マンガでやさしくわかる物流

【最新 – 物流について学ぶためのおすすめ本 – 基礎知識から最先端まで】も確認する

物流の全体像がやさしくわかる

工場などの生産現場では効率化や陰湿管理の視点から標準化が推進されてきましたが、物流工程の標準化は遅れています。しかし、近年物流工程の標準化を推進する流れが加速してきています。本書では、物流の基本、未来について解説しています。難しい言葉を使わず、誰にでもわかるようにマンガも織り込まれているため、物流の導入本としておすすめです。

(著), 角井 亮一 (監修), 円茂 竹縄 (その他)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2017/12/23)、出典:出版社HP

はじめに

最初の本から、この書籍で24冊になります。皆さまのおかげです。ありがとうございます。 2001年刊の『よくわかるIT物流」から7年ですから、相当早いペースです。しかも、これらはほぼ1万部を超えていますので、より多くの人に「物流」の理解を深めてもらいたいという 【初志(しょし)】は、まだまだ道半ばではありますが、少なからず実現されているのではないかと感じています。

ここで出てきた【初志】という言葉は、角井が船井総合研究所在籍当時(25歳)、本部長だった佐藤芳直氏が経営会議で話していたものです。今は、私が社内での会議や当社のバリューブック「イー・ロジットバリュー」でも紹介しています。社内だけにとどまらず、物流業界最大と自負するメルマガで毎年4月頃に紹介し、依頼される企業研修や当社の集合研修でも、 若手が多いときには、【初志】という話をします。

あなたにとっての【初志】とは、なんでしょうか? 初志とは、読んで字のごとく、初めの志(こころざし)です。仕方なく物流に関わることになったなんて、残念な話はしないでください。そんな想いを持った瞬間から、睡眠時間以上に1日の時間を費やす仕事がつまらなくなり、人生が楽しくなくなります。最初に「志(こころざし)」を立てるから、仕事にやりがいが出て、楽しくなるのです。仕事だけではありません。勉強もそうです。

私の出身校である上智大学のキャリアセンター主催のOB、OGとの交流会のお手伝いをしていたときに感じたことですが、希望の就職先に行く学生には共通項が2つあります。 1つめは、何かを体現するサークルや体育会系に入っていること。プロジェクトや大会など目標を持って、学生生活を送った人です。そしてもう1つは、社会人慣れをしている人です。20代だけでなく、50代、60代のOB、OGに素直に質問したりして、教えを請うています。学校の先生に対しても同じです。「先生に媚を売って…」と後ろ指を指す人がいるかもしれませんが、それは妬みです。先生はもっとも近い社会人ですから、どんどん質問、相談をして、勉強以外のことも教えてもらうべきです。

最初の共通項は、まさに【初志】なのです。社会人でも学生でも、初志を持つことで、自身の人生が楽しめるようになります。角井が書籍を書き始めたときの初志は、「より多くの人に「物流」の理解を深めてもらいたい」ですから、小難しい言葉を使わず、誰にでもわかりやすく書いています。とくに本書は、初めての物流関連の授業や研修でも使えるように、マンガも織り込んでいます。マンガなんて不謹慎だ!」と一刀両断せずに、最初の一歩で転ばない(苦手意識をつくらない)よう、ぜひ導入本として ご活用いただき、より高度な物流の知識や知恵に触れるようにしてください。

2017年1月
秋葉原の自宅より、
株式会社イー・ロジット 代表取締役社長 角井亮一

(著), 角井 亮一 (監修), 円茂 竹縄 (その他)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2017/12/23)、出典:出版社HP

目次

プロローグ 物流の基本
STORY どうすればいいんだろ
物流サービスが企業の売上げを左右する
流通が需要と供給を結び付ける
吉野家 : 歩く必要のない店舗レイアウト
ドトール:1人で切り盛りできるカウンターレイアウト
サブウェイ : 物流改革で売上げと店舗数を拡大

第1章 物流の6大機能
STORY わが社の物流の問題点ってなんだろう?
11 ものを運送する : 輸配送
1-2 ものをストックする:保管
1-3 あらゆる場面で発生する物流作業 : 荷役
1-4 品質を維持し、付加価値を高める:包装
1-5 販売する形に変える :流通加工
1-6 タイムリーに物流情報をつかむ : 情報処理

第2章 企業における物流
STORY 物流にはビジョンが必要です
2-1 物流なくして売上げは立たない
2-2 物流思考と戦略物流思考
2-3 流通の3機能 : 商流、物流、情報流
2-4 戦略物流の8大機能:管理
2-5戦略物流の8大機能 : 調整
2-6 物流現場は企業の末端ではなく最前線
2-7 物流コスト算出
2-8 物流現場改善
2-9 物流KPI
2-10 物流共同化(共同物流、共同配送、共同宅配)

第3章 物流で成長する
STORY 物流はボディブロー・ローキック
3-1 物流はボディブロー・ローキック
3-2 これからはスーパーコンビニエンス
3-3 物流サービスという付加価値
3-4 物流サービスレベル : スピード
3-5 物流サービスレベル:サービス率・納品率
3-6 – 在庫は現金と思いなさい
3-7 現場の生産性向上はパート社員の管理から
3-8 品質=人質、人の能力が品質を決める

第4章 これからの物流
STORY 利益の源泉は物流にあり!
4ー1_委託先との連携委託先メンバーも物流現場の仲間
4-2 運送会社との連携――若手のドライバー不足が深刻
4–3 需要予測よりサイクルタイムの短縮(予測は外れる)
4-4 宅配危機(再配達問題への対策)
4-5 業種特化型の3PL

エピローグ 進化した物流の未来
STORY 物流は日々進化している
未来の物流(もっと効率的になっていく)
ドローンと自動運転
物流ロボットの拡大
物流IoT(電子タグ)の可能性

(著), 角井 亮一 (監修), 円茂 竹縄 (その他)
出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター (2017/12/23)、出典:出版社HP