自分でできる認知行動療法 うつ・パニック症・強迫症のやさしい治し方 ココロの健康シリーズ

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自分にぴったりな方法が見つかる!

本書では、うつ病、パニック症、強迫症の3つにスポットを当てて、それぞれに対する認知行動療法やセルフカウンセリングの方法を解説しています。それぞれの症状の簡易チェック表も載っているので、自分にあった方法を学ぶことができます。

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※本書の内容は、2017年7月現在の法令等に基づいて記載しています。
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※本書の出版にあたっては正確な記述につとめましたが、著者や出版社などのいずれも、本書の内容に対してなんらかの保証をするものではなく、内容やサンプルに基づくいかなる運用結果に関してもいっさい の責任を負いません。
※本書に記載されている会社名、製品名はそれぞれ各社の商標および登録商標です。

はじめに

「認知行動療法という言葉を聞いたことがありますか?」2017年6月に、私ども千葉大学で20歳代から60歳代の人にWEBアンケート調査を行ったところ、一般の方の22%は認知行動療法という言葉を聞いたことがあるだけでなく、うつ病や不安症などの心の病気の治療に使われるものだと知っていたと答え、23%は認知行動療法という言葉を聞いたことがあるが、うつ病や不安症などの心の病気に使われるものだと知らなかったと答え、55%は認知行動療法という言葉を聞いたことがないという結果 でした。まだ、半数の人に知っていただいていないことは誠に残念です。

2010年度、医師による、うつ病の認知療法・認知行動療法が、公的医療保険で承認されました。ま た、2016年度から、パニック症、強迫症、社交不安症、心的外傷後ストレス障害 (PTSD)の4つの 不安障害も、承認されました。将来の改定に向けて、臨床心理士(公認心理師)が行った場合でも、 公的医療保険でカバーされるように、あるいは、不眠症、摂食障害、慢性疼痛など他の疾患にも、公 的医療保険の適用が拡大されるように、関係する学術団体が、厚生労働省に要望をしているところで
す。

もっと多くの人に、認知行動療法を知ってもらいたいと私は思っており、そのために、本書は最適 だと思っております。ぜひとも、楽しんで認知行動療法を体験してみてください。

2017年7月
千葉大学医学部附属病院
認知行動療法センター長
清水栄司

CONTENTS

はじめに
本書を読む前に

PART 1 あなたのココロの病はどんなもの?
1あなたのココロの病はどのタイプ?
①うつ病のPさんのケース
②パニック症のTさんのケース
③強迫症のFさんのケース
2あなたのつらさの程度は?
うつ病の簡易チェック表
パニック症の簡易チェック表
強迫症の簡易チェック表
3認知行動療法はココロの病にどのくらい効果があるの?
COLUMN1 メタファーの広場 認知行動療法と「たとえ話」

PART 2 そもそも認知行動療法って何?
1 認知行動療法ってどういうもの?
2 認知行動療法は精神分析とどこが違うの?
3 認知行動療法の医学的な根拠は?
4 認知行動療法を受けるには?
5 認知行動療法を優先させたほうがいい?
6 認知行動療法は自分でもできるの?
7 認知行動療法を知るための重要なキーワード
8 認知行動療法でよく使われる手法
COLUMN2 メタファーの広場 うつ病のセッションでよく使われる「裁判所のメタファー」

PART 3 3つのココロの病に対する標準的な認知行動療法の流れを知ろう
PART3を読む前に
1 うつ病に対する認知行動療法の標準的な流れ
治療(セッション1~16)の全体像
【第1段階】セッション1・2の概要
【第2段階】セッション3・4の概要
【第3段階】 セッション5・6の概要
【第4段階】セッション7~12の概要
~セッション7~12で行われる 認知と行動を同時に変えるための練習
【第5段階】セッション13・14の概要
【第6段階】セッション15・16の概要
2 パニック症に対する認知行動療法の標準的な流れ 治
療(セッション1~16)の全体像
【第1段階】 セッション1・2の概要
【第2段階】セッション3の概要
【第3段階】 セッション4~6の概要
【第4段階】セッション7~10の概要
~セッション7~10で行われる 行動実験
【第5段階】セッション11~14の概要
~セッション11~14で行われる トラウマ記憶の書換え
【第6段階】セッション15・16の概要
3 強迫症に対する認知行動療法の標準的な流れ
治療(セッション1~16)の全体像
【第1段階】セッション1の概要
【第2段階】セッション2の概要
【第3段階】セッション3・4の概要
【第4段階】セッション5の概要
【第5段階】 セッション6~14の概要
~セッション6~14のなかで行われる 曝露反応妨害法
【第6段階】セッション15・16の概要
COLUMN3 メタファーの広場 パニック症の安全行動の説明でよく使われる「自転車の補助輪のメタファー」

PART 4 セルフカウンセリングのすすめ
0 セルフカウンセリングを始める前に、ココロを落ちつかせましょう
1 うつ病のセルフカウンセリング
【Step1】 何がつらいのかを落ちついて考えてみましょう
【Step2】 どうして「ダメな自分」が頭から離れないのか考えてみましょう
【Step3】 悪循環を起こしている根本原因を探っていきましょう
【Step4】あなたの悪循環を図にしてみましょう
【Step5】 とっさに浮かぶ考えや行動を少しずつ変えていきましょう
【Step6】 ココロのエクササイズ「ココ練」
【Step7】 ココロのポジティブエクササイズ 「ポジ練」
【まとめ】 うつ病のセルフカウンセリングの取組み方
2 パニック症のセルフカウンセリング
【Step1】 最初の発作のことを思い出してみましょう
【Step2】 何が怖いのかを考えてみましょう
【Step3】 パニック発作を繰り返す理由を考えてみましょう
【Step4】 症状が改善しない理由を考えてみましょう
【Step 5】 身体症状への過剰反応を減らしていきましょう
【Step6】 怖いと思うところに行ってみましょう
【Step7】 ココロのエクササイズ「ゆっくり呼吸法』
【まとめ】 パニック症のセルフカウンセリングの取組み方
3 強迫症のセルフカウンセリング
【Step1】 何が怖いのかを立ち止まって考えてみましょう
【Step2】どうしてこうなったのかを考えてみましょう
【Step3】 やめられない原因を考えてみましょう
【Step4】 あなたの悪循環を図にしてみましょう
【Step5】 不安に立ち向かい強迫行為をガマンする習慣をつけましょう
【Step6】 ココロのエクササイズ「バク練」
【まとめ】強迫症のセルフカウンセリングの取組み方
COLUMN4 メタファーの広場強迫症のセッションでよく使われる「いじめっ子のメタファー」

ふろく:認知行動療法のためのワークシート

本書を読む前に

本書は、認知行動療法をベースにしたセルフカウンセリングを紹介する本です。認知行動療法に関心が ある人、自分でできるのなら試してみたいと思っている人などに、ぜひ読んでいただきたいと考えています。

セルフカウンセリングの土台となっている認知行動療法については、標準的な治療の流れをPART3で説明しています。認知行動療法のポイントが何なのか、認知行動療法の専門家が実際にどのように患者さん に接し、どのような治療を行なっているのかを知ることで、セルフカウンセリングが一層効果を発揮する はずです。
でも、PART3はむずかしそうで読みたくないと感じたら、読み飛ばしても大丈夫です。PART4のセル フカウンセリングは、認知行動療法の知識がなくてもできるようになっているからです。セルフカウンセリングで心が軽くなったら、認知行動療法自体に興味が湧くかもしれません。そのときは、PART3に戻って読んでみてください。
本書は、元気になるための本ですから、気が向かないときには無理をして読み進む必要はありません。 肩の力を抜いて、マイペースで読んでいただければと思います。