ゼロから始めるフルマラソンの本 改訂版

ランニング・マラソンを始めるための入門5冊も確認する。

INTRODUCTION

「フルマラソンって、なんだかオモシロそう……」と思ったら、今日からトレーニング、始めてみませんか?
ここ数年、街中でランナーの姿を見かける機会がますます増えてきました。私たちにとって“走ること。が、いっそう身近なものになりつつあるようです。それと同時に、かつては「過酷なレース」「アスリートのためのスポーツ」だと思われてたフルマラソンも、私たち市民ランナーに、一歩一歩近づいてきました。“制限時間”のないJALホノルルマラソンをはじめ、7時間のゆとりを設けた大阪マラソン、東京マラソンなど、ビギナーでも「ゆっくり走る」ことで、感動のフィニッシュラインを越えることができるようになったのです。
そんな光景をテレビや雑誌で見て、あなたも「走ってみたい!」と思い始めているのではないでしょうか。
フルマラソンに高いハードルはありません。トレーニングを工夫し、継続すること。走るペースをコントロールできるようになること。必要な要素はそれだけでいいのです。「さあ、あなたもさっそく今日からトレーニングを始めましょう!
ガッツポーズでゴールへ……その夢は、きっと叶えられるはずです。
内山雅博

内山 雅博 (監修)
エイ出版社; 改訂版 (2018/11/27)、出典:出版社HP

目次 – ゼロから始めるフルマラソンの本 改訂版

002 INTRODUCTION
008 たった5km走る力があれば、あなたも完走できるんです!
010トレーニングを始める前に…①
ランニングシューズの準備はできていますか?
014 トレーニングを始める前に…②
快適に走るためにはランニングウエア選びも慎重に!
016 この本の使いかた。
PART 1
017 「とにかく完走」「6時間台でゴール」を目指すトレーニング
018 1 ウォーキングで体力アップと、ランニングフォームの基礎づくり
024 2 日常生活のなかでも体を積極的に動かそう!
026 3 ウォーキングで体力がついてきたら、ゆっくりランニングにトライ!
030 4 少しずつペースを上げて、本格的にランニングへ移行!
032 5 ウォーキングとランニングの組み合わせで体力とフォームのコツを手に入れる!
034 6 歩く、走る動作をスムースにする、事前の準備運動
040 COLUMN 5kmがラクに走れるようになったら…..
10kmレースに挑戦してみよう!
042 7 ランニングにプラスして走力アップ! 毎日5分の自宅トレーニング
046 “6時間台でゴール”を目指すトレーニングメニュー
PART 2
053 「5時間台でゴール」を目指すトレーニング
054 1 15kmをラクに走れるようになったら、完走目標時間を計算してみよう!
056 2 フォームチェックにトライ! クセは早期発見、修正を
058 ありがちなクセ1ー腰が落ちている
060 ありがちなクセ2―腕が振れていない
062 ありがちなクセ3ー 前傾している
064 ありがちなクセ4ー 上体が反り返っている
066 3 ペース感覚をマスターして、計画的なトレーニングを
072 COLUMN 知っておきたいワンポイント
呼吸のリズムで、ペースをコントロールしよう!
074 4 休日は、LSDで持久力アップ!
076 5 フォームが崩れてくる前に……途中でできる補助運動
080 6 ときには坂道でのアップダウントレーニングも取り入れる
084 “5時間台でゴール”を目指すトレーニングメニュー
PART 3
091 「4時間台、さらに3時間台でゴール」を目指すトレーニング
092 1 スピードのあるフォームを手に入れる!
096 2 さらにスピードを意識した、高度なトレーニングも実践!
100 “4時間台でゴール”を目指すトレーニングメニュー
110 3 “さらに積極的なフォーム”を生むプラスaのトレーニング
110 “3時間台でゴール”を目指すトレーニングメニュー
PART 4
117 トレーニング成功のカギは「コンディショニング」にあり!
118 1 トレーニング計画は、休養も含めたサイクルで
120 2 トレーニング時間やコンディショニングは、季節に合わせて変える!
124 3 走る前にはウォーミングアップを。体の柔軟性を高め、ケガを防ぐ
130 4 走った後のクールダウンで素早く疲労回復!
134 5 ランニング後のケアは必須。筋肉痛のダメージが変わる!
136 6 長時間ランニングの後は、疲労を取り除くマッサージを
PART 5
141 いよいよ大会本番!
笑顔でゴールを迎えるために…
142 1 大会に向けて揃えたいアイテム
144 2 レース1週間前からは、調整期間として過ごす
146 3 レース数日前~前日の食事はどうする?
148 4 レース前夜~当日のスタートまでは、余裕のあるスケジュールで
150 5 いよいよスタート直前! 待ち時間にしておきたいこと
154 6 42.195kmは、計画性を立てて走り抜く!
160 COLUMN 知っておくと役に立つ
レース中の「困った!」対策
162 7 脚が動かなくなる前に…… レース中に行うストレッチ
164 8 レース直後のケアで、疲労を素早く回復!
166 COLUMN 内山式!
無理なく実現できる”完走目標ラップタイム表”
PART 6
169 ビギナーも楽しめる!
マラソン大会ガイド
京都木津川マラソン大会、JALホノルルマラソン……ほか
178 みんなに起きやすい
ランナーのトラブルあれこれ
ビギナーランナーのためのソボクなQ&A 教えてウチヤマ先生!

内山 雅博 (監修)
エイ出版社; 改訂版 (2018/11/27)、出典:出版社HP

 

たった5km走る力があれば、あなたも完走できるんです

「最低でも5km続けて走る力、ペースをコントロールする力さえつければフルマラソンは完走できる」と聞いたら、なんとなく走れそうな気がしてきませんか?たとえゆっくりでも、コツコツとトレーニングをしていけば、目的達成も夢ではなくなります。化・195kmを怖がることはありません。これから走り始める人、いまは3km走るのがやっとという人、タイムを上げたいという人も、自分のレベルに合わせて、トレーニングしていきましょう!

トレーニングを始める前に…。「ランニングシューズの準備はできていますか?
ケガや故障を防ぎ、かつラクに走るためにも。まずはランニングシューズの準備から始めましょう!
ランニングはこれといった用具は必要なく、手軽に始められるスポーツの代表格ですが、ランニングシューズだけは事前に用意しましょう。・ランニングシューズは、普段履きとは異なり、ランニング中の足にかかる負担を軽減し、安全に走れるように設計されています。ケガや故障をすることなく、長距離を走るためには必須のアイテムなのです。

自分の足の正確なサイズを知っておく
ランニングシューズはフィット感が命。大きすぎても小さすぎても、ランニング中の足や足指の痛みの原因になる。シューズを購入する前に、足のサイズ計測をしよう。ネットで測定シートをダウンロードすれば、自分でも計測できる。ただし、ビギナーには、店で計測してもらうことをおすすめしたい。
足全体のサイズを計測しよう足の長さ(足長)だけではなく、足幅、甲のまわり(足囲)も採寸しよう。スポーツショップには、足のサイズを正確にるシステムや器具を備えているところが多い

シューズ売り場では、表示の確認を
スポーツショップに行くと、種類が多すぎて、どれを選べばいいのか迷ってしまうことも……。しかし、多くのショップでは「トレーニング用」「レース用」など、ランナーのレベルや目的別にシューズを並べているので、まずは売り場のパネルやポップを確認。わからないことがあったら迷わず店員さんに相談を!
表示はショップによっても異なる。トレーニング用を「セーフティタイプ」、レース用を「ライトタイブ」と表示することも

ソールが厚めのトレーニング用モデルで安全に走る!
ランニングシューズは大別すると、ソール(靴底)が厚く、着地の衝撃を吸収して足の負担を軽減してくれるものと、ソールが薄く軽量なものの二つ。ビギナーは、カカトのつくりがしっかりとしていて保護機能の高いものを!
ソールは足にかかる衝撃を吸収するクッション性という機能を発揮する重要な部分。また、足が着地時に倒れ込むのを防いだりと、足の動きを安定させる役割も果たす
少なくとも2、3種類のシューズを試してみよう
履き心地やフィット感、形状などはメーカーやモデルによってさまざま。ショップでは最低でも2~3足のシューズを試し履きしよう。また、シューズはつねにモデルチェンジしていくもの。2足目購入のときも、お気に入りのモデルやメーカーにこだわらないことが大切だ。

STEP1
ヒモを下まで緩める
ヒモは下まで緩めて、シューズの両サイドを広げる。ベロ(シュー・タン)を引き上げながら、足を滑り込ませよう。ヒモを半分だけ緩めて、無理に足を押し込むのはNG。
ATTENTION
カカトと足囲をフィットさせておくことが重要シューズのヒモを締めていくときは、両サイドを押さえるようにすると、余分な間ができず、フィット感が高まる。カカトと足囲(甲まわり)が固定されることで、走っているときにシューズの中で足が前後方向に滑らなくなる
ATTENTION
ヒモを結ぶときは前かがみに体を前かがみにし、足長(足の長さ)が大きくなる状態をつくってからヒモを締めると、フィット感がアップする

STEP2
足を入れてカカトをトントン
足を入れたら、ヒモを締める前にシューズのカカトで軽く床をトントンと叩き、カカトの位置を合わせる。ヒモを締めてからでは意味がないので注意!

STEP3
ヒモを下からしっかり締めていく
後は下からヒモを締めていく。ヒモがたるんでいるとシューズ内に余分な隙間ができてしまうので、左右同じ高さの穴(シューホール)にヒモを通すたびに、キュッと強めに締めていこう。

CHECK1
つま先に1cmの余裕があるかをチェック
ヒモを締めた後、つま先部分の余裕をチェック。全くあまりがない状態では、走行中に足指やツメを痛めてしまうことも。立位で1cm弱程度の余りがある状態が理想的だ。

CHECK2
蝶結びをしたときのヒモの長さはちょうどいい?
蝶結びをして、ヒモの先が地面につくほど長い場合は、サイズやボリュームが大きすぎる可能性も・・・・・・。

CHECK3
余裕があるときはインソールも出して余り具合を確認!
インソールが外せるシューズの場合、店の人の許可をもらって外し、足をのせてみよう。余り具合が確認できる。

CHECK4
歩いたり、走ってみてきつさや当たり具合を確認
いま履いているシューズが合っているかチェックしてみよう!「長い距離を走ると、ツメが内出血して黒くなる」という人や、「いつも指先に圧迫感を感じる」という人は、いま履いているシューズが合っていない可能性も。上で紹介したフィッティングを実践し、指先の余り具合や、きつい部分がないか確認しよう
指先が狭く感じないか
カカトがきつすぎないか
緩くて脱げそうにならないか
カカトやくるぶしに当たる部分がないか
土踏ます部分がきつくないか
足の親指や小指部分に何かが当たっているような違和感がないか

トレーニングを始める前に……2
快適に走るためにはランニングウエア選びも慎重に!
普段着のシャツやパンツでも、走れないことはありません。しかし、快適に走るためには、ランニング用のウエアを選ぶのが一番です。

優れているところ1
体の動きを妨げない!
脚を大きく振り、ヒジやヒザを曲げ動かすなど、ランニング時の体の動きを妨げないように考えてデザインされている。

優れているところ2
汗をかいてもすぐに乾く!
汗のベタつきは不快なうえ、時間が経つと体が冷える原因にも・・・。ランニングウエアの多くは、素早く汗を吸い、乾かしてくれる。

ランニングウエアは、体を動かしやすいのはもちろんのこと、そのほかにもメリットが豊富。たとえば春夏用ウエアは、汗をすぐに吸収して乾かす「吸湿速乾性」や「通気性」、「UVカット機能」などを搭載しています。秋冬用ウエアは「防寒性」や「保温性」に優れたものが主流です。
また、夜でも安全に走れるリフレクター(反射素材)が施されたものや、音楽プレーヤーを収納するポケットがあるものなど、走る人のことを考えて設計された機能がいろいろあるのです。

春・夏
汗でベタつかず、通気性のいいものを。UV機能も必須だ。

秋・冬
寒さで体の柔軟性が、失われないように、風を遮断する防寒ウエアを。

内山 雅博 (監修)
エイ出版社; 改訂版 (2018/11/27)、出典:出版社HP