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【最新 – 有機化学を学ぶためのおすすめ本 – 基本から大学院入試の演習まで】も確認する
有機化学の演習問題をとことん解ける
本書は、有機化学の演習ができる本です。基本から応用まで幅広い問題を扱っており、内容としても有機化学全般を網羅しています。各章には、最新の大学院入試問題と解答例も掲載しており、大学院入試で、有機化学が必要な方に参考となる本の一つです。
※大学院入試問題は、各大学院のご厚意により、許諾を得て転載させていただきましたた だし、解答は本書の著者が独自に作成したものであり,各大学院が公表したものではありません。
※本書に関する追加の情報,資料がある場合は,化学同人ウェブサイトの本書ページに掲載。 いたします。https://www.kagakudojin.co.jp/book/b458012.html
はじめに
有機化学は,化学工業や,医薬・農薬,および機能材料の研究開発における基幹学問であり,私たちの生活にも深く関わっている,きわめて重要な学問である. 有機化学を基本とした有機合成反応を効率的に展開するには、電子的効果,立体的効果,溶媒効果などに加えて,どの試薬を用い, どの合成プロセスをとるべきかなどを的確に判断していく必要がある.これを遂行するには日頃から有機化学演習を通じて,有機構造論,有機電子論,有機反応論,および有機合成論などを整理して,理解しておく必要がある.
この演習書は,有機化学の基本から応用まで幅広く学習できるようにまとめてあり, 有機構造論,有機電子論,有機反応論,有機構造解析論,および有機合成論など,有機化学全般を網羅した総合演習書である。各章に,主要大学の最新の大学院入試問題と解答例も掲載している。大学院受験に向けて自分で問題を解く力をつけたい方,教科書の練習問題にとどまらず,もっと多く問題を解いて理解を深めたい方などに,ぜひご活用いただきたい。
また,学習のために用いるだけでなく、有機合成の現場でも役立つようにしてある. 反応機構や,重要な有機人名反応,および主要な有機合成を広く取り上げるとともに, 全合成では最近の論文からも多くの反応例を掲載した。
本書を通じて、将来の有機化学を担う若い諸君が,有機化学の理解をいっそう深め, 卓越した有機化学の研究者として、社会で大いに活躍していただければ幸いである。
最後に、本書を作成するにあたり、多くの助言やアイデアをいただき,出版に導いてくださった化学同人編集部の後藤 南氏に心からお礼を申し上げます。
2019年7月
東鄉秀雄
目次
略語表
第I部 有機化学の基礎——基本事項の確認
1. 有機化合物の構造と結合
2. 極性,水素結合
3. 電子的効果,酸・塩基
4. アルカン,アルケン,アルキン
5. アルコール,ハロゲン化アルキル, エーテル
6. アルデヒド,ケトン
7. カルボン酸,エステル, アミド, ニトリル
8. 芳香族化合物
9. 異性体
第II部 有機反応様式をマスターしよう
10. 置換反応(脂肪族化合物)
11. 付加反応
12. 脱離反応
13. 酸化反応
14. 還元反応
15. カルボニル化合物の反応
16. 芳香環の反応
17. 転位反応
18. ラジカル反応
19. ペリ位環状反応
20. 応用問題
第Ⅲ部 構造解析のトレーニング
21. スペクトルチャートからの構造解析
22. スペクトル値からの構造解析
第IV部 反応・合成のトレーニング
23. 有機反応機構
24. 有機合成反応(3~6工程)
第V部 最新の論文から
25. 先端の天然物有機合成(標的化合物の合成法)
索引
本書の構成と使い方
●各章とも「問題を解くためのキーポイント」「演習問題」「大学院入試問題に挑戦」の順に構成し,段階を踏んで学べるようにした(20章,23~25章は応用のため「キーポイント」なし). ●問題にはチェック欄■問6.1があるので、解いた問題に印をつけるなど,学習の進捗確認 等に利用してほしい。
●演習問題には「ヒント」を掲載し,問題を解く手掛かりにできるようにした。
●問題の難易度を★印で示したので、目安としてほしい。
★基本★★:標準 ★★★:やや難★★★★:難
●「問題の解答」は巻末に掲載,ポイントとなる部分は赤色で示した。