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【最新】発達心理学を学ぶおすすめ本 – 独学もできる入門から
ストーリーだからわかりやすい
渡辺弥生教授ご本人が大学で発達心理学の講義を始めるところから物語は始まります。主人公である学生の成長に合わせて、発達心理学の基本が学べるようになっています。専門書相当の用語や考え方が網羅されおり、まんがで表現することのよさを生かした入門書となっています。
はじめに
科学が進歩し、生命の神秘が解き明かされつつあります。不思議なことに、明らかになればなるだけ秘密のベールは 幾重もあることが分かり、一つの生命は、奇跡とも言える偶然の繰り返しの中でこの地球上に宿り、育つことを知ることになります。終わりのないロマンを感じます。太古の昔から、人は生まれてから死に至るまでの生涯を等しく一度だけ経験します。こうした経験を映画、ドラマ、小説、ニュース、あるいは身近な人たちを通して想像することはできますが、「自分」はどこからどこへいこうとしているのか、自分に適した生き方とはどういうものか、と折に触れて湧いてくる疑問への答えを持ち合わせていないものです。自分以外の他人という存在は、生きることの素晴らしさを教えてくれるときもあれば、同時に生きることの難しさを感じさせる場合も少なくありません。発達心理学は、生まれてから死に至るまでの生涯の発達を科学的に探求する学問です。胎児期から、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期と、各時期にそって心や身体がどのように変化していくのかを解明しようとしています。単なる時間的変化だけではなく、幸せになるという価値観を含んだ一生涯を対象にした学問分野です。
この本は、まんがを通してキャラクターのヴィヴィッドな生活体験の中から発達心理学を学ぶことを可能にしました。専門書相当の用語や考え方を網羅する画期的な一冊になっています。発達心理学を学ぶ学生はもちろん、「心」に関心のある方、心理学の知識を活かした仕事を希望している方など、すべての人のお役に立つことができれば幸い
です。
最後に、企画、シナリオ、まんが……、編集の方々とのたゆまぬコラボレーションのプロセスから学ぶことが多々ありました。感謝申し上げます。
渡辺弥生
目次
はじめに
主な登場人物紹介
プロローグ 発達心理学ってどんな学問?
ピアジェの発達段階説
感覚運動期/前操作期 (前概念的思考段階・直観的思考段階)/具体的操作期/形式的操作期/発達の最近接領域
ピアジェの感覚運動期
エリクソンの8つの発達段階説
基本的信頼 対 基本的不信/自律性 対恥・疑惑/自主性 対 罪悪感/勤勉性 対 劣等感/
アイデンティティ 対 拡散/親密性 対 孤独/世代性 対 停滞/統合 対 絶望
発達心理学を必要とする仕事
第1章 胎児期〜乳児期 (胎児〜1歳)
1-1 胎児期 胎児期の発達
知覚
1-2 0~3ヵ月 気質と愛着
産後うつ/気質/原始反射/共鳴反射/緊張性頸反射/驚愕反射/吸啜反射/自動歩行反射/
バビンスキー反射(足裏反射)/把握反射/モロー反射(抱きつき反射)
クーイング/喃語 (不完全喃語)/反復喃語(基準喃語)/初語
愛着(アタッチメント)/愛着行動/信号行動/注視行動/定位行動/接近行動/
前愛着期/愛着形成期/明確な愛着期/目標修正的協調関係期
選好注視法/社会的微笑/新生児微笑
1-3 0~1歳 人見知りと物の永続性
人見知り
直接模倣 (即時模倣)
物の永続性
1-4 9ヵ月~1歳頃 愛着の個人差
指差し/二項関係/三項関係/交互注視/共同注意
内的ワーキングモデル/安全基地/探索行動
ストレンジ・シチュエーション法
社会的参照
Column 1 遺伝か環境か 環境閾値説
第2章 幼児期 (1~5歳)
2-1 1~2歳 自己意識の発達
自己鏡映像の認知/自己意識の発達
一人遊び/平行遊び/象徴遊び/機能的遊び/表象能力/
象徴機能/見立て遊び/ごっこ遊び
延滞模倣 (遅延模倣)/所有意識
2-2 2歳頃 第一次反抗期
粗大運動/微細運動
第一次反抗期
自律性 対 恥・疑惑
2-3 3~5歳 自己主張と自己抑制・心の理論.
自己制御行動/自己主張/自己抑制
自主性 対 罪悪感/アニミズム/フェノメニズム
エピソード記憶/社会的役割の理解と獲得
心の理論「サリーとアンの課題」
一次の心の理論/誤信念課題
パーテンの遊びの分類
遊びに専念していない行動/一人遊び/傍観的行動/平行遊び/連合遊び/協同遊び
ピアジェの遊びの分類
機能的遊び/象徴遊び/ルール遊び
Column 2 愛着形成についての実験 ハーローの愛着実験
第3章 児童期(6~12歳)
3-1 6~7歳 自尊感情と社会的視点取得能力
共同注意/自尊感情
社会的視点取得能力(役割取得能力)/主観的役割取得
相互的接近/同情愛着/尊敬共鳴
小1プロブレム
ワーキングメモリ/短期記憶/長期記憶
3-2 7~8歳 公正観の発達
時間概念の発達
公正観
公正観の発達段階
3-3 8~9歳 二次の心の理論の発達
一次の心の理論の発達/二次の心の理論の発達
社会的表示規則 (ソーシャルディスプレイルール)/向社会的行動
空間的視点取得能力
「3つの山」問題
3-4 9~10歳 保存概念の発達と責任判断
保存概念の発達/水平的デカラージュ
客観的責任判断/主観的責任判断/脱中心化
3-5 10~11歳 自己決定感とメタ認知能力
社会的比較/上方比較/下方比較
自己決定感/自己効力感/自己肯定感/指し手と駒
勤勉性 対 劣等感
メタ認知能力
メタ認知的知識/メタ認知的行動/人間についての知識/課題についての知識/
方略についての知識
モニタリングとコントロール(メタ認知的行動)
3-6 10~12歳 動機づけ
外発的動機づけと内発的動機づけ
原因帰属理論/動機づけ
学習性無力感
3-7 10~12歳 社会化と道徳性
重要な他者
徒党集団(ギャンググループ)/ギャングエイジ/ソーシャルスキル/社会化
社会的視点取得能力(役割取得能力)/二人称相応的役割取得
道徳性/他律的道徳性と自律的道徳性
応答性と統制/権威がある親/権威主義の親/許容的な親/放任・無視・無関心な親 Column 3 誘惑への抵抗 マシュマロ・テスト
第4章 青年期 (前期~中期13~18歳頃)
4-1 13歳頃 青年期の自己中心性
中1ギャップ
想像上の観衆/青年期の自己中心性/個人的寓話
第二次性徴/成熟前傾現象/成長加速現象/発達加速現象/やせ願望
第二次反抗期/心理的離乳
4-2 13~14歳 共感性と自己嫌悪感
承認欲求/同調行動
チャムグループ
共感性/社会的視点取得能力 (役割取得能力)/三人称役割取得/共感的配慮/個人的苦痛/想像性/視点取得/自己嫌悪感….
対人認知/評価懸念/対人知覚
コーピング/コーピング方略/ポジティブコーピング/
ネガティブコーピング/解決先送りコーピング
4-3 15~16歳 自己開示とジョハリの窓
ノンバーバルコミュニケーション… ”
自己開示/ヤマアラシのジレンマ
ジョハリの窓
開放領域/盲点領域/隠蔽領域/未知領域/共同反芻
4-4 16~17歳 アイデンティティの確立
ピアグループ/アイデンティティ(自我同一性)の確立と危機/モラトリアム
アイデンティティのステイタス
確立/早期完了 (フォークロージャー)/モラトリアム/拡散
アイデンティティの探求
4-5 18歳頃~ 時間的展望とソーシャルサポート
役割実験/時間的展望
ソーシャルサポート
空の巣症候群
アイデンティティの再構成/アイデンティティの再体現化
Column 4 感情力の発達と支援
Column 5 社会的視点取得能力(役割取得能力)の発達段階
さくいん
主な登場人物紹介
プロローグ 発達心理学ってどんな学問?