新版 ビールの図鑑

【最新 – ビールについて知識を深めるためのおすすめ本 – ビールの歴史からおいしい飲み方まで】も確認する

もっとビールが美味しくなる知識

初めて興味を持った、関心を持ちつつあるような人が、最初に手にする本としては非常に充実した内容です。写真やイラストが綺麗で見やすいですし、本文もビール醸造の基礎から楽しみ方までわかりやすく解説してあります。本書でまずは基本的なことを知り、少しずつ知識を広げていくとよいでしょう。

一般社団法人日本ビール文化研究会 (監修), 一般社団法人日本日本ビアジャーナリスト協会 (監修)
出版社 : マイナビ出版; 新版 (2018/5/29)、出典:出版社HP

CONTENTS

INTRODUCTION意外に知らない!?ビールの常識

PART1
世界のビールを知ろう
BEERINTHEWORLD
おいしくて楽しい世界のビール131本

ドイツ
エリアマップ
ドイツの主なスタイル

ベルギー
エリアマップ
ベルギーの主なスタイル

イギリス/アイルランド
エリアマップ
イギリス/アイルランドの主なスタイル
イギリス
アイルランド

その他のヨーロッパ
その他のヨーロッパの主なスタイル
チェコ
オーストリア
デンマーク
オランダ
イタリア
ロシア

アメリカ/メキシコ
アメリカの主なスタイル
アメリカ
メキシコ

アジア
ヨーロッパから植民地へもたらされたビール
シンガポール
タイ
スリランカー
インドネシア
フィリピン
台湾
ベトナム

日本
日本の地ビール

地図で見る日本の地ビール
東日本編
西日本編

PART2
ビールの基礎知識
ビールの歴史
ビールの原料
麦芽
ホップ

副原料
酵母

ビールの製造工程
1製麦工程
2仕込工程
3発酵・貯酒工程(主発酵)
4熟成・貯酒工程(後発酵)
5ろ過または熱処理
6パッケージング

ビールのおいしさの秘密

香り

ビールの飲み方と温度
ビアグラスでおいしく飲む
楽しみ方いろいろビアグラス図鑑

PART3
もっとビールを楽しもう
ビア・バーの楽しみ方
ビア・バー通になる方法
ビールに合う食事の選び方

おうちビアを楽しむ
3度注ぎでおいしさUP!
保存と冷やし方の基本
ハーフ&ハーフのつくり方
ビアカクテルのつくり方

COLUMN
オクトーバーフェストに見る世界のビール祭り
本場でしか味わえない、カスクコンディションの魅力
世界のビールと季節の楽しみ方
人気上昇中!日本のクラフトビール祭り
ビールができるまでを見に行こう
ビールの資格

ビールを楽しむ用語集

BEERINDEX
国別
スタイル別
ビール名
生産元

系図で覚えるビアスタイル

問い合わせ先一覧

一般社団法人日本ビール文化研究会 (監修), 一般社団法人日本日本ビアジャーナリスト協会 (監修)
出版社 : マイナビ出版; 新版 (2018/5/29)、出典:出版社HP

INTRODUCTION

意外に知らない!?
ビールの常識
世界中を見渡せば、ビールの種類は多種多様にあります。
黄金色のものから真っ黒のもの。
アルコール度数が2%程度のものから10%以上のものだってビールです。
多彩で楽しい、ビールの世界を紹介します。

ビールはどんなお酒?そう問われたら、あなたはどう答えますか。「黄金色で透明感があり、アルコール度数は5%程度。苦みが強くて、炭酸がきいているお酒!」こんなイメージでしょうか。
しかし、ビールにはさまざまな種類(スタイル)があります。色は明るい黄色から真っ黒までありアルコール度数も2~3%のものから10%を超えるものまで揃っています。「フルーティーな香りやこうばしい香り、若草を「思わせる香り。苦いもの、甘いもの、酸っぱいもの。冷やした方がおいしいもの、ゆるめの方がおいしいもの。さらさらとのどごしのよいものもあれば、どっしりしてまったりと飲みごたえのあるものまで、多岐にわたります。この多彩な香りや味わいは、原料である麦芽、ホップ、水、酵母の組み合わせによって生まれています。その他の副原料を使うこともあります。
これほど広い領域をもったお酒は、ほかにないのではないでしょうか。奥深く多彩なビールの世界を知れば、どんなときにもどんな場所でも、どんな仲間とも、どんな料理とも、必ず合うビールを見つけ出すことができます。ビールは、みなさんが知っている以上に、万能な飲み物なのです。

銘柄は一万本以上ビールは世界で愛されている
ビールづくりは世界各地で盛んに行われています。
いまなお進化を続け、その銘柄は一万本以上ともいわれます。
主には欧州、北米、アジアにその世界が広がっています。

歴史と伝統に彩られたビール
ヨーロッパ
EUROPE
イタリアやスペイン、フランスなどブドウが採れる地域では、ワインを中心とした食生活が発達しました。一方、それより北にあたる地域では、ブドウに代わり麦による酒づくりが行われています。とくに、ドイツからチェコ、ベルギー、イギリス、アイルランドといった地域では、それぞれの地域に根づいた特徴のあるビールが誕生。何百年という歴史と伝統をもつ醸造所も存在します。

いま一番進化しているビール
アメリカ
AMERICA
北アメリカの先住民は酒造文化をほとんどもたなかったため、入植者たちが母国のスタイルをもとにビールをつくり始めました。ライトラガーから発展したアメリカは、禁酒法や大手企業の寡占化などを経て、現在ではクラフトビールの先駆国的存在になっています。

日本人の口にもよく合う
アジア
ASIA
現在のアジアのビールと直接繋がる土着のビール文化は見つかっていません。北米と同じく、ビールはヨーロッパから持ちこまれたことに始まります。スリランカなど、イギリスの植民地だった地域にはエール文化も残っていますが、「多くはピルスナースタイルが世界的に流行して以降に持ちこまれたため、ライトカラーのラガーが主流となっています。

日本でもっとも飲まれているお酒は「ビール」といっていいでしょう。アルコールが飲めない人でなければ、日本で「ビールを飲んだことがない」という大人は皆無ともいえます。
しかし、ビールは日本人にとって一番なじみの「深いお酒である反面、ないがしろ”にされがちなお酒でもあります。「とりあえずビール」なんて言葉をよく使いますね。ウィスキーの銘柄、ワインの年代、日本酒の精米歩合にこだわる人は多くても、ビールとなると、種類はおろか銘柄にもこだわりのない人が多いのです。
この「とりあえずビール」。世界の酒場で言ったらどうなるでしょう。イギリスのパブやベルギーのビアカフェ、ドイツのビアハウス、アメリカのクラフトビアバーであれば、困惑されてしまいます。「ビールといってもいろいろあるから…。どれか飲みたいの?」と聞かれてしまうでしょう。
「とりあえず」が共通語になるほど、日本人にとってビールは浸透していますが、黄金色で炭酸のきいたものが唯一無二と思われがちです。でも、それは実にもったいない思いこみ。世界には、色、香り、味わい、アルコール度数など、銘柄だけで一万本以上にもおよぶさまざまなビールがあるのですから。

スタイルを知ればビールはもっと楽しくなる
ビールを正しく、賢く知るためには、「スタイル」を知ることが一番です。
スタイルとはなにか知っておきましょう。

世界には100種以上!ビールのスタイルとは?
日本では、ビールの種類をよく黒ビールタイプなどと“タイプ”という言葉で表しますが、世界的には“スタイル”と呼ぶのが一般的です。
このスタイルは、まず大きく「エール(上面発酵ビール)」と「ラガー(下面発酵ビール)」と「自然発酵ビール」の3つに分けることができます。さらに発祥国や色、アルコール度数、苦み、香りなどにより、細かく分類されます。
スタイルは各種ビアコンペティションのガイドラインとして利用され、もっとも細かいものでは150を超えるスタイル分けが提示されています。

スタイルを知れば、好みのビールがわかる!
スタイルを把握していれば、ビールを選ぶ際、開栓するまでもなくその中身を大まかに知ることができるようになります。なぜならビールの銘柄やラベルには、スタイルを表す言葉が使われているからです。とくに海外ビールやクラフトビールには必ずといっていいほど表示されています。
たとえば、「アメリカン・ペールエール」といった文字がラベルに書かれていれば、「シトラスを思わせるアメリカ産ホップの香りと苦みが印象的なビールだ」といった具合に、中身を推測できるのです。

スタイルを知るための専門用語を覚えておこう
ビールを表現するためには、テイスティング用語を知っておく必要があります。まずは覚えておきたいワードを紹介します。

基本用語
アロマ
飲む前に鼻から感じる香り。

外觀
色、透明感、泡立ち、泡もちなど、グラスに注いだ状態を表現。

ボディ
のどを通り越す抵抗感。さらりと飲みこめるものはライト、どっしりと重く通りすぎるものはフル、中間をミディアムと表現。

フレーバー
口に含んだ際に感じる香りや味わい、バランス、後口など。香味ともいう。

アロマとフレーバーを表すための用語
外観を表すための用語

カラメル
砂糖を焦がしたこうばしクローブを連想するこうばしい香り。

トースト香
パンを焼き上げた時に感じる香り。

スモーク香
燻製や煙、たき火を思わせる香り。

エステル
フルーティーな香り。

フェノーリック
クローブを連想するスパイシーな香り。

ダイアセチル
バタースコッチ、バターの香り。

DMS
コーン缶を開けたときに感じる香り。

日光臭(スカンキー)
ネコのおしっこや獣臭に近い不快な香り。

外観を表すための用語
ヘッドリテンション
ヘッドはグラスに注いだときの泡をさす。ヘッドリテンションは泡もちのよさ。

低温白濁(チルヘイズ)
低温時にビールが濁る現象。タンパク質などが原因。

世界中のスタイルから好みのビールを見つけよう
スタイルには、原則的にそれぞれ発祥した国があります。どの国にどんなスタイルがあるのかを見てみましょう。好きな国を見つけて、その国のスタイルのビールを飲んでみるのもいいですね。

ビールは主に2つの発酵で分けられる
スタイルは大きく、常温に近い温度で発酵する香り高い「エール(上面発酵)」と、低温で発酵するすっきりした「ラガー(下面発酵)」に分けられます。
主にドイツやチェコ、ベルギー、イギリスから始まったスタイルは、各地に広まり、その土地のよさを取り入れながら新しいスタイルへと進化していきました。なかでも、アメリカでは近年のクラフトビール人気の流れを受けて、数多くの「アメリカンスタイル」が生まれています。
その他、野生酵母でつくる「自然発酵」や、「ハイブリッド」など、上面でも下面でもかまわないスタイルも存在します。
細かいスタイルを覚える前に、まずは発酵の特徴を知っておくとよいでしょう。

ドイツ
GERMANY
主流はラガー。地域性に富んだスタイルが揃う。
エール(上面発酵)
ケルシュ
アルト
ヴァイツェン/ヴァイス(ヘーフェ・ヴァイス、クリスタル・ヴァイス、デュンケル・ヴァイス)

ラガー(下面発酵)
ヘレス
ジャーマン・ピルスナー
デュンケル
オクトーバーフェストビア
シュバルツ
ボック(ドッペルボック、アイスボック、マイボック)
ラオホ
ドルトムンダー

ベルギー
BELGIUM
ハーブやスパイスを使用したスタイルが多い。
エール(上面発酵)
ベルジャンスタイル・ホワイトエール
ベルジャンスタイル・ペールエール
ベルジャンスタイル・ペールストロングエール
ベルジャンスタイル・ダークストロングエール
セゾン
スペシャル・ビール
フランダース・レッドエール
フランダース・ブラウンエール
ダブル
トリプル
アビィビール

自然発酵
ランビック

各国のおもなスタイルビールの種類はスタイルの発祥した国で分類するとわかりやすいです。主な国はドイツ、チェコ、イギリス、ベルギー、アメリカなど。

イギリス
THEUNITEDKINGDOM
華やかな香りが特徴の、エールビールが中心。
エール(上面発酵)
イングリッシュスタイル・ペールエール
イングリッシュスタイル・ブラウンエール
イングリッシュスタイル・インディアペールエール
ESB
イングリッシュ・ビター
ポーター・スコッチエール
インペリアルスタウト
スコティッシュエールバーレイワイン

アイルランド
IRELAND
コク深く、苦みのあるスタウトが人気。
エール(上面発酵)
アイリッシュスタイル・ドライスタウト
アイリッシュスタイル・レッドエール

ヨーロッパ全域
EURORE
人気のピルスナーを世界に発信。
ラガー(下面発酵)
インターナショナル・ピルスナー

チェコ
THECZECHREPUBLIC
ピルスナー発祥の地。ピルスナーやダークラガーが中心。
ラガー(下面発酵)
ボヘミアン・ピルスナー

オーストリア
AUSTLIA
ドイツの影響が強く、ピルスナーやヴァイツェンが多い。
ラガー(下面発酵)
ウィンナースタイル/ヴィエナスタイル

アメリカ
THEUNITEDSTATESOFAMERICA
人気はアメリカンラガー。クラフトビールも急成長。
エール(上面発酵)
アメリカンスタイル・ペールエール
アメリカンスタイル・インディアペールエール
インペリアル・インディアペールエール

レラガー(下面発酵)
アメリカンラガー(ライトラガー、アンバーラガー)
カリフォルニアコモンビール(スチームビール)

発祥不明
THEBIRTHPLACEISUNKNOWN
昔ながらのハーブをリバイバルしたスタイル。
コーヒーフレーバービール
チョコレートビールトハーブ/スパイスビール
木樽熟成ビール

そもそもビールってどんなお酒?
ビールは麦酒と書かれるように、麦を原料とした醸造酒で、ほかの原料としてはホップ、水、酵母があります。(その他の副原料が入ることもある)

ビールの基本原料

主に大麦。ほかに小麦、オート麦、ライ麦なども。ほとんどの場合、モルト(麦芽:麦に水を与え発芽を促したのち乾燥させたもの)として使用します。


ペールエールやダークラガーなど色の濃い味わい深いビールには硬水、ピルスナーなど色の薄いシャープなビールには軟水が適しています。

ホップ
アサ科のつる性多年草。松かさ状の「球花」(きゅうか)と呼ばれる房をつけています。苦みと香り、泡もちのよさ、防腐効果などの作用があります。

酵母(イースト)
直径5~10マイクロメートルの微生物。糖をアルコールと二酸化炭素などに変えます。上面発酵酵母、下面発酵酵母、自然発酵ビールをつくる野生酵母も。

ビールの主な原料は、麦、ホップ、水、酵母。ここれらの組み合わせと分量によって、ビールはできあがります。しかし、同じ麦芽と同じ水と同じホップを使ったとしても、酵母が変わればまったく違った香りと味わいのビールに仕上がります。同じように、酵母、水、ホップが同じでも、麦芽が違えば、色も香りも変わります。
スパイスやフルーツ、コーヒー、チョコレートなどを使うことによっても、個性的でユニークな味わいがつくられます。

ビールの図鑑
KNOWLEDGEOFBEER
PART1
世界のビールを知ろう
ビールの世界は広大です。まずは、世界のビールにはどんなものがあるか各国の選りすぐりを紹介します。

一般社団法人日本ビール文化研究会 (監修), 一般社団法人日本日本ビアジャーナリスト協会 (監修)
出版社 : マイナビ出版; 新版 (2018/5/29)、出典:出版社HP