よくわかる心理統計 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

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心理統計の入門書

本書では、「なぜ心理学で統計が必要なのか」という根本的なことから、記述統計や推測統計まで説明しています。著者が行っている授業を再現したような内容のため自習用として最適です。また、統計の重要概念について丁寧に解説されているため、統計の基本原理について正しい理解をすることができます。

山田剛史 (著), 村井潤一郎 (著)
出版社 : ミネルヴァ書房 (2004/9/10)、出典:出版社HP

よくわかる心理統計 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

はじめに

■よくわかる心理統計
本書では, 「なぜ心理学で統計が必要なのか」という点から説明をはじめ, 記述統計,推測統計と話を進めています。その意味で,「よくある統計の本」 と思われる方もいらっしゃるかと思いますが,本書には以下のような特徴があります。
講義と同じような形で言葉を尽くして説明をしていますから,自習用として最適です。私たちが普段おこなっている授業を再現した感じに仕上がっています。

● 各トピックスは、2ページ, 4ページ, 6ページの読み切りですので,読み進めやすく,授業用テキストとしても使用しやすいと思います。
●「息抜き」として、会話形式の「コラム」を設けました。
●記号を使っていません。式展開は必要最小限に限っています。
● 例題は、日常的で身近なものにしてあります。
●手計算の方法について,間をとばさず順を追って丁寧に説明しています。
●標準的な心理統計のテキストに採用されている内容をひととおり含むよう
にしました。具体的には,変数と尺度水準,記述統計(1つの変数についての数値要約,2つの変数の関係), 推測統計(母集団と標本,統計的仮説検定の基礎,種々の検定手法, t 検定,分散分析)をとりあげています。
●特に分散分析では,さまざまなケースについて広くカバーし(具体的には2要因の混合計画まで),計算方法を説明しています。
●わかりやすくするために,統計の重要概念の説明を省略するのではなく,ここぞとばかりに一生懸命に説明しています。統計の基本的原理について 正しい理解をしてもらいたいという気持ちがあるからです。
●統計の核心部分について十分な説明をしましたので,この本を読んだ後、 さらに進んだ本を読むことができます。発展性があります。

以上のような特徴をもった本書ですが,本当に「よくわかる心理統計」なの でしょうか。この点については、読者の皆さんに判断していただきたいと思い ます。心理統計を理解するために、本書が少しでもお役に立てればと思います。

2004年5月
山田剛史・村井潤一郎

山田剛史 (著), 村井潤一郎 (著)
出版社 : ミネルヴァ書房 (2004/9/10)、出典:出版社HP

もくじ

■よくわかる心理統計
はじめに
プロローグ よくわからない心理統計
1 よくわからない心理統計
2 よくわかるための心理統計
I なぜ心理学に統計が?
1 心理学と数字
2 心理学と記述統計
3 心理学と推測統計
4 心理統計の実際

II 1つの変数の特徴を記述しよう
1 データとは
2 尺度水準
3 尺度水準と変数変換
4 データの図表化
5 代表値
6 散布度
7 標準化
コラム1 偏差値をめぐって

Ⅲ 2つの変数の関係を記述しよう
1 散布図
2 共分散
3 相関係数
4 相関係数の性質
コラム2回帰効果
5 クロス集計表と連関係数
コラム3 シンプソンの
パラドックス

IV 標本から母集団を推測しよう
1 母集団と標本
2 母集団分布を仮定する
3 正規分布とその性質
4 標準正規分布
5 標準正規分布表
6 標本分布1
7 標準誤差
8 標本分布2
9 推定と推定量
10 不偏性
11 不偏分散
コラム4 テレビの視聴率

V 統計的仮説検定って何だろう
1 統計的仮説検定の考え方
2 帰無仮説と対立仮説
3 有意水準
4 検定結果の報告
5 両側検定と片側検定
6 統計的仮説検定における2種類の誤り
7 統計的仮説検定の手順
8 標準正規分布を用いた検定 (1つの平均値の検定)
9t分布を用いた検定(1つの平均値の検定)
10 相関係数の検定
11 カイ2乗検定1(適合度の検定)
12 カイ2乗検定2(独立性の検定)
13 まとめ
コラム5有意は偉い?

VI 2つの平均を比べよう(t検定)
1 t検定による平均値の比較
2 独立な2群の平均値差に関する t検定1
3 独立な2群の平均値差に関するt 検定2
4 対応のあるt検定
5 t検定の前提条件とウェルチの検定
コラム6 t検定でやってはいけないこと

Ⅶ3つ以上の平均を比べよう (分散分析)
1「平均」の比較なのに,なぜ 「分散」分析?
2 分散分析の手順 (1要因被験者間計画)
3 多重比較
4 実験計画
51要因被験者内計画
6 2要因被験者間計画
7 交互作用
8 2要因被験者内計画1
9 2要因被験者内計画2
10 2要因混合計画」
コラム7適性処遇交互作用

Ⅷ 心理統計に関するちょっといい話
1 クロス集計表に関する注意点
2 検定に関する注意点
3 内的妥当性と外的妥当性
4 臨床心理学と統計1 (1事例実験)
5 臨床心理学と統計2 (メタ分析)
コラム8検定力の求め方

エピローグ さらにステップアップするために
1『よくわかる心理統計』を 読み終えた後に
2 読書案内

付録
1統計手法早見表
2主な統計的仮説検定の分類
付表
本書でとりあげた文献
さくいん

よくわかる心理統計

山田剛史 (著), 村井潤一郎 (著)
出版社 : ミネルヴァ書房 (2004/9/10)、出典:出版社HP