特徴 102/火山活動の恵みと火山との共存 105
4. 火山噴火予知と減災106
噴火予知の手法と課題 106/ハザードマップ107

第II部 地球の歴史と環境の変遷
第10章 河川の働きと地形形成111
1. 河川の下刻作用と地形形成111
2. 河川地形 112
3. 河川による侵食・運搬・堆積115
4. 河川洪水117
5. 風化と土壌の形成118
6. 海洋への土砂流出 119

第11章 堆積作用と堆積岩および変成岩
1. 堆積岩の形成一堆積作用と続成作用
風化作用 122/侵食作用 123/運搬作用 124/堆積作用(狭義) 124/続成作用 125
2. 堆積岩の種類125
3. いろいろな堆積環境とその岩石127
4. 地層と層序学一地史の編年128
層序区分と地層の対比 128/地層や岩石の相互関係 129/化石年代(相対年代) 130
5. 変成作用132
Box 11.1 付加体134

第12章 ランドスライド135
1. ランドスライドと人間社会135
2. ランドスライドとは 137
3. ランドスライドの分類 138
運動様式による区分 138/移動体の規模と移動速度139/斜面を作る物質 139/発生場所
4. ランドスライドの原因140
5. ランドスライドの例 141
内陸地震による地すべり 141/岩盤崩壊 142/土石流 142/山体 崩壊 144
Box 12.1 間隙水圧146

第13章 地球エネルギー資源
1. 堆積岩中の有機物の熟成作用 147
堆積物有機物 147/ケロジェン 148
2. 石 油 150
石油の組成 150/石油の起源と成因 150
3. 天然ガス 152
天然ガスの起源 152/天然ガスの産状 152
4. 新しい石油資源―非在来型石油資源 153
5. 石炭 154
石炭の起源と堆積環境 154/石炭化作用155
6. 核エネルギー156
7. 地熱エネルギー157
8. エネルギー資源の将来158

第14章 金属鉱物資源と社会161
1. 鉱物資源161
天然資源 161/地殻における元素存在度 162
2. 金属鉱床はどこでどのようにしてできるか164
金属鉱床のできる場所 164/金属鉱床の種類とそのでき方166
3. 限りある資源171
4. 鉱山と環境問題 173

第15章 地球の誕生と大気・海洋の起源175
1. 冥王代の地球 175
2. 地球の形成過程 178
3. 大気・海洋の起源180
4. 生命の起源182
Box 15.1 大気酸素の形成184

第16章 地球環境の変遷と生物進化 185
1. 現在は過去を解く鍵である185
2. 化石の研究法186
3. 地球環境の激変と生物の大量絶滅187
4. 古生代188
無脊椎動物の海 188/陸上植物の出現と進化 189/魚類と両生類の進化 190/古生代の気候
5. 中生代 191
爬虫類の時代192/中生代の海生生物 193/ジュラ紀・白亜紀の温室世界 194
6. 新生代194
哺乳類の時代194/新生代における寒冷化 194
7. 大陸移動と造山運動195
Box 16.1 統合国際深海掘削計画(IODP) 197
Box 16.2 化石鉱脈198

第17章 人類進化と第四紀の環境, 199
1. 第四紀の区分199
2. 人類の出現と進化200
人類の誕生 200/現代人の祖先、202
3. 気候変化と環境204
気候変動を示す指標 205/氷期・間氷期サイクル205/気候変動の メカニズム 207/そのほかの気候変動 209
4. 環境の変化と人類のインパクト209
Box 17.1 安定同位体と地球科学 212
Box 17.2 放射年代測定法 213

第Ⅲ部 大気・海洋・陸水
第18章 大気の構造と地球の熱収支
1. 大気とは 217
2. 地球大気の鉛直構造 218
3. 大気の組成 220
4. 太陽放射と地球放射 221
5. 大気と地球表面の熱収支 224
6. 温室効果 226
Box 18.1 全球凍結状態と暴走温室状態

第19章 地球大気の循環
1. 大気・海洋が担う南北熱輸送の役割229
2. 低緯度と中高緯度で実体を異にする大気の子午面循環230
3. 対流圏と成層圏にみられるジェット気流233
4. 高層天気図の定常と異常234
5. 地上天気図にみられる温帯低気圧の役割236
Box 19.1 世界の気候の特色 238

第20章 大気の運動の基礎239
1. 気圧(静水圧平衡) 239
2. 地球の自転とコリオリカ242
3. 地衡風バランス244
4. 数値予報246

第21章 大気の熱力学と雲・降水形成過程 249
1. 雲の定義と種類249
2.空気中に含まれる水蒸気量250
3. 気温の高度変化252
4. 気層の安定性と断熱変化 252
5. 雲粒の成長過程 253
純粋水滴の飽和水蒸気圧 253/雲凝結核の役割 254
6. 雨粒の形成 255
衝突・併合過程 255/雨粒の形と粒径分布 256
7. 雪結晶と雪粒子 257
Box 21.1 雲内の気温 259
Box 21.2 雪のレプリカ作り(雪結晶の永久保存法) 260

第22章 天気を支配する諸現象
1. 高気圧と気団 261
シベリア気団262/小笠原気団262/オホーツク海気団262
2. 温帯低気圧262
3.前線263
4. 台風267
5. 寒気吹き出し268
6. 気象観測手法269

第23章 海洋の組成と構造 271
1. 海洋の区分 271
2. 海水の構成要素273
3. 水温・塩分と密度275
4. 海洋コンベヤーベルト277
Box 23.1 「燃える氷」メタンハイドレート一未来のエネルギー資源?

第24章 海洋の循環 283
1. 海流の分布と地衡流283
2. 海洋風成循環の力学 287
エクマン吹送流287/B効果と海洋風成循環288
3. 深層の循環(熱塩循環) 291

第25章 海洋の観測と潮汐293
1. 海洋の観測 293
海洋観測の歴史293/水温・塩分の観測294/流速の観測295
2. 海洋の潮汐298

第26章 地球と陸域の水循環
1. 地球の水循環と河川流出の役割 303
2. 降水の地形効果と流域の水循環 305
3. 降雨に対する河川流出 309
4. 地下水の動き 311
Box 26.1 世界の水資源314

第27章 氷河と氷河時代315
1. 氷河とは315
2. 氷河の質量収支317
3. 氷河の流動318
4. 氷河の変動319
5. 氷河時代の発見319
6. 氷期・間氷期における氷河変動321
7. 氷期・間氷期サイクルの原因323

第28章 大気海洋相互作用とエルニーニョ、モンスーン 325
1. 熱帯太平洋における大気と海洋ーウォーカー循環と熱帯海面水温325
2. エル・ニーニョ 328
3. エルニーニョと全地球規模の気候環境の変動との関わり 3331
4. モンスーン333
Box28.1 大気海洋変動の時間スケールでの概観一とくに10年スケール変動336

第29章 地球環境変動と水圏・気圏の変化 337
1. 地球温暖化のメカニズムと将来予測 337
2. 炭素循環 341
3. 地球温暖化の影響 342
4. Geo-engineering 344
5. 成層圏オゾン破壊345
6. 対流圏汚染 348
Box 29.1 地球温暖化懐疑論に対する考え方350

第V部 宇宙と惑星
第30章 宇宙とその進化353
1. はじめに3531
2. 宇宙論の理論的展開354
3. 宇宙論の観測的展開とビッグバン宇宙モデル
4. 宇宙の動力学と宇宙を構成する物質-357
5. 現在の宇宙論359
6. まとめと今後の課題361
Box 30.1 宇宙の距離梯子と Ia型超新星362

第31章 銀河・恒星363
1. 銀河とは363
銀河の特徴 365
2. 我々の銀河(銀河系) 365
3. 星(恒星)の性質 367
星の構造と進化 367/星間ガスと星形成369
4. 銀河の形成 369
5. 銀河の進化372
6. 銀河・星研究の課題

第32章 太陽系の成り立ちと運動 375
1. 惑星の視運動 375
2. ケプラーの法則 376
3. 太陽系の家族 378
惑星 378/太陽系小天体 379
4. 太陽系の起源 382
Box 32.1 ケプラーの法則 384
Box 32.2 日本の惑星探査「はやぶさ」と「はやぶさ2」

第33章 惑星と衛星
1. 惑星の大気と表層環境387
惑星大気の組成387/惑星表面の熱収支389/惑星大気の循環 389
2. 惑星の内部構造とテクトニクス393
内部構造の手がかり 393/地球型惑星と月394/木星型惑星と天王 星型惑星 398/月以外の衛星と冥王星399

第34章 太陽と宇宙空間
1. 太陽の電磁放射403
2. 太陽面現象405
粒状斑(白斑) 405/黒点 406/プロミネンス(紅炎) 407/フレア
3. 太陽風 409
4. 磁気圏の形成 410
5. オーロラ412
引用文献 415
索引423
執筆者一覧 445

在田 一則 (著, 編集), 竹下 徹 (著, 編集), 見延 庄士郎 (著, 編集), 渡部 重十 (著, 編集)
出版社 : 一般社団法人 北海道大学出版会; 第2版 (2015/3/25)、出典:出版社HP