図解 アンケート調査と統計解析がわかる本[新版]

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図解で初心者にもわかる

アンケート調査、統計解析の実務的なポイントをわかりやすく解説しています。基本的なことを中心として、図表を多く用いたり、使うべきExcelの関数を示しているため、アンケート調査の初心者の強い味方になってくれます。

酒井 隆 (著)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2012/1/26) 、出典:出版社HP

新版にあたってのまえがき

『図解アンケート調査と統計解析がわかる本』の初版が発行されたのは、2003年10月でした。それから9年が経過したことになります。この間、2005年に個人情報の保護に関する法律が全面施行となり、自治体の住民基本台帳や選挙人名簿の閲覧が商用目的では不可能になりました。その結果、統計的な標本調査としての訪問面接・留置調査が激減しました。

情報化社会では、マーケティング課題に対応するための意思決定にもスピードが求められており、アンケート調査では、インターネット調査が主流になっています。インターネットアンケート調査は、調査モニターの質や品質管理など様々な課題もありますが、従来型の調査よりも低コストで結果が早く得られるなどの理由で、活用場面は増える一方です。

統計解析の分野では、線形解析から非線形解析へ、大量データや自由回答データの処理解析の高度化へ、さらには数値アウトプットから図解アウトプットへといったような流れで研究開発が行われています。アンケート調査データの統計解析については、本書の解析手法の基礎知識があれば、新たに開発された解析手法についても理解できると思います。

データ収集から解析までが短時間かつイージーオーダー的に実施可能となった現代こそ、各種調査手法の基礎知識を十分理解したうえで、精査したデータに解析技術を応用してゆく姿勢が求められます。また、経営者や管理者には、情報の妥当性を見極め、適所に活用し、上手に説明する能力が求められます。意思決定に必要な情報の入手速度を優先しすぎて、情報品質を吟味しないままデータを使うことに慣れてしまうと、失敗の連鎖を招くことになりかねません。

本書ではインターネットアンケート調査の解説を追加し、従来の調査については、調査環境の変化を加味しました。アンケート調査の企画・実施・分析の手引書として、活用していただければ幸いです。

2012年1月
酒井隆

酒井 隆 (著)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2012/1/26) 、出典:出版社HP

目次

第1部 アンケート調査はこうして進める!

第1章 これが代表的なアンケート調査だ
1 アンケート調査とは
2 アンケート調査の種類はさまざま
3 訪問面接調査とは
4 訪問留置き調査とは
5 郵送調査とは
6 来場者調査とは
7 会場アンケート調査とは
8 電話調査とは
9 インターネットアンケート調査とは
10 その他の調査手法
・column アンケート調査の活路と末路

第2章 アンケート調査の企画を立てる
11 企画・設計の進め方
12 調査課題を検討する
13 調査対象者を定義する
14 調査(実査)方法を検討する
15 アンケート項目を決める
16 調査に必要な期間を決める
17 調査経費を積算する
18 標本数を決める
19 回収率を高める工夫をする
・column 調査のバイアス

第3章 アンケート票を作る
20 アンケート票作成の手順
21 質問順序を考える
22 質問のタイプと回答のタイプを考える
23 調査対象者を測る4つの尺度とは
24 態度を測るものさしとは
25 質問文を作るときの注意点
26 調査ボリュームを調整する
27 対象者特性を5グラフィックスで把握する
28 アンケート票をレイアウトする
29 あいさつ状を作る
・column 質問のタブー

第4章 実査を行う
30 サンプリングとは
31 名簿からランダムに抽出するサンプリング◉単純抽出法と系統抽出法
32 地域と対象者を絞り込むサンプリング◉確率比例2段抽出法
33 住宅地図から抽出するサンプリング◉エリアサンプリング(ランダムウォーク)
34 通行人や電話番号を抽出する方法◉タイムサンプリング、RDD、プラス 1
35 訪問調査のポイント
36 来場者調査のポイント
37 郵送・電話・FAX調査のポイント
38 会場アンケート調査のポイント
39 回収した個票のチェック
・column アンケート調査の謝礼

第5章 インターネットアンケート調査を行う
40 インターネットアンケート調査と標本調査の違い
41 インターネットアンケート調査の実施方法の種類
42 インターネットアンケート調査の回答者の特性
43 インターネットアンケート調査の留意点
44 インターネットアンケート調査の企画・設計の基本手順
45 インターネットアンケート画面の種類と主な機能
46 インターネットアンケート調査のサーベイ手順
47 インターネット調査会社の選び方
48 インターネット調査会社との協議ポイント
49 回答バイアス・誤差に注意
50 回収データのチェックは不可欠
51 モバイルアンケートの長所と活用例
・column 調査モニターに応募する動機

第6章 データ集計を行う
52 集計作業の手順
53 データの最終チェック
54 自由回答をカテゴリー化する
55 集計計画の立て方
56 クロス集計とクロス分析のポイント
57 グラフ作成のポイント
58 調査報告書の作成ポイント

第2部 統計解析はこうして進める!

第7章 統計解析の基本を押さえる
59 統計解析の基本を押さえよう
60 度数分布とは
61 代表値とは
62 範囲と標準偏差とは
63 歪度と尖度とは
64 グループ間の比率の検定◉カイ2乗検定とは
65 平均値の差の検定◉t検定と分散分析とは
66 相関係数とは
67 単回帰とは
68 カテゴリーの得点化◉シグマ値法とは
・column アンケート調査の嘘

第8章 多変量解析はこうして進める
69 多変量解析にはこんな種類がある
70 マーケットの市場性を予測する◉重回帰分析
71 0から1の間の比率を予測する◉プロビット分析
72 カテゴリーデータから予測する◉数量化I類
73 新製品コンセプトの最適な組み合わせがわかる◉コンジョイント分析
74 属するユーザーグループを予測する◉判別分析
75 属するユーザーグループを非線形モデルで予測する◉ロジスティック回帰分析
76 カテゴリーデータを用いて判別する◉数量化II類
77 消費者心理を探り、イメージを分析する◉因子分析
78 マーケットをセグメントする◉クラスター分析
79 1か0のカテゴリーデータを用いてイメージをパターン分析する◉数量化III類
80 クロス集計表の表頭・表側カテゴリーを同じ空間にマッピングする◉コレスポンデンス分析
81 ブランドをポジショニングする◉多次元尺度法
82 因果関係をモデル化する◉共分散構造分析
83 多様な評価基準から意思決定するための◉AHP(階層化意思決定分析法)
さくいん

酒井 隆 (著)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2012/1/26) 、出典:出版社HP