ビジュアル図解 科研費のしくみと獲得法がわかる: 応募の方法から、申請書の書き方・仕上げ方まで

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科研費を上手に獲得するためのノウハウ本

「どのようにしたら効果的に科研費を獲得できるのか」「説得力のある申請書の書き方は?」本書はこのような様々な疑問に対して、イラストを多く交えてわかりやすく回答してくれます。自身の研究に対する根本的な見方・考え方の見直しから始めることで、効果的に研究資金を獲得できるようになります。

CONTENTS

はじめに/登場人物紹介
Q&A

chapter 1 研究生活について考える
1.1 研究生活と研究資金
1.2 研究者としてのキャリアパスを考える
1.3 自分の研究はどこへ向かうのか
1.4 研究のタイプ分け
1.5 研究の位置づけ
1.6 研究計画をたてるということ
1.7 研究資金を獲得すること
1.8 研究資金を獲得すること
1.9 どんな研究資金を選ぶか
1.10 「よい研究」とは
1.11 研究者の倫理
1.12 コンプライアンス
1.13 安全対策

chapter2 競争的研究資金の目的やしくみをよく知ろう
2.1 そもそも競争的研究資金って、どういう意pなのか?
2.2 競争的研究資金はどのように配分されるのか
2.3 政府の研究資金はいくらあるのか
2.4 研究支援にも目的がある
2.5 資金の費目
2.6 競争的研究資金に応募する

chapter3 科研費の特徴としくみ
3.1 科研費って何だろう
3.2 科研費の支援の目的って?
3.3 科研費には、どんな種類があるの?
3.4 科研費を知る
3.5 審査のしくみ
3.6 科研費の制度
3.7 基金化

chapter4科研費に申請する前に
4.1 応募する前に準備すること①
4.2 応募する前に準備すること②
4.3 応募ルールを確認する
4.4 研究種目や分科・細目を的確に選ぶ
4.5 あきらめずにチャレンジすること

chapter5 研究計画調書作成の実際
5.1 書類の作成には時間をかけて
5.2 「研究計画調書」に書くこと
5.3 審査員をひきつけるタイトルにしよう
5.4 「研究目的」一的確に、単刀直入に
5.5 「研究計画・方法」一欲張らずにポイントを絞る
5.6 「研究業績」 一日ごろからの準備が大事
5.7 「今回の研究計画を実施するに当たっての準備状況び研究成果を社会・国民に発信する方法」−できるかぎりポジティブに
5.8 「人権の保護及び法令等の遵守への対応」−空欄にはしないこと
5.9 研究組織の構成は最適か?
5.10 「研究経費の妥当性・必要性」 −必要性を明確に
5.11 「研究費の応募・受入等の状況・エフォート」−多ければいい?

chainter6 研究計画調書を書き終わったら
6.1 レイアウトを見直そう
6.2 最後まで気を抜かないこと
6.3 Web入力にあたって
6.4 研究計画調書作成のまとめ

channer7 いろいろな競争的研究会
7.1 戦略的創造研究推進事業−「CREST」や「さきがけ」など
7.2 まず国の考え方を知ること
7.3 イノベーションを創出するとは?
7.4 戦略的創造研究推進事業の制度の特徴
7.5 研究を発展させるために
7.6 戦略的創造研究推進事業に応募する
7.7 戦略的創造研究推進事業の3本の柱

chapter 8 おわりに
8.1 研究支援システムを活用しよう
8.2 研究人生は、研究費申請の繰り返し

体驗談
挑戦してよかった若手研究(B)
申請書類を書くのは難しくない若手研究(B)、基盤研究(C)
自分の立ち位置を考える基盤研究(C)
モチベーションを持ち続ける奨励研究
人脈やネットワークを活用する分担研究者として
審査する立場から審査員として
支援する立場から支援者として
わかりやすい文章を書くために編集者として

資料
審査の流れ
科研費の研究種目
審査基準
科研費「系・分野・分科・細目表」
審査結果の開示
国の科学技術政策を知ろう!-科学技術基本計画

コラム
いろいろな道がある/国家課題対応型研究開発推進事業/こんなにある研究助成 /NIHのグラント/研究室の安全対策/盤のための研究資金/研究者に係る要件(平成25年度の場合)/応募前に準備しておくべきこと/科研費のルール/概要の枠を広げることはできません!/書き方を工夫しよう①/書き方を工夫しよう②/自己採点をしてみよう/カルタヘナ法とは?/LaTeXを利用する/もう一度確認を/研究計画調書 提出までのチェックポイント/海外では、研究資金はどう配分される?/イノベーションを生み出した事例 /JSTが支援する研究 /評価の観点

索引

はじめに

研究するのは、大変なことが多いですが、待ち望んだデータがやっと出たり、新しいことをみつけたりすることは、何にも代えがたい喜びです。そんな喜びをまた味わいたくて、実験台に向かう日々が続きます。でも、近年は、ポジションや研究資金を得ることも容易ではなく、苦労している研究者も多いと思います。

かつて、私も大学の研究室に所属し、研究していました。その当時、さまざまな申請書類を書き、公募に応募しましたが思うようにいかず、世の中は なんて不公平なのだと思ったり、自分は研究者には向いていないのかと悲しくなったりしたものです。

今回、この本のお話をいただき、多くの研究者にお話をうかがいました。 そこでわかったことは、自分の研究や研究生活に長期的なビジョンや目的意 識がなければ、研究計画をたてることも資金をとることもできないということです。そして、研究費の目的やしくみを理解することが重要だということです。自分の研究生活を振り返ると、なんていきあたりばったりだったのだ と反省することしきりですし、数々の公募を出しても通らなかった理由がわかったような気がしました。

科研費などの研究資金を獲得するためには、申請書類の書き方を工夫することはもちろん必要ですが、まずは、根本的な研究に対する見方や考え方をかためておくことが大事だと思います。

そこで、この本では、
1.自分の研究生活ついてよく考えること
2.研究費のしくみを理解すること
3,申請書類の書き方を知ること
の三本柱でまとめています。

この本が少しでもみなさんの充実した研究生活のお役にたてればうれしく 思います。
科研費に関する情報は、平成25年度またはそれ以前のものを参考にしています。実際に応募される際は、必ず最新の情報を確認してください。

2013年6月
著者

登場人物

由香さん
某大学の助教。学位を取得後、ポスドクをしていたが、晴れて助教となる。研究に、教育にと意欲に燃える若手研究者。

教授
由香さんの指導教官でもあった。研究室のボスとしてみんなを率いている。

森山さん
由香さんの先露。大学を卒業後、企業に就職し、研究者となる。大学には共同研究者としてひんぱんに来ている。頼りになる兄貴分。