13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。

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戦国時代の「戦」についてわかりやすく解説

終わりの見えない戦乱の世である戦国時代を生き抜いた武将のエピソードは、情報革命・自然災害などが多発する先の見えない現代を生き抜くために参考になるはずです。本書は、年号や難しい歴史用語などの全くない、戦国時代の流れを理解するための解説本です。どんな年齢の人でも読むことができる入門的な内容になっています。

房野 史典 (著)
出版社 : 幻冬舎 (2020/10/22)、出典:出版社HP

はじめに

あなたは13歳ですか?

13歳であろうとなかろうと、今こうしてこの本を手に取り、ここまでの何文字かを読んでくださったことに感謝します。本当にありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いします。
大丈夫です。本書は、
“戦国時代の「戦」をわかりやすく説明した本”
なので、どんな年齢の方にでも読んでいただける内容となっております。
現代語訳でかみくだきまくって、年号をすっ飛ばしながら、歴史用語にちょっぴり説明を入れた、戦国のストーリーを知ってもらうための解説本。いわゆるブッチギリの入門書ですね。
ピックアップした戦も、有名なものばかり。これから歴史を学ぶ10代の方や、学生時代以降に歴史の知識のアップデートをしていない大人の方にとっては、戦国時代の流れ”を把握するのにうってつけの一冊です。
最新の研究にも目を通してるという歴史好きな方は、今すぐ専門書コーナーに走ってください。

さて、この本を手に取ってくれたあなたは、大なり小なり歴史や戦国時代に興味がある人だと思います。が、中には、「歴史に興味ないけど、知っておいた方がいいかな……という、見上げた向上心」VS.「やっぱ興味ないな……」を、頭の中で戦わせながら、この【はじめに】と対面してる方もおられるでしょう。
そんな人は、本編を読む前に、ちょっと聞いてもらってもいいですか。

世の中の人間は2種類に分けることができます。
歴史が好きな人、もしくは興味がある人と、
歴史が嫌いな人、もしくは興味がない人です(もはや4種類になってしまいました)。
嫌い、興味がないの原因には、「年号がウザい」「人の名前の読み方よくわかんない」「出てくる単語ややこしすぎ」などなどたくさんの要素があると思いますが、全部ひっくるめて、「自分には関係のない話」と思えてしまうからじゃないでしょうか。
歴史の話なんて自分には関係ない。信長のことを知らなくても今日もごはんはおいしいし、太閤検地がなんのことかわからなくても明日はやってくる。
ま、ホントそうですね。
歴史や戦国時代のことを知らなくても、今を生きる分には困りません。
でもね、関係があったとしたらどうですか?
歴史を知らなかったがために、損をすることになったらどうでしょう?
生きた時代が違っても、置かれた状況に共通点があったら?
偉人の行動が、現代でも活かせるものだったら?

先の見えない現代。
ITの変革による情報革命、自然災害、パンデミックが同時多発でやってくる状況なんて、これまでの人類の誰一人として経験していません。
ですが、問題の種類に違いはあれど、終わりの見えない戦乱の世――戦国時代,も、まさに先の見えない時代だったんです。
そんな激ヤバな時代を生き抜いた武将たちのエピソードが、参考にならないわけがありません。
それに、過酷な時代をフルパワーで駆け抜けた彼らは、「あいつ、すげー目立つことやってんじゃん!」とか、「○○が、部下の○○に裏切られただとぉ?」とか、「なに!○○と○○が大ゲンカしてる?この前まで仲良かったはずだろ?」とか、「ねえねえ!○○ちゃんがアップしてた情報、ちょっと盛りすぎじゃない?」などなど、現代で言えば、バズることと炎上することしかやってないんです。
そこにあるのは、失敗も成功もバズりも炎上も書いてある、生きた教科書。
命を燃やした武将たちのエモい話を知らないなんて、もったいなくないですか?
はい。てな感じで、歴史に興味がない人に向けて書かせてもらいました。
「戦国好きになって!」ではなく「ちょっとだけ知っておくと得かもよ」という感じですね。
で、このことを誰と一番共有したいかって考えたら……やっぱり10代の人たちだったんです。10代の人たちこそ「先の見えない現代」の主役になっていく存在だから、その想いもあって、タイトルにまで現れちゃったんですね(もちろんそれより下の年齢の子も、これから生まれてくる子たちも、主役です)。
ではなぜ「13歳」かというと……あまり長くなるといけません。この話は、【おわりに】で話すことにしましょう。

最後に。
「戦」をテーマにしたのは、そこに戦国時代のいろいろがつまってるからです。
『○○の戦い』のことを説明するには、登場人物、彼らの関係性、なぜ戦うことになったのか、戦いのあとはどうなったのか……を、伝える必要があるので、「戦」を1つ解説すれば、戦闘以外のあらゆるストーリーも見えてくるんですね。
人生は、勝負の連続です。
どんな人も「勝ちたい」けれど、勝ち続けることはできません。たくさん負けることもあるけど、この「負け」が実は大事だったりします。
「勝ち方」からも「負け方」からも学べることがいっぱいある。それを教えてくれるのが「戦」なんです。

それでは、13歳のきみと、これから13歳になるきみと、かつて13歳だったあなたと、戦国時代の「戦」の話をしよう。

房野 史典 (著)
出版社 : 幻冬舎 (2020/10/22)、出典:出版社HP

目次

◆はじめに

◆戦国時代……って?
パート1 プロローグの中のプロローグ
パート2 で、戦国大名……って?
パート3 Hello実力者、Goodbye政府関係者

◆桶狭間の戦い
パート1 戦国史上最大のバカが起こした戦国史上最大の大逆転
パート2 桶狭間イブ~織田家最悪前夜~
パート3 空から降る無数の奇跡とそこから得る多数の事績

◆三方ヶ原の戦い
パート1 家康、黒歴史史上最大の黒歴史
パート2 戦国おっさんずラブ
パート3 涙と未来のつまった大敗~歴史に黒も白もねぇ。
あるのは人が生きたという証だけだ~

◆長篠の戦い
パート1 鉄砲VS.騎馬~新旧激突!戦国大スペクタクルバトル~
パート2 すみません、こちら騎馬隊ですが……
鉄砲の数すごいんだけど、突撃しろと?
パート3 くるくるーくるくるー、はいまわってー、
くるくるーくるくるー……

◆本能寺の変
パート1 炎の中に消えた英雄
パート2 6月2日
パート3 動機~光秀が信長を討った理由~

◆織田信長と明智光秀
パート1 え!光秀って、そんな感じだったの?
パート2 え!信長って、そんな感じだったんだ?
パート3 え!え!ホント?もう一度聞くよ。
信長って、そんな感じだったんだ?
パート4 いつも真実が手に入ると思ったら大間違い

◆中国大返し
パート1 伝説にまみれすぎた天下人
パート2 「青天の霹靂」って言葉は、この時のためにあったのかも
パート3 音速、光速、迅速、爆速
パート4 伝説を操作した天下人

Column ちょっとここで話しておきたい
◆秀吉のその後
◆賤ヶ岳の戦い秀吉のその後パート2
◆小牧・長久手の戦い秀吉のその後パート3
◆太閤検地秀吉のその後パート4
◆刀狩秀吉のその後パート5
◆川中島の戦い

◆関ヶ原の戦い
パート1 ファミリートラブルからの全国バトルロイヤル
パート2 独裁バルーン
パート3 今こそ集え、正義の名の下に
パート4 出かけてもピンチ、出かけなくてもピンチ、これなーんだ?
パート5 人生を決めたのは、たった数時間の出来事

Column 最後に話しておきたい
◆大坂の陣

◆おわりに

◆参考文献

房野 史典 (著)
出版社 : 幻冬舎 (2020/10/22)、出典:出版社HP