外国人労働者の採用・雇用をめぐる実務相談 Q&A

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Q&A形式でわかりやすく解説

外国人労働者の受け入れが推進されている中で、積極的に外国人採用を行なっていこうと計画している経営者の方も多いのではないでしょうか。本書では、行政書士・社会保険労務士として外国人労働者に関する労務相談業務を行っている筆者が、聞かれることの多い質問を中心に設問形式で外国人雇用について解説していきます。

若松絵里 (著)
出版社 : 清文社 (2019/10/7)、出典:出版社HP

はじめに

現在、日本に在留する外国人は273万人、その中で国内の事業所に雇用されて働く外国人労働者の数も146万人を超え、いずれも5年連続で過去最高の数字を更新しています。また、2019年4月に施行された改正入管法によって、在留資格「特定技能」が創設され、特定産業分野の労働現場では外国人労働者の受入れが解禁されました。周知のとおり、少子高齢化に起因する日本の労働力不足は深刻で、最新の有効求人倍率は1.63倍を記録し、日本人の労働力人口は2040年までに毎年十数万~百万人単位で不足していくという予測もあります。

このような状況の下、外国人労働者受入れ推進の波は、今後ますます高まることはあっても縮小していくことはないでしょう。この流れを受けて、これまで本格的に外国人を雇用したことがなかったけれど、今後は積極的に外国人採用を行っていこうと計画されている中小企業の皆様も多いのではないかと思います。筆者は2005年に行政書士・社会保険労務士として独立開業して以来、現在まで、外国人の就労ビザ申請を中心に、就業規則や各種規程の英文翻訳また外国人労働者に関する労務相談業務などを行っています。

本書では、以上の業務を通じて、お客様よりいただくことの多い質問を中心に、設問集形式で解説をしています。外国人雇用に関する基礎知識に始まり、「採用決定前」の必要な確認項目、雇用契約を結ぶときの注意、「採用決定後」に行う就労ビザ申請、「入社後」の外国人特有の届出や労務管理などシーン別に分かれていますので、皆様の必要に応じて事例を検索してください。また、人事担当者の皆様や中小企業の雇用主の皆様が遭遇する雇用現場の実務において、すぐに役立てていただけるよう、様々な申請や届出について、できるだけ多くの記載例を掲載しました。

加えて、通常はインターネットなどで検索することが難しい、必要書式の日本語と英語併記版についても可能な限り掲載しています。たとえば、
・雇用契約書(就業規則がないことを前提とした書式)
・秘密保持誓約書
・業務委託契約書
・在籍証明書
・履歴書
・(労働基準法規定の)退職証明書
などは筆者のオリジナル版になりますが、必要に応じてご利用いただければ幸いです。

以上、本書が御社の外国人雇用の実務において、お役に立つことを心から願っております。

2019年8月
行政書士・社会保険労務士
若松絵里

若松絵里 (著)
出版社 : 清文社 (2019/10/7)、出典:出版社HP

目次

第1章 外国人雇用の基礎知識Q&A
Q1-1日本における外国人雇用の現状はどうなっていますか?
Q1-2入管法の改正で何が変わったのですか?
Q1-3技能実習制度とは何ですか?
Q1-4外国人の在留資格・ビザ(査証)とは何ですか?
在留資格一覧表
Q1-5外国人採用手続きの流れを教えてください(すでに日本に在留している外国人を採用する場合)。
Q1-6外国人採用手続きの流れを教えてください(海外から外国人を呼び寄せ
る場合)。

第2章 外国人労働者採用前の実務Q&A
Q2-1求人募集に外国人留学生が応募してきました。採用して就労ビザを取得できるのかわかりません。どんなことをチェックすればいいのですか?
Q2-2求人募集に外国人の転職希望者が応募してきました。採用して就労ビザを取得できるのかわかりません。どんなことをチェックすればいいのですか?
Q2-3求人募集に、海外に住んでいる外国人が応募してきました。採用して就労ビザを取得できるのかわかりません。どんなことをチェックすればいいのですか?
在職証明書の記載例(日英)
Q2-4外国人の採用を内定したので、雇用条件を理解してもらうために雇用契約書を交付したいと思います。どのように作成すればいいでしょうか?
雇用契約書の記載例(日英)
Q2-5外国人の雇入れにあたり、秘密保持契約や競業避止契約を取り交わしたいのですが、どのようにすればいいのでしょうか?
秘密保持義務条項の記載例(日英)
競業避止義務条項の記載例(日英)
秘密保持契約の記載例(日英)
◆外国人を採用する前のチェック・リスト

第3章 就労ビザ取得の実務Q&A
Q3-1就労ビザの審査については、雇用主の事業規模によって、提出書類や審査期間に違いがあるのでしょうか?
Q3-2財務状況が厳しく債務超過に陥っている企業ですが、立て直しのために外国人採用を必要としています。就労ビザ取得のために企業が備えておく要件があれば教えてください。Q3-3雇用予定の外国人の給与額について、どの程度に設定すれば就労ビザが許可されるのか目安を教えてください。
Q3-4外国人と雇用契約ではなく、業務委託契約を結んで働いてもらいたいと思います。就労ビザの取得は可能ですか?また、労働保険や社会保険の手続きは必要ですか?
業務委託契約書の記載例(日英)【講師業務】
Q3-5就労ビザ申請について、書類作成や申請手続きを外国人本人に全て任せて大丈夫でしょうか?事業主として、どの程度まで手続きに関わればいいのか教えてください。
Q3-6外国人留学生(四年制大学卒業者)を新規採用することになりました。就労ビザの取得手続きについて教えてください。
在留資格変更許可申請書の記載例
雇用主作成による雇用理由書の記載例
Q3-7外国人留学生(国内専門学校卒業者)を新規採用することになりました。就労ビザの取得手続きについて教えてください。
Q3-8当年9月に大学院を卒業した留学生に内定を出しましたが、入社は翌年4月になります。内定待機中に必要な就労ビザについて、どのような手続きをすればいいのか教えてください。また、本人の生活費支弁のため、内定待機中に当社でアルバイト就労をさせることは可能でしょうか?
内定企業発行の誓約書の記載例(内定待機のための「特定活動」への在留資格変更申請時)
Q3-9外国人の転職者を中途採用することになりました。就労ビザの取得手続きについて教えてください。
Q3-10海外にいる外国人を呼び寄せて雇用したいので、就労ビザの取得手続きについて教えてください。
在留資格認定証明書交付申請書の記載例
在留資格認定証明書交付申請時に添付する履歴書の記載例(日英)
在留資格認定証明書交付申請時に添付する招聘理由書の記載例

Q3-11高度人材ポイント制度を利用して、高度外国人材を海外から呼び寄せたいので就労ビザの取得手続きについて教えてください。
Q3-12求人募集に「高度専門職」の外国人が応募してきました。採用にあたり、在留資格変更手続きを行う必要があるとのことですが、雇用主として何をすればいいのでしょうか?
Q3-13「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格を保持する外国人が応募してきました。採用にあたり、どのような留意点がありますか?
Q3-14外資系の日本法人です。海外本社に在籍している社員を日本法人に転勤で呼び寄せたいと思います。就労ビザの手続きについて教えてください。
Q3-15日本にワーキングホリデーで滞在し、アルバイト中の外国人を正社員として雇用したいと思っています。就労ビザの手続きについて教えてください。
Q3-16海外の大学に在学中の外国人学生を招へいし、インターンシップとして働いてもらいたいと思っています。就労ビザの手続きや滞在中の社会保険に関する手続きなどについて教えてください。
Q3-17海外から呼び寄せる社員が妻子を伴い来日する予定です。妻子に関するビザの取得手続きについて教えてください。
Q3-18在留資格「特定技能1号」で外国人を雇用したいと思っています。採用手続きの流れについて教えてください。
Q3-19飲食店で、調理担当・ホールスタッフとして外国人を雇用したいと思います。就労ビザは取得できますか?
Q3-20外国人を販売スタッフなど、主に日本人客対応の接客専業職として雇用したいと思っています。就労ビザは取得できますか?
Q3-21採用を内定した外国人の就労ビザ申請が許可されませんでした。再度申請をして許可を得る可能性はあるでしょうか?また、再申請はどのように行えばいいのでしょうか?
Q3-22人材派遣会社が外国人を採用して、就労ビザを取得し、顧客企業に派遣することはできますか?また、外国人を派遣社員として雇用する場合、使用者としての責任は派遣会社と派遣先企業のどちらが負担するのでしょうか?
◆就労ビザ取得に必要なチェック・リスト

第4章 外国人労働者採用後の実務Q&A
Q4-1外国人社員が入社(退職)しました。出入国在留管理庁・ハローワーク・年金事務所に対して行う届出について教えてください。
中長期在留者の受入れに関する届出の記載例【入社時】
厚生年金保険被保険者アルファベット氏名(変更)届の記載例【入社時】
外国人雇用状況届出書の記載例【退職時】
Q4-2外国人社員が増えてきたのですが、外国語版の就業規則または翻訳文の作成は必要でしょうか?また、作成する場合は、どのような点に気をつければいいのでしょうか?
Q4-3外国人社員が、厚生年金の加入を了解してくれません。どのように説得すればいいでしょうか?
Q4-4海外の子会社から派遣されてくる外国人派遣者の社会保障協定のしくみと手続きについて教えてください。
Q4-5外国人社員が、母国にいる母親を健康保険の扶養家族にしてほしいと希望しています。どのような手続きをすればいいのか教えてください。
Q4-6外国人社員に借り上げ社宅を提供したいと思います。家賃の控除やその他、社宅使用上の注意点など、日本人に対する取扱いと異なる点がありますか?
Q4-7在留資格「経営・管理」である外国人の代表取締役、留学生、ワーキングホリデー中のアルバイトに関する労働保険と社会保険の適用について教えてください。
Q4-8在留資格「日本人の配偶者等」で就労している外国人社員が、配偶者と離婚したそうです。このまま雇用を継続することは可能でしょうか?
Q4-9外国人社員の職務変更を検討しています。変更する職務に制限はありますか?
Q4-10退職する外国人社員に、退職証明書の交付を求められました。次回のビザ更新にも必要だそうです。どのような形式の退職証明書を発行すればいいのか教えてください。
退職証明書の記載例(日英)
Q4-11能力不足を理由に、試用期間中または本採用後に外国人社員を解雇したいと思っています。解雇の手順や必要な手続きなど、注意点があれば教えてください。
Q4-12外国人社員に対して、会社都合の退職勧奨を行い、自発的に退職してもらうことになりました。退職する社員のために必要な手続きはどのようなものがありますか?
Q4-13外国人社員が帰国することになったため、厚生年金の脱退一時金の申請を希望しています。雇用主としてサポートしなければいけないことを教えてください。
◆外国人を採用した後のチェック・リスト

索引

COLUMN
1在留資格≠就労ビザ?!
2資格外活動許可とは
3在留資格の取消し制度

若松絵里 (著)
出版社 : 清文社 (2019/10/7)、出典:出版社HP